毛鱗の番い2

    

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「何だい、この小僧は・・・?」
きっと彼は、私の悲鳴を聞いて駆けつけて来てくれたのだろう。
だが勢いで飛び出してきてしまっただけなのか、自分の何十倍も大きな老竜の姿を認めるや否やあまりの恐ろしさにその場で立ち止まってしまう。
「ク・・・クゥ・・・」
「邪魔するでないよ・・・それとも、お前もこの小娘のようになりたいのかい・・・?」
ギリリリッ・・・
「ああ~~っ!」
私は見せしめのために突然全身を締め上げられて、老竜の思惑通りに苦痛の悲鳴を上げてしまっていた。

だが仔竜が次に見せた行動は、老竜はもとより私の予想をも裏切るものだった。
産まれたばかりで右も左もわからぬ子供がこんな光景を見せつけられれば必死で逃げ出しそうなものなのだが、彼はこともあろうに薄ら笑いを浮かべて油断していた老竜の顔に向かって突進していったのだ。
ガッ
「うぐっ!」
まだ幼いとはいえ生まれながらにして備わっていた狩りのための鋭い鉤爪が一閃し、老竜の顔を覆っていた厚く黒い鱗にほんの小さな傷が走る。
そして実の母親の顔を引っ掻いた当の仔竜は再びパッと素早く距離を取ると、恐ろしさにハァハァと息を荒げながらも闘志を剥き出しにして目の前の強大過ぎる敵を睨み付けていた。
「おのれ小僧が・・・あたしに楯突くなんていい度胸じゃないか・・・」
それまでどこか余裕の感じられた老竜の声に冷たい殺気がこもり、細められていた金眼がギョロリと大きく見開かれる。
そしてその手の先から伸びた巨大な鉤爪を振り翳そうとしたのを見て取って、私は擦れた声を絞り出した。

「待っ・・・て・・・その子はあなたの・・・あなたの子よ・・・!」
「・・・なんだって・・・?」
その言葉の意味を探るように、彼女の視線がじっくりと私を睨め回すように移動する。
「あ、あの子は昨日、あなたの産んだ卵から孵ったんです・・・だからお願い・・・見逃してあげて・・・」
私の言葉を聞くと、彼女は温床の上に置いてあったもう1つの卵の方へと視線を向けた。
そちらの卵は依然として暗い沈黙を保っていて、まだまだしばらくは孵化する気配が無い。
多分彼女は、同時に産んだ2つの卵が片方だけ早く孵化したことを疑問に思っているのだろう。
「私・・・どうしても子供が欲しくて・・・早く孵って欲しくて・・・3日3晩、一生懸命に暖めたんです・・・」
卵を盗んでしまった罪悪感からなのか、それとも子供を助けようとして必死だったのか、私はそれだけ告白するとボロボロと大粒の涙を零しながら漆黒の牢獄の中でただひたすらに喘いでいた。

「クゥゥ・・・クゥゥッ!」
巨竜が何か考え事でもしているかのように私を眺め回しているのを見て取ったのか、偽の母親を守ろうとして仔竜が再び甲高い雄叫びを上げながら彼女に飛び掛っていく。
だが流石に今度は予測していたのか、仔竜は振り上げた鉤爪を振るう間もなく巨大な老竜に鷲掴みにされていた。
ギュッ・・・
「ク、クゥ・・・」
掌ほどもない小さな体を潰さぬように、それでいて一切の身動きを封じられるだけの力で握り締められ、母親に捕えられた仔竜がバタバタと必死に手足を暴れされてもがいている。
だがやがてこの私ですら震え上がってしまうほどの鋭い金眼でギラリと睨み付けられると、彼は観念したのか情けない声を上げて体の力を抜いていた。

