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今日の3ーAは比較的落ち着いていた。
明日菜が登校しても、陰口すらたたく者もおらず、明日菜にとっては過ごし易い環境であろう。
しかしそんな落ち着いた環境には不釣合いな人物もいた。
一人は春日美空。
昨日の事で顔面には所々どす黒い痣が出来ている。
美空は暇な時を見つけてはのどかをキツイ目付きで睨み付けている
が、睨み付けられたのどかは美空のねちっこさに呆れ、相手にするのも馬鹿馬鹿しいと思ったのか、まるで美空という存在を否定しているように無視している。

一人は朝倉和美
彼女は何故か知らないが最近元気がない。
と、周りのクラスメートからはそう思われている。
しかし実際は相坂さよが突然目の前からは消えた精神的ショックが原因である。
相坂さよと朝倉は今までずっと苦楽をともに過ごしてきた。
麻帆良祭のときに出会った幽霊は今や朝倉には欠く事が出来ない最高のパートナーとなっていたのだ。
さよが朝倉に何も言わず突然消えたことは、 今までさよを友達と呼んでいた自分自身を否定されたみたいで、心が締め付けられたかのように痛かった。

一人は早乙女ハルナである。
彼女は明日菜達を意識しながらも、それでも勇気が出ず、逃げる事ばかり考えてしまう自分に自己嫌悪している。
現にハルナはじっと明日菜を見つめ、目が合うと咄嗟に逸らしてしまう。
そして頭の中で自身を罵倒する声を永続的に流し続け、自分は愚かだと言う。
しかしそれは自身に反省している振りをして、何かやった気になっているだけなのだ。



言われてもいないのに彼女は私が嫌いだといい、何もやっていないのにやって失敗したように自己嫌悪している。
結局は何の努力もせずに既に諦めてしまっている愚か者なのだ。
だからこそハルナはそんな自分が嫌いなのだ。
何もしていないのに、すぐ諦めてしまう自分を。
そしてそれを分かっていながら、何も出来ない自分を…。

「おはようございます。」
「あら、ネギ先生!今日もいちだんと凛々しいお姿で!」
「はいはいわかったからさっさと号令しなよ。い・い・ん・ち・ょ♪」
「まあ、桜子さん。あなたに言われなくても今言うところでしたわ!」
久しぶりに在るべき姿が帰ってきたような気がする。
黄色い声を上げるいいんちょう。それに突っ込む周りのクラスメート達。
今の明日菜にとってこれほど居心地のいいクラスは他にはなかった。

「えーと…出席を取ります。」
出席表を開き、一人一人に出席のチェックを入れていくネギ。
しかしある所でネギの手が止まり、空席に目を向けるネギ。
「五月さん…、どうして学校に来てくれないんだろ…。」
ネギの目の先にある席は四葉五月。



何故か一週間前から無断欠席。
ネギが三日前に部屋を尋ねてみたのだが、結局無断欠席の理由は話してもらえず、ネギの悩みの種の一つになっている。
しかし実は五月の無断欠席の理由を知らないのはネギだけであって、3ーAの生徒全員は欠席理由を知っている。
元を正せば五月の無断欠席から、全てがおかしくなったと言っても間違いではない。
だから生徒達はネギにその事を打ち明けずにいるのだ。
打ち明けたら、奴等に何をされるか分ったものじゃないからである。
もちろん言うまでもなく五月の事にも奴等は一枚噛んでいる。
といっても別に奴等は五月を潰そうとか考えていた訳じゃなく、簡単に言えば巻き添えを食らったのだ。
だいたいクラス内の空気が安定している今、そんな嫌な始まりを自ら進んで語ろうと思う奴などこのクラスには一人もいなかった。


「それじゃあこれでホームルームを終わりにします。」
ネギは一礼して教室から出ていってしまう。
しかしその直後、ネギは慌ててクラスに戻ってきた。
「あ、そうだ。昨日2年生の財布が知らぬ間に盗まれるといった事件がありました。皆さんもスリには気をつけてください。」
ネギはそう言うと、慌てて教室を出ていった。