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―持ち物検査の日の帰り

その日の授業が終わり、皆それぞれ仲の良い友人と共に家路に着く。
太陽の光が消えかかった夕闇の中の群衆。
その内の一つに、ひどく、歪んだ会話で盛り上がる三人の姿があった。


美砂「てかあんなやつがまずクラスでやっていけてたのが信じられなくなーい?」

桜子「ほんとほんと。ねー円ぁ」

円「う、うん、そーだね」

桜子から同意を求められた円は伏し目がちに答えた。

美砂「でさぁ、ちょっと私考えたんだけど、ちょっと二人共耳貸して」

美砂から告げられた言葉は円の想像を絶するものだった。

桜子「やばっちょーうけるーwほにゃらば明日実行だねー」

後のことなど何も考えていないだろう桜子は、心から楽しんでいるようだ。

円「えっそれは…」

やっちゃいけない。今私が止めないと二人はどんどん暴走するだろう。
彼女達がどんな性格をしているかは3年間ずっと一緒に過ごしてきた私はよく知っている。
だめだ、そんなの…間違ってる。

美砂「円は乗り気じゃないの?」

円「乗り気じゃないとかじゃなくて…、やっぱそれは人間としてやっちゃだめだと思うから…」

桜子「いいじゃん、ゴキブリなんだから。私達ゴキブリきもいから潰すじゃん?それと同じ感覚だよ☆」

美砂「そうそう。今受験でストレス溜まってるし、いい玩具になるじゃん。」

円「でも…」

美砂「私達親友よね?円は一人だけいい子ぶっちゃったりは…しないよね?」

そんなものはストレス解消という名の下に許されるべき行為ではない。
そんなことは良く分かっている。でも…

円「うん…分かったよ…」

仲の良いこの二人の友人との関係を壊してまで反対することが私にはできない。
私は恐いんだ。私自身が仲間外れにされることが。
普段はリーダーぶってるくせに、肝心な時に二人を止められない。
こんな自分に嫌気がさした。

やっぱり私にはできない。だけど止める勇気も持つことができない。私は…どうすれば…

いつの間にかに日は完全に落ち、辺り一面闇に包まれていた。