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「明日菜さん!ドコにいるんですか?」
「刹那さん、こっちにはいません。」
「あとは…世界樹公園…」

「明日菜さん!」
「明日菜さん、どこにいるんですか?」
なぜ、明日菜はこのかを殺したのかは分からない。
しかし裏に何か秘密がある事は間違いない。

「あ、いました!あそこです!」

そこにいたのは全身黒ずくめの男と、その男に抱き抱えられる様に気絶している明日菜。
「あ、明日菜さん!」
「貴様!何者かは知らんがその女性を放せ!」
二人とも身構える。
しかし、男は何も言わず、コートのポケットから鉄の塊を取り出すと、ネギに向かって投げつけた。
「ま、まずい!ネギ先生、伏せて!」
「え?」
パァン…
突然、目の前を強烈な光が全てを包み混む。
「くっ、閃光弾か…。」
うっすらとした光の霧の中に、男が明日菜をかかえてにげる様子がぼんやりと映っていた。

「明日菜殿を連れて来たでごさる。」
教会の裏の霊園に先ほどの黒ずくめが立っている。
「ご苦労、よくやってくれた。」
黒ずくめの前には少女が墓石の前でぼさーっと立っていた。
「いつまでこんな事を続ける気だ。いい加減やめるでござるよ。」
男…いや、長瀬楓は縁の深い帽子を取り、細い目で目の前の少女を睨みつける。

「そうはいかない。もうクラスは止まらないよ…。クラスのほとんども今の状況を望んでいる。」
少女は哀しそうな顔で目の前の墓石を蹴り倒した。
「馬鹿な…、みんなが望んでいるだと…」
「そう…。だいたいこの女も以前はそういうタイプではなかった。明るく、ニコニコと笑って、優しくて…。」
少女は目の前に転がる墓石を思いっきり踏み付けた。
「しかし今は、暗く、そして残忍で、話しかけるのも嫌なほど、周りから浮いた存在になり…、そして殺された。」
「…」
「やられる側の人間だってそうだ。最初は互いを庇い合うこともあったかもしれない。
しかし、段々それも崩れていき、かつては庇い合った仲間も、やる側とやられる側に分かれる。
鳴滝姉妹がいい例だ。彼女たちは今を楽しんでいる…、やる側として。」
「…」
楓は言い返す事が出来なかった。
「このかさんも鳴滝姉妹もやる側として、今を楽しんでいる。まぁこのかさんは調子に乗って殺されたけどね。」
「…」
「楓さんが辞めたいと言うのなら、私は止めない。でもその代わり、鳴滝姉妹はやる側からやられる側に一変する。ただそれだけ…」
「そこまでだ!!」

突然、茂みのほうから龍宮真名が姿を表す。
「楓、クナイを捨てろ。」

龍宮の瞳孔の開いた目が楓を捕らえる。
楓のクナイは少女の首筋にまで伸びていた。
観念したのか、その場にクナイを落とし、龍宮に背を向け、何も言わずに歩いていってしまった。

「すまないね、龍宮さんのおかげで明日菜さんを奪還できたよ。」
「お前も無茶な事をやらせる。明日菜だけに見える様に銃をちらつかせてパニックにさせるのは大変だったぞ。
おまけに、訳の分からない男に攻撃された。」
龍宮の右手に巻かれている包帯が真っ赤に染まっている。
「訳の分からない男?」
「ああ、まぁ少しだけ武に心得のある優男って所だろう、恐らく楓と互角くらいだな。」
「ほう…。」
少女はどうでもいいという顔で、龍宮の話を聞いている。

龍宮が少女から謝礼金を貰って消えたあと、少女は倒れた墓石をジッと見つめていた。
きれいに加工された石には、近衛と彫ってある。つまりここは近衛このかの墓なのだ。
供えられた花は枯れ、線香を置く銀色の器は線香の灰で小汚なくなっている。
「憐れ…、近衛このか。人は死んでしまったらもうおわり…、もう学校の時の様に威張る事も出来ない…。」
そうして少女は憐れな墓石に背を向け、歩いていった。


「あ、そうそう。」
突然、何かを思い出した様に振り返り、
「憐れなアナタに免じて、ネギ坊主と刹那サンには、黙ってておいてあげるネ。感謝するヨロシ。」
少女は気絶している明日菜を拾い上げ、姿を消した。


「あの…、刹那さん。明日菜さんとこのかさんの事についてなにか心当たりがありますか?」
「いえ、私の前ではそのような素振りは…。」
誰もいない世界樹公園。その真ん中で二人は地に座りながら異常に巨大な世界樹を眺めている。
「もしかして…、知らないの、僕たちだけですかね…?」
「明日菜さんの様子を見るとおそらく…」
季節に似合わない冷たい風がふらりを包み始めた。


恩人の失踪に動揺するネギ。
そして、さらに激化するクラスの不陰気
そして、またネギの前に姿を表す謎の怪人

次回「イジメ」