誕生

    

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コポ・・・コポコポ・・・
もう間もなく22世紀の元旦を迎えようと人々があちこちで陽気に騒いでいる中、僕は1人薄暗い研究室で夢の完成を心待ちにしていた。
辺りには青白い液体に満たされた巨大な試験管が立ち並び、時折浮かび上がる気泡がコポコポと軽い音を響かせている。
その中でも一際大きな2つの試験管に、恐らく世界で最も有名で、そして誰も見たことのないモノが眠っていた。
ドラゴン・・・蛇の体に蝙蝠の羽を持ち、岩をも砕く爪と特殊な力の宿る角を有するトカゲに似た生物。
東洋では精神と善の象徴、西洋では力と悪の象徴だという。
勿論それは人間の想像力の産物であり、それを現実に作り出すことなどは不可能だろう。
だが僕は、先人達が長い年月をかけて行ってきたドラゴンの研究をもとに遺伝子操作を駆使して雌雄のドラゴンを創造した。
もうすぐ、彼らが目を開ける。そして僕は世界で、いや人類で初めて生きたドラゴンを目撃した人物となるのだ。
1つ悔しい点があるとすれば、それはこのドラゴン達が生物学的には所詮キメラにしか過ぎないということだ。
そしてそれは、ドラゴンであるにもかかわらず短命であることを示している。
しかしそれでも、この実験が成功すれば僕は時の人になることができるはずだ。
カチッという音と共に、壁の隅にかけられていたアナログ時計がぴったり12の文字盤を指し示しながらその針を合わせた。

"2101年、元旦。午前0時、排水を開始する。"
パソコン上に示された研究報告書にそう書き加えると、僕は試験管に取り付けられたバルブを回した。
ゴボゴボという盛大な音を立てながら、2匹のドラゴンを包んでいた青白い培養液が排水溝に吸い込まれていく。
そして、凛々しい2匹のドラゴンが水滴に濡れた試験管の中に姿を現す。
人間の若者を思わせるような精悍な顔つきの雄のドラゴンが、ダラリと垂れ下がらせていた体色と同じ蒼い尻尾をピクンと波打たせた。
望みは薄いだろうが、その股間には生殖のための立派な肉棒がピンと突き出している。
雄に比べるとどこか丸みのある体つきをした雌のドラゴンは、淡い桜色の鱗に覆われた胸を上下させていた。
「こ、呼吸をしている!」
紛れもなく、今目の前にいる2匹のドラゴンは生きているのだ。
まだ目こそ開かないものの、生命の鼓動が体中から溢れている。
カタカタカタカタ・・・
僕は眼前で起こっている未曾有の大事件の一部始終を記録に収めようと、パソコンに向かってデータを打ち込み始めた。
ガシャーン!
打ち込まれたデータを読み返すべくパソコンのモニターに視線を走らせた刹那、突然試験管の砕ける音が研究室中に響き渡った。
慌てて背後を振り返ると、割れた試験管の穴から雄のドラゴンがズルズルと這い出してきている。
「そんな・・・あの試験管のガラスは厚さ5cmもあるってのに・・・」
だが、驚きに固まっている間に雄のドラゴンが僕の目の前で立ち上がる。
2mの高さから僕を見下ろすドラゴンの鋭い視線を浴びながら、僕は思わず悲鳴を上げていた。
「う、うわあああああああああああっ!」

「・・・はっ!」
研究室の床に敷かれている冷たいリノリウムが頬に当たる感触に、僕は目を覚ました。
どうやら今まで意識を失っていたらしい。最後に覚えているのは、僕の眼前に立ち塞がった雄のドラゴンが蒼い鱗に覆われた凶悪な腕を振り上げたところだった。
「うっ・・・つっ・・・」
後頭部に鈍い痛みがある。相当な力で殴打されたらしい。
だが、あの試験管を砕く程の力を考えれば、それほど思い切り殴られたわけでもなさそうだった。
そうだ、ドラゴン達はどうなったんだ?
起き上がって辺りを見回すが、2匹のドラゴンの姿はすでに消えていた。
雌のドラゴンが入っていた試験管は内側に分厚いガラスの破片が飛び散っていて、雄のドラゴンが外から叩き割ったことがうかがえる。
「どこに・・・行ったんだ?」

ドラゴンの研究室は、人里離れた深い森の奥にひっそりと建てられていた。
当然のことながら、中に入るのにも外に出るのにも何重ものセキュリティを通る必要がある。
しかし、無残にも打ち破られた研究室の扉から一歩外に踏み出すと、僕はそれがなんの役にも立たなかったことを思い知らされた。
外に続く通路に出るまでの全ての扉に、激しい破壊の傷跡が残されている。
「まずいぞ・・・あんなのが世間に放たれたら・・・」
外の土に残された2組のドラゴンの足跡を眺めながら、予想を遥かに上回るドラゴン達の力と行動に僕は戦慄を覚えた。

