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朝倉がハルナを問いただしてから、またしばらくして・・・ 美砂の行為は少しずつエスカレートしていった。 ある日の放課後のことである。 美砂「ちょっとゴキ、来なさい」 ハルナ「・・・」 そしていつもの4階の空き教室へ・・・。この教室は、基本的に壊れた机やいすや、あまり使わない用具などを置くのに使われていた。 近くにはめったに人が来ないため、美砂にとってはとっておきの場所となっていた。 ハルナ「きょ、今日は何よ?」 美砂「いや、なんかねぇ~、今日はあんたの顔見ると、すっっごいムカツク気分なのよね。」 ハルナ「・・・は?」 そう言うと、美砂はハルナのカバンを取りあげ、中から国語の教科書を取り出し、その背表紙でハルナの顔を力任せに叩いた。 ドンッ!と音がして、ハルナは鼻を押さえたまましゃがみこんだ。 どうやら今の一撃は鼻に直撃したようで、おびただしい量の血が鼻から流れてきた。 ハルナ「ちょっ、あんあのよ!」 「なんなのよ」というつもりだったが、鼻を抑えている為上手く言えない。 美砂「ハハハ!」 ハルナ「ちょ、やめてっ!やめてえっ!痛っ!ぅあっ!」 最初の一発だけで、あっと言う間にハルナの顔は血だらけになってしまったが、美砂はそんなことお構いなしに、 教科書の背表紙や角などでハルナの顔を叩き続ける・・・。 美砂「あーすっきりした。それじゃあねぇ~。」 美砂は血だらけになったハルナの教科書を投げ捨て、一人で教室を出ていった。 ハルナはその場にしばらくとどまり、無言でティッシュを取り出し、自分の顔や、教科書や、制服についた血をふき取っていた。 幸い、制服についた血の量は、髪の毛やネクタイで隠せる程度だったので、少し安心した。 ハルナにとって、自分がいじめられてることを気付かれないことが最優先だったのだ・・・。 ---- その日の夜、美砂の部屋でのことである。 桜子「ねえねえ美砂ぁ~。」 美砂「なんしたの?桜子」 桜子「もうそろそろ、ハルナの原稿の締切日なんだって~。」 美砂「原稿?なんだっけそれ?」 桜子「ほらぁ~、「この原稿を返して欲しかったら、私の言うこと聞きなさい!」って言ってハルナから取ったじゃん!」 美砂「あ~あれね。」 桜子「それで、「締め切りが近くなったら返す」とも言ったよ~。」 美砂「そうだっけ?でも別にしらばっくれちゃえばいいんじゃない?」 桜子「それは・・・ヤバイと思うよ。」 美砂「なんで?」 桜子「いや・・・あいつ、あの原稿すごい大事にしてたじゃない?だからあれを返さない、って言ったら・・・今度は、あいつが何か行動を起こすんじゃ・・・。」 美砂「まっさか~。いっつもヘラヘラしてるあいつにそんなこと・・・。」 桜子「だって・・・あいつだよ?なんか、「自分の身体よりマンガの泉クンの方が大事だぁ~」、とか言いそうじゃない?」 美砂「まっさか~・・・う~ん・・・あのキモヲタメガネならありえるかも・・・。」 桜子「ありえそうでしょ~。普段笑ってる人が、実は凄い怖い存在だったとか・・・ありそうじゃない?。」 美砂「やめてよ!あんたの「ありそう」は当たるから怖いのよ!」 桜子「だからさ、原稿はいさぎよく返して、最後にドーンとでかいことやったほうがいいんじゃない?」 美砂「・・・なるほどね・・・。でも原稿を返しちゃったら、脅しに使えるものが無くなっちゃうしな~。」 ---- 同じ頃、ハルナは自分の部屋で、顔の痛みをこらえながら、未完成の原稿のペン入れをしていた。 明日は休日なので、夜遅くまで作業をするつもりだった。 ハルナには、大きな不安があった。美砂は果たして、原稿を返してくれるのか・・・ということである。 ハルナの今までの経験から言って、原稿を返してくれない可能性の方が高い。 もし返してくれなかったら・・・どうすればいいんだろう・・・。 と、そのときである。ハルナの携帯が鳴った。・・・それは、美砂からのメールであった。 『明日の朝10時。いつもの空き教室に来なさい。原稿を返してあげる。』 ・・・不気味だった。どう考えても、美砂がただで原稿を返すとは思えない。 そして美砂が指定したあの空き教室は、普段でも生徒や用務員の人はほとんど近くに来ない。 休日ともなると、もはや誰も来ないといってもいい場所である。 間違いない。何かある。・・・それもかなり大きなことが。 しかし行かなければならない。何があっても、原稿を返してもらわねば・・・。 ――――美砂は一体何をしようとしているのか!?     つづく [[次のページへ>早乙女ハルナの憂鬱]]
