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「…私はどうすれば…。」
桜咲刹那は独り部屋の隅で丸くなっている。
このかが死んだ今、ここに止どまっている理由はない。しかし刹那にはここを出てから行く宛のある場所などない。
「…私はどうすれば…。」
同居人である龍宮はすでに出かけたようだ。
龍宮は最近影でコソコソやっているらしいのだが、今の刹那にはそれを追及する気さえ起こらない。
「…私はどうすれば…。」
主君を失い、落ち武者と成り果てた刹那にはもうあの頃の勇敢な姿はない。


コンコン

「刹那さん、居ますか?」
刹那の目に生気が戻る。
「…出たくないなら結構です。僕も刹那さんの気持ち…分かりますから。」
―大事な人が死んだ気持ち…、か…
刹那は自分なりに言葉を解釈した。
「あの、…もし来れたら、…午後一時に僕の部屋に来てください。それでは」
ネギは閉じたドアの前でそれだけ言うと、去っていった。
ネギ先生の部屋…。それはつまりこのかの部屋であった場所である。

日の光が部屋の隅で丸まっている刹那を照らし出した。

「おやおや、皆さんおそろいで。」
ネウロ部屋の中に入るとそこにはネギと明日菜が床に座っていた。
明日菜はネウロを見て、びっくりしたのか、ネギにコソコソと話しかけている。
「ね、ねえネギ…、あいつ何なの?」
「えーとっ…たしか脳噛ネウロとかいう名前で、突然藪から棒に部屋に
ボコッ…
ネギはネウロに思いっきりひっぱだかれた。
「先生は冗談がお上手ですね。」
しかも笑顔で…。おまけに先生って…。
「先生って…?」
「実は先生は裏で結構有名な名探偵なんですよ。」
―え?何それ?
「え?そんな話聞いてない…。」
「まあ裏の世界でですから。」
「うっ…。」
明日菜はそれ以上言い返す事が出来なかったようだ。
「それで私は先生の助手を勤める脳噛ネウロです。よろしく。」
「…神楽坂明日菜です。よろしく…。」
どうやらこの二人はうまくかみ合うことができないようだ。
その証拠にネギは明日菜にキツい目で睨まれている。

「それでは先生、推理を始めましょう。」
―え?推理?
おそらくこのかを殺したトリックを暴く推理なのだろうが、
当然探偵役になることなど全く予期していなかったネギに推理など出来るはずがない。

―え?ネウロさんが推理するんじゃないの?まずい…どうしよう…
結果、ネギの頭はまた混乱し始めた。

コンコン…
「「?」」
「お邪魔します…。」
そこに入って来たのは、桜咲刹那であった。
刹那の顔はだいぶ痩せていて、目にはクマができていた。
「先生、こちらの方は?」
さきに聞いてきたのはネウロの方であった。
「あ、桜咲刹那さんです。」
「…桜咲刹那…です。」
「脳噛ネウロです。よろしく。」
刹那はやはりかなり疲れていたようで、ネウロのことをくわしく聞いてこなかった。
ネウロの方は明日菜の時と変わらず相変わらず無関心だ。

「先生、ちょっとこちらへ…。」
ネウロはネギの腕を強引に引っ張り無理矢理外へ連れ出した。

「あのー、僕推理なんて全然…」
「問題ない。」
ネギの弱気発言をネウロの冷たい声が書き消した。
「実際に推理を解くのは我が輩だ。ただそれを貴様が解いたことにして欲しいのだ。」
―?
「我が輩は地上では人目を忍ぶ身。手柄や名声で目立つのはマナーに反する。表に立つ奴隷にんぎょ…もとい、代理人が必要なのだ。」
―え?今、奴隷人形って…
まあそこは置いといて…。簡単にいえば推理を解く振りをしていろということだ。

つづく