「ク・・・ゥ・・・」
真っ黒な鱗に覆われた手の中でガクリとうな垂れた仔竜の体が、悔しさとそれ以上の恐怖にブルブルと震えているのが私にもはっきりと見て取れる。
「ふぅん・・・これはまた随分と元気のいい子じゃないか・・・えぇ・・・?」
ゴクリという息を呑む音が聞こえ、仔竜が助けを求めるかのように震えながらも私の方へと視線を向けた。
いくら雄竜らしく強大な敵に対して勇敢に立ち向かっていったとしても、彼はまだこの世に産まれてからたったの1日しか経っていない幼い子供。
そんな子供の力など到底及ばないということを思い知らされると、結局は母親に助けを求めることになるのだ。
だが生憎今の私には、彼のその切ない願いすら叶えてやることができそうにない。

「フフフ・・・お前は相当この子に好かれているようだねぇ・・・」
こんな絶体絶命の状況にも仔竜が悲鳴すら上げずに耐えていられるのは、ひとえに私という存在が傍にいるからなのだろう。
敏感な老竜もその奇妙な関係が意外に強固なものであることを悟ったのか、私の体に巻き付けていた尻尾を少しずつ解いていく。
ドサッ
「あぅぐ・・・」
幾度となくきつく締め上げられて疲弊しきった体では上手く着地することなどできるはずもなく、私はゆっくりと縛めを解かれたというのに地面の上へと派手に倒れ込んでしまっていた。

「ゆ、許してくれるんですか・・・?」
「フン・・・お前の努力は認めてやるよ・・・そんなに子供が欲しいのなら、この子を連れていくがいいさ」
そう言いながら仔竜の身も手の内から解放すると、我が子を手放した母親がフイッとそっぽを向いて呟く。
「で、でも・・・どんなに好かれているとは言っても・・・この子はやっぱりあなたの・・・」
「もちろん、その子は正真正銘あたしの子さ・・・だから、お前の夫としてくれてやると言ってるんだよ」
「え・・・?」
この子を・・・私の夫に・・・?
「ほら、さっさといきな!いつまでもそこでくずくずしてると、両方ともあたしが取って食っちまうよ!」
その言葉の直後に上がった雷鳴のような巨竜の咆哮に追われるようにして、私と仔竜は慌てて暗い洞窟から夕暮れの空の下へと飛び出していた。

「クゥ・・・」
涼しげな風の吹く森の中を住み処に向かって歩いている途中、仔竜はようやく気分が落ち着いたのか小さく声を上げて私の体に擦り寄ってきた。
考えてみればこの子は母親だと思っている私を助けるためとはいえ、あんな恐ろしげな巨竜にも果敢に飛び掛っていったのだ。
今はまだ自分で狩りもできない幼子には違いないが、いずれは強くて立派な雄竜へと成長するに違いない。
それまで当分の間は母親としてこの子を育て、いずれ機を見て彼に真実を打ち明けることになるだろう。
私は擦り寄ってきた仔竜の鱗に覆われた頭をフサフサの手でそっと撫でてやると、夫と子供を同時に手に入れられたという不思議な喜びを静かに噛み締めていた。


「ねぇお母さん、ここ最近ずっと気になってたんだけど・・・どうして僕はお母さんに似てないの?」
「え・・・?」
今年も例年以上に暑かった夏が過ぎて息子ももうすぐ4歳になろうとしていたある日、私は狩りから帰ってきた矢先に彼からそんな質問を投げかけられた。
もちろん、彼も今まではそんなことなど特に気にも止めていなかったに違いない。
だが他の仲間達と共に外へ遊びに出かける機会が増えてきたことで、彼はようやく全身を体毛に覆われた私とは容姿が似ても似つかないという事実に気がついたのだ。
「だっておかしいじゃない。友達は皆自分のお母さんとそっくりなのに、僕達だけ似てないんだよ?」
いつか来ると覚悟していたこの時・・・
彼に過去の経緯を伝える機会があるとするならば、今が正にそうなのだろう。

