古の英雄達、それは剣を持ち、槍を持ち、時には弓をも使って偉業を成し遂げた者。死したあと彼らは世界に召し上げられ、英霊となった。
そんな英霊達が己の肉体のみで戦えばどうなるのか。
刃を交えることはない、英雄達の誇りがぶつかり合う戦いが今宵、開催される。


ー汝、最強を証明せよー


「さぁ、やってまいりました!第一回プロスポーツ英霊No.1決定戦。実況はこの私、フラット・エスカルドスと」
「言峰綺礼の二人がお送りする」
「いやーやってまいりましたね、言峰さん。英雄達の夢の競演ですよ。英雄たちの熱い熱い肉体のぶつかり合い。宝具ばかりに目がいってしまいがちですが、
彼らは肉体で競い合えばどうなるのか。わたくしフラットは非常に楽しみです!」
「ふむ、確かに英霊は宝具ばかりに目が行きがちだが、宝具を扱うにはポテンシャルが必要だ。腕力、俊敏性、反射神経。英雄の素の能力が試される」
「ですねー。マッチョでカッコイイ英雄たちに期待しましょう。最初の競技はこちら!!」


ーBEACH FLAGSー 
旗とは逆の向きになってうつ伏せの状態から笛の合図でスタート。通常は18m先の旗を取れば勝ち抜けだが、英霊に18mなどあってないようなものなので、走る距離を
通常の20倍の360mに変更。フライングは二回で失格。保有スキル、宝具、魔術の使用は禁止。


「360mですか、長すぎですよ。自分だったら魔術で強化しててもバテますって」
「確かに長いような気がするが、英霊が全力を出せば、18mなど一秒程度だ。たとえ敏捷Eでもアスリート並を誇る」
「Eでアスリート並ですか!もしかしてメディアさんでも陸上選手と張り合えるのか。さて、参加者は以下の12名です!」


シグルド(セイバー)、ペルセウス(セイバー)、本多忠勝(ランサー)、クー・フーリン(原作ランサー)、ヘクトル(ランサー)、アキレス(ランサー)、
トリスタン(アーチャー)、アタランテ(アーチャー)、メドゥーサ(原作ライダー)、宮本武蔵(アサシン)、聶隠娘(アサシン)、沖田総司(アサシン)



「なんと、全員が敏捷A以上!しょっぱなから最強クラスの足を持つ英霊達がやってきました!私は誰が勝つか予想できません!全員がボスクラスです!
ですが、あえて注目する選手をあげるとすると、イリアスの二人。そして、ペルセウスとメデゥーサです!生前関わりがあるどころか殺したり殺されたりするレベルですよ」
「ふむ、この二組は確かに注目だな。殺された側がリベンジを果たすのか、殺した側が今回も勝利するのか。どちらにせよ、敗北した側は屈辱だろう。私の愉悦となるやも
しれん。実に楽しみだ」
「うわー、本性出ましたよ。これ以上神父さんの話を聞くのが怖いので、選手たちの話を聞こうと思います。現場のカレンさん」


「はい、こちらカレンです。さて、ここからは選手たちに話を聞いてみたいと思います。あっ、ペルセウス選手がいましたが、何故か震えています。メドゥーサがいるとか
ぶつぶつ呟いてます。どうしたのでしょうか。気になるので少しお話を伺ってみましょう」
「この競技にメドゥーサ選手もいますが、生前と同じく、勝てそうですか?」
「ひぃー!な、なんであいつがいるんだよ。かっ、勝てるわけないだろ!今日は宝具使用禁止だぞ。神々の加護すらないんだぞ!そんな状況で勝てるわけないだろ!それにな、
アイツこっちをみて、笑ったんだぞ」
「……英雄の癖にヘタレすぎるわ。この駄犬。これはメドゥーサの勝ちのようね。そんな貴方には(以下放送禁止用語連発のためカットします」

「この人なんでシスターになれるの!怖すぎでしょ言峰さん」
「なに、これくらい基本だ」
「……(聖堂教会って怖すぎだろ)。さ、さっ、くじ引きが終わったようです。第一回戦一組目の発表です」


第一回戦一組目 6人→3人
シグルド、本田忠勝、クー・フーリン、アタランテ、アキレス、聶隠娘

「本命は、クー・フーリン選手、アタランテ選手、アキレス選手ですね。クー・フーリン選手、アキレス選手は槍兵ですから、早さがウリですし、アタランテ選手は徒競争の
逸話があります。ですがまだ分りません。全員がなんせボスクラスです!」
「確かに、数字の上でなら全員互角だ。後はスタートダッシュやフラッグを取る時の踏み込みだな。誰が何処を取るかの運や駆け引きもある」
「では、第一回戦一組目、スタートですっ!!」