朝倉がハルナを問いただしてから、またしばらくして・・・ 美砂の行為は少しずつエスカレートしていった。 ある日の放課後のことである。 美砂「ちょっとゴキ、来なさい」 ハルナ「・・・」 そしていつもの4階の空き教室へ・・・。この教室は、基本的に壊れた机やいすや、あまり使わない用具などを置くのに使われていた。 近くにはめったに人が来ないため、美砂にとってはとっておきの場所となっていた。 ハルナ「きょ、今日は何よ?」 美砂「いや、なんかねぇ~、今日はあんたの顔見ると、すっっごいムカツク気分なのよね。」 ハルナ「・・・は?」 そう言うと、美砂はハルナのカバンを取りあげ、中から国語の教科書を取り出し、その背表紙でハルナの顔を力任せに叩いた。 ドンッ!と音がして、ハルナは鼻を押さえたまましゃがみこんだ。 どうやら今の一撃は鼻に直撃したようで、おびただしい量の血が鼻から流れてきた。 ハルナ「ちょっ、あんあのよ!」 「なんなのよ」というつもりだったが、鼻を抑えている為上手く言えない。 美砂「ハハハ!」 ハルナ「ちょ、やめてっ!やめてえっ!痛っ!ぅあっ!」 最初の一発だけで、あっと言う間にハルナの顔は血だらけになってしまったが、美砂はそんなことお構いなしに、 教科書の背表紙や角などでハルナの顔を叩き続ける・・・。 美砂「あーすっきりした。それじゃあねぇ~。」 美砂は血だらけになったハルナの教科書を投げ捨て、一人で教室を出ていった。 ハルナはその場にしばらくとどまり、無言でティッシュを取り出し、自分の顔や、教科書や、制服についた血をふき取っていた。 幸い、制服についた血の量は、髪の毛やネクタイで隠せる程度だったので、少し安心した。 ハルナにとって、自分がいじめられてることを気付かれないことが最優先だったのだ・・・。 ---- その日の夜、美砂の部屋でのことである。 桜子「ねえねえ美砂ぁ~。」 美砂「なんしたの?桜子」 桜子「もうそろそろ、ハルナの原稿の締切日なんだって~。」 美砂「原稿?なんだっけそれ?」 桜子「ほらぁ~、「この原稿を返して欲しかったら、私の言うこと聞きなさい!」って言ってハルナから取ったじゃん!」 美砂「あ~あれね。」 桜子「それで、「締め切りが近くなったら返す」とも言ったよ~。」 美砂「そうだっけ?でも別にしらばっくれちゃえばいいんじゃない?」 桜子「それは・・・ヤバイと思うよ。」 美砂「なんで?」 桜子「いや・・・あいつ、あの原稿すごい大事にしてたじゃない?だからあれを返さない、って言ったら・・・今度は、あいつが何か行動を起こすんじゃ・・・。」 美砂「まっさか~。いっつもヘラヘラしてるあいつにそんなこと・・・。」 桜子「だって・・・あいつだよ?なんか、「自分の身体よりマンガの泉クンの方が大事だぁ~」、とか言いそうじゃない?」 美砂「まっさか~・・・う~ん・・・あのキモヲタメガネならありえるかも・・・。」 桜子「ありえそうでしょ~。普段笑ってる人が、実は凄い怖い存在だったとか・・・ありそうじゃない?。」 美砂「やめてよ!あんたの「ありそう」は当たるから怖いのよ!」 桜子「だからさ、原稿はいさぎよく返して、最後にドーンとでかいことやったほうがいいんじゃない?」 美砂「・・・なるほどね・・・。でも原稿を返しちゃったら、脅しに使えるものが無くなっちゃうしな~。」 ---- 同じ頃、ハルナは自分の部屋で、顔の痛みをこらえながら、未完成の原稿のペン入れをしていた。 明日は休日なので、夜遅くまで作業をするつもりだった。 ハルナには、大きな不安があった。美砂は果たして、原稿を返してくれるのか・・・ということである。 ハルナの今までの経験から言って、原稿を返してくれない可能性の方が高い。 もし返してくれなかったら・・・どうすればいいんだろう・・・。 と、そのときである。ハルナの携帯が鳴った。・・・それは、美砂からのメールであった。 『明日の朝10時。いつもの空き教室に来なさい。原稿を返してあげる。』 ・・・不気味だった。どう考えても、美砂がただで原稿を返すとは思えない。 そして美砂が指定したあの空き教室は、普段でも生徒や用務員の人はほとんど近くに来ない。 休日ともなると、もはや誰も来ないといってもいい場所である。 間違いない。何かある。・・・それもかなり大きなことが。 しかし行かなければならない。何があっても、原稿を返してもらわねば・・・。 ――――美砂は一体何をしようとしているのか!?     つづく [[次のページへ>―早乙女ハルナの憂鬱―]]

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