MAGISTER NEGI MAGI from Hell

火病

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ドデカい段ボール箱二つが、3年A組の教室の近くへとついた。
まず、龍宮が人間離れした筋力で、股を限界まで開いて壁をよじ登る。
窓にへばりつき、頭突きをして教室の洒落た窓を粉々にしていく。
常識を凌駕した頭の堅さ。普通ならコブが出来て終りになるところだ。
ガラス窓が砕け、なんなく教室へ侵入する。その後、大河内も某ヒーローの様に登って来た。

「着いたね。ハルナの同人誌は?」
大河内は先ほどの壊れ具合から回復し、彼女らしい、クールな雰囲気が戻ってきた。
「あるなぁ、机からはみ出すほどに。私がお下劣なシーンを抜粋する。
 その間、この機会を生かして、他の奴らの机も物色してみてくれ。」
そう言われると、大河内は静かにうなずいた。
「ウホッ、ル○ン三世の同人だ!ル○ンが受けか…ひひひ!このページイイ!」
龍宮が同人誌に興奮しながら選別をしている間、大河内は私情を入れずに行動する。
つかみ所のない那波、春日、村上の机を物色する。
那波の机には、一枚のポラロイド写真が入っていた。彼女と少年--頭に何故か犬の耳を付けている--が、
ベットの上で二人揃って笑って写っている。那波の髪は乱れ、少年の額には汗を描いている。
明らかに行為後…こんな写真を撮るとは、那波も時代遅れな女だ。年齢をごまかしている可能性が高い。
「ねえ、これ見て…」その写真を龍宮にも見せる。
「ぽ!?おぽぽぽぽっ!ニャンニャン写真だ!しかもこいつ小太郎じゃん!いいなあ、那波婆は」
そう言って龍宮はさっと写真を頂く。仔犬属性の龍宮が小太郎に萌えているのが良く分かる。
これで那波はこちら側の人間になることが確定した。

大河内はその後、村上、春日の机を調べたが、特に変わった物はなかった。つまらん連中だ。
そうこうしている内に、龍宮が同人誌の選別を終えた。
「ばあ、ばあ、興奮ちてはなぢでたぁ。ちり紙もらお」
木乃香の机の側にかけてあるちり紙をずうずうしく頂戴したあと、盛大にホモホモなページをばら撒いた。
「(;´Д`)ハアハア(;´Д`)ハアハア(;´Д`)ハアハア」龍宮は空中を舞う過激なホモページを見て、さらに興奮していた。
「ソニャンコシテルビイジャネッソヨ!ハヨキェルムニダ!」
思わずファビョってしまった大河内は、龍宮の背後に回りこみ、そのまま投げっぱなしジャーマンを試みる。
「ニダニダァアニダッ!!マンジュコニダー!」かけ声と共に、大河内の背筋が隆起する。あの龍宮が、投げられた。
龍宮は教室の窓から危険な角度で外へ投げ出された。ズダーン!と大きなな音が響いた。
『はっ…何をやっていたんだ私は?』
正気に戻った大河内が外へ出た。地面に叩き付けられた衝撃で、鼻に詰めていたちり紙が取れていた。
鼻血がダラダラと流れるままになっていた。しばらくすると、白眼を剥いて泡を吹き、痙攣を始めた。
『神社へ行こう…久しぶりに…キレちまったよ』
彼女は重傷と思われる龍宮を背負い、龍宮神社へと向かった…

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