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stray dragon

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匿名ユーザー

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プロローグ

ヨーロッパで最初のドラゴンが発見されてから20~30年は経っただろうか。
ドラゴン本来の能力、知性と人間の科学力によっていまやドラゴンは犬や猫と
同じほど人間のパートナーとしてメジャーになった。
いや、人間と会話できる分ドラゴンのほうが人気が勝っていただろうか。

だが10年前のドラゴンペットブームも過ぎ、今は世間のドラゴン熱も落ち着いて
ペットショップでも普通に猫や犬と同じに扱われていた(正確には会話ができるので他の動物より2ランクほど上の住まい、値段だが)
もちろん人気のある種類(翼がある飛行タイプ、火を吐けるブレスタイプなど)は今でも人気で
普通のサラリーマンの月給ではとても届かない値段で扱われていた。

しかし、翼もなく火も吐けない特徴のないドラゴンも生まれる場合があり
そういうドラゴンは値段も他と比べると安かった。
それでも養育費で犬や猫よりはどうしても値段が高くなり、なかなか売れにくい存在だった。
そんな境遇のドラゴンは売れない場合も多々あり、心ない持ち主は
ひとけのない場所に捨ててしまうケースもあるのが現状だった・・・。



今日は自分の仕事が早く終わり、急ぎ足で家に向かっている途中だった。
(早く家に帰ってビールでも飲もう♪)
そう思って急いでいるといつもの帰り道の端にダンボールが置いてあった。
「・・・?」
好奇心からその中を上からゆっくり覗き込むと・・・

        • 犬?
犬のような茶色と白の模様のフサフサした小さな生き物が丸くなっていた。
「・・・・ドラゴンか」
おもわず小さい声でつぶやく。
パッと見、犬のような姿だがドラゴン独特のとがった角、犬よりも太い尻尾
そして犬よりもやや知的そうな表情をした顔でドラゴンだと分かった。

首に首輪もツノに認識票もないしこんなところにダンボールに
入っているということは・・・捨てドラゴンか。
野良ドラゴンがいるとはたまにニュースでやっているがまさかこんなところで見かけるとは。
前からドラゴンを飼いたいと思っていたが、高くて手を出せなかったのでこれはチャンスかも・・・。

しかし手を出そうとすると・・・。
「グオォッ!」
そのドラゴンはドラゴン独特の威厳のある声で威嚇してきて、とても抱いて帰れる感じではなかった。
どうやら前のペットショップか飼い主に捨てられたショックで人間に不信を持っているみたいだ。
犬や猫なら暴れても無理やりつれて帰れるが、体が小さいとはいえドラゴンに
暴れられては腕でも咬まれたりしたら大事だ。

「仕方ない・・・今日は無理か・・・」
おれはそのままこっちを睨むドラゴンを目の前に、これからどうすれば
このチビドラゴンを飼えるか考え込んでいた。

次の日、会社から帰る途中もずっとあのチビドラゴンのことばかり考えていた。
「もしかしてもういなくなってたり・・・」
一瞬不安がよぎるが、昨日と同じ場所に・・・・いた。
少し安堵が漏れたおれは小さくうずくまるチビドラゴンに
声をかけた。
「よう、生きてるか?」

そうすると少し顔を動かし、やっぱりこっちをジロリと睨んできた。
「恐い顔するなよー。今日はお前にメシを持ってきてやったぞ」
そういうとおれはさっきコンビニで買った弁当の中の焼き魚を
手でつかみ出してチビドラゴンの前に置いた。
しかしそれをチラッと見ただけで食べようとせず、やはり警戒心たっぷりで
こっちを睨んでいるばかりだった。
「食べないのか?あ、そうか飲み物もいるよな」
おれは買ってきたお茶もふたを開けておいてやった。
「じゃあそろそろ行くな。また明日な」
そう言ってチビドラゴンに手を振って離れたがやはりこっちを
見たままずっと無言だった。
前の飼い主によほどひどいことでもされたのかなかなか警戒心が解けなかった。

