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クラスメイトに嫌われてからというもの、仕事のみならずトレーニングにも精を出す龍宮。
週に4回はジムに行き、良い汗を流すのが日課になっていた。
最近は腹筋も割れてきた。仕事人・龍宮に死角はない。
ウォーミングアップをこなし、いつも通りベンチプレスを使う。
背が高いので、足が遊ばない様にフォームに気をつける。
呼吸を意識して、一気にバーベルを持ち上げた。
「っ!ふぅ~~~、すーー、んっ!ふうぅ~~、すぅぅぅ」

『今日も来てたのか、あの女…』
となりでトレーニングをしていた男が、無意識に「はぁ~」息を吐き出す。

そのジム内でも龍宮は有名人だった。
過剰なまでに股をおっ広げて(身長の関係上)ベンチプレスを使い、汗を流せば異臭がする。
ついたあだなはメスゴリラ、アラブの馬、麻帆良のヤマンバなど、他多数。
おまけに汗を拭いたタオルを忘れていく事が多く、
そのタオルの処理をする罰ゲームが水面下で流行っていた。

『ふう、疲れた…そろそろ切り上げるか』
今日も全身を隈無く、美しく、バランスよく鍛え上げた後、
ロッカールームに戻り、着替えを始め、鏡に自らの体を映し、それを眺め、悦に浸る。
『嗚呼、私は孤独な殺し屋…』

そんな事をしている内に、ふと放屁がしたくなった。そういえば今日はさつまいもを食べた。
更衣室には龍宮以外に人は居ない。誰も彼女の体臭の餌食になりたくないからだった。
『今がチャンス!』仕事人は機会を逃さない。

『ぶっ!ぶうーーーー!…ぶっ!』

ぷっ、とかわいいすかしっ屁をしたつもりだったのだが、
鍛えられた腹筋がそれを許さなかった。屁をした瞬間、更衣室の窓ガラスが揺れた気がした。
さつまいもが龍宮の中で、質量を伴うほどの屁に変化したのだろうか?
『滅茶苦茶立派な屁をこいてしまった…』
龍宮は焦り、いつにも増して早く着替えた後、通路に出る。
放屁の爆音が外に漏れていたらしく、皆が丸い目をして彼女を見ていたが、
それに気付かぬ振りをして脱兎のごとくジムを後にした。


今日もまた、汗を拭いたかぐわしいタオルは更衣室に忘れ去られた…

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