アチャ 「お前はおれだ!!」
  「お 前 は お れ だ !!」
  「おれもこの通りだった!! 
   俺もこの通りの様だったんだ!!」
ドンキ「カッ カハ… カハッ… カハ…ッ カハハ…ッ カハッ」
  「正義の味方が泣くなよ 悪人に敗れたか 」
  「正義の味方が泣くな 誰にも泣いて欲しくないから正義の味方になったのだろう 」
  「人は泣いて涙が枯れて果てるから
   正義の味方になり英雄になり果て 成 っ て 果 て る のだ 」
  「ならば笑え 
   倣岸に 不遜に 笑え 自分は正義だと 」
  「私は覚める お前はいつまで夢見るのだ 
   哀れなお前はいつまで 夢 見 な け れ ば な ら ぬ ? 」
アチャ 「膨大な私の過去を 膨大な私の未来が粉砕するまでだ 」
  「なぁに直ぐだ
   宿敵よ  いずれ地獄で 」
ニィ・・
ドンキ「声が 聞こえる 
   ああ あれは 故郷の声なのか 」
  「皆が 呼ぶ声が する
   子・・・供・・・ら・・・が 行か・・・な・・・きゃ・・」
ボロッ ボザッ グシャッ 
  「みんな・・・が ま・・・っ・・・て サン・・・チョ・・・が 」
  「サン・・・チョ・・・泣い・・・て・・・は な・・・ら・・・ぬ 
   騎士・・・の・・・従・・・者が・・・泣い・・・ては・・・」



 ドンキホーテの槍がヴラドの心臓を貫く
「ああ…やはりバケモノを倒すのはいつだって人間なのだな英雄狂」。
 しかし、勝利をおさめた英雄狂に喜びの色は無い
「串刺し公、あなたは吾輩のようなものに敗れてはいけないのだ。」
 苦悩に満ちた表情でアロンソ・キハーナは呟く



「司祭様 世界にはあまたの愚かな英雄狂たちがいます
彼らを見ると私は思うんです 彼らは本当に英雄を信じて存在するのか
彼は冒険を望む 血みどろの活劇を
それはもはや嗚咽や渇望に近いんです
それは彼らが冒険物語を望むのではなく 物語の外に英雄がいない事を知る絶望なんです。
ドン・キホーテ・ラ・ラマンチャ
憂い顔の騎士 渋面の騎士 ライオンの騎士」。
 あの男は幾つもの物語を夢見たんだろう
 幾千幾万の英雄譚を読みふけったんだろう
 最早彼の夢見たものは何処にもありません。
 幻想も英雄も精霊も 吸血鬼も怪物も騎士道さえも
 幻想から妄想へ 何から何まで人々の心から消えてなくなり
 真っ平らになった世界に生まれてしまった騎士
「私はね 司祭様
あの道化のような人が あの愚かで 狂気の世界を生きる時代遅れの男が
ひどく純粋な 己の信じた道を貫く求道の騎士に見えるんです」



 少しずつ透明になっていく手を眺めて、老紳士は自嘲気味に笑った。
「少年、私の妄想物語に付き合ってくれて感謝する」
「・・・ライダー」
「もうよい。それは本来、私ごときに与えられるものではなく、あの勇敢なるアマディス・デ・ガウラのような、本物の英雄に与えられるものだ。ここにいるのは、ただの騎士道狂いの大馬鹿者にすぎん」
 何を言っているのか。ただの大馬鹿者が、この聖杯戦争をあそこまでかき乱せるわけがないのに。
「幻想の世界など、ありはしない。いや、事実ありはしたが・・・、私のごとき凡骨が踏み込んではならないものであった」
「ライ・・・ドン・キホーテ」
 老紳士は笑う。その名前も、自分には相応しくないと。それでも―――
「あなたは、確かに騎士だった。立派な騎士だった」
「・・・・・・ありがとう。死の間際、サンチョ君もそういってくれた」
 あぁ、サンチョ・パンサは狂ってなんかいなかったのだ。ただ、気づいていただけだったのだ。
 彼が、騎士であることに。
「さようなら。ドン・キホーテ」
「あぁ、さようなら。我が親愛なる魔術師の少年よ」



ヴラド「私は殺した。
    殺して殺して殺して殺して殺し尽くした。
    敵を殺した味方も殺した。正義の為と、民衆を護る為とことごとくを殺し尽くした。
    その果てが、この様だ。
    私の身体はいつしかヒトでは無くなってしまっていた。
    衛宮士郎よ。正義を目指す若き求道者よ。
    君がその道を進み続けるというのなら、その果てにあるモノがヒトでは超えられないモノであることを理解しろ。
    ―――――君もいつか、私のようなただの殺戮者に成り果てる」
ドンキ「じゃが、それでもお主は護る者として殺し続けるのだろう
    お主は折れぬ。屈せぬ。何処までも己を信じ、何処までも駆け抜ける。
    自らの信じるところを成す。例え、その先に待つのが破滅への運命だとしても。
    結局、私は己を最後まで貫くことはできなんだ……。拙き物語でも、貫き通せば真実になれたかもしれぬのに。
    なれど、お主は英雄の名に相応しい。
    かつて私が夢見た、強く、猛々しく、信義に生きる、誉れ高き騎士の名に」