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寮の裏庭。以前、チア3人組が血みどろのケンカを繰り広げた惨劇の場所。
チャチャゼロを頭に乗せたままやってきた茶々丸は、しばし沈黙する。
「……オイ、ドウシタッテ言ウンダヨ? 何ノ用ダ? 黙ッテチャ分カンネーヨ」
「すいませんが、一度降りて頂けませんか? この場所・この時間なら、誰の目もありません」
確かにゼロが茶々丸に乗って移動しているのは、人形が勝手に動く姿を一般人に見られぬため。
学園祭のような異常な環境なら、カラクリだとかロボットだとか誤魔化せるが、普段は面倒だ。
逆に言えば、誰かに見られる恐れのないこういう場所なら、別に気にする必要はないということだ。
ゼロは茶々丸の後頭部から飛び降りて、茶々丸を見上げる。
「デ、何ノ用ダヨ。ツマンネー用事ナラ、後デオ仕置キダゼ?」
ナイフをちらつかせ、恫喝めいた言葉を吐くチャチャゼロ。
しかし茶々丸は全く動じず。平坦な口調のまま、ゼロに問いかける。
「……この上なく大事な用件です。
 チャチャゼロさん……貴方が、この一連の事件の、犯人ですね?」

ゼロが学校に行きだした日から始まった、一連の惨劇。
裕奈にかけたという催眠術と、唐突で不自然なリストカット癖の出現。
ゼロがエヴァの家に不在の時に限って起こる、数々の事件。
木乃香の一件の際、彼女と共に病院に向かった行動。
そして、クラスメイトの不幸に対してゼロが見せる、愉快そうな言動。

茶々丸には、確かに勘付く要素があった。
従者の動向など気にも留めないエヴァよりも、真実に近づく可能性を持っていた。
慎重な彼女は、それでも確信が持てるまで沈黙を守ってきたのだが……

「……非常に残念ですが、私の立場上、貴方の無法をこれ以上見逃すわけには行きません。
 マスター、及びネギ先生に報告せざるを得ないかと思いますが……
 何か、言っておくべきことはありますか? 反論や言い訳は、ありませんか?」
「……ケケケッ。気付クノガ遅ェヨ。モット早ク言イ出スカト思ッテタンダガナ。
 大体ヨ、何デ俺ニソンナ話シテンダヨ。ソレモ、1対1デヨ。
 本当ニ俺が犯人ナラ、無用心ジャネーノカ? ケケケッ」
茶々丸の追求に、しかしゼロは笑う。実に楽しそうに、嘲り笑う。
対する茶々丸は、どこまでも生真面目な表情で。
「何がおかしいのでしょうか、チャチャゼロさん。
 満月直前でマスターの魔力は最大に近いとはいえ、貴方の運動能力は極めて低い状態です。
 失礼ながら、貴方が逃げようと抵抗しようと、私に敵う可能性は概算で3%もありません」
「3%? 舐メラレタモンダナ。100%、オ前ノ敗北ハ決マッテルッテノニヨ。ケケケッ」
淡々と告げる茶々丸、なおも笑うチャチャゼロ。
他人行儀な言葉を選んで喋っているらしい茶々丸の顔を、ゼロは不敵な表情で見上げる。

「イイ機会ダ。『エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル』ガ従者2人――
 ドッチガ格上カ、思イ知ラセテヤルヨ。
 教育、シナオシテヤルゼ!」

凶刃を担ぎし、殺人人形。凶悪な近代兵器満載の、ロボット兵器。
もし戦えば互いに無傷で済むハズのない、人ならぬ「姉妹」の間に見えない火花が散る――!

 9th TARGET  →  出席番号10番 絡繰 茶々丸