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一つの書店があった。 大きさは小さい一軒家に近い。 コンクリートの壁には亀裂が走り煤だらけで、ガラスにも亀裂が入っており辛うじてテープで補強されている。 看板には大きく擦れた字で「鉄筋書店」と書かれている。 崩れてないのが不思議なぐらい古い本屋である。 常時開かれているドアから一人の男が出てきた。 オオカミヘアで濃い水色の髪に、髪の毛で隠れているせいか光の入っていない眼球。 顔の右側は完全に包帯で巻かれており、左目しか見えていない。 背は180cm前後だろうか、体格も良い。 服は上がホワイトの首を隠す長袖のシャツと、ブラックでポケットの沢山付いたズボン。 それにピンクのエプロンが引っかかっている。 右胸らへんに「黒金」と名前が刺繍がしてあった。 モノクロにピンクが合わないのはさておき、 これがこの書店の店主である。 「黒さーん」 ちょっと低いが、青年の声だと分かる声が聞こえてきた。 制服姿なので「多分下校途中か、」と黒金は察知した。 「・・・・ゼロか。」 初めて男が口を開いた。 濁っているが、何所と無く透き通っている。 俗に言う「ハスキーボイス」に似ていると、世間は言う。 本人はそうは思っていないらしい。 「間に合った、本を買ってって良い?」 「勿論だ。」 無表情のまま「黒さん」と呼ばれた店主の黒金が返事をした。 「その受け答え、自営業をやる側として直した方が良いと思う。」 黒金は不思議そうな顔をして、 「そうゆうものなのか?」 と質問した。 「当たり前だ、他の店を見てみろ。嫌でも機嫌の良さそうな顔をして接客するんだよ?」 「その言い方は、その人たちに対して失礼だと思うぞ。」 「そうか?それより本を買いたいんだけど、あれ何円?」 指差す先には「哲学」のコーナーにある分厚い本。 辞書2冊分ぐらい厚い。 本が嫌いな人は、多分10ページ程で嫌になってしまう。 黒金はそれを手に持って確認すると、四本指を立てて答えた。 「へぇ、物凄い安いね。一万円以上すると思った。」 「特別価格だ、どうせ誰も買わん。」 「何でそんな物入荷したのさ。」 「何と無く、だ。」 何と無くで入荷して良いのか。 多分誰でも考えるであろう事をゼロは頭の中でぼやいていた。 よくそんな経営の仕方で潰れないものだ、普通は潰れる。 「さて、ちゃんと金は持っているのか。」 黒金は意地悪っぽい口調で呟いた。 「持っているに決まっているでしょ、はい400円。」 「お買い上げありがとうございます。」 棒読みで黒金が御礼をした。 顔は無愛想そのものである。 「・・・だから、何でそんなに無愛想なの?」 「何でか知ってたら自分で治してる。」 ゼロは頭を掻き毟って溜め息をした。 「じゃあ、またな。学生なんだからちゃんと勉強しろよ。」 「言われなくても。」 ゼロはそれだけ言うと、急いで走っていった。 黒金はそれを確認すると、店のシャッターをしめて、自室へと潜り込んだ。 滅多に付けない電機、滅多に干さない布団、滅多に開かない窓。 でも部屋だけは片付いている。 ホコリっぽくもなく、ゴミも落ちていない。 そんな空間に、コンピュウターが一台置いてある。 見た目は普通のコンピューターだが、よく見ると周りにケーブルが幾つも張り巡らされている。 そしてそれは小さいアンテナやらHD(ハードディスク)と書かれた四角い鉄の物体の群れやら色々な物と繋がれていた。 電源を入れると、周りの機械が大きい音を立てて起動する。 「・・・・新しい情報、か。」 立ち上がったコンピュウターの画面に出てきた「情報受信完了」とゆう文字も見て、呟いた。 新しく受信した情報を見ると、そこには一つの写真があった。 黒い髪の毛にレッドブラウンの目、髪型は良く分からない、ボサボサになっている。 それは、今日黒金の書店に来た・・・・・・ゼロ、だった。 「・・・・どうして!」 黒金は拳で床を思いっきりなぐった。 顔は怒りなのか悲しみなのか、歪んでいる。 「何故見つかった、何故だ!クソ!アイツ等め!」 黒金は頭を掻き毟って叫んだ。 叫んだといっても、それほど大きくは無い。元々の声が小さいのだ。 「・・・・この状況になった時のために私が入り込んだんじゃないか。」 黒金は頭を上げて口元に笑みを見せた。 そしてキーボードを操作し始める。 カタカタと、部屋に音が止めど無く響いた。 「ククク、見ていろアイツ等。復讐だ、これは復讐だ。そしてこれは・・・・・」 キーボードの音が鳴り終わった。 「警告、だ。」
