バベル外伝? 6話


~~イリヤの部屋

前アーチャー「世界が身近に繋がるグローバリゼーションの時代、求められるのは、国際人だ」

イリヤ「う、うん」

前アーチャー「国際人になるからには、日本人もNOと言えるジャパニーズである必要がある」

イリヤ「うーん、そうだね」

前アーチャー「俺が何を言いたいかっていうとだな……イリヤ、おめー流されすぎなんだよ!」

イリヤ「ええっ!?」

前アーチャー「ライダーの口車にほいほい乗りやがって! 少しは自分で断れ!」

イリヤ「で、でも……」

ライダー「その必要は無いわ、イリヤ」

イリヤ「ライダーさん!」

前アーチャー「ぐあー、洗濯ばさみを大量に挟みつけるのをやめろ、ライダー! 
        俺の言っていることはこれっぽっちも間違っちゃいねー」



ライダー「………」

前アーチャー「ぬぐおー、いっぺんに洗濯ばさみを引っ張るなー! 
        大体、嫌だって言えねーから、こんなセクシャルターミネーターが図々しく家に居座ることになってるんだぞ!」

イリヤ「でも、ライダーさんが家に居てくれて、私嬉しいよ」

ライダー「イリヤ……」

前アーチャー「本当にそうか? こいつが家に住み着いてから、リビングやダイニングはともかく、
        風呂やベッド、トイレまで一緒に入ろうとしてるじゃねーか!」

ライダー「問題無いわ」

イリヤ「あはは……」

前アーチャー「俺が居なきゃ、今頃ライダーによって性という名の奴隷になってんぞ!
        きっぱりと、『だが断る』って言わねーと」

ライダー「………」

前アーチャー「待て、ライダー! 注射器をしまって俺の話を聞け!」

ライダー「一分だけ待つわ」

前アーチャー「なあ、よく考えろ。イリヤが『ライダーさん、一発やろうよ』って言うのと、
       『ライダーさん、だめぇ』ってちょっと嫌がりながらも感じてしまうのと、どっちがいい?」(こそこそ)

ライダー「……間違いなく後者ね」(フムフム)

前アーチャー「だったら、少し黙って見てろ。イリヤをおまえ好みのイノセントガールにしてやるからよ」

ライダー「わかったわ」


前アーチャー「なあ、イリヤ。友人の間でも、嫌なことは嫌ってきっぱり言えるような関係じゃないと、長続きしないぞ」

イリヤ「うん……」

前アーチャー「ライダーはまあ、煩悩で出来ている生物だが、友人が本気で嫌がることはやらないはずだ。
        だから、嫌なことははっきりと断らないと」

イリヤ「わかった」

前アーチャー「よし、大丈夫だな。俺様は今日は留守にするから、しっかりやれよ」

イリヤ「あれ、アーチャーは何処に行くの?」

前アーチャー「カレンから、『うさぎは寂しいと死んじゃうんだよ』っていう、訳の分からんメールが来た。
        孤独に耐えられなくなったんだろう、ちょっくら行ってくるぜ」

イリヤ「そ、そうなんだ。カレンさんによろしくね」(汗)



