もう1つの紫翠

    

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サファイアのように紺碧に透き通る海水に囲まれた、大陸棚の底に佇む海中洞窟。
長きにわたる孤独な歳月の末に結ばれた雄の老龍と雌の海竜はついに深さ500mの深海底で命懸けの交尾を済ませ、今日正に彼らの待ち望んだ産卵の日を迎えていた。
これは、そんな風変わりな夫婦の下に生を受けた姉弟の体験の1つである・・・

幻想的な光景に包まれた深海での交尾から3日後、妻は住み処の洞窟の中で全身を襲う喜ばしい苦痛に身悶えていた。
「大丈夫か・・・ナギ・・・?」
「あ・・・ああ・・・こ、この程度・・・ああんっ・・・!」
大きく膨らんだ妻の腹の中に収まっているであろう卵はどうやら1つではないらしく、それが卵管を無理矢理に押し広げていく度にどこか快楽を感じているかのような甲高い嬌声が上がる。
雄のワシにはおよそ想像もつかないような産卵の激しい痛みも、初めて子を産めるという妻の喜びの前では少々分が悪いらしかった。
やがて痛みも峠を越えたのか、妻が岩の地面に新たに敷かれた海草の山の上へと蹲る。
ググググ・・・ニュポンッ!
そしてワシの目の前で、小気味よい音とともに透明な粘液に塗れた大きな卵が妻の腹から飛び出してきた。
ググ・・・ズリュッ、ポコッ・・・
続いて1つ目の卵で押し広げられた卵管を通って2つ目の卵も海草の上へと排出され、ようやく務めを果たして身軽になった妻がフゥと大きく息をつく。

「ど、どうだ?」
本来ならそれはワシのセリフであるはずなのだが、やはり不安なのか妻が今しがた産んだばかりの卵を覗き込みながら小さく呟いた。
「大丈夫だ、割れてはおらぬよ」
「そうか・・・フフ・・・まさか2つも産まれるとはな・・・」
「ワシを夫に選んだそなたの目に、狂いはなかったということだな」
青く透き通った胸ビレで卵を撫でながら感慨に耽っている妻をちょっとからかってみたくて、ワシはきつく詰られるのを承知の上で軽い皮肉を口にしてみた。
だがそんなワシの予想に反して、妻が珍しく素直な答えを返してくる。

「そうだな・・・お前には感謝している。私達で、この子らを大切に育ててゆこうぞ・・・」
「何だそなたらしくもない・・・さては持ち前の気丈さは、この子達に残らず吸い取られてしまったのかのぉ?」
そこまで言うと、流石にナギもワシにからかわれていることに気がついたようだった。
「フン・・・私の目に狂いがないのなら、疲れた妻の為に魚の1匹でも取ってきてくれる夫がいるはずなのだがな」
「グフフ・・・やはりそなたはそうでなくては・・・では、行ってこよう・・・」
子を孕んでからというものここ数日はどことなく元気がなさそうに見えていたものの、ワシはようやく元の調子を取り戻した妻の様子に一安心すると勇んで狩りへとでかけていった。

その日から、ナギは暇さえあれば海草の上に安置された2つの卵を愛でていた。
夫であるワシから見ても彼女は普段気の強い姐御肌を周囲に演じているが、ワシが魚を獲って住み処に戻ってきたりした時などは大抵卵の前で睦言のように何やらぶつぶつと呟いている。
何をしているのかと訊けば初めの内はワシの目を憚るように慌ててごまかしていたものの、孵化を間近に控えた10日目にもなると最早ワシの姿すら彼女の目には入っていないようだった。
「ナギ、もう寝たらどうだ?」
「ああ・・・もう少し・・・もう少しだけ待ってくれ・・・」
今日ももう深夜だというのにこの調子では、彼女は見た目に反して意外と親バカなのかも知れぬな・・・
そんなことを考えながら10日間も干されたままの飢えた肉棒を一瞥すると、ワシは一足先に寂しく眠りについた。

バシッバシッ!
「起きろ!早く起きろアンクル!見ろ、産まれるぞ!」
翌朝、ワシは頬をはたく妻の胸ビレの一撃で叩き起こされた。
「うぐっむぐぅ・・・な、何事だ・・・?」
起き抜けのはっきりしない頭では妻の言葉が理解できず、薄っすらと目を開けて辺りの様子を窺ってみる。
そして例の卵へと視線を移したその瞬間、ピシッという音とともに片方の卵に亀裂が入った。
「おお!」
その様子を見て、ナギが今までに聞いたことがないような上ずった感嘆の声を上げる。
ピシシッ・・・ピシッ・・・ピキッ・・・
やがて天から伸びた一筋の落雷のように走っていた亀裂が卵全体に波及し、パカッという音とともに割れた卵の殻が左右に転がった。
そしてその中から・・・ナギにそっくりな小さな海竜の子供が飛び出してくる。