一つの書店があった。 大きさは小さい一軒家に近い。 コンクリートの壁には亀裂が走り煤だらけで、ガラスにも亀裂が入っており辛うじてテープで補強されている。 看板には大きく擦れた字で「鉄筋書店」と書かれている。 崩れてないのが不思議なぐらい古い本屋である。 常時開かれているドアから一人の男が出てきた。 オオカミヘアで濃い水色の髪に、髪の毛で隠れているせいか光の入っていない眼球。 顔の右側は完全に包帯で巻かれており、左目しか見えていない。 背は180cm前後だろうか、体格も良い。 服は上がホワイトの首を隠す長袖のシャツと、ブラックでポケットの沢山付いたズボン。 それにピンクのエプロンが引っかかっている。 右胸らへんに「黒金」と名前が刺繍がしてあった。 モノクロにピンクが合わないのはさておき、 これがこの書店の店主である。 「黒さーん」 ちょっと低いが、青年の声だと分かる声が聞こえてきた。 制服姿なので「多分下校途中か、」と黒金は察知した。 「・・・・ゼロか。」 初めて男が口を開いた。 濁っているが、何所と無く透き通っている。 俗に言う「ハスキーボイス」に似ていると、世間は言う。 本人はそうは思っていないらしい。 「間に合った、本を買ってって良い?」 「勿論だ。」 無表情のまま「黒さん」と呼ばれた店主の黒金が返事をした。 「その受け答え、自営業をやる側として直した方が良いと思う。」 黒金は不思議そうな顔をして、 「そうゆうものなのか?」 と質問した。 「当たり前だ、他の店を見てみろ。嫌でも機嫌の良さそうな顔をして接客するんだよ?」 「その言い方は、その人たちに対して失礼だと思うぞ。」 「そうか?それより本を買いたいんだけど、あれ何円?」 指差す先には「哲学」のコーナーにある分厚い本。 辞書2冊分ぐらい厚い。 本が嫌いな人は、多分10ページ程で嫌になってしまう。 黒金はそれを手に持って確認すると、四本指を立てて答えた。 「へぇ、物凄い安いね。一万円以上すると思った。」 「特別価格だ、どうせ誰も買わん。」 「何でそんな物入荷したのさ。」 「何と無く、だ。」 何と無くで入荷して良いのか。 多分誰でも考えるであろう事をゼロは頭の中でぼやいていた。 よくそんな経営の仕方で潰れないものだ、普通は潰れる。 「さて、ちゃんと金は持っているのか。」 黒金は意地悪っぽい口調で呟いた。 「持っているに決まっているでしょ、はい400円。」 「お買い上げありがとうございます。」 棒読みで黒金が御礼をした。 顔は無愛想そのものである。 「・・・だから、何でそんなに無愛想なの?」 「何でか知ってたら自分で治してる。」 ゼロは頭を掻き毟って溜め息をした。 「じゃあ、またな。学生なんだからちゃんと勉強しろよ。」 「言われなくても。」 ゼロはそれだけ言うと、急いで走っていった。 黒金はそれを確認すると、店のシャッターをしめて、自室へと潜り込んだ。 滅多に付けない電機、滅多に干さない布団、滅多に開かない窓。 でも部屋だけは片付いている。 ホコリっぽくもなく、ゴミも落ちていない。 そんな空間に、コンピュウターが一台置いてある。 見た目は普通のコンピューターだが、よく見ると周りにケーブルが幾つも張り巡らされている。 そしてそれは小さいアンテナやらHD(ハードディスク)と書かれた四角い鉄の物体の群れやら色々な物と繋がれていた。 電源を入れると、周りの機械が大きい音を立てて起動する。 「・・・・新しい情報、か。」 立ち上がったコンピュウターの画面に出てきた「情報受信完了」とゆう文字も見て、呟いた。 新しく受信した情報を見ると、そこには一つの写真があった。 黒い髪の毛にレッドブラウンの目、髪型は良く分からない、ボサボサになっている。 それは、今日黒金の書店に来た・・・・・・ゼロ、だった。 「・・・・どうして!」 黒金は拳で床を思いっきりなぐった。 顔は怒りなのか悲しみなのか、歪んでいる。 「何故見つかった、何故だ!クソ!アイツ等め!」 黒金は頭を掻き毟って叫んだ。 叫んだといっても、それほど大きくは無い。元々の声が小さいのだ。 「・・・・この状況になった時のために私が入り込んだんじゃないか。」 黒金は頭を上げて口元に笑みを見せた。 そしてキーボードを操作し始める。 カタカタと、部屋に音が止めど無く響いた。 「ククク、見ていろアイツ等。復讐だ、これは復讐だ。そしてこれは・・・・・」 キーボードの音が鳴り終わった。 「警告、だ。」 [[次ページ>http://www13.atwiki.jp/master/pages/36.html]]

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