personal note内検索 / 「鈴木清剛」で検索した結果

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  • ラジオデイズ
    ラジオデイズ 河出文庫 鈴木清剛 J文学という括りがあるようだ。Jポップ、Jリーグ。やや使い古された時代の刻印の一つだと思う。この小説はそのただ中にあり、渋谷発といった言い方もされているようだ。何が渋谷発なのかは全然分からないのだけど、この世代を表徴する街の代表が渋谷と言うことなのだろうか。 著者は僕と一つ違いだ。同年代の小説家も活躍する時代が自分にも来てしまったことに対する、漠然とした焦りを感じた。それはアイドルの年代を通り越し、むしろ「若手お笑い」と呼ばれて、活躍している世代が全く同じ年齢層だという焦りとは少し違う。どちらにしろ、大人社会への参加が、本格的な段階に到達しつつあることは確かなようだ。そこら当たりを考えさせられる作家達の活動なので、ちょっと興味がある。 やはり物語のなさを今の社会の問題としている、そんな大人...
  • ピストルオペラ
    ピストルオペラ 監督:鈴木清順 出演:江角マキ子、山口小夜子 2001年 /112分 この作品を見たとき、本当に清順の作品なのかと疑った。それほどに清順的というものが「ありあり」としており、それがパロディー的にも感じられた。70-80年代の作品を見てきたプロデューサー達に捏造された「清順的」ではないのか。そんな疑いと共にやや興ざめしてしまった。けれどそれは見るモノの浅はかさというものだろう。 しまった。 見終わってしばらくしてからちょっと後悔した。鈴木清順の作品をまだぞんぶんに見込んでいない故にやってしまうこどだ。普通の映画として観てしまったのだ。この膨大な細部をもつ世界を。奥行きの無い世界を。単調なくらいシンプルな世界を。「間」が支配している世界を・・。清順監督にとっては67年に製作し、日活を解雇されるきっかけとなった因...
  • ツィゴイネルワイゼン
    ツィゴイネルワイゼン 監督:鈴木清順 プロデューサー:荒戸源次郎 脚本:田中陽造 撮影:永塚一栄 出演:原田芳雄、大谷直子、藤田敏八、大楠道代、樹木希林 1980年に公開された鈴木清順監督作品。 ツィゴイネルワイゼンってこんな映画だったっけ?。ほとんど覚えていないことへ愕然としながら、昔見た時は単に前衛的な!、という括りでしたが、今見てみればとっても良く出来た作品なんだと。そして、なんて奇妙な映画なんだろうという興味は尽きなくって。とりあえず気になった所をメモ。 大谷直子がちぎるこんにゃくがあんなに量がおおかったこと、大楠道代はいつも何かを食べているシーンばかりで、最初に登場する藤田敏八との食事シーンでは、何を食べているのかよくわからないけれど、お椀のような食器がすごくたくさん並んでいること、そのあとの腐った桃を食べるシーンがなんともエロティックで...
  • キル・ビル
    キル・ビル 製作・監督・脚本:クエンティン・タランティーノ 製作:ローレンス・ベンダー アクション・コーディネーター:ユエン・ウーピン「マトリックス」 美術:種田陽平「スワロウテイル」 アニメーション:プロダクションIG「攻殻機動隊」 撮影監督:ロバート・リチャードソン 出演:ユマ・サーマン、ルーシー・リュー、ダリル・ハンナ、デビッド・キャラダイン、千葉真一、栗山千明 制作データ:2003米/ギャガ=ヒューマックス 上映時間:113分・R-15 「刀は疲れ知らず。あんたも少し力が残っているといいけどね」(ルーシー・リュー) いやー。またすごい映画を。タランティーノ監督はやってくれた。正直あまり期待せずにいたのだけど(その割には公開日初日に見ることは決めていた)、かえってそれが...