私は急に乾き始めた喉を潤すためにゴクリと唾を飲み込むと、努めて真剣な眼差しで目の前の"雄竜"を見つめた。
「実はね・・・あなたは、私の本当の子供じゃないの・・・あなたのお母さんは、こことは別の場所にいるのよ」
「ど、どうして・・・?」
唐突に子供の顔に浮かんだ、酷く不安げな表情。
だが彼のためにも・・・そして私のためにも、彼には本当のことを伝えなければならないだろう。
「私、ずっと子供が欲しかったの。だから毎年繁殖期が来る度に、私は必死で夫になる雄を探していたわ・・・」
あの巨竜の卵を盗むことになったきっかけ、卵から孵ったのが異種族の子供だったことの驚き、年老いた巨竜とのやり取り、そして・・・彼に対して私がこれまで一心に注いできた、嘘偽りのない愛情・・・

それら全てを彼に話して聞かせるのに、たっぷり2時間はかかったような気がする。
彼はそれほどまでに奇妙で、そして特異な生涯を歩んできた子供なのだ。
「じゃあ僕・・・本当はお母さんとは何の関係もない子供なの・・・?」
そんなことはない・・・!
だが私は彼の言葉を心の内でこそ強く否定したものの、実際にそれを彼に納得させるだけの言葉はどうしても見つけられなかった。
何しろ私は自分のエゴのためだけに1匹の仔竜を実の母親のもとから引き離し、その上4年間も彼を騙し続けていたのだから。

答えに窮して流れてしまった数秒間の沈黙・・・
彼は私からの返事が無いことに少なからずも衝撃を受けてしまったのか、おもむろにクルリとこちらへ背を向けるとどことなく涙声にも聞こえる上ずった声で呟いた。
「ずっと・・・僕を騙してたんだね・・・」
そしてそう言い終わるか終わらないかの内に、彼が突然洞窟の外に向かって駆け出していく。
「あ、待って!」
私は走り去る彼に向かって慌てて大声で叫んだものの、洞窟内に反響した自分の声が聞こえなくなった時には既に彼の姿は見えなくなってしまっていた。
だが、彼があんな反応をするのも無理は無い。
多分彼は、今も森の奥の巨洞に棲んでいる本当の母親のもとへと向かったのだろう。
静かになった洞窟に独りポツンと残されると、私は暗い絶望を抱えながら寝床の上に蹲って寂しさに泣いていた。

タタッ・・・タタッ・・・
突如として住み処の中に響いた、懐かしい足音。
あたしは暗い洞窟の中で長らく横たえていた頭を静かに持ち上げると、もうすぐ姿を現すであろう4年振りに会う息子の到着をじっと待っていた。
その数秒後、過ぎ去った月日に一段と大きく成長した雄竜が勢いよくあたしの目の前に飛び込んでくる。
「おやおや・・・お前みたいな小僧が、あたしに何か用かい?」
あたしは全身を綺麗な緑色の鱗で覆われたその雄竜が紛れも無く自分の子供であることは察していたものの、敢えてそのことはおくびにも出さずに息子の反応を窺ってみることにした。
この時期に彼がここへやってくるということは、あの小娘から本当の話を聞かされたのだろう。
だとすれば、彼の目的はあたしが本当に自分の母親なのかどうかを確かめることに違いない。

「お・・・お母さん・・・」
曲がりくねった洞窟の奥に佇んでいた、予想以上に巨大な黒竜・・・
その圧倒的な存在感に怯えながらも、僕は躊躇いがちにそう呼びかけていた。
それを聞いて、全身に纏う僕の掌よりも大きな鱗を薄明かりに煌かせながら巨竜が愉しげな声を上げる。
「はっははは・・・面白いことを言う小僧だねぇ・・・あたしは、お前の母親なんかじゃないよ」
「う、嘘だ!全部聞いたんだぞ!あなたが・・・僕の本当のお母さんなんだろ?」
「ふぅん・・・聞いたって、一体誰にそんなことを聞いたんだい?」
半ば意地悪な笑みを浮かべながら老竜にそう切り返されて、僕は思わず返事に詰まってしまっていた。
「そ、それは・・・」
そうだ・・・この目の前のドラゴンが僕の母親なら、僕をこれまで育ててきてくれたあの赤いドラゴンは一体何だったというのだろう・・・?