次の日また会社の帰りにコンビニに寄って食べ物を買っていった。
そして例のチビドラゴンのところまで行くと昨日の魚はなくなっていて
お茶も空になっていた。
「お、全部食ってくれたのか。腹へってたんだな」
が、やはり話しかけても無言でにらまれるだけだった。
「またメシ買ってきてやったぞ。コンビニ弁当で悪いけどな」
そういってまた食べてくれるのを祈って弁当を開けてお茶を置いてその場を去った。
こりゃ時間がかかりそうだが少しずつだな・・・。

それからおれは1~2週間ほど同じようなことを繰り返していた。
あいかわらずあまり変わらない感じだったが、少し睨む目が
おだやかになってきた気がする。

今日は休日なので肉を家で焼いて皿に盛ってチビドラゴンのところに
行くことにした。
「よう元気か。今日はいい肉を持ってきてやったぞ~」
その声にチビドラゴンがこっちを振り向く。
2週間前と比べるともう睨んだ目ではなく不思議な感じの視線でこっちを見ている感じだった。
しかし相変わらずまだ無言だった。
「ほら、いい肉だからうまいぞ~。またお茶も持ってきてやったからな」
皿をチビドラゴンの前に置きお茶のふたを開けていると、なんとおれの目の前で
肉を食べ始めた。
モグ・・・モグ・・・
おれは一気に前進した感じがして目の前で肉を食べているその様子を微笑みながら
ズッと見つめていた。

それから一ヶ月もすると完全におれの目の前でも平気で食べてくれるようになった。
「いつも同じようなので悪いな。飽きたか?」
「・・・・」
そう聞くとチビドラゴンは食べながら首を2回ほど横に振った。
あいかわらずしゃべらないが意思が疎通できたことは大きな進歩だった。

そしてそれから数日後にはこっちから何かしゃべると食べながらも簡単な質問には
首を縦に振ったり横に振ったりしてくれた。
「こんなところで誰かにいじめられたりしてないか?」
「・・・・」
首を横に振っている。まあ確かにわざわざ野良のドラゴンにちょっかいを出して
大怪我をしたいバカもいないだろう。
「なんでこんなところにずっといるんだ?」
「・・・・・・」
まるで聞こえなかったかのようにひたすら食べ続けている。
何も教えたくないのか首も振らなかった。
無理して嫌がることを聞いてまた警戒されるのも嫌だしこの質問はもう止めておこう・・・。

そうして少しずつ距離を縮めてからもう2ヶ月も経っていた。
あいかわらずおれが買ってきた弁当を目の前でムシャムシャと食べている。
今日は思い切って聞いてみた。
「なあ・・・ちょっとさわってもいいか・・・?」
「・・・・・」
睨むこともなく無視して食べ続けている。
いままで首を振って答えていたのだから意思が伝わってないということはないだろう。
さわっ・・・・
思い切って軽く背中をなでてみた。
一瞬チビドラゴンが身を硬くして食べるのを止める。
こっちもおもわず緊張感が走ったが、チビドラゴンはおれにさわられたまま食事を再開したので
さわっても大丈夫だったんだろう。

さすさすさす・・・・
それから食事が終わるまで俺はチビドラゴンの思ったよりやわらかい背中をなで続けていた。
ツノや丈夫なツメがなかったらまるで犬みたいだ。
気のせいか尻尾がわずかに振られてる気がする。
この調子ならもう少しで飼えそうだ。

一度背中をさわらせてもらってからはもうどんどん頭や背中を
さわっても嫌がる様子はなかった。
睨むこともしなくなったしおれが弁当を持ってこれば顔を上げて待っていた。
ここでそろそろ何か話してくれるかもしれないと思い、食事中のチビドラゴンに頭をなでながら何か答えそうな
簡単な質問をしてみた。
「なあ・・・この前の焼き魚弁当と今日のやつとどっちが好きだ?」
「・・・・今日の」
チビドラゴンは一拍置いて、ポツリと答えた。
この大きな前進には正直かなりうれしかった。
「そうか。じゃあまた同じの持ってきてやるな」
「・・・・(コクン)」
またコクンと小さく頷いて無言で続きを食べ始めた。
そんなチビドラゴンにおれは喜びをかみしめながらまた頭をなで続けていた。

