――真白なる冬の森。
   地に転がるは無数の狼の亡骸達。
   立っているのは侍と一人の少女。
   しかし侍の姿は、白面赤髪、火眼金睛という恐ろしい顔。
   だが隣にいる少女にとってそんなものは怖くもなんともなかった。
   自分を狼達から守ってくれた侍に手を伸ばす――

   『バーサーカー……ううん、景清は強いね』

    それが戦争の始まりだった。


その同時期、少年は土蔵で偶然、黄金の髪に紅い瞳の美貌を備えし絶世の美女を召喚する。
しかし、そのタイミングは、
「あなたが我(わたし)のマスターで……あら、意外といいモノ持ってるのね」
よりにもよって男の自家発電の真っ最中で、
「なんで、裸なのさー!?(鼻血大放出)」
しかも召喚された彼女の姿は頭にベール、上半身には前開きの小面積の上着、
首手足の装飾以外は一切何も着ていない、殆ど裸そのものなのだからたまらない。


なぜ彼女だったのだろう?
彼は正義の味方を目指していたはずだ。
なのに彼のサーヴァントとして召喚された彼女、マザー・ハーロットは、
真逆に位置する存在だった。

怠惰で
「ライダー、頼むから何か着てくれ」
「イヤ、面倒臭いもの」
「だからって全裸はないだろ!」
「外出や来客の時は着るから問題ないでしょ?」

傲慢で
「どう? 我(わたし)達と手を組む気はないかしら?」
「はあ? ふざけてんの? 私達は敵同士なのよ」
「これでも?」
凛の前には札束の詰まったトランク。
「ねえライダー。私達いい友達になれそうね」
「切り替え早っ……」

暴食で
「シロウ、おかわりお願いね」
「毎度毎度思うが、よくそんなに食えるな」
「それよりなんで太んないのよ……胸? あの胸に吸い取られてるのね!?」
「遠坂落ち着けって。って言うかお前ライダーの裸に突っ込まなくなったな」

強欲で
「さあシロウ、今日は泳ぐわよー」
急に泳ぎたくなったという理由でわくわくざぶーんを買収。
「わかってたけど、泳ぐ時も裸なんだな……」
「貸切なんだし、当然でしょ♪」

色欲で
「シ・ロ・ウ♪ 今日もあなたの新鮮な精での魔力補給をお願いね♪」
「なんでさ!? 魔力供給用のラインは最初の夜の時にもう出来てるだろ?」
「ふ~ん、シロウはもう我(わたし)の身体に飽きちゃったんだ?」
「そ、そんなわけないだろ! ライダーはとっても綺麗だ! 飽きるわけあるか!」
「じゃあ何も問題ないじゃない。もお、誘ってきた女の子に恥をかかせちゃダメよ♪」

それでも彼女は
「あなたに……私のなにがわかるっていうんですか!」
「そうね。我(わたし)は桜の事を何も知らない。でもね、これだけはわかるわ。
 助けて欲しい時、助けてって言わなければ誰も助けてなんてくれないのよ」
優しかった


「やれやれ、こういうのはあまり後味がよいものではないのだがな。
 悪く思うなよ少年。これもマスターの命令でな」
衛宮士郎は襲われていた。
襲撃者はアサシンの剣士、だがそれはパートナーの彼女によって仕組まれた作戦。
そこに同盟者が召喚したセイバーと共に駆けつける。
そしてセイバーとライダーの邂逅。
「べ、別に羨ましくなんかないんだからね(涙)」
「あの大きな胸見ながらそんな事言っても説得力ないわよ……」
「凛、あたしすっごく悔しい……女として完敗した気分」
「セイバー、最初彼女の裸体を見た私も同じ気持ちだったわ……」


