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[東京 15日 ロイター] ソフトバンク(9984.T: 株価, ニュース, レポート)は15日、米携帯電話3位のスプリント・ネクステル(S.N: 株価, 企業情報, レポート)を買収すると正式に発表した。約201億ドル(1兆5709億円)でスプリント株70%を取得し、子会社化する。買収は2013年半ばに完了する予定。

スマートフォン(多機能携帯電話=スマホ)の普及が世界的に進む中、ソフトバンクは主要な米国市場で顧客基盤と通信網を手に入れ、日本国外に成長の足掛かりを築く。

ソフトバンクによると、世界の携帯電話会社の年間売上高1位は中国のチャイナモバイル、2位は米ベライゾン・ワイヤレス(VZ.N: 株価, 企業情報, レポート)。買収によりソフトバンクグループは計6兆3000億円となり、世界3位の通信グループが誕生する。ソフトバンクのグループ契約数はスプリントの5600万件超(6月末時点)を合わせると9600万件に拡大、米首位のベライゾン(VZ.N: 株価, 企業情報, レポート)の1億1100万件、同2位の米AT&T(T.N: 株価, 企業情報, レポート)の1億0500万件にほぼ並ぶ。

都内で会見した孫正義社長は、「何も動かないのは安全かもしれない。挑戦するときにはさまざまなリスクがある。米国への挑戦は決して簡単なものではない」と述べた。その上で「日本と文化も違う大きな新しい市場に向かってもう一度ゼロから始めなければならないが、挑戦しないことがもっと大きなリスクかもしれない」と語った。

孫社長は、米国は1契約当たりの1カ月平均収入(ARPU)が高い点を指摘。世界最大のスマホ市場で「大きな成長を期待できる」と語った。また、「携帯通信速度は日本の約半分で遅い。それがチャンスだと考えた」とし、次世代高速通信LTEなど日本で培った経験がスプリントの競争力強化に生かせると述べた。その上で「(成功する)自信がある」と語った。

スプリントを傘下に入れることで、スマホ端末やネットワーク機器の調達力が高まる上、経営基盤の強化により、基地局建設など設備投資も今まで以上に加速できるとみている。

トムソン・ロイターのデータによると、日本企業による海外企業の大型買収は、07年のJT(2914.T: 株価, ニュース, レポート)による2兆2133億円(187億ドル)の英ガラハー買収が過去最大で、今回はこれに次ぐ規模になる。ドルベースでは過去最大。

ソフトバンクはまず、スプリントが発行する転換社債(CB)を31億ドルで引き受ける。スプリントの株主総会と米規制当局の承認後、170億ドルを追加出資する。総額201億ドルのうち、約121億ドル(約9469億円)をスプリントの株主に支払い、80億ドル(約6240億円)をスプリントの財務体質強化などに充てる。スプリントの時価総額は約287億ドル(2兆2397億円)となる計算で、12日の終値にもとづく時価総額を3分の2ほど上回る。

買収には手元資金のほか、主力銀行のみずほコーポレート銀行三井住友銀行三菱東京UFJ銀行ドイツ銀行東京支店によるつなぎ融資を充てる。孫社長によると、エクイティファイナンス(新株発行を伴う資金調達)は行わない。スプリント買収により、12年6月末で約7944億円あるソフトバンクの純有利子負債は、年内にも子会社化する予定のイー・アクセス(9427.T: 株価, ニュース, レポート)分を含めると3.9兆円に膨らむ。

孫社長は実質10日間で銀行から融資を取り付けたことを明かし、「ボーダフォンの際の借入金利は4%だったが、今回は1.数%だった」と述べた。ボーダフォン買収時より「安心感を持って金融機関は貸してくれた」と説明、借入金返済にも自信を示した。

しかし、市場はソフトバンクの財務が悪化することを懸念している。11日にスプリント買収のニュースが報じられた翌日以降、ソフトバンク株は売り込まれ、株価は約2割下落した。スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)は12日、ムーディーズは15日、ソフトバンクの格付けを引き下げ方向で見直すと発表した。

SMBCフレンド証券投資情報部の中西文行部長は、06年に英ボーダフォン日本法人の買収を決めたときと同じ市場の反応だと指摘する。当時は買収価格が割高との批判が優勢だったものの、ソフトバンクは先行するNTTドコモ(9437.T: 株価, ニュース, レポート)とKDDI(9433.T: 株価, ニュース, レポート)を猛追。時価総額は3兆円の企業に成長した。今回はこれを6兆円に拡大しようとしており、「投資家も孫社長が正しい決断をしていると後で気づくだろう」と、中西氏は言う。

<スプリントは米5位メトロに買収提案>

買収後も、スプリントの経営には同社のダン・ヘッセ最高経営責任者(CEO)があたる。孫社長は会長として「スプリントの経営には積極的に関わる」という。取締役会は10人で構成され、CEOを含めて4人は現スプリント取締役から選任する予定。

会見に同席したヘッセCEOは「ソフトバンクの資金で新たな成長に向けた財務の柔軟性が確保できる」と述べた。ソフトバンクからV字回復のノウハウを学べるほか、同社のLTE技術も共有できると語り、「ソフトバンクとの連携は株主価値向上に向けた最善の方策」との認識を示した。

スプリントは高速無線通信を手掛ける米クリアワイヤ(CLWR.O: 株価, 企業情報, レポート)の株式48%を保有。業界や市場では、スプリントが調達した資金で残りの株式を取得するのではないかとの観測が広がっている。また同社は、米同業5位のメトロPCSコミュニケーションズ(PCS.N: 株価, 企業情報, レポート)に対して買収案の提示を検討しており、ソフトバンクはスプリントを通じてメトロの買収も視野に入る。だが孫社長は、メトロ、クリアワイヤなど他企業の買収に関しては「今はコメントすべきではない」とし、「まずはスプリント提携をやり遂げる」と語った。

ソフトバンクの財務アドバイザー(FA)は米投資銀行のRaine Groupとみずほ証券。スプリントのFAはシティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)、ロスチャイルドUBS(UBSN.VX: 株価, 企業情報, レポート)。今回の買収案件は、スプリントの株主総会の承認のほか、米連邦通信委員会(FCC)など監督官庁の承認が条件となる。

(換算レートは1ドル78円)

(ロイターニュース 白木真紀、大林優香;取材協力 ソフィー・ナイト、編集 久保信博)




カテゴリ: [ニュース] - &trackback- 2012年10月16日 01:22:43

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