喜び


 ラジオを聴いていた。
 外は寒くて、雨が降っていて。
 プッととぎれる音がして、
 懐かしい曲が流れたんだ。

 昔たくさん泣いた。
 そしてたくさん笑った。
 そしていつも
 君の手を握っていた。
 思い出したんだ。

 そこで早速受話器を取って
 君に目一杯聞かせてあげよう。
 このうれしい気持ち。
 どうせ夜はこれからさ。
 夜明けはまだまだやってこない。
 それまで君を離さない。

 だってずっと
 君の手を握っていたいんだ。
 思い出したんだ。

 だからとってもハッピーなんだ。
 通話料なんて
 大した額じゃない。
 二人の距離に比べればね。

 今日はごめん。


詩。2006年。

カテゴリ: [落書テキスト]

最終更新:2006年05月28日 22:36