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会議

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匿名ユーザー

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「う、うーん・・・」
暗い闇の中で、俺は眠りから目覚めた。いや、眠った記憶はない。
・・・そうだ、街で夜遊びしてから帰る途中、俺は突然誰かに襲われたんだった。
最後に見たのは人間のものとは思えない不思議な形をした影だったような気がする。
辺りを見回しても、平らな床にここが屋内だということがわかった以外は何も見えなかった。
ここはどこだろう・・・?いや、ここがどこかなんてことはどうでもいい。
問題は俺がなんでこんなところにいるのかってことだ。
きっと俺を襲った何者かがここまで運んできたんだろう・・・でも、何のために?

そこまで考えた時、俺はふとそばで何かの息遣いが聞こえることに気がついた。
暗闇に遮られて何も見えないが、確かに俺の右隣からスースーという寝息のような音が聞こえてくる。
その音に耳を澄ませると、波長の違う様々な呼吸音が、気配が、そして不穏な空気が、闇の中の辺り一面に満ちていることに気が付いた。
「何か・・・いるのか?」
突然パッと周囲が明るくなり、俺は眩しさに両手で目を覆った。
その指の隙間から、何かカラフルなものがチラリと見える。
「?」
好奇心に負けた俺は目を細めながら周囲を見渡して・・・激しく後悔した。
「う、うわああぁぁ!」
1、2、3・・・7匹の色鮮やかなドラゴン達が、素っ裸で床に寝かされていた俺の周りをグルッと取り囲んでいた。
俺を美味そうな餌でも見るように見つめながら舌なめずりする者、憐れむような視線を投げかけてくる者、珍しいものを見たというような不思議な顔をする者・・・
中には口の端から涎を垂らしながら眠りから目覚めた瞬間の者もいた。
俺はすぐには状況が飲み込めなかったが、1つだけはっきりしていることがある。
到底、ここからは逃げられそうにない。
体の大きさも、造りも、色も、全くのバラバラな7匹のドラゴン達が、興味津々の目つきで俺の一挙手一投足を見張っていた。
食われる・・・?
自然と頭の片隅を過ぎったその予感に、金縛りにあったように体が動かなくなる。
『うまそうだな』
「どこで拾ってきたの?」
『どうやって分けるんだ?』
『俺は頭がほしいな』
「食えるのか?」
「こんな生物初めて見た」
『じゃあ体は僕ね』
『私は足を味見してみる』
頭の中で作り出された妄想なのか、それとも実際に耳から聞こえてきたドラゴン達の声なのか・・・
そんな区別すらつかない恐ろしい会話が次々に紡ぎ出されていく。
「あ・・・あぁ・・・いや・・・」
これから居並ぶドラゴン達にバラバラに引き裂かれて食われる様子を想像して、俺は涙を流しながら絶望に震えていた。
どうせ食われるなら、せめて気を失っている間に食われたかった・・・
薄い水色のドラゴンが、ゆっくりと口を開く。その口の中に、肉を切り裂く鋭い牙が何本も並んでいた。
ああ、ついに食われるのか・・・恐怖と涙でボロボロになった顔で水色のドラゴンを凝視しながら、俺はこの世で最後に聞くことになるだろう言葉を聞いた。
「で、誰かこの生物が何か知ってる?」
何度も何度も頭の中でその言葉を反芻しながら、俺は何か違和感を感じていた。

・・・もしかして、俺を食う相談じゃなかったのか?
どのくらい時間がたったのかわからなかったが、俺はようやく納得のいく結論に達した。
周囲のドラゴン達は完全に眠りについているピンク色のドラゴンを除いて、皆何かを話し合っていた。
時折「食える」とか「柔らかい肉」とか「一口」とか不安を掻き立てるような言葉が聞こえてくるが、それでもまだしばらくの間は襲われそうにない。誰も俺をじっと見張っているものはいなかったからだ。
もしかしたら、今ならこっそりこの場を逃げ出せるかも・・・
そう思ってそっと体を起こした瞬間、12個の鋭い視線がいきなりキッと俺を睨み付けた。
「あ・・・うっ・・・」
内臓が持ち上げられるかのような恐怖に襲われ、半分体を起こした状態のまま固まる。
横隔膜が痺れ、しゃっくりが出そうになった。やはり、逃がしてくれる気は全くないらしい。
ドラゴン達を刺激しないようにそっと元のように体を地面に横たえると、何事もなかったかのように再びドラゴン達の話し合いが始まった。
「はぁ・・・はぁ・・・」
俺は全く動けなかった。今度ドラゴン達の目に止まったら、今度こそ食い殺されてしまうかもしれない。
いや、それよりもまたあんな風に睨みつけられたら心臓が止まりそうだ・・・
ドラゴン達の話し合いは、いつのまにか食える食えないの話題から味の方に移行しつつあった。
俺が早鐘のように打ち続ける鼓動を必死で抑えている間に、最初の議題は「どうやら食える」で全員一致したようだ。勘弁してくれ・・・