シ「速度どころか、すべての能力で俺は負けてない。」
本「生憎だが、この競技は速度が有利。そして速度を売りにするのは槍兵でござる。それに、拙者ほど足を生かして合戦を生き延びた英霊はおらぬ。この勝負、勝たせて
もらう」
ク「おいおい、勝負事なら俺は負けねえよ。俺も速度がウリの槍使いなんでな」
アタ「残念だけど、男相手にかけっこでは、負けないよ。勝利はアタシのものさ」
アキ「ふん、トロイア最強の英雄である俺に、負けなどない」
聶「戦場の英雄ではありませんが、私は野山をかけて鍛錬しましたの。速度で皆様に負ける気はございませんわ」



セット、、、、スタート!
うつ伏せに伏せた英霊たちが3つのフラッグを目指して駆け抜ける。
100m、全員真っすぐ走りぬける。クー・フーリン、アキレスが一歩リード。次いでアタランテか。
200m、ここでクー・フーリンが左寄りに。
左の旗には、シグルドと本田忠勝、クー・フーリンが。真中にはアタランテ、右の旗にアキレスと、聶隠娘が。
300m、左側。3人譲らずデットヒート。真ん中のアタランテのみ。右側はアキレスがリード。
340m、聶隠娘が左に方向転換。
350m、全員一斉に飛び込む。
360m、轟音とともに、フラッグが消える。そして、勝者は。。。

本「よしっ、買ったでござる!」
シ・ク「くっ、負けた」
アタ「よし、フラッグゲット!」
アキ「フラッグゲット」
聶「負けましたわ」


第一回戦一組目勝者
本田忠勝、アタランテ、アキレス。
二回戦進出。


「一組目終了しました!アタランテとアキレスは順当に二回戦進出。本命の一人、クー・フーリンが脱落。SAMURAIが意地をみせた!」


「まさかランサーが負けるとは意外だな。能力的にあの男なら勝つと踏んでたんだが。では、衛宮士郎。インタビューしたまえ」
「言われなくてもするさ。二回戦進出おめでとうございます。勝利の決め手はなんだったんですか?」
「それがしも、よくわからんのでござるよ。クー・フーリン殿と互角になって、負けはしないと走っていたんだが、飛び込みの時、クー・フーリン殿の方が僅かながら
前におった。こんなこと言うのもどうかと思うのでござるが、拙者は運で勝てたとしか思えん。しかし、それでも勝利は勝利。負けた者達の分まで、拙者頑張るでござる!」
「なるほど、運か。ならばランサーが勝てるはずもないな。あの男は致命的に運がない。」
「運ですか!しかーし、運も実力のうち。というか運だけで勝てる相手ではありません。二回戦もSAMURAIの活躍に期待しましょう!」
「続いて、クー・フーリン選手にもお話を伺ってみましょう。現場のダメットさん」

「誰がダメットですか、バゼットです!後で体育館裏に来なさい。では気を取り直して、早速インタビューをしてみたいと思います。残念でしたねランサー」
「おうバゼットか。いやー、負けっちまった。アサシンもそうだが、日本のサムライってのは侮れないもんだな。でも悔いは無いぜ。俺は十分楽しんだしな」
「そうですか。私としてはあなたに勝ってほしかったんですが、あなたが満足してるのなら文句はありません」
それをみていたアタランテ。彼女は一回戦勝利したものの、どこか不満げだった。ライバルになりそうな男が自分との勝負を避けた。しかも、勝っていたにも関わらず。
「まあアンタが文句ないのならいいけどさ、なんであたしとの勝負を避けたわけ?明らかに勝ってただろ」
「おう、アタランテか。別に勝負を避けたわけじゃねえよ。ただ左端の方が取れると判断しただけだ。結局取れなかったけどな」
明らかに嘘とわかる。しかし、この英雄は過去にも女性を見逃していたり、妙に甘いところがある。それに、何所か憎めない男だ。深く考えるのはよそう。

「ふうん。まっいいか。アンタがそういうのならそういうことにしといてあげるよ。そうだ、この競技が終わったら飲みにいかないか?勝ったら賞金が出るらしいんだ。
ビーチフラックスはどうせアタシが優勝するんだし、飲み比べの勝負をしようぜ?」
「ははっ、酒の勝負か。受けて立つぜ。美女からの酒の誘いを断るなんて男がすたるしな。だがその前にだ」
「二回戦の事を考えな。あんたの足が速いのは知識と体験から知ってるが、他の連中も決して油断できるやつじゃねえぞ。それと、あっちで、イムホテプとかいう奴が
ポーションを配ってた。もらいにいくといい」
「肝に銘じとくよ。ポーション配ってたってのは本当かい?じゃあ案内してくれよ」
そうして、クー・フーリンを手を握って引っ張っていく狩人アタランテ。ちらっとバゼットの方を見て、舌を出していた気がしないでもない。
バゼット「……(アンサラー)」


兄貴にフラガじゃなかった、フラグが立ちました。






アキ「あれ、俺は?」