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【クリアリ】クリフトとアリーナの想いは Part13【アリクリ】 142 名前: 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail: sage 投稿日: 2013/06/01(土) 23:01:10.47 ID: ad8IA2MI0 山麓です。解除祝いの『クリフト、ザオリクを唱える』 初ザオリクはこんな感じかと思った。 「姫様!!」 嫌な音と共にブライの小さな体が地面に叩きつけられた。それは一瞬の出来事だった。 対峙している魔物に珍しく苦闘していたアリーナは、珍しく背後からの新手の魔物の攻撃に気づいていなかった。その魔物の攻撃がアリーナに振り下ろされる瞬間、ブライがアリーナを庇うように魔物との間に入り、その攻撃を己の体を盾に受け止めた結果だった。 「ブライ様!!」 「ブライィーーーーー!!」 魔物を仕留めたアリーナは背後の異様な気配に振り返った。そしてアリーナの目に映ったのは、見るも無残な姿になった老魔術師の姿だった。 「いやぁ! 」 いつものアリーナとは違った悲鳴のような声と、震えるように立ち尽くし、子供のようにイヤイヤする姿に、クリフトは居ても立ってもいられず、馬車を飛び出した。 「姫様」 飛び出し、手土産と言わんばかりに、ブライを叩きつけた魔物を切り捨て、地面に縫い止めると、アリーナに駆け寄った。 「ブライが……、ブライが…… 」 パーン メダパニを受け、子供が泣きじゃくるように、錯乱し荒れ狂っているアリーナの頬をクリフトは叩いた後、強く抱きしめた。 「落ち着いて下さい姫様。姫様は一国の姫、忠臣の犠牲に動揺してはなりません。そしてブライ様は私が生き還らせます故に……、信じて下さい」 「ク…‥リ…フ…ト…」 何が起きたか分からない様子のアリーナだったが、クリフトの最後の「信じて下さい」の言葉に己を取り戻した。 (ザオラルでは厳しい。ザオラルの上位ザオリク……) クリフトはブライの肉体を検分し、厳しい状況である事はすぐ分かった。 (この私に……、出来るのか。ザオリクが……) 思案の果てに目を瞑り、開けた視線がアリーナの不安な瞳とぶつかった。その瞳を見た瞬間、クリフトは腹を決めた。 「聖水を下さい。場を清めます」 「あっ、はい」 慌てて馬車にから、トルネコが聖水を持って来て、クリフトに渡した。クリフトはその中身をブライの周囲に振りまいた。 「陰府より向かえし魂よ、こちらへお戻り下さい。ザオリク」 ロザリオを握りしめて、クリフトは祈りを捧げた。 (あっ、引きずられる) クリフトは普段のより奪われる精気に一瞬よろめきそうになった。しかし背後から抱きしめられる感触を感じとどまった。 「クリフト、信じてるから――」 (姫様……) ブライの瞼が開いたのは、それからまもなくだった。 //

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