「で、結局うまいのか?」
紫色の体をした大きなドラゴンが、鋭く先の曲がった鉤爪をカチャカチャと鳴らしながら尋ねた。
その視線が、まるで何かを探るように俺の体をじろじろと見回している。
俺にそんなことを聞かれても・・・
「味見してみたらわかるって」
金色の髪を生やした小柄なドラゴンが、細い尻尾をビッタンビッタンと地面に叩き付けながら鼻息を荒くしていた。
まるで早く俺に食いついてみたいというように、にやけた口元から涎が滴る。
「じゃあ試しに舐めてみなよ、リトル」
リトルと呼ばれた小柄なドラゴンの隣で、最初に口を開いた水色のドラゴンが提案した。
「いいの?じゃあいただきまーす!」
なんてことを言うんだ、明らかにそいつは舐めるどころか噛み付くつもりじゃないか!
舐められてやるくらいならいいけどせめて他のドラゴンに・・・
そんなことを考えているうちに、リトルがじりじりと近づいてきた。
その幼い顔に、ファミレスでナイフとフォークを持ちながらステーキを待つ子供のようなワクワクとした表情が浮かんでいる。
「う、うわぁぁ・・・やめて・・・」
俺は慌てて後ずさったが、背後から真っ青なトカゲに似たドラゴンと、鮮やかな緑色の髪が特徴的な空色のドラゴンに捕まった。
我先にと、冷や汗でじっとりと湿った背中に2つの大きな舌が擦りつけられた。
「ひぃぃぃぃっ!」
気色悪いようなくすぐったいようなその刺激に、体の力が抜ける。
そうこうしているうちに、俺の眼前にリトルが迫っていた。
ペロペロォ
「ひゃあ!」
内腿の敏感なところに舌先を這わせられ、俺はこそばゆさに仰け反った。
そこへすかさず、背後から2匹のドラゴンの舌が体に纏わりつく。
「あ・・・はぅ・・・」
3匹のドラゴン達によってたかって舐め回されながら、俺は最後に残っていた筋肉の緊張が吸い取られていくのを感じていた。

レロレロ・・・ピチャ・・・ジョリジョリッ
脱力して地面に倒れても舌で舐め起こされ、巨大な赤い肉塊にひたすらもみくちゃに弄ばれる。
「はぅぅ・・・やめ・・・うぶっ・・・」
ベロン
四つん這いになって擦れそうな声で助けを求めようとした俺の顔を、ザラザラした舌が思い切り擦り上げた。
とどめの一舐めを放った空色のドラゴンがふと感想を漏らす。
「う~ん、ちょっと塩味ついてておいしいかも」
その言葉に、周囲で俺が蹂躙される様を傍観していたドラゴン達がキラリと目を光らせた。
「ち、ちが・・・それは汗が・・・ひぃっ」
抗議の声を上げた瞬間、背後で細々と俺を舐め回していたリトルの舌が股間から垂れ下がったペニスを直撃した。
突然与えられた快感に思わず悲鳴を上げながら仰け反る。
「ん?なんだこれ?」
ペチョペチョ・・・ショリ・・・
「はぅわぁっ!」
一握りの遠慮もなく豪快に擦りつけられた未知の快感に、俺はかっと目を見開いて上を見上げた。
青色のドラゴンが興味津々な目つきで俺を見下ろしている。
「なになに?そこ美味いのか?」
「ん~、ちょっと待ってね」
パクッ
「ふぉっ!?」
唐突に、ペニスがリトルの小さな口にパクリと咥え込まれた。
温かくも湿った空間にペニスが捕われ、凶暴な舌の前に無防備な姿をさらけ出させられる。
股の間から後ろを覗くと、リトルの顔にニヤリとした笑みが浮かんだ。
「ちょっ・・・待って・・・そ、そこはっ・・・」