背中側半分を覆った薄い紫色の皮膚に、まだ丸みを帯びている長短4本の角・・・
更に背中には母親と同じく水色と深い紫でできた甲羅状の紋様が浮き出していて、角の後ろからは特徴的な赤髪をフサフサと背後へ垂らしていた。
「これは・・・実にそなたにそっくりな子だな・・・」
「ああ、正しく私の娘だ・・・フフフ・・・なんと可愛いことか・・・フフフフ・・・」
「だがこの子は、まるでワシの特徴を受け継いでおらぬではないか」
パキッ・・・ピキキッ・・・
だが自分にそっくりな娘に見取れている妻の横で、もう1つの卵にも盛大な亀裂が入る。
「おお!見ろ、そちらも産まれるぞ!」
ピシ・・・パキャッコロン・・・
やがて2つ目の卵も割れると、中から今度はワシにそっくりな子供が顔を覗かせた。

ワシよりも多少色合いの濃い緑色の滑らかな鱗に、薄く黄みがかった蛇腹状の腹が顎から尾の先まで続いている。
姉よりも一回り小さな双角は手足の爪と同じく薄っすらとした桃色を帯びていて、鮮やかな水色に染まった背中を貫く体毛は多少なりとも妻の特徴を受け継いでいるように見えた。
「こちらの子は・・・姉と違ってまた随分とワシに似ておるな・・・」
「どちらも実に可愛い子ではないか・・・フフフ・・・この子達にも、名前をつけてやらねばならぬな」
「ああ、そうだな・・・」
無事に産まれた2匹の子供達を前にして、ワシは幸福のあまりしばらく振りに妻と抱擁を交わしていた。


可愛らしい姉弟の誕生から2年後・・・
体長2mあまりにまで成長したナギとアンクルの子供達は、明るい日差しの差し込む海の中をお互いに戯れながら泳いでいた。
いや正確には、ここ最近連日のようにどこかへとこっそり出かけていく弟に姉であるマリンがちょっかいを出していただけなのだが・・・
「あらリド、今日はどこへ遊びにいくつもりー?」
「な、何だようるさいなあ・・・姉ちゃんには関係ないだろー」


独りでゆっくりと出かけようとした矢先に声をかけられ、リドは精一杯不機嫌そうな声を出して姉を追い払おうと試みていた。
「だめよ、昨日だって帰りが遅いってママに怒られたじゃないの。今日はあたしがちゃんと見張ってるからね」
そう言われて姉の説得は無駄だと悟ったリドは仕方なくその場から逃げるようにせっせと泳ぎ出したものの、マリンは母親譲りの小さな胸ビレをヒラヒラと動かしただけであっという間に弟へと追いついてしまう。
「ほらほら、逃げたってダメよ。泳ぎじゃあたしに勝てないの、わかってるでしょう?」
「つ、ついてくるなよー!」
そんな我が子の微笑ましいはずのやり取りを、住み処の洞窟から顔を出した母親が心配そうな顔で眺めていた。

「どうした、何を昼間からこそこそと子供達を覗いておるのだ?」
昼の狩りから帰ってきたワシは、まるでウツボのように洞窟から身を乗り出したままの妻に声をかけてみた。
「いや、何でもない・・・ただ、あの子達のことが少し心配でな・・・」
「全く・・・そなたはあやつらが外に出るようになってからというもの、毎日そんな調子ではないか」
「お、お前は心配ではないのか?私達ならともかく、あの子達にとっては大魚ですら天敵になり得るのだぞ」
確かに、それはそうかも知れぬ。
こんな陸に程近い海ではさして危険な生物も姿を見せぬであろうが、一度沖へ出ればこの広大な海のこと、どこにどのような生物が潜んでいたとしても不思議ではない。
「まあ、そなたの気持ちはわからぬでもないが・・・少し、心配が過ぎるのではないか?」
「一体、何が言いたいのだ?」
「つまりだな・・・その・・・少しはワシにもそなたの目を向けて欲しいと言っているのだ」

ワシは上手い言葉が見つからずについ本音を漏らしてしまったものの、妻は大きく溜息をつくと子供達から引き離した目を真っ直ぐにこちらへと向けた。
そしてスッと何も言わずに洞窟の奥へと引っ込んだ妻を追って、ワシも狩り出した魚を持ったまま暗い穴の中へと体を滑り込ませていく。
住み処の中には、相変わらずいつものように天井の小さな穴から差し込む細い光の筋のお陰で深海のそれにも劣らぬ幻想的な空間が広がっていた。
そして陸の上に上がったナギが、久し振りにどこか嗜虐的な色を含んだ眼でワシを誘う。
「お前がそれ程言うのなら、私もここ数日溜まっていた心の疲れを癒してもらうとしようか・・・」
「グフフ・・・いいとも・・・ワシにまかせておくがいい・・・」
ワシは嬉々として妻に返事を返すと、海水に濡れてキラキラと輝く美しいその蛇体の上に自らの体を重ねていた。

