~~イリヤの部屋
ライダー「アーチャー頼みがあるわ」
前アーチャー「なんじゃらほーい? イリヤの居ないうちに、歴史の教科書に落書きするんで、俺は忙しい」
ライダー「アーチャー頼みがあるわ」(ジャキッ)
前アーチャー「ライダーの頼みなら、僕に任せてよ。だから、マテバを仕舞ってくれないか」
ライダー「たまには、イリヤから私を誘って欲しいの」
前アーチャー「何処にだ? デートか?」
ライダー「違うわ。イリヤから、エッチなことを誘って欲しい」(ポッ)
前アーチャー「ふーん、そうかいそうかい」(ホジホジ)
ライダー「………」(ガチャッ)
前アーチャー「わかったわかった、だからマテバを引っ込めろ。ほら、鯨も一滴で死ぬまでエッチしたくなる媚薬渡してやるから」
ライダー「違うわ」
前アーチャー「何だ?」
ライダー「薬物とかに頼らず、ちょっと恥ずかしがりながらも、私を欲しがるイリヤが見たい」
前アーチャー「ライダー……幾ら頑張っても、星には手は届かないんだ」
ライダー「………」
前アーチャー「銃器で脅しても無駄だ! 出来ねえもんは出来ねえっつってんだろう!」
ライダー「何で? 私たちは相思相愛なのに」
前アーチャー「まあ、ある意味確かに相思相愛だが……毎日たらふく飯を無理やり詰め込まれてる人間に、
もっと料理が食べたいって言わせるようなもんだぞ」
~~しばらく後
前アーチャー「やあ、イリヤ。僕から君に頼みがあるんだ!」
イリヤ「アーチャーが僕って言うと、不吉な予感がするんだけど……」
前アーチャー「そう警戒するなよ。俺様とおまえのステディな仲じゃねーか」
イリヤ「う、うん……」(汗)
前アーチャー「実はライダーにエッチなことして欲しいって、イリヤにおねだりして欲しいんだよ」
イリヤ「え、えー!?」
前アーチャー「頼むよ、一言で済むじゃねーか。魔法少女の義務と思ってよー」
イリヤ「それはちょっと……ライダーさんをそんなふうに誘ったら、十時間は離してくれないだろうし」
前アーチャー「そこを何とかしてくれ。ちょっとイリヤの足腰がガクガクになって、睡眠不足と疲労でフラフラするだけだろう」
イリヤ「うぅ、嫌だよー」
前アーチャー「何だ、嫌なのかよ。一言で済むんだから、言えよー。
それとも、俺の言うことが聞けないっていうのか、こらああああぁ!」
イリヤ「そ、そんなこと言われても……」
前アーチャー「おら、顔をベロベロしちまうぞ! うっへっへっへ……」(ベロベロ)
イリヤ「ううぅ、やだよー!」
ライダー「………」
前アーチャー「ベロベロベ……」
ライダー「………」
前アーチャー「や、やあ、ライダー。ちょっとイリヤとスキンシップを……」
ライダー「……最後の言葉は?」
前アーチャー「ま、待て。話し合えばわか……うぎゃああああ!」
~~五分後
前アーチャー「くそー、邪魔しやがって。もう少しでイリヤは、うんって言うところだったんだぞ」
ライダー「………」
前アーチャー「わかったわかった。だから鉈をしまってくれ。俺が悪かった」
ライダー「どうする気?」
前アーチャー「契約したからには、履行するに決まってるだろう。
魔法少女の願いを叶えるのが、この俺の性なるミッションだからな」
~~数分後
前アーチャー「おーい、イリヤ。スイーツを食べないかい」
イリヤ「わあ、美味しそうなケーキ。食べていいの?」
前アーチャー「ふふふ、アヴェンジャーに教えて貰った店で買ってきた。好きなのを食うがいい」
イリヤ「いただきまーす。……アーチャー、美味しいよー♪」
前アーチャー「くっくっくっ、そうかいそうかい。ところでイリヤ、さっきの話なんだが」
イリヤ「さっきの話?」
前アーチャー「ライダーを誘うって話だよ。悪いけど、もういっぺん考えてくれよ?」
イリヤ「ええっ!? それはちょっと……」
前アーチャー「ほう? 俺が用意したケーキ、食っちまったよな、イリヤよぉ」