  • パラノイドパーク
    パラノイドパーク 監督:ガス・ヴァン・サント 出演:ゲイブ・ネヴィンス、ダン・リウ ジェイク・ミラー、 テイラー・マムセン、ローレン・マッキニー、スコット・グリーン パラノイドパークとは違法につくられたスケードボーダー達の公園で、ほとんどの床が滑るために作られた曲面を持っていて、そこを流れる姿がスローで写され、常に画面を見切ってしまうその動きは断片でしかないのだけれど、繰り返し違う人が列をなして滑っているせいで断片はループとなり、一続きの像として感じられる。 主人公は中性的な容姿で、異性に対してよりもスケードボーダー達の動きへ惹かれている。その視線を通して画面から感じられるのは、ループとなって切れ目ない動きへ中毒的に縛り付けられるような誘惑、ボーダー達へ没入していく彼の感覚だ。 流動性の高い現代社会において他者との関係を築く機会はどんどん減少し、「見...
  • うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー
    うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー 監督:押井守 演出:西村純二 製作:多賀英典 原作:高橋留美子 脚本:押井守 企画:落合茂 恐らく10年以上ぶりに見た。この懐かしい雰囲気。けれどこんなにノスタルジックだった?。次第に鈴木清順か寺山修司の描くような世界観に近い印象になっていく。それはまるで初めて見る映画のように新鮮で刺激的だ。押井監督の引用趣味はこの頃からあるのだと分かる。 こうして10代の頃に見ていた映画を30過ぎて見ている自分。はたして今の自分は10代に抱いていた30代の自分を思う気持ちのなかに存在しているのではないか。いや、30過ぎの自分が思出す10代の頃に抱いていたであろう大人の自分に対して存在しているのだ。 だから「うる星やつら」の面々があまりにも退廃的に見えてくるのは、そ...
  • ロックンロールミシン
    ロックンロールミシン 新潮文庫 鈴木 清剛著 女性1人に男性2人。この「ドリカム系」とも言える・・そういえばもう3人じゃないんだっけ?、それではこの「エブリ・リトル・シング」・・これも違ったっけ?。そんな訳で必ずしも長く続くことのない(?)この組み合わせによる、建築系で言うと「ユニット系」は、この小説の柱となっている。賢司という刹那的な語り手である主人公への共感という楽しみもあるが、ここではむしろこの「装置」へ注目してみる。 まさに稼働し、そして崩壊していく間を描いたもので、しかしこの組み合わせには事件が付き物だ。やはり3人の中に男女のペアが発生してしまうことが破綻へのキッカケなのだろうか。必ずしもこの小説では「それ」が原因として描かれていないものの、やはりペアは存在していた。ではもっとほかに構造的に見えてくるものはと言えば、それは創作に...
  • いたいふたり
    いたいふたり 監督/脚本:斎藤久志 プロデューサー:鈴木ゆたか 撮影:平野勝之 出演: 西島秀俊、唯野未歩子、鈴木卓爾、原一男、川越美和、廣木隆一、田中要次、高野志穂 日本/2001年/112分/カラー ビデオ(で見たので)画質のチープさがちょっと寂しい。けれど二人の住む家がぽつんと建っている感じとか、夜の公園で女子高校生と弟役の二人がからむシーンなどは趣がある。「痛みを共有するふたり」という映画なので、二人の閉じた世界が中心なのかと思えば、むしろ周辺に登場するキャラクターとのからみが面白い。 途中で登場するホームレスが実は民俗学者で、痛みの共有としてアフリカの事例などをあげるのだけど、正直そんな説話などには興味持てなかった。共有する痛みによって引き起こされる様々な出来事も広がりがない。 やはりこの映画は周辺人物だ。唯野未歩子の同僚として...