彼女は僕が産まれてから今までずっと、毎日毎日僕の為に新鮮な獲物を獲りにいってくれた。
彼女は僕が産まれてから今までずっと、毎日毎日あの暖かい毛皮で僕を暖めてくれた。
彼女は僕が産まれてから今までずっと、毎日毎日狩りの仕方を優しく教えてくれた。
彼女は僕が産まれてから今までずっと・・・
次々と泉のように止めど無く溢れ出す記憶の奔流が、いつしか涙の雫となって僕の目から零れ落ちていた。
今日という日まで僕の母親だと偽っていたあのドラゴンは、今目の前にいる僕の本当の母親よりもずっと僕のために尽くしてくれたんじゃないか。
それなのに僕は今日、ただ単に外見が違うというだけで彼女に酷い言葉を投げつけてしまった。
本当はどこの誰よりも、この本当の母親よりもずっとずっと僕のことを可愛がってくれていたというのに・・・
「ほら、早く行っておやり・・・」
最後の最後で黒竜がポツリと呟いた、母性を感じる優しげな声。
やはり、このドラゴンが僕の実の母親なのには違いない。
だが彼女は、心の底から息子の幸せを願って僕をあの異母のもとへと送り出してくれたのだろう。
「うん、そうだね・・・僕、何言ってるんだろ・・・早くお母さんの所に帰らなきゃ・・・もう行くよ」
僕は涙を拭いながらそう言うと、4年前もそうしたように橙色に輝く空の下へと勢いよく走り出していった。

西の山の稜線に足をついた夕日が森の中へと注ぐ眩くも懐かしい光に、トボトボと道を歩く僕の影が長い長い尾を引いていた。
一体、どうやってお母さんに謝ったらいいのだろう・・・
きっとお母さんは今頃、住み処の洞窟の中で深い孤独と悲しみに暮れているのに違いない。
やがて心の中で幾度も葛藤しながら斜陽の差し込む洞窟の前まで戻ってくると、僕はそっと足音を殺して闇に包まれた住み処の中を覗き込んだ。
その奥の広い寝床の上で、いつもより一段と小さく見えるお母さんが自らの尾を抱え込むようにして蹲っている。
泣いている内に眠ってしまったのか、母は僕の気配には全く気付く様子もなく丸めた背をこちらに向けていた。
「お母さん・・・」
僕は眠っている母を起こさぬようにゆっくりとそばまで近づくと、その隣に静かに蹲って彼女の暖かい背中に自らの硬い鱗で覆われた背中をそっと擦り付けた。
冷たい鱗が背に触れた途端に母が一瞬ビクッと身を震わせたが、その緊張もすぐにどこかへと吹き飛んでいく。
「ごめんね、お母さん・・・」
鱗越しに伝わってくる母の優しい温もりに安心すると、僕は母と背中合わせになったまま眠りへと落ちていった。

眠っていた僕の顔へと断続的に吹きつけられる、生暖かい風。
外はまだ夜なのか薄っすらと目を開けた視界の中は漆黒の闇で埋め尽くされてはいたものの、僕はその風が僕の顔を覗き込んでいた母の吐息であると気付くのにそう長い時間は必要としなかった。
「おかあ・・・さん・・・?」
「まだ・・・私のことをそう呼んでくれるの・・・?」
一条の星明かりさえ入ってこない真っ暗な洞窟の中に、母の声だけが静かに響き渡る。
母の顔に一体どんな表情が浮かんでいるのかは全く見えなかったが、僕はその声に今までとは違う、何か不思議な艶が含まれているのを感じていた。
「うん・・・昼間は酷いこと言ってごめんね・・・・・・どうしたの・・・?」
「私、ずっと待っていたのよ・・・いつかあなたに本当のことを話して、私の夫として迎えられる日が来るのを」
え・・・夫・・・?
「なのに・・・またあなたにお母さんなんて呼ばれたら、私・・・」

