MAGISTER NEGI MAGI from Hell

『空気』

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negiijime2

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夏美が学校を休んだ。ノートにいたづら書きをされたのが原因のようだ。明日菜と朝倉がほくそえんでいる。なんかムカつく。クラスメートのことが心配じゃないのか。
木乃香が明日菜に話しかけてきた。
「なーあ、次はなんて書くん?」
「『空気』ってのはどう?」
「さすが朝倉、面白いフレーズ思い付くわね。」
『空気』のどこが面白いんだ。この3人習字でも習ってるのか。
そんなこと考えながら、私は放課後に買いに行アニメ雑誌のことを考えていた。
夜、再来週から期末テストがあることを思い出した私は、教科書を開いた。音楽の教科書の表紙裏を見た。
そこには『空気』と大きく書かれていた。そうか、あいつらか。私は愕然とした。
それから数分間、私は何をしたか覚えていない。気が付くと、私の右手は包丁を握っていた。おそらくそれで左手を切ったのだろう。私は傷を洗い流すためにトイレに行った。そこで偶然亜子に会った。
「ちょっとその傷なんやの。早く包帯とか巻かへんと、血が、血が…。」
亜子が動揺してる。ああ、そういえばこの子、血が苦手だったな。
私は、亜子に見せ付けるように左手をかざした。
「見て、綺麗でしょう。」
私は、血まみれになった左手を、携帯のカメラで撮った。気を失った亜子を尻目に。
その日以降、リストカットをしては写真を撮り、それを自分のホームページにアップするのが私の日課になった。ホームページの作り方は長谷川に教えてもらっていたのでお手のものだ。



私のホームページはマニアの人に受け入れられたようだ。BBSの書き込みを見てみると、
『美空ちゃんGJ』
『写真を見ると寒気がする。でもそれがいい。』
等々肯定的な書き込みが多くとても嬉しい。
中には『親から貰った体になんてことするんだ』なんて批判的な書き込みもあるが、そういったものはスルーすることにしている。
そろそろ腕だけじゃワンパターンで面白みがないなあ。太股を切ったらもっと綺麗に血が出るかな。それともお尻にしようかな。それとも…。

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