「他のひとたちを探しましょう」

 アーチャーは強い。でも、不安は残ってる。アーチャーはライダーの宝具と相性がいいと言ってた。それを覆す戦い方を、ライダーは考えてくる。そうじゃないと、仕切り直す意味がないんだから。
 猟師が熊と組み合って勝つことはない。けれど、猟師は熊を狩ってみせる。アーチャーの優位はもう、ないだろう。
 それだけじゃない。今回は夏海さんと鉄人さんの命も懸かってる。負けても逃げればいいって思えはしない。

「ライダーは戦う場所と時間を決めるって言ってたわ」
「なるほど。それまでに片付けるんだな」
「違います。まず、味方を作りましょ。仲間がいれば、鉄人さんも夏海さんを助けるのも楽になるでしょうし」
「ふうん。それでも、いいか。俺もライダーと戦うことに集中したい。あいつらを助けるのは、他に誰かやってくれる奴が居た方がいい」
「決まりね。明日の朝から、街に出て探しましょう」
「ああ。それにしても、本当に頭の回りがよくなったなあ、おまえ」

 親戚の子供の成長に驚くみたいに、アーチャーは感心していた。
 ……いろいろわかってきたから、ただの子供じゃないのは知ってる。けど、やっぱり自分よりずっと小さい子に言われるは釈然としないなあ。

「……喜んでいいのかしら」
「褒めてるんだ。俺は頭に血が上りやすいから、おまえが頭を使えるのは助かる」

 アーチャーが憮然として言った。後半は、わたしの方を見ずに。気を遣ってくれたみたい。
 言われたことより、気を遣ってくれたことがうれしくて、わたしは笑った。

「なら、素直に喜んじゃおうかな」

 今日は、いいことが、あまり無かったと思う。けれど、闇の帳は心地よく下りてゆき、肌を打つ風を冷たいと感じることもない。それは、まるで涼やかな聖夜。