  • 文化系トークラジオLife
    文化系トークラジオLife 津田大介 (著), 斎藤哲也 (著), 柳瀬博一 (著), 佐々木敦 (著), 仲俣暁生 (著), 森山裕之 (著), 鈴木謙介 (著) 文化系男子(こんな言い方、使い慣れないけど)によるラジオ番組の記録。なんか懐かしい。中学時代に聞いていたラジオ番組を思い出す。読み物でもそんな臨場感は伝わってくるものなんだ。 談話室的なノリなんだけど、刺激的な内容も多く、鈴木謙介さん(社会学者)も的確な司会ぶりだし、文化系なテーマで社会時評という視点も好みだし。 一度ポッドキャスティングを落として聞いたこともあるけど、読むほうが手頃に思えた。1時間くらいのラジオをまとまって聴く時間がとりにくいのと、本なら5分でもちょっと読み進められるからか。とは言え、ラジオから書籍化、イベントなども展開されていて、今後も追跡したい動きだ。 ...
  • 近況
    過去の近況 2003/6月 2003/7月 2003/8月 2003/9月 2003/10月 2003/12月 2003/11月 2004/1-3月 2004/4-6月 2004/7-12月 2005/2-1月 2006/4-7月 2006/8-1月 2008/3-12月 2016-01-05 久しぶりにログインした。実に3年近くも、、。 2013-07-23 平和憲法や慰安婦などのベーシックな問題点解説とか、政治家と政策の模式図を選挙期間だけでなく常に取り扱う、ちゃんと視聴率の取れる情報番組が欲しいなと。それにはネットとTVのさらなる戦略的な連携も必要で、政治を良くわからないブラックホールとしない...
  • 桂子ですけど
    桂子ですけど 製作:園子温 監督:園子温 助監督:吉田國文 小坂井徹 脚本:園子温 撮影:ウォン・オン・リン 美術:園子温 西川裕 鈴木桂子 整音:鈴木大介 照明:長島徳秋 編集:園子温 吉田俊次 出演:鈴木桂子 内田栄一 自殺サークルを見て園子温監督が気になったので、先日出たばかりのレンタル「新作」で借りる。ミニマリズムと評されたこの作品は、確かにストイックなほどそぎ落とされた演出で、絵画的なショットが繰り返されている。原色の鮮やかな構成と、文字だけが挿入される、ゴダールの雰囲気も感じさせる。 真っ赤に染められた和室。そして畳の縁、建具枠のみが黒く塗られている。桂子という女の子の赤い口紅と長い黒髪が部屋と同じ配色なのは、人物ですら画面構成の中へ、ベースとして馴染ませるねらいなのだろうか。家具が全て黄色く塗られているのと対照的だ。 「時間」に対する執着的なま...
  • ONEPIECE秋コレクション
    ONE PIECE 秋コレクション 1994〜1998年 日本 監督:矢口史靖、鈴木卓爾 出演者:唯野未歩子 、しおのやけい子 、長曽我部蓉子 、田中要次 、寺十吾 、猫田直 「ひみつの花園」「アレナリンドライブ」の矢口史靖・鈴木卓爾が、映画製作に必ず付きまとうもろもろの面倒を一切忘れて、演出だけを楽しみたい!という発想から出発した、1シーン・1カット1話完結固定画面、シナリオ無しのアドリブ即興演出で撮りあげた超短編映画14ピース入り。 やっと見た!。新宿TUTAYAでいつも貸し出し中(しかも1本しかない!)でもう何ヶ月も敗北感を味わっていた作品。勝手に「伝説化」していった短編集ですが、待っていた甲斐があった。 なんとも「ゲラゲラ」と笑ってしまう映画。気軽に撮っているのが伝わってきて、見ているこっちも...
  • 花とアリス
    花とアリス 監督: 岩井俊二 出演:鈴木杏 、蒼井優 、郭智博 、相田翔子 、阿部寛 ショートフィルムとしてウェブで配信されていた作品の劇場公開版という性格か、サザエさんみたいに断片的なつながりがあって面白いしそれが監督のウリか。 岩井作品は「リリィ・シュシュのすべて」でひとつの極限に達したと思ったけれどあの映画を好きか嫌いか、興味あるかないかで、結構分かれるものがあって、それはなにか僕らが抱えるものをシンクロさせていると思わせたかどうかということだったような。 かつて助監督をしていた行定監督がどんなに大きな仕事をしても、こんな映画は撮れないと思う。あるいはめざすところが違うのだろうけど、どちらと言えば「春の雪」よりは面白かったと思う。2006-02-26/k.m コメントをぜひ ...
