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週始めの教室…朝倉の机の一面に、べったりとのりを塗られたエロ写真が貼ってあった。 その写真はいずれも肛門のドアップ。良く見ると、イボ痔だという事が分かる。 そして丁寧にも、写真の一枚一枚に『朝倉のケツ↓』と記入されていた。 朝っぱらからとんでもない物を見せつけられた朝倉は、寮に逃げ帰ったらしい。 そして長谷川の机にも、ちうのコスプレ写真がベタベタ貼られていた。 長谷川は爪でなんとか写真を引き剥がしたが、彼女が変人だという事がクラス中に知れ渡る結果となった。 これらを実行したのは龍宮ではない。報道部の仕業である。前々から、朝倉は報道部内部からマークされていた。 それと同時に、彼女と良く話していた長谷川の行動なども調査されていたのだった。 そしていよいよ内部からの嫉妬が、このような惨事を引き起こしたのだった… ---- 話は変わって、休み時間。龍宮の作戦会議である。 「次の狙いは茶々丸。最後のターゲットだ。エヴァンジェリンは狙わない。  我々のかなう相手ではない。彼女を相手にするのは危険すぎる」龍宮が仲間に次の作戦を詳しく話し出す。 「茶々丸を誘き寄せ、軽く攻撃する。弱ったところに付け込んで、  エヴァンジェリンから離反させる。これで、この作戦は終わる」 皆が、黙って作戦を聞き終えた。 「何処にどうやって誘き寄せるんですか?」綾瀬が確認する。 「せんだ、みつお!ナハナハンハナハンハナhなハンハンバh!」 まき絵は、まだ自分のギャグが受けると思っている。 「椎名の飼っている猫を拝借してきた。それを段ボールに入れて、捨て猫に見せかける。  その段ボールを人目の着かないところに設置する。綾瀬と大河内と私はそこに張っている。  宮崎、茶々丸にその捨て猫の場所を教えてくれ。それでカタが着く」 まき絵を無視して龍宮が淡々と話す。「わかりました」宮崎が大人しく返事をする。 「よし、それでは明日に作戦を実行する。茶々丸も戦闘力が高い。気を抜くなよ」 龍宮が作戦の概要を話し終わると、突然、楓が龍宮の背中に回り、後ろから頬擦りしながら言った。 「また、乳首をこねくり回して欲しいでござる…」怪しげな関係に、焦る変態達。 「後でな…」龍宮が静かに呟く。そんなことをしていると、風香が寄ってきた。 「隊長殿…腋の臭い、嗅がせて下さい!」こいつも壊れている、 「好きなだけ嗅いで結構」龍宮が腕を上げ、異臭を散布する。 すかさず、湿った腋に鼻を擦り付ける風香。何故か左手は股間を擦っている… 「んぼお、んぼおんぼお!この、納豆が更に腐ったような臭い…至福の時だ…」 「私の腋でオ○ニーとはな。大した変態だ」風香の喝采に照れながら答える龍宮。 「モテモテだね…うらやましい」大河内が自分の腋を嗅ぎながら呟く。 『変態だらけだ…これぞ私のクラス…!』 龍宮の作戦はいよいよ大詰めだ… ---- 学校が終わり、教室からぞくぞくと壊れた生徒達が飛び出す。 「あばばっあびゃばびゃばば!」一番元気が良いのはまき絵である。がに股でダッシュする姿はまさにキチ○イだ。 「うわっ?目のシワ深くなってるうううぅ!メイクメイクメイクメイクゥゥゥ!」 那波の隠しきれない年齢が徐々に明らかになってくる。彼女はおそらく女子中学生ではないだろう。 「飯、飯、飯ィ♪今日は焼肉にしよう。ラード、カルビ、ラード、ラード、ロース、ラード」 驚くべき事に、五月の好物はラードらしい。野菜も食べて欲しいものである。 『あれが、人間なのですね。醜い感情に支配され、自分を見失なっている…  私は、ロボット…人間ではない。けれども、やはり、人間と言う生物に憧れてしまう。  皆の喜ぶ顔、暑そうな顔、臭そうな顔…人間の感覚。それが、私にはない。  でも、一つだけ…一つだけ明確に感じる事がある。それがなんなのか私にも分からない  ああ、ネギ先生…私の感情がなんなのか教えて下さい。ずっとこのまま悩み続けたら  確実にショートしてしまう…』 茶々丸が言い表わす事出来ない感情にかき乱される茶々丸。 「茶々丸さん、捨て猫があそこの道路にいるの知ってますか?」 宮崎が茶々丸に話し掛けた。 「えっ!?ああっ、捨て猫ですか…?知りませんでした」 考える事で頭が一杯だった茶々丸。反応が一瞬遅れる。 「あそこに捨てられてから、もう一週間…大丈夫かしら、とっても可愛い猫なのに」 「一週間も…可哀想に」茶々丸の表情が曇る。 「私、猫は飼えないし…茶々丸さんなら、何とかしてくれるかと思って」 宮崎が茶々丸を頼る。「わかりました。そこへ行ってみます」 お人良し…いや、ロボット良しとでも表現すれば良いのだろうか? かくして、茶々丸は龍宮の待ち伏せる袋小路へと足を運んだ。 ---- 背の高いロボットがテクテク歩く。陶器のような肌。乱れない歩幅。 一つ一つの動作を見ると、やはり面白くない。人間味がないのである。 やがて、茶々丸はその捨て猫の元へとたどり着いた。荒れた毛並みは、栄養状態が悪い事を意味している。 『私もいつか、人間の傲慢で捨てられてしまうのかしら…』 捨て猫を拾い上げ、頭を撫でてみる。ギロリと、猫の目が茶々丸を見据えた。 猫の目は茶色い。何かを恨むでもなく、悲しむ訳でもない、感情の無い目だった。 『私も、こういう目をしているのかしら…』 「茶々丸…エヴァから離れろ」龍宮が姿を表した。 「龍宮さん…何故ここに?」茶々丸は動じない。落ち着いて尋ねた。 「かわいい捨て犬がいるって聞いたんだ。だからここに来た。  そしたら、子犬じゃなくて猫だったって訳。  おまけに、じきに捨てられるロボットまでいた。それだけの話さ。  捨てられるのは、辛いだろう?裏切れるのはまっぴらだろう?  私の元へ来るのが正解だぞ、茶々丸…」 龍宮が、茶々丸をおどかして反応を確かめようとしている。 「捨てられるとは?」茶々丸の表情に変化はない。 「エヴァはお前をさんざん利用した後捨てる。お前も薄々気付いていたはずだ。  それに厄介にも、お前は温情があり過ぎる。戦闘向きのAIじゃない」 真っ当な理由を着けて、はったりをかます。 「それでも、私はマスターのミニステル・マギです」あくまで譲らない茶々丸。 「…どうしても私の元へ来ないなら、ここから生きては返さん」龍宮が宣戦布告する。 「うべべべべううええ!やっと出番ニダ!ここで大暴れするニダ!」 大河内が興奮状態で物陰から飛び出て来た。目の焦点が定まっていない。相当である。 龍宮の筋書き通りに事が進むのか、それともここで頓挫してしまうのか…全ては、この戦いで決まる。 -[[ページをめくる>ファイッ!]]

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