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のどかは走る
夕映が言った事全てを忘れるために。
自分が言ってしまった事を忘れるために。
自分が夕映をひっぱたいてしまった事を忘れるために。
全てを忘れるために…「ハァ…ハァ…。」
どのくらい走っていたのだろうか。
気づいた時には世界樹公園の真ん中で独りたたずんでいた。

のどかは静かに目を閉じる。
消えて。消えて。消えテ。消エテ。キエテ。キエテ、キエテキエテキエテキエテキエテキエテ…
今ののどかには、夕映もネギもどうでもよく思えてしまう。
今はただ、明日菜を本気で助けたいと心から願った。
まるで明日菜と昔の自分を重ねるかのように…
のどかは静かに記憶の門を閉じる。
「へぇ…、本屋ちゃんでもたそがれるなんて事あるんだー。」
「え?」
目を開くと桜子が向こうから歩いて来る。



「や!元気?」
「は、はい。どうしたんですか?こんな所で」
それを聞いた桜子は呆れたように溜め息をつく。
「お気楽すぎ…。本屋ちゃんに忠告があってね。」
「え?」
「美砂が駅前であんたを待ち伏せしてるよ。美空の報復だって。くだらないよね。美砂はただあんたをボコしたいだけなのにさ。」
桜子は暇そうにのどかの周りをグルグルと回っている。
「何故そのことを私に?」
「ん?ん~…強いて言えば…なんだろ?特に理由はないなぁ…。」
「はぁ…。」
桜子の足が止まる。
「でも、今の美砂ってさ。なんか付き合いにくいんだよね。なんか憎しみっていうかさ。暗いていうかさ。一緒にいても楽しくないんだ。」
桜子が一瞬見せた笑顔は今まで見てきた笑顔よりも少し色あせて、ぼやけて見えたような気がした。
「じゃあね。一応忠告はしたから。」
桜子はのどかに背を向け、歩いて行ってしまう。
「桜子さん!」
気がついたらのどかは桜子を引き止めていた。
「大丈夫です…。きっと元に戻りますよ。柿崎さんも…。まぁ保証はないですけど。」
「ハハ。あんたも黒くなったね。」
こうして桜子はのどかの前から去っていった。
お互い本音を覗かせながら…