  • ウェブ社会の思想
    ウェブ社会の思想 ―〈遍在する私〉をどう生きるか 鈴木 謙介 (著) アマゾンの「おすすめ」機能を代表的に取り上げ、データベースが打ち出す予測に私たちは先回りされていて、意識せずにそれらの選択を受け入れているとし、「宿命的決定論」とまで言ってしまう。 便利さや安全性など目先の問題をクリアさせていくうちに、社会設計的な視野での狂いが生じてくる。ユビキタス環境に潜む危険性をそんな社会学的な視点で訴えている。 けれど情報に接するリテラシーの問題で、それほどでも。むしろ、「自己は自己について語る「物語」によって社会的に紡ぎ出される意味的な現象である」という研究をおこなっている浅野智彦氏の紹介が興味深かった。 ウェブ社会を捉えた個々の分析は面白いけれど、導こうとしている「懸念」にはなんだか無理を感じた。そんな著者の態度にかえ...
  • 未来を担う美術家たち-DOMANI・明日展2010
    未来を担う美術家たち-DOMANI・明日展2010 国立新美術館 アーティスト 古郷秀一、三好耕三、流麻二果、神戸智行、近藤聡乃、遠山香苗、近藤高弘、深井総一郎、鈴木涼子、山口紀子、町田久美、赤崎みま 国立新美術館のDOMANI・明日展が良かった(以下、興味のあった作品について)。まず三好耕三の写真が素晴らしい。「CACTI 1995」はサボテンが空間を構成する装置として見え、やがて北アメリカ大陸の先住民達が彫刻したトーテムポールにも見えてきた。 また、「ROOTS 1990」は植物の根がまるでアルコールづけの奇形児を見てしまったかのように緊張が走る。それは妖怪が実在の奇形からヒントを得てその形をかりたような概念的なものではなく、この世に実在するデカダンスとして迫ってきた。 流麻ニ果の油絵は、雑誌や日常で出会った見知らぬ他人をモチーフにしていると言うが、溶け...
  • クロエ
    クロエ 2001日本/サンセントシネマワークス 監督・脚本:利重剛 製作:塩原徹/長瀬文男/仙頭武則/松下晴彦 脚本:萩生田宏治 撮影:篠田昇 音楽:今野登茂子 出演:永瀬正敏/ともさかりえ/塚本晋也/松田美由紀/鈴木卓爾/福崎和広/西島秀俊 シアターイメージフォーラムへ来たのは初めて。高崎さんの設計した建築は、思ったほどこじんまりして、彼の作品であるのかも疑わしい。やはり都心の過密した与条件の中で個性を出すには、現代建築に許されたボキャブラリーはもはや狭いものなのかと思った。 小説「うたかたの日々」を利重監督は現代日本の架空都市に舞台を移して表現した。冒頭に「この映画は原作の忠実な再現ではない」といった「うたい」があったが、むしろ意匠を変え、舞台を変えたこの作品には、充分に...
  • 暴走するインターネット
    暴走するインターネット+ネット覚え書き 暴走するインターネット ネット社会に何が起きているか 鈴木謙介著 \1,500 2002.9 「私たちはある見方を通じて、その人にとっての真実やリアリティを体験しているのであり、その見方の重要な部分は、その人に先行するある社会的な前提から供給されているとみるべきであろう。」 冒頭に出てくる上記のような考え方が、社会学系の著作を読むとき最大の魅力となってあらわれてくる。一見自明なことのようだが、僕らはこの前提を盲目的にやり過ごすことで新たな日常を送っている。新鮮な響きや、納得できる事柄、「あるある」とうなずいている真実。すべてフレームの中へ納まる思考となっている。それゆえにフレームをはみ出す見方、あるいはフレームそのものを見せつけてくれるパッケージングへ魅力を感じるのだ。しかしそれは既に日常的ではない。身構えた思考でもある。...