食らい尽くした獲物の骨をしゃぶるように、俺のペニスを咥えたドラゴンがゆっくりと口を動かし始めた。
舌がペニスに絡み付き、軽く締め上げられる。股間から脳天まで電撃のような快楽が突き抜け、俺はあっという間に限界を迎えさせられた。
ビュビューという低い音を立てながら、リトルの口の中に精を吐き出させられる。
「かはぁ・・・」
ピクピクと全身を痙攣させながら快感に悶え狂う俺をよそに、リトルは突然口の中に注ぎ込まれた温かいものをゴクリと飲み込んだ。
「ん!おいしい!すごいよこれ!」
チュポンとペニスから口を離してリトルがはしゃぐ。
「ホントか?ちょっと俺にも味見させてくれ」
しばらく傍観を決め込んでいた紫色のドラゴンが長い首をにゅっと伸ばしてきた。
「た、助けて・・・」
快感に痺れる股間を押さえたまま、俺は地面に突っ伏していた。
これ以上責められたらどうなるか自分でも想像がつかない。
「どれだ?」
「ほらこれ」
必死で股間を守っていたのにもかかわらず、リトルはひょいっと俺の体をひっくり返した。
小柄に見えても、やはり中身はドラゴンらしい。
両手で弱々しく隠されたペニスが、紫色のドラゴンの眼前に姿を現した。
「ふーん、これか」
委細構わずガバッと大きく開けられた口を正面から覗き込んで、俺は声にならない悲鳴を上げていた。

バクッ
恐怖に目をつぶった瞬間、俺の下半身がドラゴンの口の中に消えていた。
凶悪な牙が腹のすぐ上にずらりと並んでいる。ドラゴンがほんの少し口を閉じるだけで、人間の体など容易に噛みちぎられてしまうだろう。
軽く胴を甘噛みされながら、口内に取り残されたペニスに大きな舌が擦りつけられる。
「うあ~~~!」
再び流し込まれた凄まじい快感にビクンと体を震わせる。
だが下手に暴れると腹に牙が突き刺さりそうで、俺は必死で歯を食いしばって快感に耐えていた。
グリグリグリグリ・・・
「ひぃぃ・・・いやぁ・・・」
抵抗しようにも、俺の腰から下をがっちりと咥え込んだ巨大なドラゴンの口には手も足も出ない。
されるがままにペニスを存分に揉みしだかれ、俺は2回目の射精を堪え切れずに果てさせられた。
「ん?んんっ?」
「ああああああ~!」
舌が射精中のペニスをお構いなしに掻き回し、気が狂うような快楽の泥沼に引きずり込まれる。
次々と噴き出す命の欠片を、ドラゴンが幸せそうな表情のままひたすら啜り続けた。

「はあああぁぁ・・・・・・」
津波のような快楽に危うく押し流されかけた意識をなんとか繋ぎ止め、俺はようやくドラゴンの口の中から出してもらえた。
「ふー・・・なかなか美味かったな」
満足そうに紫色のドラゴンが大きな息をつく。
「へー、じゃあ今度は私が・・・」
「や、やめてぇぇ・・・」
4本の角を持った薄いオレンジ色のドラゴンが後に続こうとしたので、俺は必死になって抵抗した。
これ以上やられたら死んでしまう・・・いや、もういっそ一思いに食ってくれたほうが・・・
「なんか疲れてるみたいだよ?今日は休ませてあげたら?」
必死の抗議も空しく再び襲われかけた俺に、意外にも水色のドラゴンが助け船を出した。
だが、元はといえばこいつが味見してみろなんて言うから・・・
「えー、つまんないの」
オレンジ色のドラゴンは楽しみを奪われてふてくされたが、幸いそれ以上迫ってこようとはしなかった。
「じゃあお楽しみはまた明日にして今日は寝よう」
お、寝るのか・・・もしかして逃げられるチャンスがあるかもしれない。
唐突にパッと辺りが暗くなった。目覚めた時と同じように、全く辺りが見えなくなる。
よし・・・後はみんな眠りにつくのを待ってここから抜け出せば・・・
「ところで、誰が見張るんだっけ?」
暗闇の中で、水色のドラゴンの声が響いた。どうやらドラゴン達には俺の姿が見えているらしい。
そんな・・・見張りをつけられたらこんな暗闇じゃとても逃げられるわけない。
「ん~?あーなになに、見張り?それならアタシ今起きたから見張ってるわよ」
初めて聞く声だ。きっと俺が襲われている間ずっと眠っていたあのピンク色のドラゴンに違いない。
「じゃあちゃんと逃がさないように見張っててね、サフラン」
「まかせといて」
その会話を最後に、辺りに静寂が戻ってきた。真っ暗で何も見えないが、周囲でドラゴン達が眠っている気配は感じる。そして、じっと俺を見つめ続ける一筋の視線も。
「ああ・・・このまま死ぬまでこのドラゴン達のおもちゃにされるのかな、俺・・・」
深い絶望に沈み込んで己の不幸を嘆いていたその時、そっと耳元からサフランと呼ばれたピンク色のドラゴンの声が聞こえてきた。
「静かに・・・アタシについといで。ここから逃がしてあげる」

