※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

寝苦しい深夜0時…眠らぬ獅子、龍宮はブラックコーヒーを飲みながらプランを練る。
どうにかしてクラスの秘密を知る人間をこちら側に引きずりこみたい。
そうすれば、芋づる式でクラスメイトの弱味を握る事が可能となる。
頭に浮かんだのは、人の心を読む能力のある宮崎のどか、朝倉和美。

報道部の朝倉は校内の情報に精通している。クラス内の事ぐらいはだいたいにおいて把握しているはずだ。
だが、朝倉は自分の事に関しては秘密主義者であるから、付け入る隙がない。
仮に情報を引き出せたとしても、正義感の強い彼女が正確な情報を提供してくる可能性は低い。
すると、確実な情報を得ることのできる宮崎のどかのほうが、利用価値が高い、ということになる。
龍宮は魔法の存在を知る側の人間だ。宮崎のアーティファクトの能力も耳にしていた。
まず、彼女か宮崎とその周辺の人物を恫喝し、取り込んでしまう。

宮崎はトイレで腰を抜かして放課後まで発見されなかったり(龍宮のせいである)
普通に道を歩いていても転んでしまうようなおマヌケちゃんである。彼女は気が小さいので、洗脳するのも容易だろう。
次に綾瀬夕映。テストの成績こそ悪いものの、哲学、文学に明るく、なかなかにして賢しい。
それに真っ向から脅しても動じ無さそうな芯の強さも感じる。洗脳するのにも手こずりそうだ。
しかし綾瀬はおかしなジュースを良く飲んでいる。どうにかして『しぃーーー(ry』お漏らしをさせればなんとかなりそうだ。
最後に早乙女ハルナ。こっそりホモ同人誌を教室で描くほどデリカシーのないヲタクである。
ハルナは机に大量のホモ同人誌を隠し持っている。うまくそれを利用すればよい。
宮崎を取り込めば、事が進むスピードは相当早くなるはずだ。

「おっぽぉお~…むふ、完璧な作戦だ。オラ、早速準備すんぞっ!」
夜中にガタガタと物を漁る音。彼女は現在、二人部屋に一人で生活している。
同室だった刹那はこの夏から、このかの部屋で生活を始めた。
刹那は自分の生い立ち故に人を差別するような事はない。が、彼女の臭いとズボラさにはもはや愛想が尽きた。

龍宮は、刹那と生活していた時に部屋を自分で片付けた事が一度もない。
朝食は臭いのきつい物ばかりを好んで食べる。たまに風呂に入らず寝る。
夜中に衝動的に行動し、武器を出したりして部屋を散らかす。
納豆ごはんを食べた後、納豆臭い茶碗を洗わずに、台所に放置する。
一度だけだが、トイレに龍宮のごんぶとな忘れ物が放置されている事があった。
今でも刹那はたまにそれを思い出す。想像を絶する大きさ、長さ、香ばしさ、色、つや、うねり具合…
それを擬視している内に、刹那は得体の知れない魅力にとりつかれた。
龍宮のそれの形状と、和式の便器の形状。それらが組み合わさり、美しい芸術にまで昇華されている様に感じた。
『すごい、こんな物が、龍宮の中から誕生したのか…!』
刹那はそれを流すのが勿体無くなり、携帯のカメラで様々なアングルからそれを撮り、保存した。
が、すぐ正気に戻り、削除した。『何をしているんだ私は!さっさと流そう』
1回水を流しただけでは流れず、結局3回目で『ゴゴゴゴゴゴ』という地鳴りと共に消えた。
散らかした物、忘れた物をを処理するのはいつも刹那だった。
とにかく、龍宮は食う事、垂れる事、闘う事しか頭にないのだ。

しかしながらそんな龍宮にも、刹那と組む前は信頼できるパートナーがいたようだった。
別の人間と組むということは、組んでいたそのパートナーが死亡したか、
または仕事を組めなくなるような重傷を負ったのだろうと刹那は思っている。
それを証明するように、一人で壁を向いて色褪せた本契約カードを眺め、嗚咽を漏らしている事があった。
しかし、相手に同情していつまでも世話をするのはおかしいと思い、ついに脱獄を決意した。
義理堅い刹那に逃げられた格好となった龍宮はその後、以前にも増して壊れたように見える…

「いっぱい使えそうなのあんぞ~!ぬっペペっぺぺ!」雄叫びをあげる龍宮。
押入から出るわ出るわ、利尿剤、浣腸、鞭、ロウソク、荒縄、スタンガン、
最新式の小型ビデオ、北○鮮製の日本の偽札、段ボール、大きめの寝袋、
ブーブークッション、唐辛子スプレー、モデルガン、ヘリウム、ピアノ線等々…
一体何がしたいのかわからないが、一人で無邪気にはしゃいでいる。

テンションは最高潮に達し、龍宮は勢い良く階段を降りた。
見上げれば、澄み切った夏の夜空に満月が吊るされている。
月のクレーターが、優しい目で龍宮を見据えた。龍宮は目をそらせずにいた。
ぼんやりと光る満月を見ていると、麻酔を打たれたかの様に、頭の感覚が麻痺していった。
雨が降って来た。まもなく地面を湿らせて、蛙の鳴き声が辺りに響くのだろう。
「   」
龍宮は誰かの名前を呟いたようだった。
『いつも。見ていたのか…?』
その後、彼女は何も言わず静かに部屋へと戻った。
夜が耽れば耽るほど、雨は激しくなった…

次のページ-狂犬