  • スチームボーイ
    スチームボーイ [2004日本/東宝] [監督][脚本]大友克洋 [脚本]村井さだゆき [音楽]スティーブ・ジャブロンスキー [声]鈴木杏/小西真奈美/津嘉山正種/中村嘉葎雄/児玉清/沢村一樹/斉藤暁 内容というかストーリーにはそれほど面白味を感じなかった。それは自分が猟奇だとか殺伐としたものへ影響されすぎているからかもしれない。それくらいシンプルな話だった。 もっとも。大きな城が動く。もうそれだけで十分なのだ。大小様々な歯車が動く。空を飛ぶ。その映像が全てなのだ。そうった意味ではとてもリラックスした気分になれた。とくに流れを追うような神経も使わず、ただ漠然とみているだけなのが楽しかった。 30歳前後の人たちはたいてい皆、いわゆる「AKIRA」世代ですから。だから、あの作品がどこか考え方の起点になっ...
  • イノセンス
    イノセンス [監][脚]押井守 [原]士郎正宗 [プ]石川光久 鈴木敏夫 [作監]黄瀬和哉 西尾鉄也 [音]川井憲次 [美]平田秀一 [歌]伊藤君子 [声]大塚明夫 田中敦子 山寺宏一 大木民夫 仲野裕 竹中直人 [制作データ] 2004東宝 [上映時間] 99分 前作をあまり覚えていないが、まあ何れにしろこまかい理解を目指しても無駄なのだろう。どおせ何回も見た人が難解な解釈を重ねてしまう作品なのだろうし。それってコアな魅力をもっている証拠なのだろうが、素直に感じればいいじゃん。っと、あらかじめ誰に対してなのか分からない自己防衛的姿勢で見に行ったのだった。 構えたのがばからしいほどに「すごい映画」だった。オープニングの格好良さ、絶妙な音楽の入り方。多くの名映画がたどっ...
  • ドッペルゲンガー
    ドッペルゲンガー 監・脚:黒沢清 脚:古澤健 撮:水口智之 美:新田隆之 出:役所広司 永作博美 ユースケ・サンタマリア 柄本明 ダンカン 戸田昌宏 佐藤仁美 鈴木英介 制作データ:2002アミューズ 上映時間:107分 ドッペルゲンガーとは? 先日の北野武「座頭市」にちかいものを感じつつ、ちょっと複雑な気分だ。もっとも日本でのスケール感は前者の方が大きい。しかしヨーロッパではどうだろう。いい勝負ではないか。そんなある意味カルト的な所に黒沢監督の存在はあったと思うのだが、この映画ではすっかりメジャー級の作風だ。 不可解なものに対する恐怖心は、そのまま好奇心となり、それを描いてくれる黒沢作品に惹かれてきた。ただ、「カリスマ」あたりまでの作品に感じていた魅力が近年のそれには、少なくなって...
  • 銀座で写真展2つ
    銀座で写真展2つ ■野村佐紀子『NUDE/A ROOM/FLOWERS』 20年以上、荒木経惟のアシスタントをしながら写真家としても活動している野村佐紀子さんの写真展をBLD GALLERYにて。8ミリフィルムで撮影した粒子の粗い像や真っ暗の手前くらいまで露出を抑えた深い闇のような像など、どれも夢の中にいるようで儚い気分にさせる。ベッドルームでの親密風なヌードが多いけれど、アラーキーのような生々しさや無邪気さはなくって、粒子の粗さがボカシのようにも機能していて、写真でありながら記憶を誘うような普遍性としてあり、次第に力強くまとわりつくようだった。アラーキーが常識一般を覆すような破壊性の中へ美意識を投入しているとすれば、野村佐紀子の霞むようなモノクロームは、センチメンタルで自己防衛的にも見える。ただ、前者の方がより儚く、後者の方がより強かに感じてしまうのは、なぜか。 ...
