例年より少しだけ暖かい冬のある日、私の魔術師としての師である蒼崎橙子は言った。
「ああすまないけど鮮花、古い馴染みの依頼でね。今すぐこれを冬木市まで届けてくれないだろうか?」
「―――いいですけど、なんですかコレ?」


――思えば、それが私黒桐鮮花の受難の始まり。


雨の中で出逢ったのは未だ幼い一人の少女。
「お、女の子!? ちょっと、貴女大丈夫!?」
「………ぅ、」
「――――この子、人間じゃない…。それに、消えかかってる」
「け、契約、を………」
「――――――!」
或いはそれは引き返せる最後の一線だったのかもしれない。
けれど黒桐鮮花はそこを踏み越えることを決断した。

少女を救った対価はとある戦争へのチケット。
「私はキャスター。聖杯戦争の為に召喚された七騎のサーヴァントの一、魔術師の称号を持つ者です」
「聖杯、戦争?」
「はい。七人の魔術師が七騎のサーヴァントを使役し戦い、生き残った最後の一組にあらゆる願いを叶える万能の器を与える儀式です」
「あらゆる願いを、って、それって根源に繋がっているってこと!?」
「ええと、多分……」

その夜に出逢ったのは、モノを殺す眼を持った死神の化身。
「――兄さんに似ているくせにあの女そっくりの眼を持っているなんて………!」
「驚いたな。君、秋葉にそっくりだ」
「………秋、葉?」
「気をつけて下さいマスター! あの人も、マスターです!」
「……そういうこと。けど、俺のサーヴァントはちょっと問題ありでね。――取り敢えず、コレ一本で何処までいけるか試させてもらう」


戦いに割り込んできたのは正義の味方を目指すという一人の少年。そして弓兵を従える赤い少女。
「お前ら、止めやがれ―――――!」
「ッ! 新手!?」
「………一度に三人のマスターが集まるなんて、意外な展開だな」
「―――いいえ、四人よ。そこのナイフ使い、動かないで。私のアーチャーが貴方を狙っているわ」
「―――――――――」

そして現れたのは最強最優のサーヴァントを従えた銀の少女。
「マスターがこんなにいっぱい。みんなまとめて殺しちゃえ、セイバー。――でも、お兄ちゃんだけは残しておいてね?」
「承知したイリヤスフィール。君の望むままに」

―――そして、闇の中に暗躍する謀略者達。
「始まったようだな、聖杯戦争が」
「初戦から六騎。第四次聖杯戦争と同じ展開だな」
「ふん、此度の戦には前回ほどの華は無い。雑種どものつまらぬ遊戯だ」
「ククク、果たしてそうと言い切れるかな英雄王殿。或いは、もっと愉快なモノが出てくるやも知れませんぞ」
「下らん。あまり下らぬことばかりを口にするようならばその首落としてやろうか、ヌアザの血統よ」
「そう簡単に、いくとお思いで?」
「よせ二人とも。未だ始まったばかりなのだ。我々はただ事の流れを静観していればそれでよかろう」

ALL TYPE-MOON参加企画 Fate melty blood(仮)―――
今冬発売予定―――

To...

「あれ、橙子さん。鮮花何処に行ったか知りませんか?」
「………ああ、多分、今頃死地に居るんじゃないか?」
「………え?」

「あら? ねえ翡翠、兄さんは何処?」
「――秋葉様…。志貴様は、今朝方冬木市に行くと言ってお出かけになられましたが」
「………なんですって?」



セイバー:シグルド イリヤ
ランサー:フィン 言峰
アーチャー:ラーマ 凛
ライダー:チンギスハン 慎二
キャスター:壱与 鮮花
アサシン:スキュラ 士朗
バーサーカー:ヘイドレク 志貴
前アーチャー:ギルガメッシュ