第一話「マッスレンジャー現る!」

──筋肉基地内──

「さて君たち。新天地であるここ冬木に新しく配属されたわけだが何か質問はあるかね?」
神父服を着込んだ男が周りの男たちに低い声で質問を促した。

「おい、言峰。こりゃあ一体どういうことだ?」
全身青タイツのマッスルブルーが刺々しく神父に言い放つ。

「同感だ。これはどういうことか説明してもらおう」
赤い外套を纏ったマッスルレッドも冷めた視線で神父を見つめる。

「■■■■ーーーーー!」
半ズボン一丁の全身鉛色のマッスルグレーも何か言っていたが誰も理解できなかった。

「まあ少し落ち着いたらどうだ、二人とも」
なんとなく色が無かったからブラックにされた立派な体躯と髭のマッスルブラックが二人を嗜めている。

「そうだぞ二人とも。別に良いじゃないか」
「元」太陽の騎士、マッスルイエローが上機嫌に口を挟む。が誰も聞いていなかった。

「とりあえず言峰よ。そいつら雑種は好きにして構わんが…我を呼んだからには分かっているのだろうな?」
紅い眼を怪しく光らせながら金ピカなマッスルゴールドが最後に口を開いた。

「うむ、しかしとりあえず諸君。説明する前に一つ言っておかなければならないことがある」
──そういうと神父はおもむろに神父服を脱ぎ放ち
「私のことはマッスル指令と呼んでもらおう!」
などと己の肉体美を誇示しながら訳の分からないことをそう口にした───。



───筋肉英霊マッスレンジャー──。
あらゆる英霊の中から選別されるたった5人の輝く筋肉の持ち主達。
それが筋肉英霊マッスレンジャー。
そして、そのたった5人に選ばれた誉れ高い筋肉の持ち主は─。

しなやかな太もも!マッスルブルーことクーフーリン
吼える上腕二等筋!マッスルブラックことベーオウルフ
輝く腹筋!マッスルイエローことガウェイン
厳つい顔筋!マッスルグレーことヘラクレス
語る背筋!マッスルレッドことエミヤ
そして、敵か味方か完璧なる黄金筋肉率!マッスルゴールドことギルガメッシュ



「と言うことだ。理解出来たかね?」
もはや質問などあるまいと言わんばかりのどうだと言う顔で神父は説明を終えた。

「おい言峰…?何故か我があぶれていないか?マッスレンジャーは五人なのであろう?」
ギルガメッシュことマッスルゴールドが説明を聞き終わると同時に不満を漏らす。

「ふふ、どうしたマッスルゴールド。初めの頃とは打って変わってノリノリではないか。5人チームの中に入れなくて不服かな」
「ふん戯け。どうして我がこんな雑種どもと馴れ合わねばならんのだ…」
と台詞は強がってはいたが明らかにマッスルゴールドは落ち込んでいた。

「気にしてはいけないギルガメ…っとマッスルゴールドよ、御身は言わば一番おいしいポジションを得たのだぞ?」
落ち込んでいるマッスルゴールドにベーオウルフ改めマッスルブラックは励ましの言葉をかける。
「おいしい…だと?」
「そうとも!良いかマッスルゴールドよここをよく見ろ!」

そして、敵か味方か完璧なる黄金筋肉率!マッスルゴールドことギルガメッシュ


「……はっ!?」
マッスルゴールドはマッスルブラックの言わんとしている事を瞬時に察した。
「そういうことだ!ギル改めマッスルゴールド!こんな縦横無尽の自由自在なおいしいポジションが不服と申すならばわた」
「私に譲ってくれっ!」
と横からガウェインことマッスルイエローがマッスルブラックが最後まで言い終わる前に叫んでいた。

「ふ…ふふふふ!ふはははははははははっ!そうか、そういうことか!言峰!いや、マッスル指令よ。つまりそういうことなわけか!」
マッスルゴールドは大笑いと共にいまだに上半身真っ裸の神父を見据え、おもむろに上着を脱ぎ去った。
「そう、それでいいのだ。マッスルゴールド」
マッスルブラックは吹っ切れたマッスルゴールドを見ながら良かった良かったといつまでも腕を組んで頷いていたのだった。

─第一話完─。