~~カレンの部屋

カレン「アーチャー、もう一戦しましょう」

前アーチャー「カレン……ババ抜きを二人でやるのはいい加減飽きてきたんだが……」

カレン「ジジ抜きでもいいわよ」

前アーチャー「さっきから、七並べ、ジジ抜き、ババ抜き、ポーカーのローテーション……どんな拷問だこりゃ」

カレン「何か賭けてもいいわよ」

前アーチャー「おめえ、賭けするとアホみたいに強くなるじゃねーか! 
        もうプラズマテレビとか、買わされるのは嫌だから、勘弁してくれー!」

プルルルルル

前アーチャー「おっと、愛人からの電話に違いない。……もしもし、こちらは世界一のイケメン」


士郎『アーチャーか? ちょっと聞きたいことがあるんだけど』

前アーチャー「何だよ、褐色美人モデルからの電話じゃねーのかよ。で、何の用だ? 初体験なら聞いても教えねーぞ」

士郎『ライダーがロープとかロウソクを袋から取り出し始めたんだけど、明日一緒に登山に行くって本当なのか?』

前アーチャー「そりゃ、登山は登山でも、シロウとイリヤという名前の山に登る準備に決まってるだろう
        ……ちょっとライダーに代わってくれ」

ライダー『何の用?』

前アーチャー「おめぇ、坊主たちにSMすることは説明したのか?」

ライダー『言っていないわ。先程から今晩の予定を説明する度にダメと言われているから、説明を省くことに決めたわ』

前アーチャー「おい、ちょっと待て。同意なしのは救世主様(ポリスメン)に捕まっちまうぞ」

ライダー『説明ではなく、実践でどんなものか教えて、同意して貰うわ』

ツーツーツー

カレン「シロウとライダーさんからの電話?」

前アーチャー「おうよ、二人ともアーチャー様が居なくて、寂しいとのことだ」

カレン「ふふふ、二人とも甘えん坊なのね」

前アーチャー「カレンも人のことは言えないと思うが……。グッドラック、衛宮士郎、イリヤスフィール。
        俺はおまえたちの勇姿を忘れないぜ」


~~翌日、イリヤの部屋

イリヤ「うう……身体が痛いよ……」

ライダー「イリヤ、大丈夫?」

前アーチャー「大丈夫じゃねーよ! ライダー、元々はおまえのせいじゃねーかよ!」

ライダー「……反省しているわ」

前アーチャー「心配になって朝来てみたら、一瞬イリヤとシロウが死体になってると思ったじゃねーか!」

イリヤ「アーチャー、ライダーさんを怒らないで……断れない、私たちが悪かったんだよ」

前アーチャー「イリヤ、何があったんだ?」

イリヤ「えっとね……」



~~昨晩

士郎「……」 ピクピク

ライダー「ふふ、すぐに気持ち良くしてあげるからねえ」

イリヤ「ラ、ライダーさん……お願い、止め……んんっ!」

ライダー「んん」(チュッ)

イリヤ「ん……んん……ぷはっ」

ライダー「イリヤ、ロープで縛りたいけど、いいわよね?」

イリヤ「え、そんな……嫌……んんっ!」

ライダー「んん」(チュッ)


ピーポー ピーポー ピーポー


ライダー「はっ!不味い……」


ウィーンガシャン ウィーンガシャン


ポリスメン「目標確認。バビロンの大淫婦、
       強姦未遂、未成年略取・誘拐、公然わいせつetc……以下666ノ罪ニヨリ……」

ライダー「……良いところでェ……アーチャーの仕業ね」


ポリスメン「粛正スル――――System K.A.L.K.I――――起動」



ガシャーン!、マテー!、 タスケテーオカサレルー、ズドーン



イリヤ「助かっ……た」ガクッ



前アーチャー「あぶねー、念のため通報して巡回に行ってもらって良かった……」

イリヤ「うん」

ライダー「勝負は、先の先を取った方が勝つわ」

前アーチャー「剣豪の勝負じゃねーんだぞ! どうやったら、そんな宮本武蔵みたいなことが出来るんだよ!」

イリヤ「アーチャー、どうすればいいのかな?」

前アーチャー「イリヤ、人間は怪奇現象の前では無力だ」

イリヤ「ええっ! そんなのってないよー」

前アーチャー「大体、キスで口を塞がれても、ジェスチャーで嫌だって示せばいいだろう」

イリヤ「どういうこと?」

前アーチャー「あらかじめ合図を決めておいて、それでNOって伝えるようにしとけばいいんだよ。背中を叩くとか、腕を握るとか」

イリヤ「ああ、そうすれば良かったんだ」

前アーチャー「……待て、この方法にも穴があるような気がする。イリヤ、試しにライダーの腕を握れるか試してみろ」

イリヤ「いいよ。……えっと……あれ?」

前アーチャー「何で逆に押さえ込まれてるんだよ」

ライダー「イリヤ、嫌だったら腕を握って頂戴」

イリヤ「ラ、ライダーさん、待って! まだ身体が……うー」(ジタバタ)

前アーチャー「待て待て待て、何でそのまま自分の欲望を満たそうとしてるんだよ……」



前アーチャー「こうなったら、あれだな。イリヤがお触り禁止令の強権を発動するしかないだろう」

ライダー「アーチャー、私は愚か者には容赦しない……」

前アーチャー「ちょっと待てぇ、室内でRPG(携帯対戦車擲弾発射器)を構えるんじゃねー! 
        俺も木っ端微塵だが、お前もただじゃ済まねーよ!」

ライダー「イリヤと愛を交わせない人生なんて……」

前アーチャー「そのイリヤも吹っ飛ぶだろうが! あんまりエロすぎて、イリヤとシロウに嫌われても知らねーぞ!」

ライダー「二人が私のことを嫌いに……」(シクシク)