ついに七騎は揃い聖杯戦争が始まる。


次に戦いしは無念背負いし落武者。
「今のは!? ただ掴まれただけなのにありえないダメージが……」
「ふふっ……驚いた? セイバー。無理もないよね。
 だって私のバーサーカーは、平家物語「弓流し」での「錣引き」で知られる猛将、
 悪七兵衛の異名を持つ平景清公だもん」
「へ~そんなにすごい英雄なんだ。
 あ、ステータスが筋力B 耐久B 敏捷B 魔力B 幸運C 宝具Aもある」
「って、何優雅にワインなんて飲みながら観戦解説してるのよ! アンタも戦いなさいよー!」
「嫌よ。戦いなんて観戦てるだけで十分だもの。ね、シロウ♪」
「あ、ああ……そうだなライダー。戦いなんて馬鹿げてる」
「へ~随分余裕なんだね~って、何お兄ちゃんといちゃついてるのよ貴女ー!
 そもそもその裸同然の姿はなんなの!? そんなライダー聞いたことないわよ! 何よその、
 揺れるオッパイとキュッと引き締まったくびれと大きな桃みたいなお尻剥き出しにして!
 これみよがしに見せつけなんかして、ツルペタの私へのあてつけ? あてつけなのねー!!」
「■■■■■■■■――――!!」
「景清のバカー!! こんな時に発情なんて何考えてるのよー!」


だが無情にも戦いは続く。


力を得て変わり果てし友の強襲。
「シロウ!? しっかりしなさいシロウ!」
「はははは!!!! どうだ衛宮? これが僕の実力だ!
 さあアーチャー、奴に止めを刺してや…れ…?」
「いいかげんにしなさい。この青二才、オイタが過ぎるわよ」
「な、なんだよ。お前みたいな露出狂が怒ったって怖くもなんとも」
「シンジ! あの女の背後の空間が裂けていっているぞ!」
――きぃいいいいいああああああ!!――「■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!」
「「な…なんなんだ…お前はいったいなんなんだよぉぉおおおお!!!???」」
「『黙示録の獣(アポカリプティック・ビースト)』……喰らい尽くしなさい」


策士たるキャスターの罠。
「残念だったなライダー。
 汝のアーチャーとの戦いで召喚した獣については調べがついてある。
 あの獣は大地よりマナを奪うことで強力な再生能力を得ているともな。
 しかしここら一帯の全てのマナは私の手の内にある。
 つまり汝の最大の切り札は完全に封じられたも同然なのだ!
 さあサーヴァントランサー! 我がファラオの為にあいつらを倒すのだ!」
「サーヴァントがサーヴァントを召喚……なんて反則よ!」
「凛、キャスターの魔術は強力よ! あたしとライダーの耐魔力でも大ダメージは避けられないわ!」
「ざ///残念だがマスターの命令は絶対なのです。貴方達には死んでいただきます!」
「我(わたし)の裸じっと直視して鼻血流しながらそんな事言っても、緊迫感のカケラもないわよ」
「あの書さえ奪えれば……トレース・オン!」
「おっと、危ないな、危ないな、危ないな、危ないな、危ないな、危ないな、危ないな、危ないな。
 マスターの私を忘れていないかな少年。しかし興味深い魔術だな」
「あなた達全員魅了してあげるわ『溢れる邪淫(ルクスリア・チャリス)』 !」

戦いの結果ランサーは槍の暴走で自滅。
魅了されたキャスターは仲間に。
同じく魅了されたコルネリウス・アルバと呼ばれたマスターの身柄は凛に拘束された。
そしてキャスターのトートの書によって明らかになる、士郎の真の力。
「これが俺の未来、俺の理想の成れの果て……」
「シロウ……あなたあのキャスターの本に触れた時、何を見たの?」
「俺の魔術の真の姿は……無限の剣製」


そしてついに表舞台に登場した黄金の英雄王。
その最初の生贄はイリヤだった。
「景清ーー!! 嘘…嘘よ! 景清が負けるなんて!」
「ふん、雑種にしてはなかなか骨のある奴だったが、ここまでか」
「お前のエアであそこまで吹き飛ばされては生きてはいないだろう。
 ところで仮死状態にさせる宝具はないか? 聖杯の器に下手に暴れられると面倒だからな」
言峰とギルガメッシュは気付かない、その行為こそ最大の間違いである事に。

城から離れた森の中、エアによってここまで吹き飛ばされ
気絶中の景清の脳裏に、イリヤとの思い出が流れる。
その間、英雄王の宝具によってイリヤは仮死状態にされ、ラインも途切れてしまう。
目を覚ましてイリヤが死んだと誤認した景清は、血の涙を流して咆哮を上げた。
「■■■■■■■■……イイィィィリィィイイヤァァァアアアアーーーーーー!!!!」
『盛者必衰の理』発動!! 狂化A+、戦闘続行A、単独行動Aのスキルが与えられる。
復讐鬼と化したバーサーカー・平景清は主君の仇を求めて森から去っていった。