次の日からはまたチビドラゴンが答えやすそうな簡単な質問をぶつけていった。
「お前自分の年とかはわかるか?」
「・・・2歳くらい」(人間でいう16~17歳くらい)
「そっか食べ盛りだしいっぱい食えよ」
「・・・・(コクン)」

チビドラゴンとコミニュケーションがとれ始めたおれは
次はもっとスキンシップがしてみたいと思った。
「あの・・・腹のほうもさわってみて・・・いいか?」
「・・・・・」
チビドラゴンは食べるのを少し止めて考えてる感じだった。
「嫌なら無理にはさわらないよ・・・」
「・・・お前になら・・・・別に・・・・」
と言って下を向いて目を伏せてしまった。
エサがもらえなくなると恐れたのか本当にさわっても大丈夫なのか
とにかく小さくつぶやいてたがオッケーなようだ。

「じゃあ・・・嫌だったら止めるから言えよ・・・」
さわさわ・・・
チビドラゴンのわきの下から手を入れて腹の辺りを優しくさする。
      • や、やわらかい・・・・。
背中よりも2倍も3倍もプニプニしていてさわっているとチビドラゴンの体温が
手に直に伝わってくる。
「なんか・・・とても気持ちいい・・・」
思わずチビドラゴンにささやくように言ってしまう。
「くぅ・・・」
チビドラゴンも久々に人間に無防備な場所をさわらせたのか、敏感に反応し
顔を紅潮させて下を向いていた。

「大丈夫か?」
「う・・・続けて・・・いいから・・・」
チビドラゴンも気持ちよくて耐えられないといった感じだったが
おれのために必死に耐えてくれているのが、たまらなくいとしく見えた。
「じゃあ今日はもうエサにしようか・・・」
まださわっていたかったが、そんなチビゴラゴンを気遣い今日は手を止めておいた。
「・・・うん・・・」
これは絶対こいつを飼うまで死ねないな・・・。

今日は給料が入ったおかげでチビドラゴンへの割と豪華なエサをもってあいつの
待ついつもの場所へ急いでいた。
すると・・・
「ほら来い!おい、暴れてるから気をつけろ!」
「フーッ!フーッ!」

複数の男の声とチビドラゴンの威嚇する声が聞こえてきた。
明らかに敵意のこもったやり取りだ。
まさか保健所がチビドラゴンを・・・。
とにかく声のほうへ急いだ。

予想は当たり、保健所の職員と思われる男性3名がチビドラゴンを網のようなものを持って囲んでいる。
「ちょっ、ちょっと待って下さい!」
俺はその修羅場に飛び込んでいった。
「な、なんだ?あんたは」
当然3人とも不審な顔でこっちを見てきた。
「・・・・・」
チビドラゴンもようやく俺の顔を見て少し落ち着いたように見える。
「そのドラゴンがどうしたんですか?」
とりあえず保健所の職員たちに状況をたずねる。
「いや、この近所の人から通報があってね。野良の動物は放置しておくと危険なんだよ」
近所のオバさん連中が通報したのか・・・。

「で、でも僕もそいつを毎日見てますが危険なことは・・・」
「そういう問題じゃなくて野良は臭いや病気を出すしね。
しかもドラゴンは力も強いし・・・」
たしかに今のチビドラゴンはキバを向いてドラゴン独特の強い眼力で
睨み、危険だと思われても仕方ない・・・。
「フーッ・・・!」

