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永久(とわ)の愛をこめて」(2023/06/24 (土) 08:06:19) の最新版変更点

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永久(とわ)の愛をこめて』 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  朝早く、こなたが家に押しかけてくるなり、私に紙袋を押し付けていった。  今日が二月十四日だと気づいたのは、それからしばらくあと。紙袋の中身を確認してからのことだった。  パシャ。  というわけで、さきほどから私はせっせと、こなたのお手製バレンタインチョコを写真に撮っている。いやー、これはもう一生モンのネタだよね。特にこのいかにも黒くて苦そうなチョコの上に、ホワイトチョコで書かれたメッセージが臭くて笑える。なんちゅー乙女だよ、あいつ。  パシャ。  それにしても、なかなかうまく撮れないな。あいつ、よくこんな細かい字なんか書けるわね。うーん、やっぱり光の量が足りないかな。今日は曇ってるからなぁ。部屋の灯りだけじゃ足りないか。それじゃ手元の蛍光灯も動員して。さて、もう一枚……。  パシャ。  ……え?  あらぬ方向から撮影音。もちろん私のケータイのものではない。音のした方向を振り返ると、そこにニコニコと笑顔を浮かべたつかさが、自分のケータイを持って突っ立っていた。 「なに、どうしたの」 「うん、ノックしても返事がないから。それにお姉ちゃん、思いっきりニヤけてるんだもん」 「え、ば、ばかっ。違うわよ、これは、こなたが……」  言葉を飲み込んでしまったのは、つかさの笑顔が崩れるのを見てしまったから。 「ほんと……よかった」  ぽろぽろと流れ落ちる、大粒の、涙。 「お姉ちゃん、いつも私のこと……かばって無理してた。だから……今度はお姉ちゃんの番だよ。……ひっく……幸せになってね」 「や、やめてよ、つかさ。これはほらっ、そんなんじゃないからさ」  やばっ。ちょっと感動しそうじゃない。私は傍らのティッシュに手を伸ばす。思わず零れそうになる何かを隠すために。  まさに一瞬の油断だった。 「はい、送信。ぽちっとな」  ちょ、おま。なんだ今のその不穏な発言は。 「こなちゃんがね、今のお姉ちゃんの顔が見たいって言うから」  泣いたカラスがもう笑ってる。いや待て。そこに突っ込んでる場合じゃない。 「つ・か・さ~!」 「あー、ごめんなさーい!」  つかさが逃げる。私はそれを追いかける。もうすでに手遅れだが、だからといって諦観できるほど人間できてないし。  まったく、なんてことするんだよっ。今の私の顔を見られたら、それこそ一生の笑いものじゃないか。  そう、一生だ。  たった今、そう決めた。  なによりあいつのチョコにも、そう書いてあるのだから。 『柊かがみさまへ  永久の愛をこめて  泉こなた』  ……  ……  ……  ……  …… 「……と、言うわけで、かがみ?」 「はいはい……。えーっと、  ただいま『第1回こなかがコンペ』開催中!です。  日程は、  ■投稿期間:2月14日~2月19日午前6時  ■投票期間:2月20日~2月28日午前0時  ■レス数制限:なし  となっております。参加作品は『こなかがコンペ作品投下スレ』で読めます」 「ちなみにスレはhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/anime/6076/1234455937/だよ。もう作品の投下は始まってるね」 「保管庫の投票ページは現在準備中ですが、用意できたら告知があると思います」 「なお第一回のお題は『甘い』です。歯医者の予約が必要かも……だね?」 「みなさんの投票、お待ちしてまーす」 「というわけで、最後に恒例のアレを」 「わかってるわよ。では、せーの」 「「バイニー!!」」   (Fin) (2009年02月14日、都内某スタジオで収録)  ──それでさ、かがみ。実は……。  ──な、なによ、その紙袋……。 **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永久(とわ)の愛をこめて』 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  朝早く、こなたが家に押しかけてくるなり、私に紙袋を押し付けていった。  今日が二月十四日だと気づいたのは、それからしばらくあと。紙袋の中身を確認してからのことだった。  パシャ。  というわけで、さきほどから私はせっせと、こなたのお手製バレンタインチョコを写真に撮っている。いやー、これはもう一生モンのネタだよね。特にこのいかにも黒くて苦そうなチョコの上に、ホワイトチョコで書かれたメッセージが臭くて笑える。なんちゅー乙女だよ、あいつ。  パシャ。  それにしても、なかなかうまく撮れないな。あいつ、よくこんな細かい字なんか書けるわね。うーん、やっぱり光の量が足りないかな。今日は曇ってるからなぁ。部屋の灯りだけじゃ足りないか。それじゃ手元の蛍光灯も動員して。さて、もう一枚……。  パシャ。  ……え?  あらぬ方向から撮影音。もちろん私のケータイのものではない。音のした方向を振り返ると、そこにニコニコと笑顔を浮かべたつかさが、自分のケータイを持って突っ立っていた。 「なに、どうしたの」 「うん、ノックしても返事がないから。それにお姉ちゃん、思いっきりニヤけてるんだもん」 「え、ば、ばかっ。違うわよ、これは、こなたが……」  言葉を飲み込んでしまったのは、つかさの笑顔が崩れるのを見てしまったから。 「ほんと……よかった」  ぽろぽろと流れ落ちる、大粒の、涙。 「お姉ちゃん、いつも私のこと……かばって無理してた。だから……今度はお姉ちゃんの番だよ。……ひっく……幸せになってね」 「や、やめてよ、つかさ。これはほらっ、そんなんじゃないからさ」  やばっ。ちょっと感動しそうじゃない。私は傍らのティッシュに手を伸ばす。思わず零れそうになる何かを隠すために。  まさに一瞬の油断だった。 「はい、送信。ぽちっとな」  ちょ、おま。なんだ今のその不穏な発言は。 「こなちゃんがね、今のお姉ちゃんの顔が見たいって言うから」  泣いたカラスがもう笑ってる。いや待て。そこに突っ込んでる場合じゃない。 「つ・か・さ~!」 「あー、ごめんなさーい!」  つかさが逃げる。私はそれを追いかける。もうすでに手遅れだが、だからといって諦観できるほど人間できてないし。  まったく、なんてことするんだよっ。今の私の顔を見られたら、それこそ一生の笑いものじゃないか。  そう、一生だ。  たった今、そう決めた。  なによりあいつのチョコにも、そう書いてあるのだから。 『柊かがみさまへ  永久の愛をこめて  泉こなた』  ……  ……  ……  ……  …… 「……と、言うわけで、かがみ?」 「はいはい……。えーっと、  ただいま『第1回こなかがコンペ』開催中!です。  日程は、  ■投稿期間:2月14日~2月19日午前6時  ■投票期間:2月20日~2月28日午前0時  ■レス数制限:なし  となっております。参加作品は『こなかがコンペ作品投下スレ』で読めます」 「ちなみにスレはhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/anime/6076/1234455937/だよ。もう作品の投下は始まってるね」 「保管庫の投票ページは現在準備中ですが、用意できたら告知があると思います」 「なお第一回のお題は『甘い』です。歯医者の予約が必要かも……だね?」 「みなさんの投票、お待ちしてまーす」 「というわけで、最後に恒例のアレを」 「わかってるわよ。では、せーの」 「「バイニー!!」」   (Fin) (2009年02月14日、都内某スタジオで収録)  ──それでさ、かがみ。実は……。  ──な、なによ、その紙袋……。 **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-06-24 08:06:19)

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