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他のアウトサイダー達が工作している間、龍宮も忙しく活動していた。 まず、他の人間を陥れる悪魔の香水を製作するため、大浴場のサウナに入り、 自らの腋流れる汗を採取する。その後、長谷川に情報をたらし込んだ。 葉加瀬はサナダ虫持ち、村上はカンジタ、四葉はまたずれ、那波はキャバ嬢、超は薬の売人… さらに、以前入手した那波のニャンニャン写真を渡す。これで時期、朝倉が勝手に始末してくれるだろう。 問題はそれ以外の攻めにくい生徒達である。神楽坂、楓、茶々丸、刹那… なかなかしっかりした連中だ。しかしまず狙わなくてはならないのは、 クラス内で発言力のある雪広あやか、学園長の孫娘である近衛木乃香だろう。 この2人の一声で、龍宮の計画が破たんする恐れがあることに気付いたのだった。 最近では、ネギが雪広と真面目な顔で話しているのをよく見かける。 責任感の強い雪広のことだ、かならずクラスの異常事態を何とかしようと動き出すはず。 相手に先手を打たれる前に、雪広を潰す。これしかない。悪魔の香水を雪広の私物と言う私物にまき散らす。 それをまき散らす行為自体は容易だが、それには発見される危険が伴う。 今の4人(ハルナは除け者からも除け者にされているので含まない)では、明らかに誰が犯人かを特定されてしまう。 我々だとばれてはならない。この作戦の鉄砲玉として、鳴滝姉妹と古菲に白羽の矢が立ったのだ。 ---- 「こんにちは…鳴滝です」史伽の声だ。龍宮が姉妹のことを考えていると、ちょうどその2人がやってきた。 「おじゃまします…」風香も一緒だ。 「よく来た。そこにかけてくれ」椅子にはやはりブーブークッションが仕組まれている。 膝をガタガタ震わせながらリビングに入ってくる2人。ゆっくりと椅子に腰掛けた。 「プッスゥー…」「プゥ…プゥ…プスー…」今の姉妹の心情を表すかのような、迫力のない音… 『しょぼいなあ…』龍宮心の中で残念がっている。 「水虫姉妹、君たちは私の何だ?」龍宮が相手の反応で遊ぼうとしている。 「奴隷です!」「家畜です!」気の毒なほど怯え切った姉妹。 「ふ~ん…じゃあ、私の為に何ができる?」龍宮はさらに尋ねた。 「お尻拭き係りでも、靴下履かせ係りでも、何でもします!」風香が涙目で叫ぶ。まるで軍隊の返事だ。 「便器を舐められる位綺麗に掃除します!」史伽は鼻水を垂らし、足を激しく掻きながら叫んだ。 「ぼぼぼぼぼおぼ!じゃあ、私が頼みごとをしたら快く引き受けてくれるねぇえ!?」 大きい声を出し、さらに姉妹を震え上がらせるドSな龍宮。 「ハイッ!なんなりとお申し付け下さい!隊長殿!」 風香の眼が据わってきた。恐怖を超えて、精神が鉄砲玉と化している。 「すもももももももものうち!となりのきゃくはよくかきくうきゃくだ!」 史伽の脳みそは、龍宮のプレッシャーと足の裏の水虫にやられてしまったようだ。 「貴様ッ!隊長殿の御前でなんと言う口の聞き方か!?腕立て二万回!」 風香は意外にも軍国主義者だったらしい。 「はっはっはっはっは!君たち、今まで私の見てきた変人の中でもかなり面白い部類に入るぞ!  気に入った。風香、君には私の腋の臭いを嗅がせてあげよう。さぁ、嗅ぎなさい…」 龍宮が腋を上げ、怪しく風香を誘う。風香は迷う事無く腋に顔を突っ込んだ。 「はぁあ~…!たまりませぬ、隊長殿…臭いですぞっ…」 風香は腋に顔を埋め、そのまま離れない。『風香…こいつ、とんだ掘り出し物だな』 「気に入ってくれたらしいな、この臭いを。また後で嗅がせるよ。  今日はお疲れさまだ。明日学校で会おう」 「ハッ!それでは失礼します!こら史伽ッ!しゃんとせい!」 そう告げると、風香が史伽を引きずって部屋を出て行った…
