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チンピラ」(2006/07/22 (土) 23:01:15) の最新版変更点

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「…で、なんであんたの顔は痣だらけなの?」 美空の机の周りには、柿崎やら裕奈やらが美空を軸にして囲んでいる。 美空は隙間からちらっと龍宮の顔を見たが、瞳孔の開いた目に睨まれ、すぐに目を逸らしてしまった。 「…い、いや、…ちょっとね…。」 あくまで作り笑いで誤魔化そうとする美空。 しかし彼女たちはそこまで馬鹿ではなかった。 「あんたさぁー、宮崎になんか弱み握られてんの?」 美砂の言葉に一瞬自分の耳を疑った美空。 マズいと思ったのか、心のなかで必死になって自分を落ち着かせている。 そして美空は、一言だけこう言った。 「ぅえ?…な、何の事?」 どう見ても動揺しています。本当にありがとうごさいました。 美空は言うべきか言わざるべきか必死で悩んでいる。 彼女たちは既にのどかをボコる気マンマンだ。 しかし、のどかにはあのアーティーファクトがある。 あれを使われたらどんな危ない狂犬でも、一瞬で猫のようになってしまうのは目に見えている。 しかしそんな事を言ってしまったら、下手したらオコジョ行きになってしまう。 「(面倒くせぇ…、逃げよう…。)」 ---- これ以上、のどかに関わりたくなかった美空は、適当に理由をつけて早退してしまった。 キーンコーンカーンコーン… 放課のチャイムが校内に響き渡り、教室から生徒達がぞろぞろと出て行く。 「のどか。ちょっと話があるです。」 「え?」 突然後ろから夕映に声をかけられ、鞄を机の上に置くのどか。 「どうしたの?」 のどかが尋ねると、夕映は急に辺りを気にし始め、 「ここじゃちょっとまずいです。人気のないところに。」 と、のどかの耳元でそっと囁き、のどかの手を引張って教室から出て行ってしまった。 普段はあまり利用者が少ない女子トイレに駆け込む二人。 夕映はのどかをトイレのなかに入れると、辺りを気にしながら静かにドアを閉めた。 「ど、どうしたの…夕映?」 突然人気のないトイレに連れて来られたのどかは、いつもとは違う強引な夕映に少し怯えている。 夕映は静かに口を開く。 「のどか…。もう明日菜さんと関わるのは止めるです。」 「!!」 親友が放った衝撃的な一言。 夕映は大切な仲間である明日菜を見捨てろといったのだ。 「な…んで…。」 思わずのどかの目から涙がこぼれそうになる。 ショックだった。 ---- パシッ 渇いた音がトイレのなかで虚しく響いた。 のどかは感情的になり、気づいたら夕映の頬をひっぱたいていたのだ。 夕映は赤くなった頬を擦りながら、のどかを真っ直ぐな目で見続けた。 まるで自分が正しいとでも言うように… 「明日菜さんと関わる事は危険すぎます。」 そう言うと、今度は夕映がのどかの頬をひっぱたいてしまう。 「あなたは昨日、美空さんにアーティーファクトを使いましたね?なんであんな所でアーティーファクトなんて使ったのですか!下手したらあなたオコジョですよ!」 夕映はのどかに本気で怒っていた。 夕映は夕映なりにのどかの事を考えていたのだ。 「…んでって…。」 「え?」 「なんでって何!」 のどかがキレた。 のどかの目はもう夕映を友達として見てはいなかった。 「なんで!?じゃあなんで夕映はあの時何もしなかったの!?」 「…そ、それは…。」 「心痛まなかったの!?明日菜さんが泣いてる所見てて!?何も出来なかったくせに…、逃げたくせに!」 夕映はのどかの言葉に思わず胸を押さえこんでしまった。 全てが夕映の胸を激しく、そして重く叩いていく。 「私はそんな夕映知らない。つまらない理由つけて友達を捨てる夕映なんて知らない!」 のどかは目に涙を溜めて、トイレを出ていった。 「のどか…。」 夕映は後悔した。 自分はなんて傲慢な事を言ってしまったのだろう。と… -[[次のページへ>桜子]]