ずっと僕達の様子を窺っていた両親が洞窟の中で熱い行為に身を委ね始めた頃、僕はようやく諦めて姉と一緒に泳ぎ始めていた。
本当なら家族にはずっと秘密にしておきたかった場所だけど、こうも付き纏われてしまっては仕方がない。
姉の方はといえば初めての場所に連れていってもらえるとあってか妙にウキウキした笑みを浮かべていて、時折ふざけて僕の体に擦り寄ってきたりしている。
「それで?いい加減どこにいくのか教えてくれたっていいでしょ、リド?」
「フン、まだ教えないもんねー」
仲がいいのか悪いのか、姉とそんなやり取りをしながらも沖に向かって泳いでいくと、やがて水深が途端に100m程も落ち込んでいる外洋へと辿り着いた。
その海底の崖っぷちから眺める一面のマリンブルーで覆われた壮大な景色は、地上で言えば山脈の尾根から下界を見下ろす様に似ているといえばいいのだろうか。

「へぇー・・・こんなに遠くまで来たことなかったから知らなかったけど、いい景色なのねぇ」
姉がいかにも僕の反応に探りを入れるようなわざとらしい感嘆の声を漏らしたものの、僕は敢えてそれを無視すると崖から飛び降りるようにして外洋へと泳ぎ出した。
やがてずっと遠くの方に、何やら不思議な形をした黒っぽい影が薄っすらと浮かび上がってくる。
正にあれこそが、僕の目的地なのだ。
だがそんなことも知らない姉の方は辺りを泳ぐ魚の群れやら海底を歩いていた初めて見る甲殻類やらに次々と目を奪われていて、徐々に近づいてきたそれには全くと言っていい程気がついていないようだった。
まあ僕も最初にここへ来た時は姉と同じようなことをしていて、突然目の前に現れたように感じたあれには大層驚いたのだけど。

「ほら、着いたよ」
リドがボソリと呟くような小さな声を背後に投げかけてみると、一応は彼の方にも意識を向けていたのかマリンがすぐに弟と同じ方向へと視線を向けた。
そして目の前に悠然と佇んでいるそれを見て、思わずゴクリと息を呑む。
「何・・・これ?」
そこにあったのは、大昔に人間達が作ったと思われる実に巨大なガレオン船だった。
高速で航行できる上に戦闘にも適しているという正に戦艦の名に相応しいその船はかつて海賊達にも愛用され、水中深く沈んでしまったというのに長大なマストと荘厳な佇まいだけは今も変わらずに原型を留めている。
そして浅い喫水を誇るが故に頑丈なはずの船底には、彼の船が沈没した原因と見られる大小2つの穴が空いていた。

「凄いでしょ?ちょっと前に見つけたんだよ」
海中に沈んだ船はよい漁礁にでもなっているのか、特に穴の空いた船底の辺りではさっきまでとは比べ物にならないほどたくさんの魚達が躍るように泳ぎ回っている。
マリンも初めはその巨大さにあんぐりと口を開けて船を見上げていたものの、やがて住み処を出てきたときのワクワクとした楽しげな感覚を取り戻したのかその目がキラキラと輝き出した。
「面白そうね。ほら、あたし達も中に入ってみましょう」
そう言いながら船に向かって泳いでいく姉を、いつの間にか主導権が交代していることに気がついたリドがぶすっとした不満げな表情を浮かべながらも追っていく。
だが、彼らはその若さ故に気付かなかったのだ。
船が座礁するような岩場も氷山もないこの沖合いの海で何故これ程の巨船が沈んでいたのかという、その意味に。

ヒラヒラと右へ左へ忙しなく身を翻す魚達とともに、僕は姉に続いて船底に空いた大きな穴から船の中へと入っていった。
砕けて先の尖った木板で覆われた穴を潜った瞬間に辺りが暗くなり、複雑な構造の船内がぼんやりと目の前に浮かび上がる。
「へぇー、面白いわねぇ・・・」
姉は興味深げに辺りの物を事細かに観察しながらも、僕の方にはチラリとも視線を向けることなくどんどん暗さを増す奥へと入っていってしまった。
「ま、待ってよ姉ちゃん」
僕も前に何度かここへ入ったことはあるのだが、流石に独りで何があるかもわからない真っ暗な場所へ入っていくのは抵抗があったせいでここから先はまだ見たことがないのだ。
元々あまり危機感のない天然の姉にしてみればこの船は子供っぽい冒険心が疼くだけなのかもしれないが、僕はここに独りポツンと取り残されるのだけは勘弁してもらいたかった。

