ハロウィンの起源~「けちんぼジャック」の童話より~
それはそれは昔のこと、ジャックと言う鍛冶屋がおりました。ジャックは、けちんぼで怖くて意地悪で皆の嫌われ者。その性格の根性悪さは「悪魔ですらかなわない」と世間のうわさになるしまつ。
さて、それを聞きつけた地獄の悪魔、悔しさのあまり大憤怒。自分より評判が悪い人間がいるなんて許せない、名誉に掛けてけちんぼジャックをこらしめてやろう、とはるばる地獄からジャックに挑戦にやって来た。
しかし、さすがいじわるジャック、鮮やかに悪魔をだまし手玉に取り、さんざん痛めつけて、泣く泣く地獄へ退散させてしまった。
さて、時は流れ、ジャックは年を取り、死んでしまった。
天国の扉は最初から開かれず、それではと地獄の門を叩くと、門から顔を出したのは例の悪魔。
しかし悪魔はジャックに「頼むからお前だけは、来ないでくれ」と地獄に入れてくれない。
「だったら俺はどこへ行けばいいんだ、周りは暗いし何も見えないよ」と文句を言うジャックに、悪魔はランプを渡してやる。それは、かぼちゃの中身をくりぬいてロウソクを立てたランプだった。
そんなわけで、今でもジャックは自分の行くべき場所を探して、かぼちゃのランプ(Jack-o'-lanternジャックの灯り)を持って、うろついているのだ。夜、池や沼の近くでちらちらゆれている明かり、あれはさまよう魂だとか、鬼火だとか色々言う人がいるけれど、本当は何の灯りなのか、もうこれでわかったよね。
そして、これが、お化けやかぼちゃのランプを飾る、ハロウィンのお祭り(10月31日)のきっかけになったそうな。
<アメリカの童話「けちんぼジャックとあくま(エドナ・バース著)」より>
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最終更新:2009年10月30日 12:21