  • LOFTロフト
    LOFT ロフト 監督 : 黒沢清 出演 : 中谷美紀 豊川悦司 西島秀俊 安達祐実 鈴木砂羽 加藤晴彦 大杉漣 久しぶりの黒沢映画。しかも劇場で見る。そんな場面でメガネを忘れた。最近多いこの忘れ物。仕方なく一番前で見た。確かにプロジェクターを上回るにはこの手段が一番わかりやすい。新宿テアトルはそれほど首いたくならなかったし。 最終の7時スタート。半分も埋まっていない。都内2箇所くらい。これが黒沢評価だ。きっと勤め先で名前上げても何人も反応しないだろう。感想も言い合えないむなしい関係。阿部も中原も保坂も知らない(小説だけど)。そんな中で「何か映画みました?」、って聞かれても・・。 観終わって。確かにメジャー作品にはなれないなぁ。素直に「面白い」って言いにくいし。『カリスマ』以降、その継続るす思い切りの良さはスゴイの...
  • ピンポン
    ピンポン 2002日本/アスミック・エース 監督:曽利文彦 製作:椎名保 製作:小川真司/鈴木早苗/井上文雄 原作:松本大洋 脚本:宮藤官九郎 撮影:佐光朗 音楽:二見裕志 出演:窪塚洋介/ARATA/サム・リー/中村獅童/大倉孝二/竹中直人/夏木マリ その宣伝を目にする機会の多いこと!。もうそれだけで完全に「見なければ気が済まない」状態にまで追いつめられていた。松本大洋の魅力に引き寄せられて沢山の才能が集結して出来上がったこの映画、それを追従するかのように「パルコ」やら「HMV」やら「ビームス」やらの渋谷カルチャーリーダー達を集合させたキャンペーン!。「勢い」に圧倒され・・さらに暑さに負け・・逃げるように「新宿」テアトルで観たのでした(3館上映です)。 夏休みとは言え、ロビ...
  • 写真
    今までに取り上げた写真関連リスト 近況-2004-4-2004-6 MenuBar Self-Reference ENGINE photographers #039;gallery なぜ、植物図鑑か アンリ・カルティエ=ブレッソン サイト・グラフィックス展 シルバーウィークにアレコレ・感想4つ フォトグラファーの仕事 マーティン・パー写真展 ランドスケープ 柴田敏雄展 ヴォルフガング・ティルマンス展 写真展と写真集メモ 写真新世紀-2006 土田ヒロミのニッポン 映画と写真は都市をどう描いたか 最近の冬 東京国立近代美術館の写真作品 野口里佳の展示を見て 銀座で写真展2つ 写真-覚書 2013-07-16 片山博文「Facts in Flatness 」■アンドレアス・グルスキーが写真をデジタル加工し、コンセプチュアル性を高めているのに対し、彼は写真...
  • チキン・ハート
    チキン・ハート 2002日本/オフィス北野 監督・脚本:清水浩 製作:森昌行/吉田多喜男 撮影:高瀬比呂志 音楽:鈴木慶一 出演:池内博之/忌野清志郎/松尾スズキ/荒木経惟/岸部一徳/馬渕英里何/春木みさよ 下北沢へ「チキン・ハート」を見に行く。 自転車の空気が少なかったのでまずは「空気入れ」から。外へ出るとあまりの暑さに目がくらんだ。それでもエアコンで冷えた身体には、制限時間内で不快感は抑えられている。急いで駐輪場へ行き、汚れきったマイチャリを引き出す。定期的に抜けていく空気、このタイヤは煩わしく世話のやける存在だ。特にその思いは実際の作業に取りかかる寸前まで付きまとう。もっとも入れてしまえば快適なツーリングで近所を走れるのだし、いつもこんな小さな煩わしさに付き合って生きているわけ...
