「全く……ほんっと、とんでもない化物だったわね」
「うるさい。あんなのどうってことなかっ、ぐあぁぁっ!!」
満身創痍のセイバー。その背中に一本の矢が突き刺さる。その射手はついさっきまで共に戦っていた仲間だった。


「ふっ……ははっ。やった。僕があのセイバーを討ち取ったぞ!」
「ご苦労だったのぅアーチャー。さて、どうする? 生き残りの諸君」
「これは勝ち目はないわね。私もそちらにつかせてもらえないかしら? 殿方への奉仕は十分心得てるつもりよ」
「ははっ、いいぜアサシン。屈従の悦びって奴をたっぷり教えてやるよ」
風にたなびくように陣営を変えるアサシン。その瞳には深い悲しみと決意の色がやどっていた。


「ああ、最高だよセミラミス。君に比べたらアフロディーテなんてただ中出……ぐ、げあああぁぁぁっ!?」
「お馬鹿さんね。私の胎内が猛毒の源とも知らずに。あとはあの老翁を……え?」
「なるほどやはり毒華の類であったか。その美貌は惜しいが、ワシの花壇にお前はいらぬよ」
裸身の女暗殺者の胸を青槍が貫く。毒殺した男を朱に染め、ゆっくりと崩れ落ちて……。


「フフフ、くやしいのう。くやしいのぅ、ライダー。マスターに死なれてしまって」
「イリヤっ! イリヤっ!!」
「ど~おだい自分で自分のマスターを殺す気分は? そおいえば、貴様この娘に主従の関係以上の想いを持っていたな。
親指を舐めればわかるぞ。実の息子と重ねていたなこの娘を。クックック そんなに自分の手で息子を殺したことを後悔しているのか。
残念だったな!! 貴様はディルムッドと同じく永遠に願いは適わんのだ。ゲハハハハ」
卑劣な策謀に倒れるイリヤ。涙にくれる彼女の父親代わりの男。外道の王は自らの策謀を誇り、その様を嘲笑った。


「行って! 『神獣鏡』!!」
「おぉっと、危ない危ない」
「そんな、キャスターの宝具のオールレンジ攻撃が!?」
「クククッ、貴様等はこのワシを随分と舐めてかかってくれてるようだな。どれほど威力があろうと当たらなければどうということはないわ。……もっとも、当たった所でワシに傷一つ負わせることはできんがなぁっ!!」
策士には二つのタイプがある。策謀によってのみ敵を追い詰めるものと、策謀と己の戦闘力をもって敵を追い詰めるものと。


「待ってください! ……あなたの妻になります。だからマスターと凛さんは見逃してください」
「んん~~? どうしようかね~~ぇ。そ、う、だ。この場でパスを繋がせてもらおう。その様をお前のマスターたちに見せ付けるんだ。そうすれば考えてやらない事もないぞぉ?」
「っ!! ……わ、わかりました」
「止めてくれキャスター! 俺は、俺はどうなってもいい。だからそんなことはしないでくれぇっ!!」
「フハハハハッ! どうしたそんな口惜しそうな顔をして!! わかるか、これが……っぎゃあああああぁぁぁぁっ!!」
「貴様だけは許さん! 断じて許さん!!」
ライダーの矛が老王の胸板を撃ち抜いた。戦士の誇りを汚し続ける男を、彼はかつての七つの功業の如く、ついぞ膝下に下したのだ。


......END?







「ククククッ。ワシの分身にしては出来の悪い姿よのぅ。待っておれ壱与。何があっても必ずお前をものにさせてもらうぞ。ゲハハハハッ!!」