「じゃあ僕がこいつを引き取ります!」
おれは保健所の職員に強めの口調で言った。
「・・・あんたが?こんな気性の荒いドラゴンを飼うのは難しいよ?
それになんか薄汚れて汚いし・・・」
「フーッ!」
人間の言葉が話せるだけあってチビドラゴンが汚いという言葉に、
プライドを傷つけられまた威嚇をしてきた。
「いえ、僕もたまに通りかかって撫でていたので少しはなついていると思いますし。
こいつは牙もツメも鋭くて職員さんたちもこのまま捕まえるとなると危険ですよ」
「・・・・」
おそらく保健所の職員たちもわざわざ危険を犯してドラゴン一匹捕獲しないだろう、
と予想して少しおどしてみた。

そのかいあってか職員たちは3人で少し相談しはじめた。
その間におれは殺気立つチビドラゴンに声をかけた。
「おい、せっかくまたエサを持ってきてやったのに落ち着けよ。
このままじゃお前あの連中に連れて行かれちまうぞ」
「・・・何にもしてないのに・・・」
チビドラゴンがすねたように目をつり上げる。
「でもな・・・日本じゃドラゴンは人間に飼われてなきゃ危険なんだよ。
だから今日から俺がお前のパートナーになってやる」
「・・・!」
チビドラゴンが驚いたような顔でこっちを見ていると、相談し終えた職員たちが
こっちに話しかけてきた。

「我々も相談したのですが、あなたが今日から責任持って飼い主になるということであれば
それに越したことはないですが」
やはり職員たちも面倒な事になるより俺に任せたほうがいいと判断したのだろう。
「はい、では明日にでも申請を出しますので」
「ま、待て!まだお前のペットになるとは―――」
「いいから黙ってろ、このままじゃ連れて行かれて処分・・・殺されちまうんだぞ」
飼われるのを渋るチビドラゴンに少しおどし気味に無理やり納得させる。
「う・・・・」
さすがにここまで言うとチビドラゴンは反論できないようだ。
「ではこのまま家につれて帰ります」
そういうと片づけを始めている保健所の職員たちにあいさつを言い、
おれはチビドラゴンを持ち上げて抱えて帰った
「ほら、手足をばたつかせるな」
「うーっ・・・」
おれはついに明日からのドラゴンとの生活に心を躍らせ、
不服そうなチビドラゴンを手に、足早に家路についた。

「ほらここがおれの住んでるアパートだぞ」
「・・・小さい」
実際あまりいいアパートではないがはっきり言われるとグサッとくる。
「一人暮らしだからいいんだよ」
そういうとチビドラゴンを抱えたまま部屋にやっと着いた。
「ふーっ、お前小さいくせにけっこう重いなぁ」
「・・・うるさい・・・」
やはりドラゴンは見た目よりもずっしりしているようだ。

「それにしてもお前臭うぞ」
まあ何ヶ月も路上生活したなら当たり前か。
「ほら風呂沸かしてやるから洗うんだぞ」
「・・・いやだ、ドラゴンは人間の風呂など使わん」
あいかわらずプライドが高いドラゴンだ。
そんなむくれるチビドラゴンを無視して風呂に湯を入れ始めた。

「そうだ!お前に名前も付けなきゃなぁ。
どんな名前がいい?」
「・・・名前など何でもよい」
元々名前もなかったのだろうか?あまり興味がなさそうだ。
「う~んじゃあロックとかどうだ?かっこいいだろ」
「やだ」
      • なんでもいいと言ったくせに即却下するとは。
「そうだなぁ・・・じゃあバーグなんていいだ―――」
「やだ」
      • 今度はもっと早く却下された。
名前はもっとこいつを知ってからつけたほうが良さそうだな

そうこうしているうちに風呂の湯が沸いたようだ。
「まあ名前はあとででいいか。ほら風呂はいるぞ」
「いやだと言っておる・・・あっこら!」
駄々をこねるチビドラゴンのわきを抱え風呂場まで抱えていった。
さすがに保健所の職員のときのように本気で抵抗はしなかったが手足をばたつかせ
暴れている。
「やめろー!ノミが飛ぶー!」
「うがー離せー」
聞き分けのないドラゴンだ。こうなったら・・・
「ごはんあげないぞ」
「う・・・・わ、わかった・・・・」
やはり食べ盛りなせいか食欲には勝てないようだ。
なんとかご飯の力でチビドラゴンとの混浴へ持っていけそうだ。

