―――胸の、赤みがかったようなリボンを引っ張ってやると
それはしゅるしゅるとあっさり解けた。
張り付いたような笑顔で、彼女が僕を見上げている。
そっと耳に触れると、ぺたんと耳が閉じられた。
「幾ら愛の言葉を囁こうと、聞く気などないのに♪」
………。
元よりそのつもりなのだろう。
しかし、それでも僕は、
むに。
…掴んでみたものの、その胸は掴めるほど無く。
(いや、なんというか )
彼女の唇が動く。
「その程度の欲望なのかしら♪」
(…挑発されてる!?)
最終更新:2007年09月03日 22:24