※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

ネギにとってみれば、そんなに難しい事ではない。しかし…
ー本当に信用していいのだろうか…
さっきの奴隷人形が頭から離れないネギは、このまま死ぬまでこの男の奴隷として働く事になるのではないかと心配で仕方がなかった。

「失礼しました。早速始めましょうか。」
ネウロは部屋に入るなり、軽く手を叩きながら部屋の中心まで歩いていく。
そしてそのあとを追うようにネギも部屋に入ってゆく。
「あの…、これからなにが…。」
「そ、そうよ!なにするつもりなのよ!」
刹那らしくない弱々しい声…ネギは聞いているだけで痛々しい気持ちになっていく。
「あれ、ご存じありませんでしたか?」
「「?」」
ネウロのわざとらしい笑顔に、二人はまだネウロが何を言っているのか理解出来ていないようだ。
「つまり簡単に言うと、近衛このかさんは何者かによって殺されました。」
「「え?」」
一瞬、場の空気が凍り付いた。
目の前の怪物は少女たちに笑いながら爆弾を落としていったのだ。
しばらく沈黙が続く。当たり前だ。
死んだと思っていた人は実は殺されていました。などと言われたら誰でも言葉を失う。

「ネギ先生っ!!」
刹那の声には明らかに怒りが籠っていた。
自分の大切な人を奪った犯人への怒り。
また、それを知っていてあえて黙っていた恩人への怒り。
強く、そして堅く握られている刹那の拳がそれを物語っている。

「まぁまぁ、犯人への怒りは判りますが、ここは抑えて…」
「うるさいっ!!」
差し出されたネウロの手を思いっきり払いのけ、ものすごい眼力でネウロを睨み付ける刹那。
「だいたいお前は何様だ!まるで人の死をあざ笑う様な事をしてっ!!」
刹那が放った言葉が、ネギの心にズシリと刺さる。
刹那はネウロだけではなく、ネギに向けて間接的に言っている様な気がしてならなかったからだ。

しかし、怒鳴られたネウロはたいして反省のいろもなく、ただにこにこと愛想笑いを浮かべている。
「私が何様か?ふふ…あなたと同じですよ。」
3人の顔が一斉に凍り付く。
ネウロは先ほど『人目を忍ぶ身』と言っていた。
にもかかわらず、何故自分の正体がバレる様な事を…
ネギには全く理解出来なかった。

「さぁ、無駄話はそろそろいいでしょう。」
ネウロの声でこの部屋の全員がふと我に帰った。
ネウロはネギに近付き
「犯人をその指で指すのです。」
と、ネギの耳元で囁いた。

すると、ネギの手は意思に反して勝手に動きだし、人差し指を突き立て、上に掲げた。
「(言え!『犯人はおまえだ!』だ!)」
ネウロの声がネギの頭のなかに響き渡る。
「(え?でもここには明日菜さんと刹那さんしか…)」
「(いいから言え!!)」
ネギは急に言うことが怖くなった。
恐らく指の先の人が犯人。つまり犯人は明日菜か刹那…
ネギの手が振り落とされ、少女の前で指がきれいに止まった。

「犯人は…あなたです。…明日…菜さん。」
ネギの声は蚊が鳴くほど、小さい声であった。

「え?」
刹那の表情が凍り付く。
教師が教え子に殺人鬼はお前だ。と言ったのだ。

驚かない奴はいない。
「え?ちょっと待ってよ!なんで私が…」
「先生曰く…」
ネウロは明日菜の言葉をかなり強引に断ち切った。
恐らく、ネウロ自信も段々面倒臭くなったのだろう。
「皆さんこれを見て欲しいとの事です。」
ネウロはポケットから半円状のプラスチックパイプを取り出し、皆に見せびらかす。
「実はこの筒、この部屋にもあるんですけど、どこにあるか判りますか?刹那さん。」
「い、いえ…、分かりません。」
「そうですか、実はこれ、電化製品の色々なコードを一つにまとめるために設置された筒なんですよ。」

事実、部屋のコンセントの横には、ネウロが持っている筒と同じようなものが至る所に張り付けられ、
電化製品のコードが筒のなかに詰められている。
「実はこの筒に一か所だけ、罠を仕掛けるにはちょうどいい穴が空いているんですよ。」
ネウロは断りもなしに勝手にネギの部屋に登ると、筒に指を指し、ここに穴が空いている事を3人にわかりやすく示した。
「例えば、ピアノ線を荷物にくくり付けて、その穴から糸を透せば、離れていても荷物を落とす事は出来ます。
ほらっ、その証拠にこの穴と筒の端にあからさまな傷が出来ています。」
筒の端には、何かによって削られた後がくっきりと残っていた。
「し、しかしたしか荷物の重さはたしか20kgもないくらいですよ?それぐらいじゃ気絶くらいしか…」
「いえ、それは簡単です。糸を引き、このかさんを殺した後に凶器の荷物の中から重い物質を取り去ればなんとかなります。
例えば…ダンベルや、満杯にはいったペットボトルとか。まぁどちらにしろ、このかさんの死を見届けた人ではないと出来ない事です。」