バシャーーッ!
おれは腕まくり、足まくりをすると風呂場でまずはチビドラゴンの汚い全身に
洗面器で汲んだぬるま湯をかけた。
いきなり湯船に入れると浴槽がぬるぬるになりそうなくらい汚い・・・。
「ううっ・・・水は苦手だ・・・」
まだブツブツ言っているみたいだ。
「いいから目をつぶってろよ。耳もふさいどいてやるからおとなしくしてろよー」
「く、屈辱だ・・・・」
そういいながらも結局従って目を必死につぶっている。かわいいやつだ。
「いくぞー」
そういうとシャワーを少しぬるめに設定し頭からかけていく。
シャーーーー・・・・
犬とほぼ同じ体型なので昔実家で飼っていた犬と同じように洗っていく。

「次はシャンプーで洗うからな。目に入ると痛いからしっかりつむってろよー」
チビドラゴンがさらにギュッと目をつぶる。
プライドが高いわりには意外と小心者らしい。
シャカシャカシャカシャカ・・・・
さすがに全身体毛なのでうちの安物シャンプーでもすぐに泡立ってきた。
「どうだー気持ちいいだろ~」
「う・・・うむ・・・・」
さすがにこれは否定できないようだ。

おれはどさくさにまぎれてチビドラゴンの前面も揉みながら洗っていく。
もみもみぷにぷに・・・。
「(や、やわらかい・・・)」
「う・・・うく・・・」
もうすっかり触られるのに抵抗はなくなっているようだ。
あいかわらず触られるとかわいい声をだす。

この調子なら下のほうも・・・。
そう考えついに夢にまで見たチビドラゴンの股間部分に手を伸ばしていく。
            • ツルッ。

「え?」
てっきりちんちんがあると思ったら・・・ない?
「あ、あの・・・チビ?お前・・・その・・・ちんちんはどうしたんだ・・・?」
おもわず聞いてしまう。
「ば、ばかもん!メスに・・・ち、ちんちんがあるわけなかろう!」
え・・・・メス・・・?
チビドラゴンは律儀にずっと目をつぶりながらも恥ずかしそうに叫ぶ。
「えーっ!メス!?・・・・てっきりずっとオスかと・・・・」
おれは唖然としてしまった。
「オ・・・オスのわけな―――イタタタ!!」
チビドラゴンが興奮のあまり目を思いっきり開けてしまったようだ。
「ホラホラ、水で洗ってやるから静かにしろ」
「ううっ・・・イテテ・・・なんと失礼な人間じゃ・・・・!」
てっきりオスかと思っていたがメスだったとは・・・。
だからさっき名前つけるときオスの名前だと拒否していたのか。
でもまあこれはこれで・・・いろいろと楽しみだ。

「ふーっ・・・」
やっとチビドラゴンの全身をシャンプーで泡立ててシャワーで流し終えた。
「ほら、洗って美人・・・美竜になったから機嫌直せよ」
さっきの出来事でチビドラゴンが少し怒ってしまった。
「フン・・・当然じゃ」
だがお世辞ではなく洗うと本当に見違えるほど毛が輝き、凛とした見た目になった。

