――――Interlude/4 The white and snow will cover over the town.


 空にある雲は重く、抱え込んだものを今にも手放しそう。濡れた綿菓子、いつ街を白く染めるのか。
 しかし町中が雪に覆われたとすれば、自分には保護色ということになるのだろうか? つまらぬ考えを弄び、白い騎士は笑う。

「アーチャー、七体目か。あれもまた手ごわそうな奴だったな」

 戦いを覗いたのは僅かな間なれど、アーチャーの強さの程は感じ取れる。恐らく総合力では自分を超えるだろう。しかし悲観することはない。あの強さは利用できよう。
 最も警戒すべきはセイバー。結論はやはり変わらない。対抗するため、主に共同戦線を薦めた判断に間違いはない。
 アサシンを除く敵の強さは掌握、全て出揃ったこれより先は、戦全体の絵図を如何に描くかの勝負となろう。その点においては右に出る者なしとの自負がある。

「如何に強力な英霊といっても屠る自信はある……が、切れるカードは多い方がいい。集めた手札、どれを使い、どれを残すか」

 白の騎士は親指を舐める。己が目指す道を拓く、その叡智を求めて。彼の本懐は――

1:かつての失いし無念、愛の成就を
2:罪せめて滅ぼし、主の願いを



 かつての悔悟は消えない。忘れることはない。
 彼を主と慕い、彼のために刃を捧げた騎士よ。彼から花嫁を奪った男。激しく憎んだこともあった。その首を切り落としてやろうと思ったこともあった。
 けれど最後には許したのだ。彼の忠節は消えず、常に誠実であろうとし続けたのだと理解して。
 ああ、なのに、どうして。どうして、あの男の傷を癒してやれなかったのか――。どうして……己は水を掌中より零したのか――!

「贖罪にはならぬのかもしれぬ。だがな、魔貌の騎士よ、我が一部よ。ここに誓おう、必ずや勝利を得んことを。……それが――生涯を槍で築いた私なりの誠意であり、贖いだ」

 彼は決意する。天地に賭けて誓う。
 さあ、いずれ出会うべき敵たちよ。刮目するがいい。彼の槍の味を、その恐ろしさを知るがいい。彼の手から逃れる術などありはしない。ゆえに心に刻め、勝利の栄光を得るには一つ、彼に打ち勝つのみなのだと。


――――Interlude out