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「…で、なんであんたの顔は痣だらけなの?」
美空の机の周りには、柿崎やら裕奈やらが美空を軸にして囲んでいる。
美空は隙間からちらっと龍宮の顔を見たが、瞳孔の開いた目に睨まれ、すぐに目を逸らしてしまった。
「…い、いや、…ちょっとね…。」
あくまで作り笑いで誤魔化そうとする美空。
しかし彼女たちはそこまで馬鹿ではなかった。
「あんたさぁー、宮崎になんか弱み握られてんの?」
美砂の言葉に一瞬自分の耳を疑った美空。
マズいと思ったのか、心のなかで必死になって自分を落ち着かせている。
そして美空は、一言だけこう言った。
「ぅえ?…な、何の事?」

どう見ても動揺しています。本当にありがとうごさいました。


美空は言うべきか言わざるべきか必死で悩んでいる。
彼女たちは既にのどかをボコる気マンマンだ。
しかし、のどかにはあのアーティーファクトがある。
あれを使われたらどんな危ない狂犬でも、一瞬で猫のようになってしまうのは目に見えている。
しかしそんな事を言ってしまったら、下手したらオコジョ行きになってしまう。
「(面倒くせぇ…、逃げよう…。)」




これ以上、のどかに関わりたくなかった美空は、適当に理由をつけて早退してしまった。
キーンコーンカーンコーン…
放課のチャイムが校内に響き渡り、教室から生徒達がぞろぞろと出て行く。
「のどか。ちょっと話があるです。」
「え?」
突然後ろから夕映に声をかけられ、鞄を机の上に置くのどか。
「どうしたの?」
のどかが尋ねると、夕映は急に辺りを気にし始め、
「ここじゃちょっとまずいです。人気のないところに。」
と、のどかの耳元でそっと囁き、のどかの手を引張って教室から出て行ってしまった。

普段はあまり利用者が少ない女子トイレに駆け込む二人。
夕映はのどかをトイレのなかに入れると、辺りを気にしながら静かにドアを閉めた。
「ど、どうしたの…夕映?」
突然人気のないトイレに連れて来られたのどかは、いつもとは違う強引な夕映に少し怯えている。
夕映は静かに口を開く。
「のどか…。もう明日菜さんと関わるのは止めるです。」
「!!」
親友が放った衝撃的な一言。
夕映は大切な仲間である明日菜を見捨てろといったのだ。
「な…んで…。」
思わずのどかの目から涙がこぼれそうになる。
ショックだった。




パシッ
渇いた音がトイレのなかで虚しく響いた。
のどかは感情的になり、気づいたら夕映の頬をひっぱたいていたのだ。
夕映は赤くなった頬を擦りながら、のどかを真っ直ぐな目で見続けた。
まるで自分が正しいとでも言うように…

「明日菜さんと関わる事は危険すぎます。」
そう言うと、今度は夕映がのどかの頬をひっぱたいてしまう。
「あなたは昨日、美空さんにアーティーファクトを使いましたね?なんであんな所でアーティーファクトなんて使ったのですか!下手したら魔法がばれてしまう所だったのですよ!そしたら…そしたらネギ先生はオコジョにされて…強制送還されてしまうのですよ!」
夕映はのどかに本気で怒っていた。
夕映は夕映なりにのどかの事を考えていたのだ。
「…んでって…。」
「え?」
「なんでって何!」
のどかがキレた。
のどかの目はもう夕映を友達として見てはいなかった。
「なんで!?じゃあなんで夕映はあの時何もしなかったの!?」
「…そ、それは…。」
「心痛まなかったの!?明日菜さんが泣いてる所見てて!?何も出来なかったくせに…、逃げたくせに!」
夕映はのどかの言葉に思わず胸を押さえこんでしまった。
全てが夕映の胸を激しく、そして重く叩いていく。
「私はそんな夕映知らない。つまらない理由つけて友達を捨てる夕映なんて知らない!」
のどかは目に涙を溜めて、トイレを出ていった。
「のどか…。」
夕映は後悔した。
自分はなんて傲慢な事を言ってしまったのだろう。と…