web 2.0時代を生きる > 『シリコンバレー精神』を読んで


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(2008/04/22)

 ようやくここまでたどり着きました。

 「ウェブ進化論」の評判を聞きながら、なんとなく気にはなっていたもののそのままになっていたのですが...。そのうちに梅田さんのブログに遭遇し、「ウェブ時代をゆく」を発刊とほぼ同時に読み、茂木健一郎さんやまつもとひろゆきさんとの対談を読み、 「ウェブ時代 5つの定理」 を読んで、ようやくこの 「シリコンバレー精神」 にたどり着きました。

 Amazonの誰かの書評にあったように、文庫本のための長いあとがきのために発行された本かもしれません。でも、1996年からのその当時の状況、想いがそのまま表現されていて私は非常に参考になりました。
 あとからその時代を振り返ると残念ながらその当時の状況を正しく判断できなくなります。起こってしまったことを知っていて、その当時の判断を正しい・正しくないというのは非常に簡単です。でも、今正しくないと思えることも当時の人間としては「これしかない」と思う事だっていっぱいあるのです。この本では当時の状況を同時進行で書いてあります。そういった意味でもこの梅田さんの文章は本当に貴重なものだと思います。

 平行して 「The New New Thing」 を読んでいるのですが(英語で読んでいるのでもう少し時間がかかります。日本語の本と同じぐらいのスピードで読めるように早くなりたい)、Jim Clarkさんが売上を一切つくりださない段階で無謀にも上場をした(Netscape、私も使ってました。IEよりも使い勝手はよかったと思います。まぁ、寡占・独占をめざすMicrosoftへの反Microsoftという気持ちも手伝っていましたが)、それを許す風土があった時代の影響を受け、非常に厳しいベンチャーキャピタルの審査基準・手法ができあがっているということも見えてきます。そういう厳しい審査基準があるにもかかわらず、自分の大好きなことに向かって突き進んでいる多くのナードたちがいるのでしょう。茂木さんが良く使うことばに「根拠のない自信」というのがありますが、ナードたちはその根拠のない自信を持って自分の夢に向かって突き進んでいるのだと思います。

 ※「根拠のない自信」というのはそのことばの通り、裏付けのない自信ということですが、ちゃらんぽらんにやっていては絶対に得られないものだと思います。彼らにとっては、自分が向かっている夢、大好きなものに対する愛情や自分が注ぎ込んでいる情熱が自身の裏付けになっているのではないでしょうか。
 ※「夢」というのもしたがって、「根拠のない自信」に裏付けられています。日本人が一般的に使う「夢」には「儚い」「実現が難しい」というイメージが色濃くくっついている場合が多いと思います。でも彼らにとっての「夢」は実現可能なものというイメージのほうが濃いのではないでしょうか。歌手Aikoさんのアルバムに「夢の中のまっすぐな道」というタイトルをつけたものがあります。彼女にとっては「夢はかなうもの」という意識が強く、それを表現するために「まっすぐな道」とつけたそうです。日本人の感覚も変わってきているのかもしれません。

 「文庫のための長いあとがき」にはオリジナルが発刊されてから5年の歳月が経ったあとの梅田さんのことばが書いてあります。

 私が読んだ梅田さんのウェブ時代の本を時系列で並べると「ウェブ進化論」「ウェブ時代をゆく」「ウェブ時代 5つの定理」となります。それぞれ、ウェブの環境変化、その時代の生き方、そしてウェブ時代をつくりだした人々のことばと、技術的なものから人へとその焦点が変化しています。どうしてなんだろうと思っていたのですが、その答えの一つがこの「長いあとがき」の中に書いてありました。

(306ページから307ページの一部を引用)
 2002年の春頃だっただろうか、そんな「アーリー・リタイアメント願望」が、私の中からふっと消えていることに気がついた。本当の有事には「自分のことを何かの理由で大切に思ってくれている人」がどれだけいるかということにこそ意味があり、そんな「人とのつながり」は「現役で真剣に働いている」ゆえに生まれるケースが多いということを、私は2001年9月11日以降のさまざまな出来事から強く実感していた。

 人に対する興味は昔から強かったのだと思いますが、「シリコンバレー精神」の本文の中でも多少その変遷は見て取れるように思います。そしてニューヨークのワールドトレードセンターを破壊した同時多発テロを皮切りに起こった「自分の価値観が根底から揺り動かされ、新しい生き方を模索しなければならないという強い思いを抱くようになった」という感情から上の一つの結論に達したのだそうです。

 梅田さんは人に対する愛情にあふれた方だと思います。そして、日本人として、(日本がすべてとまでは思っておられないでしょうが)、日本にもっとがんばって欲しいと思っておられるように思います。

 さて、批判的な文章をほとんど書かない方だと思うのですが、Linusについては多少批判的に書いてあります。オープンソースで、無償で働くgeek達がつくり上げたLinuxに人として、いまの資本主義とは全く違う形での可能性を見ておられるので、資本主義に取り込まれたLinuxを多少批判的に書かれたのかもしれません。「長いあとがき」でもちょっと触れておられますが、残念ながら、Linuxあるいはオープンソースの謎についてはまだ答えはないとのこと。そのあとがきから2年、今はどんな想いでLinuxを見ておられるか、非常に興味があるところです。

※それにしてもLinuxの集会のくだりではついつい笑ってしまいました。Linus Tovaldsさんて本当に良い方なんですね。



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