イリヤ「う、うん……」
前アーチャー「ケーキは食べるが、頼まれたことをやるのは嫌だっていうのか?」
イリヤ「で、でも……」
前アーチャー「食っちまったよな、食っちまったよな! あぁん、どうすんだよ!?」
ライダー「………」
~~六分後
ライダー「イリヤを脅すっていうのは、どういうことかしら?」
前アーチャー「まことに申し訳ごじゃいません」(ボロボロ)
ライダー「懲りないようね」
前アーチャー「おまえは契約とイリヤとどっちが大事なんだよ!」
ライダー「イリヤは何があっても守るわ。だけど契約も行ってもらう」
前アーチャー「な、何と言う我侭、自己中心的考え……普通、そういう場合には撤回するだろうが!」
ライダー「………」(ギロリ)
前アーチャー「く、くそぉ。米軍特殊部隊みたいな、何があっても任務を達成するみたいな目をしやがって
……わかったよ、何とかするよ」
~~しばらく後
前アーチャー「イリヤぁ、これを見てくれ」
イリヤ「うん、いいよ。……ええっ、何これ!?」
前アーチャー「ふっ、見ればわかるだろう。おまえの着替えや入浴中の盗撮写真だよ」
イリヤ「こ、これどうしたの!?」
前アーチャー「くっくっくっ、入手先は言えねーな。これをバラまかれたくなかったら、ライダーを誘……」
ライダー「………」
~~四分後
前アーチャー「僕ちゃん、心より、謝罪させて頂きます……」(ボロボロ)
ライダー「人のコレクションを勝手に使わないで」
前アーチャー「くそー、イリヤをストーカーが裸足で逃げ出すくらい盗撮しまくってるくせに、
自分は美味しいポジションに収まりやがって。
今に見てろよ、このアーチャー様がひいひい言わせてやる」
ライダー「まだ説得が足りなかったようね」
前アーチャー「ひいいいいい、関節技はやめてえええ! わかった、何とかします」
~~更にしばらく後
前アーチャー「なあ、イリヤ……実はライダーはもう長くないんだ」
イリヤ「ふーん、そうなんだ。あ、この服可愛いな」
前アーチャー「人が生死の話をしてるのに、雑誌を読んでるんじゃねー!」
イリヤ「だって、ライダーさん、今日もアーチャーをいっぱいやっつけたりする大活躍だったよ」
前アーチャー「む、むう……それはロウソクが燃える一瞬前はまばゆく輝くのであって……」
イリヤ「病院とか通ってる様子も無いし」
前アーチャー「そりゃ、手遅れだから、もう通う意味が無いというか……」
イリヤ「それに毎日お外に出かけて、凄く元気だよね」
前アーチャー「あの……その……えーと……」
イリヤ「前もそれ聞いたけど、本当に病気なの?」
前アーチャー「酷いよ、イリヤ。僕ちゃんが嘘をつくように見えるかい?」
イリヤ「じゃあ、仮に嘘じゃないとして、どうして欲しいの?」
前アーチャー「ライダーと最後にエッチしようって、優しくおねだりしてくれ」
イリヤ「ライダーさんの体に悪いから、止めておく」
前アーチャー「いいから、言うことを聞け、このカマトトホワイトがー!」
イリヤ「わっ、アーチャー、暴れないで!」
前アーチャー「おまえは俺様の言うことを聞いてればい……」
ライダー「………」
~~二分後
前アーチャー「調子にのりました……」(ボロボロ)
ライダー「次やったら、切腹して貰うわ」
前アーチャー「痛いのは嫌だー! 勘弁してー!」
ライダー「なら、イリヤをちゃんと説得しなさい」
~~しばらく後
前アーチャー「イリヤ、実はさよならを言わなくちゃいけねーんだ」
イリヤ「カレンさんの家に帰るの? それともアヴェンジャーちゃん?」
前アーチャー「ちげーよ! 俺は急に妖精の国に帰らなくちゃいけねーんだ」
イリヤ「アーチャーが妖精の国から来たって前にも聞いたけど……」
前アーチャー「今まで黙ってたんだが、妖精の国から帰還命令が来ていたんだ、俺は」
イリヤ「……本当? そこってどんな場所だっけ?」