「ねぇ見て、リド」
暗い海水に満たされた細長い通路を通ってようやく姉に追いつくと、彼女は何やら床にたくさん沈んでいるジャラジャラとした丸くて平べったいものに興味の矛先を向けていた。
「何・・・?姉ちゃん」
「暗くてよく見えないけど・・・これ、光ってないかしら?」
ぬめった粘液に覆われた胸ビレでは上手く物を掴むことができないのか、姉がその不思議な物を1枚だけ口で咥えて僕の方へと近づける。
「本当だ・・・光を当てるとキラキラするかもね」
2本の爪でその丸い石のような物を摘んでみると、表面が微かにザラザラしているらしい。
「これ、持って帰ろうか?」
「いいわね。でもあたしは持てないから、リドがちゃんと持っててよ」
「う、うん・・・」
なんかさっきから姉にいいように使われているような気がするが、僕としてはこの暗い場所で姉がそばにいてくれるのは何とはなしに心強かった。

「で、これからどうするの?」
「うーん、そうねぇ・・・もう少し探検してみない?」
まあ多少は予想していたものの、姉はまだ住み処に帰る気はないようだった。
どうやら、余程この船が気に入ってしまったらしい。
住み処を出発したのが昼過ぎということもあって、今はもう空も夕焼けを迎える準備を始めている頃だろう。
だが姉にそう言われては無闇に逆らうこともできず、僕は結局もう少し姉に付き合ってみることにした。
「あっちの方はまだ見てないわね」
よく覚えているなと思わず僕も感心してしまう程、姉はこの真っ暗な中でも船の構造が正確に頭の中に入っているようだった。
だが何にでも興味を示す上にあまり深くは物を考えていないような印象があるこの姉のやんちゃ加減は、もしかしたらパパの方から受け継いだ性格なのかも知れない。

そんなことを考えながらゆらゆらと姉の後をついていくと、やがて通路を抜けた先に広大な空間が広がっていた。
辺りには床に沈んだ木箱やタルのようなものがいくつも散乱していて、恐らくは物置のような用途で使われていた場所であることが如実に窺える。
これだけの大きな部屋があったのだから、もうこの船には他に見ていない部屋は残っていないだろう。
それにそろそろ住み処に帰らないと、日が暮れてまたママに怒られてしまうに違いない。
"姉ちゃん、もうそろそろ帰ろうよ"
だが姉にそう声をかけようとした時、まるで僕の機先を制すかのように姉の口の方が一瞬早く開かれていた。

「ここは結構広くていい雰囲気ね・・・ねぇリド、折角だから・・・ママとパパ達みたいなことしてみようか?」
「姉ちゃん、もうそろそろ・・・え・・・?」
辺りを見回しながら姉が突然放った一言に、思わず途中まで言いかけた言葉を飲み込んで聞き返してしまう。
「マ、ママとパパ達みたいなことって・・・?」
「うふふふ・・・あらぁ、知らないとは言わせないわよ?」
そう聞こえたかと思うと、僕は突然姉に床の上へと押し倒されていた。
「わっ・・・な、何するんだよ姉ちゃん!」
だが反論している間にも姉の尾の先が僕の尻尾へと巻きつけられ、肉棒に手が出せないように下半身を完全にグルグルと絡め取られてしまう。
一体どこでこんなことを覚えたのかとも思ったが、きっと姉はパパとママが僕達に隠れて住み処の中でしていたことをこっそりと覗いていたのに違いない。

「うふふ・・・それじゃ、いくわよぉ・・・?」
そう聞いた割には僕の返事も待たずに、姉のスベスベした2枚の胸ビレが僕の肉棒を挟むように迫ってきた。
パンッ
「ひゃあっ!」
水の中でも聞こえるほどの小気味よい音とともに、肉棒が柔らかい胸ビレの間に軽く挟み潰される。
そしてそのまま、ぬるぬるとぬめる粘液に覆われたそれを互い違いに擦り合わせ始めた。
ニュルニュル・・・シュルルル・・・
「ほらぁ・・・どんな気分かしら、リド?」
「ああんっ・・・き、気持ちいいけど・・・や、やめて・・・姉ちゃぁん・・・」
やんわりとした姉の肉厚の胸ビレは僕の肉棒を余すところなく、それでいて執拗に愛撫していた。
あまりの気持ちよさに身を捩って逃げようとしても、姉の方も興奮してきたのか絡め取った僕の下半身をギュッと締めつけて離さない。