  • 柴崎友香・喜安浩平・ジャコメッリ
    柴崎友香・喜安浩平・ジャコメッリ imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (03.jpg) 柴崎友香の小説「わたしがいなかった街で」は二人の女性が生き辛さを少しずつ克服していく過程が丁寧に描かれていて、それは喜安浩平・作、監修の芝居「少し静かに」で2つのシチュエーションが同時進行しやがてシンクロしていく演出と似ていて、さらにマリオ・ジャコメッリ写真展での大竹昭子さんと鈴木芳雄さんのトークで、刹那的時間の中へ生の躍動感を覚えて写真という行為を続けたジャコメッリの姿とも重なった。 この3つはたまたま同時に読んだり観たり聞いたりして自分のなかで重なっただけで、こういったことは良くあるのだけれど、そんな風になんでも結びつけてしまうのが人間の概念化なんだと了解しつつ、共通したテーマに「生きづらさ」と「いま生きて...
  • の・ようなもの
    の・ようなもの 1981年 企画:製作鈴木光 企画・脚本・監督:森田芳光 出演:秋吉久美子/伊藤克信/尾藤イサオ/でんでん/小林まさひろ/大野貴保 落語家・志ん魚(伊藤克信)は、風俗嬢・エリザベス(秋吉久美子)と女子校生・由美のふたりと付き合いながら日々修行に励むが、エリザベスはある日、遠くに引越すことになる。先輩も真打に昇進し、ひとりとり残されたように感じる志ん魚だが・・・。 i.m 若者のとりとめのない日常がよく描かれている。落語家になるという共通の夢をもちながら、スタイルの異なる仲間と日常を送る主人公。 風俗嬢と付き合いながらも、彼のコーチしている女子校の落研の女子校生とも付き合う。 その様な関係は風俗嬢の「バレなければいいじゃん」という言葉にのせられてのもの。主人公は良い事ではないと思いつつも、流される。女子校生の家で、彼女の父親に見せた落語が「面...
  • NYC旅行+写真
    NYC旅行+写真 2009年、5月初旬。日本中が新型インフルエンザ感染の恐怖から、海外旅行を自粛するムードの中、キャンセルするほどとも思えず、NYC行きは予定通りとしたのですが、さすがに帰りの飛行機で読んだ日本の新聞に報道熱が冷めていない点、検疫で2時間機内にとどまったこと(外国の方かなりブーイング)、帰宅後に日時の近いNW便から感染者が出ているニュースなどをネットで見て、厚労省の進める自宅待機を考えました(結局、出社)。 今回の旅行ではトラブルが多く、イエール大から帰る電車を間違い逆方向のワンウェイに乗りヒヤヒヤしたこと(車掌さんに助けられた)、帰りの飛行機(直行でない)がNYCを4時間遅れで飛び、予定とは違うミネアポリスに行かされたあげく、デトロイトへ別の便で移動させられ時間切れ、空港近くのホテルへ1泊。終いに成田ではロストバッゲイジ(その後、発見されましたが)...
  • :近況-2003-11
    近況-2003-11 2003-11-28 12月6日夜放映のNHK BS「デジタルスタジアム」にて、宮島達男がゲスト出演します。番組内の「クリエーターズ・カフェ」というコーナーで、「1000 Deathclock in Paris」をスタジオ内に再現。 ● http //www.art-labo.com/jp/news/031206.html 2003-11-25 昨日は祝日に朝早く起きて、有楽町の朝日ホールへフィルメックスを見に行ったが、残念ながら今年選んだ2作はかなりイマイチだった。いや、1つ目はけっこうよかったし、映画的な魅力も多かった。けれど2つ目のは、もう見終えるのがちょっと苦痛なくらいだった。通常、映画を見ていて「何が言いたいのか分からない」と思うのはすでにかなりまずいレベルで、その前に感覚的に絵が醸し出す雰囲気が好きかどうか、というのが僕の中の評価の殆どを決め...
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