正体不明のキノコを食べたらドラゴンになっていました 1話

    

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64名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ投稿日:2005/08/08(月)08:51:26ID:Fc8sajpb
    正体不明のキノコを食べたらドラゴンになっていました
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-1話-

 丁度、いわゆる「竜伝説」の残る土地へ旅行に行ってきた友人から箱が届いた。
中には現地の装飾品やら加工食品やら人形やらが入っていた。正直いらない。
・・・で、ちょっと気になるものがあった。キノコだ。見た目は普通のキノコだ。
 だが、図鑑を見ても類似したキノコが見つからない。そのせいか妙な威圧感があるキノコだ。
『どの毒キノコにも似てないから、食っても死なないだろう』と書いてあるメモが入っていたが・・・
俺がイモ虫やら雑草やらザリガニやら興味本位で食ってたから、コレも試食させようという魂胆か。
ここで俺の変な好奇心というか、根性というか、あるいは冒険心のようなものが湧き上がる。

 ・・・ い い じ ゃ な い か 、 や っ て や ろ う じ ゃ な い か !

 何事も挑戦だ。過去何度もやったこだ、今更何を恐れる。
素材の味を確かめるのに最も適した方法は・・・生食だ。
「覚悟はいいか?俺はできてる。」
近くに誰も居ないのに、ぼそりと独り言を言う。その直後猛烈に寂しくなったが、気を取り直して・・・
石突の部分を取り除き、水洗いしてから思い切って口に放り込んだ。

 ―――不味い、苦い、妙に後味が悪い。・・・しかも軽い吐き気がする。毒キノコかよ!
吐き気だけでなく、頭痛に全身倦怠感、更に熱まであるようだ。
暫く横になろう。猛毒のキノコに類似したのは無かった。

流石に死ぬような事には・・・――


                 ・・・


 ようやく目が覚め、時計を見る。・・・良かった、生きてる。もう深夜か、ずいぶん寝てたn・・・!?
ふと目を向けた時計の奥に立てかけてある鏡には、
自分が居た場所に見たこともないような生物が座っているのが映りこんでいた。
・・・それを一言であらわすなら、ドラゴン。竜。若干貧弱な気もするが、今の姿を示す言葉はそれが最適だろう。
冗談でキノコ食ったら・・・何故か自分が竜になってる。
どういうことだ?全体的に縮んでるし・・・だいたい犬サイズか?・・・サイズはどうでもいい。
全くなんだよこの一昔前のマンガを思わせるような展開は。キノコだぞキノコ。

 本当にこれはマズイ。まず親に顔見せられない。「竜になっちゃいました。」とでも言うか?無理だ。
布団被りながら階段を下りるか?それもまず怪しまれるし、第一小さすぎる。無理だ。
正直な話、時折「竜になれたら」などと思ったこともあったが、
実際そういう場面に直面するとなるとは考えたことすらなかった。
それ以前に正体不明のキノコを食ったのがマズかった。ゲテモノ食いは今後一切やるものか・・・。
・・・とりあえず、この原因に連絡だ、少なくとも何かわかるかもしれない。

 確か携帯はデスクの上に置いといたから・・・
・・・デスクの上にある携帯が取れない。背がかなり縮んでる。
ストラップの紐が垂れ下がっているから、あれに手が届けば・・・あ、落ちた。
これで連絡がとれる。しかし、指が3本なため番号が押しづらい。イライラする。
 頼むから出てくれよ友人!出なかったら恨むぞ!  ・・・出た!
『もしもし・・・あぁ、お前か、キノコの味はどうだった?』
「何がキノコの味だ!どういうことだよコレは!」
『ハァ?何言ってるんだよ。死んでないってことは毒キノコじゃなかったんだろ?』
「・・・悪いんだが、ちょっと家に来てくれ。 遠いだろうが、今すぐだ。」
『えー?・・・はぁ・・・わかったよ。しょうがない。あとで何か奢れ。』

 自分勝手な事を言いつつ、友人は電話を切った。
さて、アイツが来るまで何をするかな。
もうじき親は外出するだろうし、それまで待つか。アイツもその頃に到着するはずだろう。
・・・そういや腹減ったな。キノコ以外昼から何も食ってなかったっけ。
ふと周囲を見渡すと、テーブルの上に食パンがある。
とりあえずは食べるものがあった。が、手で掴もうにも間接が巧く曲がらない。
しばらくパンと格闘していたが、空腹には耐えられず、直に咥えて食べることにした。
普段は大抵ジャムやバターなどを塗って食べるが、案外何も塗らずに食うのも悪くない。
歯のスキマに挟まって取れなかったり、間違えて舌を噛んだり、
案外鋭いキバが生えていることに気付いたりもした。

 と、食パンを一袋と数枚ほど平らげ、満腹になったところでインターホンが鳴る。
「おーい、居るのかー?」ドアの向こうから聞こえる。友人だ。
「居る。そっちから空けてくれ。」というか、背が低くてドアノブに手が届かないのだ。
 ドアが開き、いつもよりもずっと高い位置から友人が見下ろす。
「遅れてすまん、途中で電車に・・・ えーと・・・犬でも飼い始めたのか?」
犬とは失礼な!上から見下ろす友人に対して、若干の怒りを込めて反論する。
「犬じゃないから。俺だから。」
すると友人は、初めて見る生物の姿に、困惑とも驚愕ともつかない表情をしていた。
尤も、ここで失神なんてされたら困るからとりあえずは問題無いが・・・。





 ※1話作者より注釈
  キノコSSは1話、2話~7話、番外編それぞれ作者が異なります。
  ですので、雰囲気やノリなどが違いますが、何ら問題はありません。

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