「うふふふ・・・本当に気持ちよさそうねぇ・・・じゃあ、こんなのはどう?」
その言葉とともに何の前触れもなく肉棒から離れていった胸ビレの感触を訝る間もなく、さっきより幾分かは肥大した僕の肉棒に今度は姉が顔を近づける。
そしてそれまで冷たい海水に晒されていた肉棒が姉の口の中に消えると、ほんのりした暖かさが僕の雄を包み込んだ。
パクッ
「あふっ・・・ちょ、ちょっと姉ちゃん・・・な、何するの?」
だが僕の肉棒を咥え込んでいるせいで声が出せないのか、姉が返事をする代わりにその長い舌を僕の肉棒にクルンと巻きつける。
ギュッ・・・ズリュ・・・ズリュリュゥ・・・
「あっ・・・ちょ・・・・・・姉・・・ちゃ・・・ああっ・・・!」
一体、なんという気持ちよさだろう・・・
先ほどの胸ビレとは違って今度はザラザラとした感触の暖かい肉塊が肉棒へと纏わりつき、産まれて初めて味わう痺れるような甘美な刺激が全身から力を奪っていく。
僕は下半身を抑えつけられて抵抗することもできずに、暗い船室の中で味わわされ続ける快感にひたすらグネグネと身悶えていた。

クチュッ・・・チュパッ・・・
肉棒に巻きつけられた姉の舌が上下する度に耐え難い疼きが背筋を駆け上り、初めて感じる熱い滾りが全身から沸沸と沸き上がってくる。
そして十二分に僕の肉棒を舌先で弄ぶと、姉がいよいよ体を起こして自らの下腹に走った割れ目へと目を向けた。
「ね、姉ちゃんだめだよ・・・ぼ、僕達・・・姉弟だろ?」
「あらぁ、いいじゃない、ちょっとくらい・・・うふふ・・・リドも、興味はあるんでしょう?」
「そ、それは・・・その・・・」
確かに、興味がないといえば嘘になるだろう。
パパやママがいる住み処ではもちろん姉とこんなことはできないし、姉と僕だけで落ち着ける場所なんて他になかったのだから、これはある意味では滅多にないチャンスなのかも・・・いや・・・でも・・・
だが僕の心中での葛藤をよそに、姉は慣れない様子で白い皮膚に覆われた下腹に赤い色の花を咲かせていた。
そしてプルンとした小さな淫唇が顔を覗かせると、ピンク色の愛液の雫が海水中に尾を引いて消えていく。

「いい・・・?入れるわよ・・・」
姉の方も少しは緊張しているのか、そそり立った僕の肉棒に秘裂をあてがいながら何時になく真剣な面持ちでゆっくりと腰を沈めていく。
姉はまだ子供なだけにその肉洞は驚くほど狭かったが、同じく子供である僕の雄を飲み込むのには十分だった。
ズブッ・・・グブブ・・・
膣の奥から滲み出す愛液が肉棒をゆっくりと姉の最奥へと導き、結合部から溢れては次々と辺りへ霧散していく。
「あっ・・・ああっ・・・・・・」
淫靡な水音とともにまださほど襞の立っていない肉壁に肉棒が擦りつけられる度、胸ビレや舌での愛撫とは次元の違う快感が僕の股間から全身に送り込まれてきた。
「あはぁん・・・い、いいわぁ・・・リドぉ・・・」
そして姉の方も可愛らしげな顔を真っ赤に紅潮させながら、初めて味わう性感という蜜の味に酔い痴れていく。
僕の名を愛しげに呼びながら悶える姉の姿に、僕は不覚にも欲情を隠し切れなかった。

ズチュッ・・・グリュッ・・・ヌチュックチャッ・・・!
「ああっ・・・ね、姉ちゃぁん・・・!」
徐々に激しくなる青い蛇体のうねりと翠の揺らぎ。
何時しか僕達はちょっとした興味本位から始めたお遊びの域を脱して、本気で相手を求め始めていた。
互いに快楽を貪るように肉棒を突き入れては肉襞に搾り上げられ、甘美な喘ぎとともに吐き出した熱い吐息が気泡となって船室の天井にコポコポと溜まっていく。
「リ、リドぉ・・・!」
「姉ちゃん・・・ぼ、僕・・・もう・・・!」
僕は限界を超えた気持ちよさに、燃えるような熱が姉に捕らわれた下半身と肉棒へ集まっていくのを感じていた。

き、気持ちいい・・・で、でもやっぱり僕・・・姉ちゃんとこんなことしたら・・・うあああっ・・・!
グボッ!
微かに残った理性が打ち克ったのか、僕は力尽きる寸前に最後の力を振り絞って姉を深々と貫いていた肉棒を思い切り引き抜いた。
「ああっ!」
その次の瞬間、肉棒からブシュッという音とともに白濁した雲のような粘液が勢いよく水中に飛び出していく。
姉も肉棒を引き抜かれた刺激で絶頂を迎えてしまったのか、ビクンと激しく体を痙攣させたかと思うと拡張された肉洞から大量の愛液を溢れ出させていた。

