クリフトとアリーナの想いは @ wiki

2008.04.01_2

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kuriari

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クリフトとアリーナの想いはPart8
2008.04.01のインスパイア
916 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/04/01(火) 21:41:28 ID:vDtGMDUt0

空は澄み渡り、小鳥達はさえずり
風が春の気持ちのいい匂いを運んでくる。

そんなのどかな雰囲気を慌しく駆け上がってくる足音が乱した
長い栗毛を揺らしながら走ってくる少女。
彼女はいつでも太陽のように明るい笑顔をする、だけど今日は
その顔も曇ってしまい雨でも降り出しそうな顔だった。
「クリフト!」
探し回ってた相手を見つけたアリーナは遠くから呼止め
深呼吸してから一気に言い放った。
「侍女達が噂してるの、クリフトがどっかに行っちゃうって、
嘘よね?クリフトはドコにも行かないでしょ!?」
アリーナの真剣な眼差しを受けながら、いつもアリーナに向けている微笑を作る。
「またその話題ですか?定期的に出ますね。」
向けられた微笑みに安心したのか、アリーナの緊張は解けていった。
「そ、そうよね。やっぱりタダの噂よね」
クリフトはアリーナの手を取ると跪いた。
「このクリフトは如何なる時もアリーナ様に御仕えする事を誓います。」
そしてアリーナの手の甲に軽くキスをし「姫様がまた脱走されても付いて行きます。」っと付け加えた。
アリーナは突然の騎士の誓い事の様にキスされたことに驚き、
慌てて自分の胸まで手を引き戻し顔を真っ赤にした。
「・・・ッま、間違いならいいのよ、余計な時間取らせちゃってゴメンね。」
クリフトから少し目線を外しながらそう言うとアリーナは逃げ出す様に去っていった。

少しワザとらしかっただろうか?
今言った事はクリフトの本心であったが、真実ではなかった。
明日には噂通りにサントハイムを去らなくてはならない、
今日と言う日が神から許された嘘を付いて良い日で合った事を感謝しなくては成らない。
それともスムーズにサントハイムを去れるように神からも望まれているのだろうか?

イヤ、辞めよう。神から二つの道が用意されたがその道を選んだのは自分なのだから
クリフトは苦笑を洩らした。

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悲恋
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