Fate/Another Servant 
         HeavensFeel 2 第三十二話ミニ劇場

~英雄(ひでお)の部屋 アーチャー編~


る~るる~るるるる~るる~るるるる~る~る~る~る~♪(BGM徹子の部屋)

弓兵「よーし今回はこのワシ、アン・ズオン・ウォンの番じゃな!」
遠坂「アーチャーよ、先に忠告しておくが君がもしとんでもないゲストを呼べば即刻強制終了させるからな!」
魔術「まったく、土地管理者だかなんだかは知りませんがナンセンスな方ですよ貴方は。
   他人のゲストを紹介する前に強制終了させるなど非常識にも程がある」
遠坂「その台詞そのまま君に返すよキャスター。この国に十字軍派遣させて戦争する気かね?
   まあ尤も神秘の秘匿を碌に行なわず教会協会の両組織から追われた君に常識を求めるのは少々酷かな?」
魔術「いえボクその辺りの事情にはあまり興味がないので」
間桐「いやいや持て! 興味持てよ魔術師だろ?! 俺達の暗黙の了解じゃねーか!」
ソフ「もっと言ってやってくれ。そいつよりにもよって聖杯戦争中に慈善活動していたんだ。
   無駄な魔力浪費をしたばかりか私を死なせ無様に敗北するとはこのカスめ!」
雨生「おういえー! それ俺にもわかるよキャスター!」
魔術「分かりますか!? っと思いましたが貴方のような殺人鬼には理解して頂かなくて結構です」
雨生「しょっく………どらいだなキャスター」
弓兵「ええい黙らんか小童ども! 今回の主役はワシじゃワシ! まず紹介するのはトロイア城塞じゃ!」
剣士「えええええーー?! いやちょっと待てよアーチャーそれもう人ですねえだろ!」
綾香「物凄い角度から物凄い変化球が来たわね………」
槍兵「そんなん有りでござるか?」
弓兵「だまらっしゃい! 英霊の事情(憧れの英雄が見付からない)ってものがあるんじゃ!」
闘士「なるほど、それで縁も深い城をチョイスしたのか……ホロリ」
アイ「皆鯖にベトナム英雄って少ないものね」
牧師「いや……同じベトナム英雄のレ・ロイでは駄目だったのか?」
弓兵「ん~ワシは別にレ・ロイに憧れとらんからなぁ。こっちは仮にも神代出身で魔鳥退治もやっとるし。
   むしろ憧れとらんのにゲストとして呼ぶ方が主旨として問題がなくないか?
   のうセイバー、おまえさんオルレアンの聖女やナポレオンを憧れの英雄として呼ぶか?」
剣士「んにゃ呼ばない。会ってみたいしすごいとも思うけど憧れるってほどではないよなあ正直。
   だってシャルル王やオレたちの方がずっとすげえもんよ。
   大体そのナポレオンやヒトラーだってシャルル王みたいになりたかったみたいだしさ」
槍兵「随分と軽く言い切りおったな御主……」
剣士「あれ? でもホントのことだろ?」
弓兵「じゃよなぁ? ワシもそんな感じの心境だ。
   どこぞのモンゴル帝国の蹂躙王くらい後世でぶっ飛んだ偉業の大英雄なら呼ぶんじゃが…。
   逆にレ・ロイがワシをゲストに呼ぶのならそん時は後輩になんかやらんでもない。例えば黄金亀鎧とか。
   ま、仮に呼ぶとしてもレ・ロイよりも陳興道(チャン・フンダオ)の方だろう」
遠坂「チャン・フンダオ? それは何者だ?」
弓兵「ベトナム最高の英雄と称される将だ。その功績からベトナム国内では神としても崇められとるっぽいぞ。
   で話を戻すがフビライ・ハンのモンゴル帝国あったろう?
   日本じゃ元寇としても知られるあの強軍を三度に渡って壊滅させたベトナムの勇者じゃい」
綾香「げ、元寇を三度も!? 日本じゃ神風が吹いたなんて話まであるあの元軍!?」
間桐「ちょっと待てよアーチャー!
   当時のモンゴル軍に進攻されて無事で済んだのってもしかしてベトナムと日本くらいか?」
弓兵「んー多分そうじゃないか? ある意味奴の戦果で日本は三度目の元寇襲来を免れたとも言えるかもしれん。
   しかし元といい米国といいベトナムのゲリラ戦は大国相手の戦争じゃと凄まじい強さを発揮するわ」
雨生「超くーる……意外なところから日本を救ったかもしれないヒーローが現われたな……」