他のアウトサイダー達が工作している間、龍宮も忙しく活動していた。 まず、他の人間を陥れる悪魔の香水を製作するため、大浴場のサウナに入り、 自らの腋流れる汗を採取する。その後、長谷川に情報をたらし込んだ。 葉加瀬はサナダ虫持ち、村上はカンジタ、四葉はまたずれ、那波はキャバ嬢、超は薬の売人… さらに、以前入手した那波のニャンニャン写真を渡す。これで時期、朝倉が勝手に始末してくれるだろう。 問題はそれ以外の攻めにくい生徒達である。神楽坂、楓、茶々丸、刹那… なかなかしっかりした連中だ。しかしまず狙わなくてはならないのは、 クラス内で発言力のある雪広あやか、学園長の孫娘である近衛木乃香だろう。 この2人の一声で、龍宮の計画が破たんする恐れがあることに気付いたのだった。 最近では、ネギが雪広と真面目な顔で話しているのをよく見かける。 責任感の強い雪広のことだ、かならずクラスの異常事態を何とかしようと動き出すはず。 相手に先手を打たれる前に、雪広を潰す。これしかない。悪魔の香水を雪広の私物と言う私物にまき散らす。 それをまき散らす行為自体は容易だが、それには発見される危険が伴う。 今の4人(ハルナは除け者からも除け者にされているので含まない)では、明らかに誰が犯人かを特定されてしまう。 我々だとばれてはならない。この作戦の鉄砲玉として、鳴滝姉妹と古菲に白羽の矢が立ったのだ。 ---- 「こんにちは…鳴滝です」史伽の声だ。龍宮が姉妹のことを考えていると、ちょうどその2人がやってきた。 「おじゃまします…」風香も一緒だ。 「よく来た。そこにかけてくれ」椅子にはやはりブーブークッションが仕組まれている。 膝をガタガタ震わせながらリビングに入ってくる2人。ゆっくりと椅子に腰掛けた。 「プッスゥー…」「プゥ…プゥ…プスー…」今の姉妹の心情を表すかのような、迫力のない音… 『しょぼいなあ…』龍宮心の中で残念がっている。 「水虫姉妹、君たちは私の何だ?」龍宮が相手の反応で遊ぼうとしている。 「奴隷です!」「家畜です!」気の毒なほど怯え切った姉妹。 「ふ~ん…じゃあ、私の為に何ができる?」龍宮はさらに尋ねた。 「お尻拭き係りでも、靴下履かせ係りでも、何でもします!」風香が涙目で叫ぶ。まるで軍隊の返事だ。 「便器を舐められる位綺麗に掃除します!」史伽は鼻水を垂らし、足を激しく掻きながら叫んだ。 「ぼぼぼぼぼおぼ!じゃあ、私が頼みごとをしたら快く引き受けてくれるねぇえ!?」 大きい声を出し、さらに姉妹を震え上がらせるドSな龍宮。 「ハイッ!なんなりとお申し付け下さい!隊長殿!」 風香の眼が据わってきた。恐怖を超えて、精神が鉄砲玉と化している。 「すもももももももものうち!となりのきゃくはよくかきくうきゃくだ!」 史伽の脳みそは、龍宮のプレッシャーと足の裏の水虫にやられてしまったようだ。 「貴様ッ!隊長殿の御前でなんと言う口の聞き方か!?腕立て二万回!」 風香は意外にも軍国主義者だったらしい。 「はっはっはっはっは!君たち、今まで私の見てきた変人の中でもかなり面白い部類に入るぞ!  気に入った。風香、君には私の腋の臭いを嗅がせてあげよう。さぁ、嗅ぎなさい…」 龍宮が腋を上げ、怪しく風香を誘う。風香は迷う事無く腋に顔を突っ込んだ。 「はぁあ~…!たまりませぬ、隊長殿…臭いですぞっ…」 風香は腋に顔を埋め、そのまま離れない。『風香…こいつ、とんだ掘り出し物だな』 「気に入ってくれたらしいな、この臭いを。また後で嗅がせるよ。  今日はお疲れさまだ。明日学校で会おう」 「ハッ!それでは失礼します!こら史伽ッ!しゃんとせい!」 そう告げると、風香が史伽を引きずって部屋を出て行った… 次のページ-[[ミッドナイト・スプリンター]]へ

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