最終決戦、柳洞寺に全ての者が集う。
バックアップはキャスターに、言峰は凛と鈴鹿に任せ、士郎とハーロットは英雄王と対峙する。
「ふん、前回の騎士王と比べて、まさかこのような下賎な輩、いや痴女が出てくるとはな」
「あらあら、まるで昔つきまとわれた女に再会したような顔ね」
「無礼だぞ売女よ。ここは大人しくその命を我に差し出す事が王への礼儀であろう」
「残念だけどそうはいかないわ。確かに我(わたし)一人の力じゃ貴方には勝てないかもしれない。
 でも、今の我(わたし)には大切なパートナーがいるもの。ね、可愛いマスター♪」
「ああ、いこうライダー。いやハーロット」
「ええ、いくわよシロウ」
「『無限の剣製(アンリミテッド・ブレイド・ワークス)』 !!」
「『黙示録の獣(アポカリプティック・ビースト)』!! 」
二人の力はギルガメッシュの王の財宝・エアと互角に張り合った。
そんな力が激突する中に、平景清は姿を現す。
「ギィルゥガメッシュゥゥゥウウウーーーーーー!!!!!!」
士郎とハーロットが切り開いた英雄王への道を狂戦士は突き進む。
放たれた宝具は回避し、刀で弾き、錣引きで破壊してゆく。
そしてついに憎き仇の至近距離まで接近した景清の一刀により、
英雄王ギルガメッシュの首が跳ね飛ばされたのは一瞬の事だった。


「ん~桜を見ながらのワインっていうのもいいわねぇ」
「まったく……キャスターに無茶言ってこんな季節に花を咲かせるなんて」
全てが終わってから数日も経たないとある昼間。
士郎とハーロットは、家の庭に咲く桜で花見を楽しんでいた。
聖杯戦争終結祝いとの事だ。
当然桜が咲くのはまだ早い。
しかし今花見がしたい彼女はキャスターに命令、
地脈操作によって季節外れの満開桜を実現させたのだった。

聖杯戦争が終わった後もセイバー:鈴鹿御前、ライダー:マザー・ハーロット、
キャスター:イムホテプは受肉して現世に残る事となった。
受肉に関しては汚染された聖杯とキャスターの技術でなんとかなったと言っておく。
バーサーカーだがイリヤの生存を確認すると安心したかのように消えていった。
凛だが現在セイバー、キャスターの支援の下、第二魔法の完成に向けて頑張っている。
イムホテプのトートの書の力もある、経済面に関してもハーロットがパトロンで金には困らない。
そう遠くない将来、彼女は『魔法使い』になれるだろう。

「いい天気ね~。桜の周囲は暖かい気候に設定されてるから、思わず踊りたくなっちゃうわ」
ハーロットは士郎の膝枕に頭を乗せて横になりつつ、
散りゆく桜の花びらを全身に浴びていた。
花びらで飾り立てられている彼女の身体は、召喚された時や敵と戦う時に常に身に着けていた、
服の役目は皆無、だが彼女の魅力を最大限に引き出す、あのほぼ全裸な衣装しか着ていない。
しかし士郎ももう慣れたのか、最初の頃の様に鼻血を垂れ流す事はなくなっていた。
見つめ合う二人、静かな時の流れの中、ハーロットは起き上がり、直立すると士郎を見下ろした。
そしてシャラン、シャランと、手足及び首の装飾品の宝石の鈴音を立てながら、彼女は踊り出す。
花びらの雨の中、テンポアップする踊りで肌は赤く火照り、男を魅了する乳房が激しく揺れ動く。
白皙の肌を流れる宝石のような汗、ほんのりと塗れた股間から放たれる媚薬じみた雌の香り、
そんなハーロットの淫らな舞に視線が釘付けになる士郎。
「ねえ士郎」
眼前で扇情的な踊りを繰り広げているハーロットが、誘うかのように語りかけてくる。
「……あ、な、なんだ?」
「桜の木の下でスルものまた乙っていうし、ここで一発ヤらない?
 もう、身体火照っちゃって……。わかめ酒プレイだってワインでできるわよ♪」
「なんでさ、じゃなくて……ウホッ、いい女」


性戯の味方……改め正義の味方と大淫婦に行く末に幸あらんことを願いつつ、オシマイ