弓兵「さーてと、そんじゃー城の話に戻すぞ」
剣士「え? あれ? おいなんだアーチャー、チャン・フンダオの話はしねえのか?」
弓兵「皆鯖に奴がおればしたがおらんのだから長々やってもしょうがあるまいて。
   というか城の話をさせい、ワシは城の話がしたいんじゃい! つかするんだ!」
間桐「うわ、駄々こね始めやがったコイツ……! この城マニアが!」
闘士「だが仮にも伝説に出てくる難攻不落の螺旋城コーロアの城主が憧れるという城には私も興味がある」
弓兵「おおっ、よう言うたファイター! ならばしかと聞くがいいぞ!
   まずはトロイア城だ。
   言わずと知れたギリシャ神話に名高いトロイア戦争に登場する難攻不落の城砦だ」
ソフ「世界的にも有名な城だな。なにしろトロイア戦争が超メジャーな神話だ」
弓兵「無数のギリシャ英雄達(アカイア軍)の猛攻を十年にも渡って凌ぎ続けた鉄壁っぷりには感嘆するのう。
   ポセイドンとアポロンがトロイアの城壁を築いたらしいんじゃが流石は神造の防壁よ。
   この時点でもう城塞の防御能力の高さが嫌でも窺えるわい。
   ワシのコーロア城もキム・クイ様の加護であの鉄壁っぷりだから神霊に建造されたトロイ城壁はそれ以上と予想出来る」
剣士「オデュッセウスがトロイの木馬作戦を実行するまで無敵だったんだよな」
弓兵「あくまで私見じゃが恐らく神話史上最高位の堅固さを誇る城塞だ。………ワシもこれ欲しいのぅ」
魔術「ボクの魔書の記録にもトロイ城壁を再現しようとした防護魔術がありましたよ。
   ライダーに吹っ飛ばされましたが……」
騎兵「ふん。所詮は模造の贋物、本物の足元にも及んでいなかっただけであろうが」
槍兵「しかし本当にアーチャーの奴城を語り始めたでござるぞ……」
間桐「しかもやたら熱が入ってるな…冗談で言ったのに本当に城愛好家なのかよ…」
遠坂「まあ私としては大歓迎だ。余計なトラブルが起こらないのはむしろ好ましい位だ」


弓兵「お次に紹介する城は万里の長城じゃー!」
狂戦「おい若親父、もうそれチョイスしていいンかよ?」
雨生「そうだそうだー! 万里の長城なんて無駄に長い城壁の集まりじゃないか!」
弓兵「だまらっしゃい! 城や砦の何たるかも解さぬヒヨッコどもが知った口を叩くでないわ!
   居住区が無くては城ではない? 否! 元来城とは外敵を防ぐ施設や建造物を城と言うのだ!」
狂戦「ンなコトは一々説明しねーでもわーってんだよ。まトラノスケの方はわかってねえだろうが。
   おれが言いたいのは神代の神城から一気に人工物になったなって話だ。
   このペースだと後は質が劣化していくだけじゃねーか?」
弓兵「万里の長城は古代中国の北方各所で建造された長城を秦の始皇帝が一つにくっ付け、
   時代が流れると共に改修増築が繰り返され最終的に世界最長の城壁として現存するに至った城じゃ」
狂戦「シカトかよクソッタレ……」
雨生「無視とか性格悪いぞアーチャー! ふぁっきゅー!」
弓兵「通常よく言われる万里の長城は明代に作られた主要部分だけだがこれでも約3~4000kmはある。
   しかし大陸全土に点在する長城の総延長距離だとなんと約12000kmにもなると言われとる」
剣士「なあアヤカ12000キロメートルって何キロだ?」
綾香「……そりゃあ一万二千キロメートルでしょ?」
剣士「なるほど12000キロメートルか」
狂戦「何なンだよそのアホなやりとりはよ……つかテメぜってー分かってねぇだろ?」
弓兵「これはある意味中華の歴史の象徴とも言っていい存在かもしれんなあ。
   ワシは中華の蛮族どもは大嫌いじゃが万里の長城は芸術性と機能美もあって非常に好きである。
   山脈の頂上にずらりと遥か彼方まで並ぶ長城……うむ、龍のようであれは美しいわい」
槍兵「それにしても巨大すぎるぞ中華大陸……!」
弓兵「長城の要所要所には関所、兵隊の駐屯地、武器貯蔵庫、のろし台が配置されておる。
   また敵の侵入に備えて、領土の防御や通信拠点としての役割を持っておった訳じゃな。
   のう、ちゃーんと立派な城の役目を果たしとるじゃろが?
   まあ難攻不落という程ではないが中華の国力を騎馬民族や朝鮮民族に見せ付け牽制する意味ではあのライン引きは大きい。
   これ以上ない明確な巨大国境線を自らの手で定めた訳だ」
綾香「絶対途中で滅茶苦茶な展開になると思ってたのに意外と普通に進行するのね」


弓兵「次は折角日本の地におるのじゃから一つこの国の城を挙げてみるかなぁ……よし大阪城じゃ!
   日本が誇る難攻不落の城。周囲が自然の要害になっておるのもポイント高いのう。
   真っ当な攻め方じゃまず落ちそうにないわい。対軍宝具が城に備わってた訳でもないのに大した防備じゃ。
   他の天下三名城も素晴らしい防御力だが大阪城はやはり城主が大物だしな。
   ワシら英霊の管轄から言わせて貰えばやはり大阪城に軍配だ」
騎兵「おい牧師、それにしてもこの男ノリノリであるぞ」
牧師「黙って喋らせておけ。自分の好きな事には聞かれてもないのにペラペラと喋るタイプらしい」
槍兵「大阪城と言えば昔確か殿が秀吉公に大阪城の攻略法を聞いたとか申されてたような気が……?」
綾香「なにそれ? 城攻めの名手だった豊臣秀吉って自分で自分の城の攻略法を喋っちゃったの?」
弓兵「うむ! なにやら親近感を覚える辺りもポイント高いぞ大阪城!」
魔術「そう言われればアーチャーも外部からではなく身内から魔城攻略法が洩れたクチでしたね」
間桐「そりゃ親近感も湧くよなぁ。同じ轍を踏んで負けてやがるし」