その母の声が、不意に溢れ出した感情に震えていた。
そうか・・・母は、ただ子育てがしたいがために僕を本当の母親のもとから引き離したわけじゃなかったんだ。
母・・・いや、彼女は、成長した僕といずれは番いになるために、自分が腹を痛めて産んだわけでもない僕にこれまで一心に尽くしてくれていたのだろう。
「ご、ごめん、おかあ・・・」
思わずまたお母さんと呼びかけてしまいそうになって、僕は途中まで出かかった言葉をグッと飲み込んでいた。
だが、それも仕方のないことだ・・・僕にとって彼女は、今も昔も母親であることに変わりはない。
「僕・・・どうしたらいいの・・・?」
「・・・私を抱いて・・・」
僕の問に、彼女の口から今にも消え入りそうなか細い声が漏れていた。
そのいかにも弱々しげな仕草にずっと眠っていた雄としての本能が刺激され、僕の中で大事な何かが弾け飛ぶ。
そして次の瞬間、僕はガバッと寝床から起き上がると目の前の赤毛を纏った雌竜をその場に押し倒していた。

まだ若いとはいえ少なくとも僕より2回りは大きいはずの彼女が、まるで抵抗する様子もないままにあっさりと洞窟の地面の上へ仰向けに転がる。
そしてその手触りのよい両手に全体重をかけて彼女を腹下に組み敷いてから、僕はハッと息を呑んでいた。
僕は・・・一体何をしてるんだ?
お母さんにこんな・・・いや、違う・・・彼女は・・・僕のお母さんなんかじゃない!
彼女は・・・彼女は・・・
この世に産まれてからずっと母親として慕ってきた雌竜と体を重ねているという背徳感が、ぞわぞわと漣のように僕の背筋を這い上がってくる。
だがそれは決して不快な感触などではなく、むしろ激しい興奮を呼び覚ますかのような熱い刺激だった。

グリッ・・・
「ああっ・・・!」
力一杯地面に押しつけた彼女の手が石畳に擦れ、熱のこもった喘ぎにも似た彼女の声が闇の中に響き渡る。
僕はその初めて味わう支配的な愉悦に焚き付けられて、股間から顔を出した肉棒が見る見るうちに大きく膨らんでいくのを感じていた。
そして鱗に覆われた尻尾の先で彼女の下腹部をスリスリと弄り、体毛の中に巧妙に隠されていた一筋の割れ目を探り当てる。
ズ・・・ズブ・・・
「あっ・・・や、やぁ・・・」
更には硬く尖った尻尾の先が熱く蕩けた秘部の中へ少しずつ侵入を始めると彼女がジタバタと身を捩ったものの、ザラついた尻尾の鱗で秘肉をこそぎ上げられる快感の前に完全に力が抜けてしまっているようだった。

ジュボッ
「ひゃんっ!」
突如として膣から引き抜かれた尻尾の感触に彼女の体がビクンと大きく跳ね上がり、今まで聞いたことのないような甲高い嬌声が上がる。
暗闇のせいで彼女の様子が何1つ見えないことが、逆に眼前の雌竜の痴態を生々しく脳裏に描き出していくのだ。
「そ、そろそろ・・・い、入れるよ・・・?」
「あふっ・・・あふぅ・・・」
尻尾の先に残った熱く柔らかな膣の感触。
トロリと垂れ落ちる愛液の雫がジワジワと鱗の中に染み入ってくるようで、この上もなく切ないジンとした疼きが全身に広がってくる。

僕はあくまで躊躇いがちに、だがそれでいて眼は爛々と輝かせながら彼女に迫っていた。
そして肯定の返事を待つまでもなく、ギンギンに張り詰めた怒張を濡れそぼった割れ目の中へとゆっくり押し入れていく。
そんな彼女の膣は先の尻尾の挿入で多少は拡張されたのか、ほとんど何の抵抗もなく僕の肉棒を根元まで呑み込んでいった。
ジュ・・・ジュブブ・・・
「う、うあっ・・・!」
「あ・・・あはっ・・・」
肉棒の先がねっとりと滴る愛液に浸された途端に、全身をまるで電流にも似た凄まじい快感が走り抜ける。
「き・・・気持ちいい・・・」
やがて雌雄の交わりに潜んでいた無上の甘美な刺激に神経が焼き尽され、体を支えていた両腕からも力が抜けてしまった僕は彼女のフカフカの腹の上にドサッと倒れこんでしまっていた。