グチュ・・・グリュグリュッ!
ブシャ!
「ぐああっ・・・ナ、ナギ・・・も、もう勘弁してくれぬか・・・」
「なんだ、もう音を上げるのか・・・?久々に、もっとじっくり楽しもうと思っていたのだが・・・」
数日振りに始めた妻との交尾は、いつものようにワシの降参で幕を閉じようとしていた。
何度も精を搾り取られて弛緩した体は長く伸びた妻の尾に余すところなく巻きつかれていて、結合した雄と雌が卑猥な水音を上げる度に顔を歪めるワシの様子をナギが嗜虐的な眼差しで眺めている。
夫としてはこの上もなく幸せな光景のはずなのだが・・・
800年以上もの間培ってきたワシの雄としての自尊心は、既に原形を留めないほどに粉塵と化してしまっていた。
そしてようやく愛の拘束を解かれて荒い息をついていたワシに、妻がボソリと漏らす。
「全く・・・よくもまあそんな調子で、無事にあの子達を産めたものだな・・・」
「い、言うな・・・それはそうと・・・もう外も暗いというのにその子供達は一体何をしているのだ?」
何気なく見上げた天井が闇に包まれているのを見て、ワシはその時初めて陽が落ちていたことに気がついた。

「ま、まだ帰ってきていないのか・・・?」
交尾の熱が冷めた途端に件の心配性がぶり返したのか、ナギが落ち着きなく辺りを見回し始める。
そして水に飛び込んだ妻の後を追ってワシも洞窟の外へと飛び出してみたものの、いつもなら夕焼けのかかる前には住み処へ戻ってくるはずのマリンも今日に限っては姿が見えなかった。
「ど、どうするアンクル・・・?こんなことは今までなかっただろう?」
さっきまでの雄龍を捻じ伏せたような気丈さはどこへいったのか、そわそわと長い体をくねらせるナギを見ている内にワシも心の内に一抹の不安が芽生えたのを感じてしまう。
「落ち着けナギ・・・とにかく、一緒に子供達を探しにいくとしよう・・・」
そう言ってなんとか妻を落ち着けると、ワシは彼女とともに大声で子供達の名を呼びながら今までになく不気味な暗さに覆い尽くされた冷たい海の中へと泳ぎ出していた。

「ハァ・・・ハァ・・・」
「ふぅ・・・ふぅ・・・」
お互いに初めて味わった絶頂の興奮に僕と姉はしばらく無言のまま床に横たわって呼吸を落ち着けていたものの、やがてようやく口がきけるようになると姉がじとっとした目つきで僕を睨み付けた。
「ひ、ひどいわよリド・・・最後の最後で抜いちゃうなんて・・・」
「だ、だってさ姉ちゃん・・・やっぱり僕達、こんなことしちゃだめだよ・・・」
そう言うと姉にも一応の背徳感はあったのか、彼女が僕の頭を胸ビレで優しく擦り上げる。
「うふふ・・・それもそうね・・・でも今度やる時は、絶対逃げられないように押さえつけてあげるわよ」
「こ、今度って・・・何時?」
姉弟でこんなことをしちゃいけないと頭の中では分かっているのに、ママ譲りの妖艶な目つきで"今度"などと言われて僕は思わずそう聞き返してしまっていた。

「あらぁ、やっぱりリドも期待してるんじゃないの・・・うふふふ・・・」
「もう!姉ちゃんったらぁ!」
まんまと口車に乗せられてしまったことに気がついて、僕は顔を顰めて悪戯っぽい笑みを浮かべた姉の顔を睨み付けた。
「ほらほら、そんな顔しないの。さ、早く帰りましょ。もう夜になっちゃうわよ」
"一体誰のせいで・・・"と口走りそうになるのをグッと堪えつつも姉について船の外へ出ていくと、空はもう完全に陽が落ちてしまったのか昼間来た時とは違って辺り一面をどんよりとした闇が覆っていた。
「ほら急ぐわよ、リド」
「ああ・・・これじゃまたママに怒られるなぁ・・・」
だがブツブツとそんなことを呟きながら夢中で姉の後を追っていたせいで、僕は不覚にもある重大なことに気付くことができなかったのだ。
昼間あれほど群れを成して泳いでいたはずの大量の魚達が、今はただの1匹も視界の中に入っていないことに。