「…で、なんであんたの顔は痣だらけなの?」 美空の机の周りには、柿崎やら裕奈やらが美空を軸にして囲んでいる。 美空は隙間からちらっと龍宮の顔を見たが、瞳孔の開いた目に睨まれ、すぐに目を逸らしてしまった。 「…い、いや、…ちょっとね…。」 あくまで作り笑いで誤魔化そうとする美空。 しかし彼女たちはそこまで馬鹿ではなかった。 「あんたさぁー、宮崎になんか弱み握られてんの?」 美砂の言葉に一瞬自分の耳を疑った美空。 マズいと思ったのか、心のなかで必死になって自分を落ち着かせている。 そして美空は、一言だけこう言った。 「ぅえ?…な、何の事?」 どう見ても動揺しています。本当にありがとうごさいました。 美空は言うべきか言わざるべきか必死で悩んでいる。 彼女たちは既にのどかをボコる気マンマンだ。 しかし、のどかにはあのアーティーファクトがある。 あれを使われたらどんな危ない狂犬でも、一瞬で猫のようになってしまうのは目に見えている。 しかしそんな事を言ってしまったら、下手したらオコジョ行きになってしまう。 「(面倒くせぇ…、逃げよう…。)」 ---- これ以上、のどかに関わりたくなかった美空は、適当に理由をつけて早退してしまった。 キーンコーンカーンコーン… 放課のチャイムが校内に響き渡り、教室から生徒達がぞろぞろと出て行く。 「のどか。ちょっと話があるです。」 「え?」 突然後ろから夕映に声をかけられ、鞄を机の上に置くのどか。 「どうしたの?」 のどかが尋ねると、夕映は急に辺りを気にし始め、 「ここじゃちょっとまずいです。人気のないところに。」 と、のどかの耳元でそっと囁き、のどかの手を引張って教室から出て行ってしまった。 普段はあまり利用者が少ない女子トイレに駆け込む二人。 夕映はのどかをトイレのなかに入れると、辺りを気にしながら静かにドアを閉めた。 「ど、どうしたの…夕映?」 突然人気のないトイレに連れて来られたのどかは、いつもとは違う強引な夕映に少し怯えている。 夕映は静かに口を開く。 「のどか…。もう明日菜さんと関わるのは止めるです。」 「!!」 親友が放った衝撃的な一言。 夕映は大切な仲間である明日菜を見捨てろといったのだ。 「な…んで…。」 思わずのどかの目から涙がこぼれそうになる。 ショックだった。 ---- パシッ 渇いた音がトイレのなかで虚しく響いた。 のどかは感情的になり、気づいたら夕映の頬をひっぱたいていたのだ。 夕映は赤くなった頬を擦りながら、のどかを真っ直ぐな目で見続けた。 まるで自分が正しいとでも言うように… 「明日菜さんと関わる事は危険すぎます。」 そう言うと、今度は夕映がのどかの頬をひっぱたいてしまう。 「あなたは昨日、美空さんにアーティーファクトを使いましたね?なんであんな所でアーティーファクトなんて使ったのですか!下手したら魔法がばれてしまう所だったのですよ!そしたら…そしたらネギ先生はオコジョにされて…強制送還されてしまうのですよ!」 夕映はのどかに本気で怒っていた。 夕映は夕映なりにのどかの事を考えていたのだ。 「…んでって…。」 「え?」 「なんでって何!」 のどかがキレた。 のどかの目はもう夕映を友達として見てはいなかった。 「なんで!?じゃあなんで夕映はあの時何もしなかったの!?」 「…そ、それは…。」 「心痛まなかったの!?明日菜さんが泣いてる所見てて!?何も出来なかったくせに…、逃げたくせに!」 夕映はのどかの言葉に思わず胸を押さえこんでしまった。 全てが夕映の胸を激しく、そして重く叩いていく。 「私はそんな夕映知らない。つまらない理由つけて友達を捨てる夕映なんて知らない!」 のどかは目に涙を溜めて、トイレを出ていった。 「のどか…。」 夕映は後悔した。 自分はなんて傲慢な事を言ってしまったのだろう。と… -[[次のページへ>桜子]]

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