イリヤ「ラ、ライダーさん、大丈夫だよ。私はライダーさんのこと好きだよ。だから、泣かないで」

ライダー「イリヤは私のことを愛してくれてるわ」(ムフー)

前アーチャー「急に泣いたり、ドヤ顔したり、忙しいな、おめぇは……。だけど程々にしておかないと、夜逃げされるぞ」

イリヤ「どうすればいいのかな?」

前アーチャー「こうなったら、イリヤ。俺と契約して魔法少女(ダッチガール)になれ!」

ライダー「………」

前アーチャー「対物ライフルをこっちに向けるんじゃねー! いいから俺の話を聞け! 
        単にお触り禁止令を出しても、この変態風俗戦士は満足できねーだろ。
        それなら、プレイの一環にすればいいんだよ」

イリヤ「プレイの一環?」

前アーチャー「そうだ。焦らしプレイみたいな感じでな」

ライダー「要点は理解出来たわ。でも、何であなたと契約する必要があるのかしら?」

前アーチャー「おめぇ、イリヤとの口約束が守れると思ってるのか
       ……約束を破らないためにも、聖杯の契約を遵守させないと」

イリヤ「いいよ、契約するよ」

前アーチャー「契約成立だな。それじゃ、まずはこれを身につけろ」

イリヤ「何これ?」

前アーチャー「悪魔通販アダマンチウム製の貞操帯とコルセットだ。
        これなら巡航ミサイルが来ても、破壊されないから大丈夫のはずだ」

イリヤ「大げさだなー」


~~十分後

イリヤ「ライダーさん、何やってるの? スカートを持ち上げてるの恥ずかしいんだけど……」

ライダー「イリヤの貞操帯の鍵をピッキングしているわ」

前アーチャー「何でいきなり外しにかかってるんだよ……」

ライダー「上手くいかないわね……仕方ない、イリヤ動いてはダメよ」

前アーチャー「ガスバーナーを持ち出してるんじゃねー! イリヤごと切断しちまうだろうが!」



~~一時間後

ライダー「イリヤ……」

イリヤ「うう、ライダーさん、そんな切なそうな目で見つめないで」

ライダー「イリヤ、私はイリヤのこと好きなのに……」

イリヤ「アーチャー、ちょっとくらいなら外していいよね?」

前アーチャー「イリヤはお伽噺で怪物に真っ先に食われるタイプだな。騙されやすすぎる」

ライダー「ううっ! 心臓の調子が……」

イリヤ「ライダーさん、助けてあげないと!」

前アーチャー「心臓が悪いなら、逆にエッチなんてしたら危ないだろうが……」



~~三時間後

ライダー「イリヤ……スー、ハー、スー、ハー」(ムフー)

イリヤ「アーチャー、顔がライダーさんの息でスースーするよー」

前アーチャー「いつもはすました顔をしてるのに、何でイリヤが貞操帯つけただけで、ケダモノになってるんだよ……」

ライダー「人間は自分の手に届かない願いに、欲望を抱くのよ」

前アーチャー「格好いいことを言ったつもりかもしれねーけど、それ全然ダメダメじゃねーか」



~~風呂場

前アーチャー「風呂を改造しておいた。これでトラックで突っ込まれても、ビクともしねーから、安心して風呂に浸かってろ」

イリヤ「アーチャー……お風呂のドアをカリカリひっかく音が聞こえるんだけど」

前アーチャー「ライダーが泣きながら引っ掻いてるだけだろう。たまにはのんびり風呂に入りな」


ライダー「うーん……イリヤ」

イリヤ「ライダーさん、眠れないの?」

ライダー「イリヤを抱かないと眠れないわ」

イリヤ「それは困るね」(汗)

ライダー「イリヤ、切ないわ……助けて……」

イリヤ「えと……じゃあ……ちょっとだけ、だよ?」

ライダー「イ、イリヤアァbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbb!!」ガクガクガク

イリヤ「きゃあああああああああああああああ!!!
     ライダーさんが壊れたー!」(泣)


~~どこかのビルの屋上

前アーチャー「安易な約束は身を滅ぼすぜ、お互いにな……」