【元ネタ】史実
【CLASS】キャスター
【マスター】殺生院キアラ
【真名】ハンス・C・アンデルセン
【性別】男性
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷E 魔力EX 幸運E 宝具C
【身長・体重】146cm・39kg
【スキル】
高速詠唱:E
 魔術詠唱を早める技術。
 彼の場合、魔術ではなく原稿の進みに多少の恩恵があるようだ。
 「俺の出筆スピードは遅いぞ。そもそも基本的にやる気がないので執筆なんざしないがな!」
 とは本人の弁。

無辜の怪物:D
 本人の意思や姿とは関係なく、風評によって真相をねじ曲げられたものの深度を指す。
 アンデルセンの場合は“読者の呪い”である。
 童話が有名になりすぎ、アンデルセン本人の性格が童話作家のイメージによって
 塗りつぶされてしまった。
 サーヴァントとして現れたアンデルセンの手足は、彼を代表する童話のイメージに侵食されている。
 洋服で隠してはいるが、その下の肌は人魚の鱗やマッチのヤケド、凍傷に侵され、
 喉は喋るごとに激痛を刻んでいる。

アイテム作成:C
 魔術により様々な道具を作り上げる能力。
 魔術は修得していないものの、宝具を応用した詩文により多少の作成はできるようだ。
 得意なアイテムは『100パーセント想いが伝わる恋文』らしいが、
 アンデルセン本人の恋愛歴を考えるととてもではないがお願いできない。

 また、生前の彼には妙なクセがあり、
 “眠っている時、死亡したと間違われて埋葬されるのではないか?”
 と恐れ、不安のあまり、つねに“死んでません”と書いた手紙を身につけていたという。

【宝具】
『貴方のための物語(メルヒェン・マイネスレーベンス)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
 アンデルセンが書いた自伝、『我が生涯の物語』の生原稿。
 『我が生涯の物語』は“私が書いたものはその大半が私自身の投影である”と述べた
 アンデルセンをして“私のあらゆる作品における至高の注釈”と述べた、
 彼の集大成にしてその生き様の記録である。
 言ってしまえば、アンデルセンという作家の分身―――
 作家にとって作品はすべてその当人の分身であるわけだが――の核となる書稿である。
 この書の1ページ1ページが、アンデルセンという作家を愛する人々から供給される魔力によって
 “読者の見たがっているアンデルセン”の姿を取り、その分身となって行動できる。

 だが、この宝具の真価はそんなものではない。
 作家が物語を作り出すように、この本を白紙に戻し一から執筆する事で、
 “ひとりの人間”を“ひとりの主役”に育てる事が可能となる。
 その効果……成長の度合いは原稿が進めば進むほど高まる。
 数ページ程度ではほんの少しの偶然しか起こせないが、全ページ……脱稿したあかつきには、
 その対象となった人物が思い描く通りの、“最高の姿”にまで成長させる。

 見ようによっては全能に思える宝具だが、アンデルセン自身の
 “人は究極的に死以外では幸せになれない”といった心に根深く宿る暗鬱な人生哲学と
 “物事はそう上手く行きはしない”という諦観、そして、彼の持つ作家としてのプライドが
 都合の良い展開を許容できず、そう簡単には“理想の姿”には到達しない。
 当然、“物語”の出来もアンデルセンのやる気によって変わってくる。
 “その人間にとって究極の姿”に至るには、よほど情欲を刺激する対象でなければ不可能、という事だ。

【キーワード】
『三大作家』
 世界にその名の鳴り響く三大童話作家……グリム、イソップ、アンデルセン……
 のひとりであり、その中で唯一の創作作家。
 他が民話や伝説などを編纂した編集者や収集家であるのに対し、
 彼だけが新たに物語を作る本当の意味での“作家”だった。
 代表作に『マッチ売りの少女』『人魚姫』『裸の王様』
 『雪の女王』『みにくいアヒルの子』等がある。
 また、『マッチ売りの少女』における『少女』は、アンデルセンを進学させるために働き通し、
 貧しいまま、何の楽しみもなくこの世を去った、彼の母親がモデルと言われている。

人間観察
 アンデルセンの固有スキル。ランクはA。
 人々を観察し、理解する技術。
 ただ観察するだけでなく、名前も知らない人々の生活や好み、人生までを想定し、
 これを忘れない記憶力が重要とされる。
 厭世家で知られるアンデルセンだが、その根底にあるものは拒絶ではなく理解である。
 彼にできる事は物語を紡ぐ事だけだが、だからこそ、誰よりも語る事だけに真摯であろうと誓い続けた。

 事あるごとにBBやアルターエゴたちの愛の在り方を「醜い」「悪趣味」「ひとりよがり」と
 批判していたが、その裏にあったものは深い理解と指摘、そして叱責である。
 彼がこぼしていた罵詈雑言の数々は彼女たちを全否定してのものではなく、
 忠告をこめた苦言だったのは言うまでもない。
 ……まあ、女性嫌いなのも動かぬ事実だったろうが。