MAGISTER NEGI MAGI from Hell

6人目の戦士

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negiijime2

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生徒達はもうすぐホームルームが始まるので各自席に戻ろうとしていた。すると、教室のドアが勢いよく開かれ、そこには五つの影。
「ん・・・どうしたん、あの子ら・・・」
「あの5人バカレンジャーじゃん。馬鹿には今日のテストは一際こたえたか?」
「いや、逆っしょ・・・もはや誰にも期待されない彼女達には重圧ってもんはない」
勝手なことを口にするクラスメイト達を眺めながらまき絵は大きく息を吸い込み、そしてクラス全員に聞こえる声でこう言った。
「我々、バカレンジャーは宣言する。たった今行われた学力テストで我々5人の次に成績が悪かった者には
バカシルバーの称号を与えよう!すなわち6人目のバカレンジャーとなり、我々の仲間となってもらうのだ!!」
クラス全体が一瞬「ポカン」となる。そしてその後それは、失笑に変わった。
そして、生徒の一人、柿崎が5人に向かって口を開く。
「はぁ?アンタらとうとう馬鹿にターボかかってきた?バカレンジャーはあんたら成績ぶっちぎりビリでやってりゃいいでしょ?」
心底、侮蔑したような彼女の口調。
しかし、まき絵は動じず、それどころか心の中で(計画通り!!)と笑っていた。




「くっくっく、美沙さんよ。そんな事言ってアンタ本当は怖いんじゃないかい?自分がケツから6番目になるのが」
「・・・っ!?」
まき絵のその言葉に柿崎の表情が引きつる。
柿崎の様な成績が下の上レベルの生徒はバカレンジャーを馬鹿にする事に多少の負い目を感じていた。
自分も上の人間から見れば彼女達と違いはないのではないか。いつ、自分があちら側の人間になってもおかしくはないのではないか。
クラスの大多数の生徒にとってはほんの軽口でしかない「バカレンジャー」という称号が彼女にとってはある意味
バカレンジャー当人達より意識する存在であったのだ。
しかし、それは自分でも認めたくない事だ。ましてや、ここでムキになれば他人にもそれを認める事になりかねない。
「はぁ・・・?くだらな、やりたきゃ勝手にやれば?」
さも、「そう かんけいないね」と言う素振りを見せる柿崎。
その反応にまき絵は心の中で(思い通り!!)と笑う。
「・・・では、他のみんなも我々の宣言に異論はないな!テスト結果が楽しみだ、フハハハハ!」
もはや馬鹿な事以外、原作のキャラから完全にかけ離れたまき絵が高笑いをしながら、
他メンバーをひきつれて教室を出ようとする・・・・が、そこにキレぎみのネギが立っていた。
「おい、馬鹿ども。ホームルーム始まるだろさっさと席つけ(早く帰らないとドラゴンボールGTの再放送見れねーだろうが)」



~数日後~

廊下には人間の優劣の序列を示す、残酷な掲示。テスト順位が貼られていた。
しかし、それを眺めるバカレンジャー。とりわけまき絵の顔には期待があふれている。
「ふふふ、今日ほどこの掲示を待ち望んだ日はないよ」
この結果を最も待ち望んでいた人間が、最下位に位置するという皮肉。
「さぁて、さぁて。早速見ていくか。どぉれ、どぉれ。うおwww最下位が私じゃねー。まき絵だ!ひゃははは、うほほほほ」
アスナは喜びのあまり、わずかに残っていた理性と知性を失った。
「しかし、上位はともかく最下位まで掲示する学校というのも凄いですね・・・」
「クラスどころか学年の最下位5人を私たちで独占してるアルが、今回の本題はそこじゃないアルよ。肝心の6人目は・・・・」
「・・・・ザジ殿でござるな・・・そのすぐ上に茶々丸殿とエヴァ殿がいるでござる」
「・・・よし!新たなメンバーは決まった!みんな教室に行くぞ!」
「「「おうっ!!!」」」

先日と同じ、クラス全員が集まるホームルーム前の時間。まき絵、他4人のバカレンジャーは教壇の前に立っていた。
「さてさて、諸君。先日我々の言った事を覚えているかな?私たちの次に成績の悪かったものには6人目のバカレンジャーとなってもらう」
凄まじく愉快そうな表情で喋り続けるまき絵。
「・・・・掲示があったからみんなもわかっているだろうが、我々5人を除いたクラス最下位は・・・(まだ笑うな・・・こらえるんだ)」
まき絵は少し間を置き、哀れな生贄に視線を向けた。



「おめでとう、ザジ・レイニーデイ!君をバカシルバーに任命する!」
「これから同じバカレンジャーの一員として頑張るアルヨー」
「拙者たち、心から歓迎するでござる」
「・・・なりゆきでこうなってしまったですが、気を落とさないでください・・・」
「うへへ、ぐへへ、おぽぽぽぽ」
盛り上がるバカレンジャー。残りのクラスメイトは半分がどうでも良いと考えていたが
もう半分は、ザジへの同情と、自分でなくて良かったという安堵とわずかな好奇を感じている。
しかし、その時誰かが口を開いた。
「・・・でもそのピエロ、外国の言葉でテスト受けなきゃいけないんだから仕方ないだろ。別に馬鹿じゃないよ。
日本人のくせにそれ以下のアンタらは文句なしの馬鹿だけどな」
その言葉にクラス全体が「 たしかに 」という空気に包まれる。
「わ、私だって、留学生アルよー!」
ここぞとばかりに古がアピールしたが、しかし、クラスの彼女に対する反応は冷たい。
「あのさぁ・・・いい加減チャイナごっこやめなって、はっきり言って痛いよ」
「あんた馬鹿のくせに日本語上手すぎだから。そんだけ語学力あるのになんで英語は12点なんだよ」
その疑問に代わりに答えるかのように超が口を挟む。
「コイツ前私が中国語で話しかけたとき、『ニーハオ』と『ラーメン』しか喋んなかたネ」
「大体、日本語の語尾に『アル』つける中国人なんて本当にいるわけねーだろ」
その言葉に青ざめる古(と超)。
突如始まった古への、集中攻撃。思いもよらない展開に焦るまき絵とバカレンジャー。
(こ、このままでは計画が・・・・・い・・・いや、まだだ。まだ策はある。)

どうなるバカレンジャー !?      
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