「リドー!」
「マリーン!」
妻と交互に子供達の名を呼びながらひたすらに沖へ向かって泳いでいくと、やがてすぐ下に見えていた海底が突然断崖を迎えたかのように急激に落ち込んでいた。
ここから先は、子供達もまだ連れていったことのない外洋・・・
無論ワシやナギにとっても、どんな生物が巣食っているかわからぬ未知の領域なのだ。
だが両親に似てやんちゃで無鉄砲なあの子供達が、この境界を越えていないという保証はどこにもない。
「リドもマリンも、一体どこへ行ってしまったのだ・・・?」
ワシの体にそっと身を摺り寄せながら、ナギが力の無い声で小さく呟いた。
真っ暗になった辺りには1匹の魚の姿も見当たらず、不穏な沈黙が広大な外洋全体を支配しているように見える。
あまりよくない兆候だ。
ナギもそれを判っているのか、この先に子供達がいるかもしれないという想像に微かな期待と、そして激しい不安を感じずにはいられないようだった。
「ナギ、しっかりするのだ・・・あの子達のことだ・・・無事に決まっておろう?」
「そう・・・だと、よいのだが・・・」
なおも暗く沈んだ表情を浮かべるナギを何とか促すと、ワシは海中の断崖から外洋へ勢いよく飛び出していた。

「姉ちゃん、ちょっと待ってよぉ・・・」
僕より泳ぐのが速いにもかかわらずドンドンと先へ行ってしまう姉の様子に、僕は置いてけぼりにされるのではないかという不安を感じていた。
やがてその不安に耐え切れなくなって漏らした僕の言葉に、姉が呆れたような表情でこちらを振り返る。
だが次の瞬間、彼女の顔に明らかな驚愕と恐怖の色が浮かび上がった。
「どうしたの・・・姉ちゃん・・・?」
「リド!危ない!」
姉の視線が僕ではなくその背後に向けられているのを見て取って、僕はガバッと勢いよく後ろを振り向いていた。
その僕の目の前にあったのは、何層にも鋭い牙の並んだ大きく開けられた口・・・
体長10mは優にあろうかという化け物のように巨大なホホジロザメが、僕のすぐそばまで音も無く迫っていたのだ。
「う、うわあああああっ!」
更には咄嗟に逃れようと身を捩った僕のすぐ隣で、バクンという湿った肉塊を勢いよく叩きつけるような音とともにサメの口が閉じられる。
もし姉が叫ばなかったら、僕は何も知らぬ間にあの恐ろしい巨口の餌食になっていたことだろう。

そして最初に狙った獲物を外して怒ったサメが、今度は少し先にいたマリンに標的を定めていた。
瞳のない無機質な2つの眼が小さな海竜の子供をギロリと捉え、凄まじい速さで海水を引き裂くサメの勢いに辛うじて難を逃れたリドの体が翻弄される。
「うわぁっ!ね、姉ちゃん!」
「きゃああああっ!」
甲高い悲鳴を上げながらも、マリンは恐怖で金縛りにかかった体を動かすことができなかった。
そして再び大量の海水を吸い込みながら凶悪な顎が大きく開けられ、完全に無力な獲物と化した海竜を飲み込もうとサメが突進する。
「このぉ!姉ちゃんに手を出すなぁっ!」
だが後少しでマリンがサメの牙にかかろうとしたその時、リドが精一杯の力を振り絞って脇を掠めたサメの尾ビレにしがみついていた。

ガリッ・・・
突如として尾ビレに感じた尖った爪を突き立てられるような痛みと感触が、今にもマリンに食い付こうとしていたサメの動きをほんの一瞬だけ鈍らせる。
そして姉を守ろうとするリドの叫びが耳に届いたお陰で、マリンはその隙に小さな胸ビレを翻すと凶悪この上ない巨大なサメから距離を取ろうと必死に泳ぎ始めていた。
ブォン!
「うわああっ!」
だが堅牢な海賊船をも沈没させた荒らぶる海の主は尾ビレにしがみついた龍の子供を勢いよく海中に振り落とし、再び逃げようと眼前で身をくねらせる海竜の子供に狙いをつける。
「いや!いやああああっ!」
いかに海竜といえどもまだ子供・・・その透き通った小振りな胸ビレではいくら必死に水を掻いてみたところで、獲物に狙いを定めた巨大な肉食魚からは容易になど逃げられるはずもない。
リドのささやかな抵抗で1度は広がったサメとマリンの距離も、見る見るうちに小さく縮まっていった。

