プロローグ 

何故、他人は、死を恐れるのか。
いや、哲学とかではなく、ただたんに、私が幼年期から、密かに考えていることだ。
私には、それが、まったくと言って良い程、分からない。
多分、私は、そう簡単には「死なない」からだ。
いや、冗談を言っているワケではない。
本当に、「死なない」のだ。
いくら「首を切ろうとしても」、いくら「心臓を抉り出そうとしても」、
―――「死なせてもらえない」、と言った方がいいか。
うんざりだ、かれこれ521年生きている。
―――532年?どうでもいい、そんなこと。
おかげで世間には「ドラキュラ」だの何だの言いたい放題言われている。
肌が白いせいもあるが。
さて、では君達は、何故、「私がこれだけ長い時間生きていられるか。」とゆうことについて疑問に思うことだろう。
理論やら何やらは、私には分からないが、どうやら私は、守られているらしい。
私以外には見えないようで、話しても、ただ馬鹿にされるばかりだ。
実際に今も「話しかけてきている」のに。
小さい頃から「友人のように」接してきている。
親より信頼できる、誰よりも大切に思える。
そんな存在が、今、私を守っている。
別に、小さい頃から、接しているから大切なわけではない。
「本能的に、大切」なのだ。
いくら嫌だと思っても、いくら離れたくても。
嫌悪もできず、遠く離れも出来ない。
しまいには自己嫌悪をしてしまう。
ああ、普通の人が羨ましい。
羨ましく、憎たらしい。

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最終更新:2007年05月27日 15:18