「じゃああとは湯船に入って温まるだけだな」
そういうとおれは腕まくりした服とズボンを脱ぎ始めた。
「ちょっと待て!な、なぜお前まではいる!」
「だってお前だけだと足がギリギリ届くくらいの深さだし、おれが
下で支えてないと溺れてしまうだろ?」
なんとかうまい理由を付けチビドラゴンと一緒に入れるよう仕向けた。
しかし、
「・・・では湯の量を減らせばよいではないか・・・」
うっ・・・こんなに的確な指摘はなかった。
しかしおれもここまで来て引き下がるわけにも行かなかった。
「おれだって早く入りたいんだよ。お前を助けるために必死に保健所と交渉したのになー。
あ~疲れたなー」
「う、うう・・・わ、わかった・・・」
なんとかチビドラゴンの弱みに付け込んで混浴に持っていけそうだ。
一度話せば意外に押しに弱い性格のようだ。

「じゃあ入るぞー」
おれは素っ裸に腰にタオル一枚という姿でチビドラゴンを手で持ったまま湯船に浸かった。
「あ~~~~~いい湯だなー。少し熱かったか?」
「・・・フン、ぬるいくらいじゃ」
さすがドラゴンなだけあって熱さには強いみたいだ。・・・・やせ我慢してるだけかもしれないが。
「でもお前がメスだったとはなー。たしかによく見ると女の子っぽい顔だな」
おれはチビドラゴンを腹の上に座らせ、手ぬぐいでチビドラゴンの顔を拭きながら話しかける。
「・・・よく見ないとわからんのかお前は。どう見てもメスであろう」
チビドラゴンに座ったまま後ろを向きキッと睨まれてしまった。

「あはは、ごめんって。じゃあメスっぽい名前にしなきゃなー」
「なんでも良いと言ったであろう」
さっきと同じ台詞だがまたオスの名前だと却下されてしまうので
今度はメスの名前を考えた。
「う~ん角が中国の竜っぽいし中国の女性ぽくフェイってのはどうだ?」
「なんでも良いと言ったであろう。それでかまわん」
さすがにさっきのオスの名前と比べるとずいぶんましなせいか、すんなり納得したようだ。
気のせいか満足げな顔をしているような感じだ。

でもラテン語でフェイヴ(fave)が小さい「豆」って意味だと知ったらまたすねちゃいそうだな・・・。

こうしてフェイと混浴して10分ほど経ち、お互い温まったところで
あがることにした。
フェイは久々の入浴でさっぱりしたようですっきりした顔で身体を振って
水気を飛ばしていた。
おれもフェイと混浴ができ大満足だった。

お互い素っ裸で風呂場を出て、まずはフェイのしっとりした体毛
をタオルで拭いてやっていると
フェイの視線が俺の股間部にいっているのに気づいた。
「なんだ人間のをみるの初めてなのか~?」
おれはニヤニヤしながら聞いてみた。
「そっ、そんなところ見ているわけないだろ!」
フェイがむきになって言い返す。
「そんなところってどこだよ~。やっぱり見てたじゃないか」
「うっ・・・」
フェイが言葉に詰まってしまって顔をさらに紅潮させている。

「そんなに興味あるなら見ててもいいぞ」
そういいながらおれは目をつぶって、気にしないフリをして頭を拭く続きをする。
「・・・」
うっすら薄目を開けて見るとフェイが下を向いている振りをしてチラチラ見ているようだ。
やはり珍しいものは見たいようだ。
フェイの身体を拭くたびに俺のがぷらぷらと揺れる。
そのたびにフェイが視線で追うせいか頭がほんの少し左右に揺れる。
おれはおもわず吹き出しそうになってしまった。

「そんなに興味あるなら・・・さわってみるか?」
たぶんまた必死に拒否するだろうとからかって言ってみると
「・・・コクン・・・」
なんと首を縦に振った。
よっぽど好奇心を刺激されたんだろうか。

お互い裸のまま、フェイが恐る恐る手を俺の股間に伸ばしていく。
ピトッ・・・
フェイの体毛がさわさわして気持ちいい反面、大き目の肉球がプニプニしていてなんともいえない。
俺が黙っているとフェイはさらに両手でいろいろ弄くってきた。
「あつっ・・・!」
するといきなり鋭い痛みが伝わってきた。
フェイのドラゴン独特の強い爪がおれの敏感な部分を引っかいてしまったようだ。
「す、すまぬ!」
即座にフェイが手を離して謝った。
見ると傷がうっすら赤い筋になっていて血は出てないようだ。
「だ、大丈夫・・・ハハ・・・人間もそんなにやわじゃないから」
おれは強がってみせフェイを心配させないようにした。
「傷つけるつもりは・・・本当にすまぬ」
あいかわらずプライドは高いが気は小さめのようだ。