「はぁ・・・はぁ・・・」
興奮に張り詰めた肉棒が卑猥な水音とともに熱い肉襞に埋もれただけで、手足の先までがビリビリと痺れていく。
僕と同様荒くなった彼女の呼吸がその蜜壷にやんわりとした脈動となって伝わり、根元まで咥え込まれた雄が優しくも荒々しい荒波に揉まれて愛撫されていた。
「うっあっ・・・お、お母・・・さん・・・」
産まれて初めて味わう強烈な性の快楽には自力で抗うことなど到底できるはずもなく、僕はフカフカと上下に揺れる彼女の暖かい腹の上に力なく倒れ伏したまま助けを求めるばかり・・・

クチュッ・・・グッチュ・・・
「はぁ・・・あ・・・ぼ、僕、もう・・・」
あ、頭がどうにかなってしまいそうだ・・・
膣から肉棒を引き抜こうにも手足の力は完全に抜け切ってしまい、今やほんの少し首を持ち上げることすらままならない。
だが彼女の膣はなおもいやらしく愛液の弾ける音を響かせながら僕の肉棒を挟みつけ、上下に扱き上げては長年待ち望んでいた雄の白濁を搾り取ろうと蠕動を繰り返している。
「うふ・・・ふ・・・い、いいわぁ・・・早く・・・私の中に出してぇ・・・」
ギュゥゥ・・・
そして傍目には全くの無抵抗に見える彼女の肉襞が、雌雄の結合部で主の願いを叶えるべく身を躍らせた。

ギュッチュ、グシュゥ、グリュゥッ・・・
「あ・・・ああぁ・・・だ、だめえぇ・・・」
ほんのわずかな抽送すらしていないというのに、肉棒へと襲いかかる桃色の粘液を伴った無数の淫唇のロンドに意識がだんだんとぼやけていく。
僕は唯一自由の利く尻尾を地面に突っ張って何とか彼女から体を離そうと試みたものの、それすらもが彼女の尻尾でクルンと巻き取られると、いよいよこの快楽の底無し沼から脱出する手段を完全に失ってしまっていた。
ジュル・・・ジュルジュルル・・・
「ほら、早く出して・・・早くぅ・・・」
「ああん・・・が、我慢できないぃ~・・・!」
ビュルッビュビュビュ~~~~ッ!!
「うあああああああぁっ・・・!」
互い違いに蠢く肉壁に限界寸前の雄を磨り潰され、僕は首だけを精一杯仰け反らせると屈服の嬌声を上げていた。
頭の中が真っ白になってしまうかのような凄まじい刺激が全身を駆け巡り、肉棒だけがただただ僕の意思とは無関係に熱い命の雫を彼女の中へと注ぎ込んでいく。
交尾の相手がこれまでずっと母親として慕ってきた雌竜であるという事実が、そしてその無抵抗な彼女に成す術もなく精を搾られてしまったという雄として耐え難い屈辱が、却って僕の興奮を数十倍にまで増幅していった。

キュッ・・・ギュグッ・・・
「あ・・・ふぁ・・・っ・・・」
やがて渾身の締め上げに精の最後の一滴が搾り取られると、僕は再び彼女の腹の上に崩れ落ちていた。
いくら静めようと思っても一旦荒くなった呼吸はなかなか収まる気配を見せず、快楽の余韻が新たな疼きとなって全身に広がっていく。
「ど、どうだった・・・?」
どうもこうもあるものか。
僕はただ勢いだけで彼女を地面の上へと押し倒し、そして自らは彼女をこれっぽっちも満足させることなく成すがまま無様に精を放ってしまったのだ。
普通なら尻尾の先で頬を叩かれた挙句、きつく侮辱されて詰られることだろう。
だが、夜明けを間近に迎えた快晴の空から洞窟の中へと降り注いだ薄明かりは、僕の予想とは異なる表情を彼女の顔へと浮かび上がらせていた。