弓兵「さて名残惜しいがそろそろ時間だ、では最後に紹介に入るぞ。
   最後の名城はこれじゃ、ババーン! クラック・ド・シュヴァリエ!!」
剣士「うおおおおおーきたぁああああ!!」
アイ「その城を知っているのですかセイバー?」
剣士「何言ってんだルゼリウフ! 聖ヨハネ騎士団の本拠でもあった難攻不落の十字軍の城じゃんか!
   なんかオレテンション上がって来たぜぇぇえヤッポー!」
闘士「ほう名高き十字軍の鉄壁の要塞か」
騎兵「その辺りは昔から要衝の地であったからな。俺様もその地域で城を改修した記憶があるぞ」
牧師「城なんて作れたのかおまえ……?」
騎兵「牧師…貴様この俺様を誰だと思っているか。城の建造改築くらい他愛もないわ!」
弓兵「この城はな、十字軍時代の聖ヨハネ騎士団が元々砂漠のど真ん中に存在していた小さな城を、
   五十年もの歳月を懸けて改修し難攻不落の要塞にまで昇華した代物だ。
   外観の造形美と要塞としての機能美を併せ持った世界最高の城と讃えられる一つでもあるな。
   山の頂上に佇むその姿はまるで天空の城ラピュタゴホッゴホッ!
   ちなみにクラック・ド・シュヴァリエとは騎士の砦という意味じゃぞ。
   見ろこの外観何度見ても素晴らしいわ!」
綾香「あ、本当。なんか綺麗」
雨生「かなりびーてぃふぉーで困る」
剣士「な、な、カッコイイだろ!? かっこいいだろう!?」
闘士「大分興奮してるなセイバー」
剣士「へっへっへーまあな!」
弓兵「さあて肝心のこの要塞の鉄壁っぷりなんじゃが、
   ヌールッディーン。サラディン。アル・アーディル。バイバルス。
   と言った壮々たる偉名を誇るイスラム英雄でさえ陥落させる事が叶わなかった程の守りの堅さだ」
遠坂「あのサラディンでも駄目だったのか」
狂戦「その砦を陥落させたのはバイバルスだったな。
   奴は正攻法では攻略不可能だったから地下に穴まで掘ったがそれでも駄目で最終的には謀略で城を明け渡させてたな。
   なかなか頭が切れるやつだバイバルスめ」
弓兵「あコラバーサーカー! 貴様ワシの仕事を勝手に取るんじゃないわい!
   して、そんなあまりの砦の鉄壁っぷりに頭を抱えたバイバルスにある日一発逆転の閃きが生まれた。
   それがバイバルスが味方になりすまして"降伏せよ"という嘘の伝書鳩を十字軍に送って城攻略に成功した有名な策謀だ。
   これにによってクラック・ド・シュヴァリエは陥落しイスラム側のに渡ってもうた」
剣士「サラセン軍きたない! なんて卑怯な奴らなんだ!」
ソフ「イスラム軍から言わせればクラック・ド・シュヴァリエの防御力も相当卑怯だろう……」
牧師「で、ライダー。感想は?」
騎兵「何故に俺様の感想を求める?」
牧師「いや同じく偽情報を掴まされた身としては親近感が湧くのかどうかが気になってな」
騎兵「馬鹿か貴様? 俺様は偽情報を掴まされた上で大逆転した。
   こんな敗者どもと一緒にするな。さらに言えば俺様は降参などせん」
弓兵「まあ所詮は人ならざるモノの手が加わった訳ではないただの人工の要塞。
   じゃが、ワシは五十年もの歳月を懸けて改修を繰り返し難攻不落の要塞に昇華させた聖ヨハネ騎士団を評価したい。
   それでは安陽王の『世界の城窓』からをお送りしたぞい」
雨生「何かたいとる変わってない?」
剣士「うおおおーいいぞアーチャーもっとやれー!」
闘士「アーチャーついでにタイトルコールもやってしまってはどうだ?」
弓兵「おうそうじゃな。
   ────ついに嘆きの蓋がこじ開けられた。
   悪魔に侵入を許す禁断区域。囁かれる天使の甘言。発狂という名の暴走。
   かつて最強の座に着いた聖なる騎士が魔人に身を堕とすとき。
   黒騎士は何を想いその殺意を撒き散らすのか────。
   FateAS三十二話。12日目『開かれる嘆きの蓋、そして……』其の参。
   いや、つーかこれ……なあファイターこれ反則じゃね?」
闘士「うむ異議はどこにもない(コクリコクリ)」