前アーチャー「おうよ、そこは女の子が透明な服を着ていてな、エロ本のモザイクも無くて、
テレビをつけると全部AVという桃源郷なんだ」
イリヤ「………」
前アーチャー「一度帰れば、ここに帰って来れないかもしれない……」
イリヤ「ふーん、そうなんだ。帰ったら、はがきを送ってね」
前アーチャー「ちょっと待てぇ。やけに冷たいじゃねーか!」
イリヤ「だって、信じにくいっていうか……」
前アーチャー「騙されたと思って、信じろ! まあ、そういうわけで、帰る前にお願いがあるわけなんだが……」
イリヤ「ライダーさんを誘うこと以外なら、聞いてもいいけど」
前アーチャー「………」
イリヤ「………」
前アーチャー「イリヤ、人の願いを踏みにじりやがってー! ほっぺた引っ張りの刑にしてやる!」
イリヤ「い、いひゃいよ、アーチャー……」
ライダー「………」
~~一分後
前アーチャー「ゆ、許して……さっきから物が二重に見えるぅ……」(ボロボロ)
ライダー「短刀と白装束は用意しておいたわ」
前アーチャー「ま、待て、もしかして……」
ライダー「介錯は任せて頂戴」
前アーチャー「切腹は許してくれー! 俺とお前の仲じゃねえか」
ライダー「最後にもう一度だけチャンスをあげるわ」
~~しばらく後
前アーチャー「イリヤ、ちょっといいか?」
イリヤ「なに、アーチャー?」
前アーチャー「これを見てくれ」
イリヤ「ビデオ? これって私の部屋とライダーさん?」
ライダー『イリヤ……』
イリヤ「ライダーさん、私のベッドに入って何やってるの?」
ライダー『イリヤ……イリヤァ……」
イリヤ「わわっ、もしかして……」
前アーチャー「そのもしかしてだな。ライダーはイリヤの残り香を嗅ぎながら、枕を濡らしているわけだ」
ライダー『うう……イリヤ……』 シクシク
イリヤ「ライダーさん、凄く切なそう……」
前アーチャー「イリヤが好きで好きでたまらないのさ。だからかまってもらえないと、こうやって一人で泣いているわけだ」
イリヤ「でも、毎日のように遊んでるのに……」
前アーチャー「イリヤの心まで手に入れているのか、不安なのさ」
イリヤ「悲しそうだよ……何かしてあげられるかな?」
前アーチャー「イリヤ、おまえの誠意を見せてやれ。大切な人を落ち着かせるのは、それが一番だ」
~~数日後、イリヤの部屋
イリヤ「ライダーさん、お帰りなさい」
ライダー「イリヤ、どうしたの電気もつけないで……えっ!?」
イリヤ「少し奮発しておめかしとかしてみたけど、どうかな?」
ライダー「ど、ど、ど、どうしたの、イリヤ!?」
イリヤ「えへへ、驚いたかな。ちょっと背伸びしてみたんだけど」
ライダー「イ、イリヤ……」
イリヤ「ライダーさん、今日はたくさん遊びましよう……これからも仲良くしてね」
ライダー「わ、わ、わ、わかったわ」
~~翌朝
前アーチャー「上手くいったようだな」
ライダー「そのようね」(つやつや)
前アーチャー「まあ、このエロス仙人にかかれば、イリヤを騙すなどは容易いことよ」
ライダー「人聞きが悪いわ」
前アーチャー「だいたい恋人の寝床をくんかくんかするのは、ありだけどよ。
おまえはそれ以外にも、いっぱいやってるじゃねーか!」
ライダー「何の話かしら?」
前アーチャー「イリヤの下着や服を嗅いだりするのはいいけどよ、
履いたりかぶったり汚したりするのは、幾らなんでもあれだと思うぞ!」
ライダー「恋人の特権よ」
前アーチャー「ほほう、じゃあ早速その映像をイリヤに見せてやろうっと」
ライダー「………」
前アーチャー「じょ、冗談です。ですので、そのショットガンを仕舞って貰っていいかな?」
ライダー「まあ、いいわ。今回は上手くやってもらったし」
前アーチャー「ところでライダーよ、イリヤがピクリともしないんだが……
さすがに小学生を18時間も連れまわすのは、ハッスルしすぎなんじゃ……」
ライダー「………」
最終更新:2011年07月16日 20:17