「ふ・・・うふふ・・・とってもよかったわぁ・・・」
心の底から満足げな表情を浮かべながら、彼女が熱い吐息を漏らしていた。
10年近くもずっと待ち焦がれていた番いとの交尾が、そしてあのふくよかな腹の内に宿ったであろう新たな命が、紅色に顔を火照らせた彼女に母親としての美しさと強さを授けていったように見える。
そしてようやく若い雄竜と結ばれた妻は僕を抱えたまま仰向けになっていた体をゴロンと転がすと、すっかり熱を帯びて暖かくなった地面の上に横になった。
「ありがとう・・・私・・・夢が叶ったわ」
背中に回された彼女の腕に力がこもり、柔らかい彼女の腹に僕の腹がギュッと押しつけられる。
「ほら・・・何か感じない・・・?」
彼女にそう言われて、僕はぴったりと密着した腹から何か脈動のようなものが伝わってくるのを感じていた。
初めは彼女の心臓の鼓動かとも思ったが、周期の異なる2つの波が皮膜に覆われた腹を通して流れ込んでくる。

「う、うん・・・感じるよ・・・」
それは紛れもなく、まだ卵にもなっていない新しい命が芽を吹いた瞬間だった。
後もう数日もすれば、彼女は待望の我が子を、僕達の子供を産み落とすことだろう。
「よかったね、お母さん・・・」
「だめよ、もう私をお母さんなんて呼ばないで・・・だってあなたは・・・今はわたしの夫なんだから・・・」
「そ、そうだね・・・でも・・・なんか照れ臭くて・・・」
そう正直に自分の胸の内を吐露すると、彼女の顔に優しげな笑みが浮かんだ。
「その内に慣れるわ。それに・・・私はもうあなたを子供扱いなんかしないからね」
「ど、どういう意味?」
「つまりね・・・私と子供のために、獲物を獲ってきて欲しいってことよ」
獲物を獲ってくること・・・確かにそれは子供ではなく母親の役目だが、同時に妻ではなく夫の役目でもある。
僕はわかったとばかりに大きく頷くと、自分からも妻の体を力強く抱き締めていた。


それから1週間後、僕と妻は揃って寝床の上に置かれたたった1つの小さな卵を食い入るように見つめていた。
もうすぐ僕にとっては初めての、妻にとっては本当の子供が、あの殻を破って生まれてくるのだ。
「どんな子が出てくるんだろうね?」
「私とあなたの子供ですもの・・・きっと可愛い子よ」
まあ・・・それはそうかもしれない。
何しろ彼女は、子供の父親となる僕の方にも産まれた時から一方ならぬ愛情を注ぎ続けてきてくれたのだ。
そんな10年越しの夢の結晶である僕達の子供が、可愛くないはずがない。

ピキッ・・・
やがて息を呑む静寂の中に卵の割れる音が響き渡り、その中から小さくて可愛らしい仔竜の手が覗く。
そしてパキャッという音と共に砕けた卵の中から薄い桃色の体毛を纏った子供が無事に姿を現すと、僕と妻はホッと大きく安堵の息をついていた。
小柄な母の産んだ卵から孵ったせいか仔竜は僕にも片手で持ち上げられそうなほど小さかったけれども、多少は僕にも似たのか後頭部からは立派な2本の角を生やし、手足の先からは尖った爪が生えている。
そして外見の違う両親の姿を目に焼き付けたのか、仔竜が可愛らしくも甲高い鳴き声を上げた。
「キュウゥ・・・」
「僕達、やったね・・・」
「ええ・・・とっても可愛い子だわ・・・」
胸の内に湧き上がる静かだが激しい歓喜・・・
その感情に押し流されたのか僕と妻はお互いにガシッときつく抱き合うと、やがて腹を空かせた仔竜にせっつかれるまでそんな甘い幸福に浸り続けていた。



感想

  • とてもいい話でした。子育てをはじめた続編お願いします。 -- ドラゴンマスター (2009-04-27 22:37:40)
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