「ほ・・・」
ホントに?と聞こうとした俺の口を、ピンク色のドラゴンがグッと塞いだ。声を出すなということらしい。
俺の手に柔らかい毛に覆われた尻尾の先を軽く握らせると、ドラゴンがどこかに向かって歩き出した。
その尻尾を離してしまわないように、慌てて後をついていく。本当にここから逃がしてくれるのだろうか・・・?
闇の中を手探りでしばらく歩き続けると、突然頭上に満月が見えた。
その月明かりに照らされて、前方に薄っすらと深い森が姿を現す。
後ろを振り返ると、そこには何だかよくわからないが大きな建物が建っていた。
ぼんやりと見える角張った輪郭に、それが人工の建物だとわかる。
ということは、俺は今は使われていない廃屋か何かに連れ込まれていたのだろう。
だけど一体誰が・・・?あの場にいたドラゴン達はみな俺のことを初めて見たという様子だったし、あの水色のドラゴンにしてもどちらかと言えば突然目の前に現れた謎の生物に対して単純な興味を抱いていただけかもしれない。
ピンク色のドラゴンにぴったりとついたまま、俺は真っ暗な森の中に入っていった。
このまま元いたところまで送っていってくれるのだろうか・・・?
「ごめんねー、恐い思いさせちゃって」
突然、サフランが俺に話しかけてきた。それに一瞬驚き、曖昧な返事を返す。
「え?いや、あの・・・うん・・・」
「いやーちょっと見せてあげるだけのつもりだったのにさ、皆あんなことするんだもんねー」
あははっと屈託なく笑いながらサフランが発したその言葉に、俺はどことなく引っ掛かりを感じた。

見 せ て あ げ る だ け の つ も り だ っ た ?

どういう意味だ?俺をあそこにいたドラゴン達に見せるのが目的だったってことか?それってつまり・・・
「この辺でいいかな」
辺りはまだ暗闇だというのに、いきなりサフランが立ち止まった。
「え?ここってまだ森の中なんじゃ・・・」
自然と導き出された答えを必死で否定するように、あえてとぼけた態度を取ってみる。
だが、非情な現実は微塵の容赦さえもしてはくれなかった。
「うふふ、何言ってるのよー。ここなら誰にも邪魔されないでしょ」
「じゃ、邪魔って・・・まさか・・・」
「あら、あなたをここに連れてきたのはアタシなのよ」
暗くて全く見えなかったが、サフランがこちらを振り向いたのが気配でわかった。
「せっかくアタシが見つけた獲物だもの・・・やっぱり独り占めしなきゃねー」
偶然か否か、その時木々の間から月明かりが零れ落ち、サフランの顔を照らし出した。
そして、俺は見てしまった。
短いピンクの毛に覆われた端正なサフランの顔に、背筋が凍りそうなほどに恐ろしい、意地悪な笑みが浮かんでいるのを。
その口の端がにぃっと持ち上がるのが見えた瞬間、再び辺りが闇に包まれた。
「あ・・・ああああ・・・そ、そんな・・・そんなぁぁぁぁぁ・・・」
「うふふふ・・・いただきまーす!」

その夜、狡猾なドラゴンの奸計にかかった男の恐怖に彩られた悲鳴が、煌煌と光り輝く満月に照らされた森中に響き渡ったという。



感想

  • 最初はめちゃめちゃドキドキしたが、まさか最後あーなるとは……?でも、ペニスがドラゴンの舌になめられる時、自分も感じました?? -- カスタネット (2008-05-31 12:25:24)
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