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「はぁー、疲れた。」
ゼロは風呂に入りながら溜め息を漏らしていた。
そう狭くはない、常人にとっては普通の風呂。
「もう、何なんだよ・・・・。」
ゼロが家に帰ろうとすると、何か行方不明になってたとかで施設で質問浸りだった。
帰るのもそのせいで遅くなり、夜になってしまった。
家に帰ってきても母親が何かと質問してきて、なかなか食事にもありつけれなかった。
そして今は夜の11時。
・・・厄日だ、そうに違いない。
ゼロはまた溜め息を漏らした。


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その頃、施設本部の会議室。

さて。今日の事件についてだが、どうやらIMがやった可能性が高いらしいな。
因みにIMの能力は風か空気らしい。
対策として空気のIMを持つ隊員を調査に出したが、先ほど重傷を負って帰ってきた。
その隊員が言うには「空気に近いが、そうではない。」と言っていた。
因みにその隊員は今日欠席しているその席の隊長殿だ。
言い方は悪くなるが、ちなみに隊長の中では弱い方だ。
相手も最下位の隊長を熨す位の力は持っているので、注意は必要だ。
諸君、他の隊員にも伝えておくように。
君達がこの発言をどう取るかは自由だが、油断はするなよ?


さて、会議はこれで終了・・・・って何お前等紙飛行機作って飛ばしてるんだ私が後ろ向いてるスキに。
言い訳するな、大人気ないぞ第三施設隊長。
はい他の隊長と代返の副長も帰った帰った、面白そうに見るな。
まったく、何でこう緊張感がないのか・・・・。
っつーかオイ、いたのか第2施設隊長。影薄いぞ。
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「くー、すー。」
会議が終わった頃、ゼロはもう風呂から出て寝ていた。
顔に似合わず可愛い寝息である。
「すー、すー。」
臍を出して寝ているゼロを、隣の家の屋根から見る目が二つ。
「・・・・・・。」
それは森でゼロを崖に落としメルフィーの家から出てきたゼロ達を見ていた、あの少女である。
月明かりに照らされたそれはそれは綺麗な金髪の頭は、それはそれは綺麗に光っていた。
「すー、くー。」
ゼロはそんな事も知らずに平気で寝ている。
少女はやはりじっとゼロを見つめる。
「・・・・・貴女が、あそこの少年を崖に落とした子?」
甘ったるい声が少女の耳に入る。
少女が気付かない内に、後ろに女性が立っていた。
スーツが妙に似合う、大人の女性。
その声を聞いた少女は顔が外れるのではないかとゆうほどの勢いで振り向いた。
「どうやら、そのようね。」
女性の目はただ少女だけを見つめている。
少女もその刺す様な視線に負けじと睨み返す。
「初めまして、施設の者よ。」
「・・・・・・・。」
暫く睨み合った後、少女が先に動き出した。
少女は又も手に空気を集めて、夕方の様にまた空気の弾を作り出す。
「それがあの少年を崖に落とした時の・・・・。なるほど、確かに強力ね。」
女性は至って冷静だ。
それがどうした、とばかりに少女が表情を歪める。
そして、また少女は空気の弾を放った。
「でも・・・・・。」
やっと女性が動き出した。
掌を少女に向け、ただ冷静に。
「強力な力も方向を変えれば、ただの力ね。」
女性の掌から、何か「物体が出てきた」。
それは一瞬で広がり、大きな傾いた壁を作る。
その壁に当たった空気の弾は、傾いた方向・・・夜空の方向へと飛んでいった。
少女は唖然として、相手の壁を見ていた。
なんだアイツ。
「ちょっと聞きたいことがあるの。」
女性はその壁を崩してまた「手の中」へとそれを「しまって」いく。
なんだ、それ。
そんなIM見た事がない。
どんな物質にしても、体から出すなんて不可能だ。
そんな少女も気にせず、女性は質問を続ける。
「貴女は、どんな『目的』であの少年をねらってるの?」
優しく、しかし鋭く、少女に問いかけた。
「・・・・・・その質問には、答えかねる。」
少女が短く、重い声で言った。
ちょっと驚いた様子で少女を見る女性。
「あら、結構低い声なのねぇ。」
少女からは返答無し。
女性は溜め息をついて、
「話がすすまないじゃない。」
と小さい声で言った。
「まぁいいわ。直接持ち帰れば良いだけだもの。」
そして、その女性はまた掌より物体を出す。
その掌から出た物体は、大きい手の形を作り出した。
「さて、じゃあ持ち帰りましょ。」
次の瞬間、その手が少女へと襲い掛かる。
しかし、少女も空気を使い空へふわりと浮かんで攻撃を回避する。
そして少女は次の屋根へふわりと飛び移り、次の屋根へ、次の屋根へとふわりと飛び移っていった。
「逃げるつもり?うふふ、逃がさないわよ。」
女性も手の形を成していた物体を使い、少女を追う。
「・・・・クッ!」
少女のすぐ後ろへと女性は迫っていた。
「あら、もう終わり?」
女性はクスクスと笑って少女を掴もうとする。
少女はそれをあっさり払って、真横へと直進方向を変える。
「・・・・すばしっこいのねぇ。」
女性は顔を歪めて呟く。
「でも、これは塞げれるかしら?」
すると、物体から幾つもの手が形を成して少女に襲い掛かる。
しかしも少女は周りに竜巻の様な物を作り、それを竜巻に巻き込んで引き千切ってしまった。
少女は竜巻の上まで移動、高く飛び上がる。
それと同時に竜巻が消え、そして。
「・・・・・失せろ下郎。」
少女が短く呟くと、一瞬で周りの空気が少女へと集まった。
さっきより桁違いに大きい空気の弾が完成する。
「へぇ、まだ隠し玉を持ってたのね。」
女性はそう言うと手を前に出し、また物体を出し始めた。
こっちもさっきより桁外れに量が多い。
「これも長くは使えないの、早く捕まって頂戴。」
そしてその物体からは無数の手が伸び、少女へと襲い掛かった。
しかし、それが少女の狙いだった。
少女は空気の弾を女性へと発射せず、手の中で思いきり圧縮させる。
空気中の水分が水に戻る寸前で、少女はライターを取り出した。
「・・・・・何をするつもりかしら?」
女性は今も無数の物体を少女へと放っている。
その物体が少女に当たる直前に、
「じゃあな下郎。」
その圧縮した空気にライターの火を灯した。
するとその圧縮した空気は、火の玉となった。
その火の弾はかなりの物で、周りの空気を巻き込みながら火を広めていく。
「?!」
女性は咄嗟に物体を戻して自分の周りを包ませる。
少女の周りを火が完全に包んだ頃、大爆発が起こった。
「空気を圧縮させて爆発を起こしたのね。ふふふ、結構頭が良いじゃない。」
爆風を物体で遮りながら女性は呟く。
しかし爆発もそう長くは無い、一瞬である。
「でも、こんな攻撃・・・・・。」
女性が物体を変形させて捕まえようとすると、
「・・・・・・?」
少女の姿は見当たらない。
見えるのは、ただゆっくりと動く爆発でできた煙だけだった。
「・・・・逃げられちゃった、かしら?うふふ。」
女性はちょっと楽しそうに笑う。
「これぐらい手ごたえが無いと面白く無いわよね。」
女性はそういって立ち去り、煙がなくなる頃には姿を消していた。

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