「本当に大丈夫だって」
そういってへこむフェイの頭を撫でてやる。
「ほ、本当か?」
やっと顔を上げたフェイのドラゴンぽくない情けない顔をみて
また意地悪をしたくなってしまった。
「じゃあちょっと血が出てるし・・・舐めてもらおうかな」
「な、な!これを・・・舐めろというのか!?」
どうやらフェラチオというものをまったく知らないようで
舐めるということ自体まったく未知の行為だったのだろう。
「そうすればすぐ治っちゃうんだけどなぁフェイ」
またフェイの弱いところをついてみる。
「う、うう・・・わ、わかったがどうなっても知らんぞ」

渋々フェイも両手でおれのペニスを掴みジッと向かい合ってみている。
「牙だけは立てないでくれよ。舌を丁寧に使って舐めてるだけでいいから」
「うう・・・なんでドラゴンが人間の・・・を舐めなければいけないのだ・・」
ちゅっ・・。
「あふっ」
フェイが恐る恐るおれのペニスにキスをした瞬間、ついビクッとなり声が出てしまう。
プライドの高いメスドラゴンにフェラチオをさせているというシチュエーションだけで
興奮が高まってくる。

むちゅっ・・・もご・・・もご・・・
フェイは俺のペニスをくわえて、慣れない舌使いで舐めてくれる。
さっきのおれの言ったとおり必死に牙を立てないように口を開け、
舌を頑張って動かしているのがかわいい。
最近溜まっていたのとフェイのかわいさでもうすぐに達してしまいそうだ。
「フェ、フェイ・・・もうイキそうだ・・・口を離すなよ!」
「ふえ?」
びゅっ!どくっ・・・どくっ!

フェイはペニスから精液が出てくるとは知らず、まぬけな声を出した瞬間
おもいっきり口内射精をされてしまった。
「うぶっ!・・・げふっ・・・うう・・・」
おれは射精の余韻にひたる間もなくフェイに声をかける。
「はあっ・・・はあっ・・・フェイごめん、つい出ちゃった」
「な、なんじゃ!この白い液体は!こんなのが出るとは聞いておらんぞ!」
涙目でフェイが抗議してくる。
「これは精液だよ。赤ちゃんの素だな」
「では口に出すものではないではないか!うう・・・喉がイガイガする・・・」
「フェイがかわいいからつい出ちゃった。ごめんって」
そういうとコップで水を汲んでフェイに渡してやる。
それを受け取るとフェイは一気に飲み干した。
「ふ~・・・まったくなんて失礼な人間じゃ・・・」
「あはは、フェイは変なドラゴンだな」

落ち着いて2人でソファーに腰掛け、まったりなごんでいるときもまだフェイは愚痴をこぼしていた。
「だいたいお前は「パートナーになる」と言っておいてドラゴンというものをわかっておらん!」
「はいはい、わかったよ」
フェイの頭を撫でながら適当に聞き流す。
「聞いておるのか!そもそもドラゴンへの敬いというものを―――」
「今日のご飯は焼肉にしようか」
「や、焼肉!?・・・し、しかたないのう。それで許してやろう」
やはりフェイをだまらせるには食べ物の話をするに限る。
「じゃあおいしい牛肉を買いに行こうか」
「うむ!」
そういうとおれはラフな格好に財布を持って、フェイを抱える。
「やっぱりドラゴンは重いな」
「やはりお前はドラゴンの敬い方を―――」
こうしてフェイに文句を言われているのもなんだか楽しい。
これからもずっと暮らしていこうなフェイ。



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