「ハァハァ・・・」
「フゥ・・・フゥ・・・」
大きな木に片手をつきながら、私の隣で桜色の鱗に覆われた私と同じ姿の生き物が荒い息をついている。
無我夢中で束縛から逃れるように、目を覚ました私は周囲を覆っていた透明な壁を打ち壊し、目の前にいた不思議な生物を叩き伏せた。
そして、私と同じように透明な壁に閉じ込められてもがいているこの同胞を見つけたのだ。
・・・一体、私は何者なのだ?記憶も感触も、そしてこの命までもが、まるで紛い物とでもいうのか、不純物を含んでいるような違和感がある。
ただ無造作に植え付けられた知識と本能のみが、私に論理的な思考を許していた。
それは、隣にいる同胞も同じように感じているらしい。
「ここは・・・どこなの?」
必死で走ってきた疲労からか、喘ぎながら桜色の同胞が声を漏らす。
「わからない・・・。とにかく、もう少し走ろう。この森を抜ければ、何かわかるかもしれない」
まだ大きな息をついている同胞に肩を貸すと、私達は再び暗い森の中を歩き始めた。
せめて自分の存在価値を確かめるまでは、生き抜かなくてはならない。
まるで多難な前途を示唆するように、どんよりと曇った空からしとしとと冷たい雨が降り始めていた。

固い鱗の上を、天から降り注いだ雨粒が原型を留めたまま流れ落ちていく。
目や口に入る雨水は冷たいというのに、鱗に覆われた体にはそんな冷たさなど微塵も感じられなかった。
たっぷりと水滴を湛えた巨大な葉をバッサバッサと掻き分けていくと、やがれ森の切れ目が見えてくる。
その遥か向こうに、夥しいほどの細かな煌きが揺れていた。何者かの住む街があるのだ。
その上空には爆音と共に色とりどりの火花が飛び散り、新たな世紀の訪れに熱気が溢れ返っている。
「綺麗ね・・・」
「ああ・・・だが、あそこに行くのはよそう。少なくとも私達の居場所はなさそうだ」
私はそう言うと、小さな瞳を輝かせた彼女を見つめた。彼女・・・
これまでの物腰や態度から、私はこの同胞を異性として認識し始めていた。
ふっくらと丸みを帯びた体、相手に何かを訴えかけるような悩ましげな視線・・・
私の中に眠るある本能が、ぽっと小さな炎を灯したようだった。

ドサッ
「あっ・・・」
突然、森の入り口で彼は私を地面に押し倒した。その瞬間空で破裂した光の粒が降り注ぎ、彼の黒い瞳の中でキラキラと燃え尽きていく。
「な、なにを・・・?」
疲労に足を止めた私を何度も抱き起こしてくれた、鋭くも優しげだった彼の目からどことなく理性のようなものが抜け落ちているように見えた。
私の体を仰向けにしてその上に覆い被さると、彼は股間から生えた大きな肉棒に手を伸ばした。
何をされるのかわからなかったが、不意に嫌な予感が脳裏を過ぎる。
「あ、ま、待って・・・」
力なく抵抗を試みようとしたが、彼は力強い尻尾を私の足に巻きつけると、ギュッと締めつけた。
「あう・・・何を・・・する気なの?」
「私にも・・・わからぬ。だが私の中の何かが、こうさせずにはおかないのだ」
彼は特に顔の表情を変えずにそう言うと、私の股間に口を開けていた裂け目にその肉棒を差し込んだ。
グブ・・・グブグブ・・・
「ああっ!」
「おおお・・・!」
その瞬間、言い表しようのない強烈な快感が全身を突き抜ける。
グイッグイッ
彼はポタポタと体中から雨粒を滴らせながら無我夢中で腰を突き上げると、私の中に押し込んだ肉棒をさらに前後左右に掻き回した。
彼の肉棒が私の中に擦れる度に、彼の肩を掴む私の手から力が抜けていく。

こ、これは一体・・・
抑えようのない本能のままに、私は彼女をその肉棒で貫いていた。
ぞくぞくとするような快感が体中を駆け巡り、更なる快楽を求めて激しく彼女を蹂躙する。
強引な欲望のはけ口にされた彼女は初め私の体を弱々しく押し退けようとしていたが、やがて桜色の鱗に覆われた顔をさらに真っ赤に紅潮させるとクタッと地面に身を任せた。

全身の力を抜いた彼女の様子に、私は沸き上がる征服感に酔いしれていた。
快楽を求めるままに、体を流れる雨水を飛沫のように飛ばしながら激しく彼女を犯す。
やがて、熱いモノが体の奥底から込み上げてくるような不思議な感覚が下半身に走った。
「うああっ!」
ブシュッという音と共に、その熱いモノが肉棒からほどばしった感触がある。
「ああっ!」
その命の燃える熱さをまともに味わい、彼女は身を捩って悶えた。

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