「いや!いやああああっ!」
「あ、あの声は・・・?」
ひっそりとした暗い海の中に突如として響き渡った、甲高い悲鳴。
無論今まで子供達の悲鳴など聞いたことはなかったものの、ワシはそれがマリンの上げた悲鳴であることを直感的に悟っていた。
そして深い深い闇の奥に目を凝らしたその瞬間・・・
そこに浮かび上がってきたのは見たこともないほどに巨大なサメと、そのほんの少し前を必死に逃げ泳ぐ愛しい娘の姿だった。
「マ、マリン!」
そしてその親として心臓が締め付けられるような光景を目の当たりにした妻の叫び声に、ワシはまるで強弓に弾かれたかのようにその場を飛び出していた。

やがて全てを飲み込むかのように開けられたサメの巨口が娘の細く靡いた尾の先を捕えようとしたその瞬間、ワシは辛うじて娘を襲う不埒な大魚の前に身を躍り出すことに成功していた。
そして大口を開けたお陰で前がよく見えなくなったサメの鼻頭に咄嗟に食らい付き、自らの体をグルリと巻き付けたサメの頭を怒りにまかせて思い切り締め上げる。
「おのれ貴様・・・ワシの娘に何をするのだっ!」
メキッ・・・グギギッ・・・
やがて骨の軋むような鈍い音がして、頭を締め付けられたサメが苦痛に激しく暴れ始めた。
その凄まじい勢いにワシも思わず噛み付いていたサメの鼻を離してしまい、巻き付けた体を力任せに引き剥がされてしまう。
だが思わぬ敵の出現に肝を潰したのか、巨大なサメはワシにクルリと背を向けると一目散に遠く闇の中へと消えていってしまっていた。

「マリン・・・大丈夫か?」
巨大なサメが去って不穏な喧騒に包まれていた辺りが元の静寂を取り戻すと、ワシは背後で怯えていた娘にそう声をかけた。
だがマリンは相変わらずブルブルと身を震わせながらもワシの横をサッと通り過ぎると、遅れて追い付いてきたリドの所へと真っ直ぐに泳いでいく。
そして息子の小さな体に身を摺り寄せると、マリンはそこで初めて大声を上げて泣き始めていた。
「う、うう・・・わああああん・・・」
「ね、姉ちゃん・・・?」
余程恐ろしかったのか困惑するリドをよそにひたすら泣きじゃくる娘の姿に、ワシは心の内で妻の心配性を詰った自分を恥じていた。
考えてみれば、ナギは産まれた時からずっと長い間この危険な海の中で生きてきた海竜なのだ。
800年以上もの間山間の小さな湖で暮らしていた世間知らずのワシには到底及びのつかないような海に潜む危険を、彼女はいくつも知っているのだろう。

ワシは踵を返してしばしの間凍り付いていたナギの所へ戻ると、互いに身を寄せ合って愛しい姉弟達を眺めていた。
「あの子達を見ていると、まるでワシとそなたを見ているような気分になってくるな・・・」
「わ、私はお前の前であの娘のように泣いた覚えなどないぞ」
だが気丈を装ってそう言い放った妻はワシと目を合わせないように真っ直ぐ子供達を見つめながらも、その美しい体を終始ブルブルと小刻みに震わせ続けている。
「では・・・今こそ泣いたらよかろう・・・?」
「な、何・・・?」
ワシの言葉を聞いてもナギの様子に特に変化は見られなかったが、その声には微かに震えの度合いが増したように感じられた。

「いらぬ虚勢を張るでない・・・可愛い子供達を目の前で失いかけて・・・とても怖かったのだろう・・・?」
そこまで言うと、ナギがガバッと勢いよくワシの方へ体を向けていた。
じっとワシを見つめたその彼女の美しい瞳が、明らかに滲み出した涙に潤んでいるのが見て取れる。
「さあ・・・」
そう言って両腕を広げてやるとナギはワシの顔を1度はキッと睨みつけたものの、やがて素直にワシの胸の中へと顔を埋めていた。
「うぅ・・・う・・・・・・」
子供達が産まれる前だったなら、ナギはとてもワシにこんな弱みは見せなかったことだろう。
だが今の彼女は誇り高い雌海竜である前に、可愛い子供達の身を案じる普通の母親なのだ。
胸ビレでワシの体を強く抱き締めた妻に応えるように、ワシもそっと彼女の暖かい体を摩ってやっていた。


数日後・・・
リドとマリンは両親からこっぴどく叱られた後、もう外洋へは出て行かないと固く約束してようやく外出の許可をとりつけたのだった。
そしてそんなある日、リドがこっそりと姉に耳打ちする。
「姉ちゃん、一緒に遊びに行こうよ」
「あら、リドの方から誘ってくるなんて珍しいわね・・・今日はどこに行くの?」
「少し南の海の方に、丁度いい小さめの洞窟を見つけたんだ。だからほら、その・・・あの時の続きをさ・・・」
どうやら、彼らは身近な所にも無事にちょっとした楽しみの場を見つけられたようである。



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