personal note内検索 / 「田口ランディ」で検索した結果

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  • コンセント
    コンセント コンセント 田口ランディ 幻冬舎 物語に没頭するよりも、心理学と精神分析の違いについてや、科学的な世界とシャーマニズムなど精神世界の対比について書かれた所が面白かった。小説には知的教養を促す箇所が大抵入っているものだが、それが人物像を語る上で重要だったりもする。この小説の主人公には妙に分析的な面があり、上記のような精神構造の解析と、宗教的な衝動との対比は常に物語の軸となっている。以前読んだ著者のエッセイもそんな面が多かったと思う。 ただ著者のどこか冷静な文体には、物語のなかで起きている人間性の振動の大きさを打ち殺してしまうような感触を感じた。確かに自身を分裂病の症状と比較し、そのような自覚を分析することで、かろうじて病気でないことを言い聞かせながらも、衝動がそれを越えて破壊的に襲ってくる所など、迫力があり興奮させられる...
  • ハード キャンディ
    ハード キャンディ 監督:デヴィッド・スレイド 脚本:ブライアン・ネルソン 出演:パトリック・ウィルソン 、エレン・ペイジ 、サンドラ・オー うーん。(まとめちゃうのもなんだけど、)なんでアメリカの子役ってこう賢い大人風に振舞おうとするのだろう。不自然だ。この主人公も、目線をフワフワさせながらおどけて話すしぐさが妙に大人ぶっていて違和感を覚えた。出会い系サイトで知り合った男と駆け引きしながら会話をしていくシーンだから分からない演出でもないけど、その後もずっとこのしぐさは続いて行くもんだから・・。 カット割やカメラアングルはとてもスタイリッシュで近景ショットの多用は、吉田喜重の『戒厳令』みたくカッコ良い。けれど緊張感は前半まで、というか単調さが続いてしまい、ミステリーとしての切迫感が乏しい。 そもそも主人公の女の子が自身を「異常」と言うくら...
  • 蹴りたい背中
    ...ていたのですが・・。田口ランディさん、角田光代さん、吉田修一さんとかどうでしょうか。パレードなんかとか。っあ、すでに読んでいますかも。ちなみにmiwaさんは全角で記入いただけると、ばっちりリンクされるようになっています(ややこしくてスミマセン)。SIZE(10){2003-10-29 (水) 00 48 36} miwa ありがとうがざいます♪パレードですか、今度図書館で探してみようとおもいます。今は「親指かくし」とゆう本を読んでいます。むっちゃ怖いです;SIZE(10){2003-10-30 (木) 19 25 50} ●芥川賞受賞後 yate 芥川賞受賞!史上最年少記録!SIZE(10){2004-01-15 (木) 23 36 04} じゅん 今日買いに行きました。受賞おめでとうございますSIZE(10){2004-01-16 (金) 17 31 05} だだ なんつー...
  • 「サウンディング・スペース─9つの音響空間」
    サウンディング・スペース─9つの音響空間 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 「サウンド・アート」は、多くのアーティストが表現手段としている世界的にも注目のジャンル。ICCでは、すでに2000年に『サウンド・アート―音というメディア』展を開催していたが、今回の『サウンディング・スペース-9つの音響空間』では,国内外から6人と3組のアーティストたちを集め、空間を「サウンド」させる作品を展示する。開催期間は7月11日から9月28日まで。(shortcutwebより) オペラシティーへ行き、「サウンディング・スペース-9つの音響空間」と「ガール!ガール!ガール!」展を見た。どちらもなかなか楽しめた。 「サウンディング・スペース」では、クリスティーナ・クービ...
  • 5時から7時までのクレオ
    5時から7時までのクレオ 1961/仏 監督 アニエス・バルダ 脚本 アニエス・バルダ 撮影 ジャン・ラビエ 美術 ベルナール・エバン 音楽 ミシェル・ルグラン 出演 コリンヌ・マルシャン / アントワーヌ・ブール・セリエ / ミシェル・ルグラン/ ジャン・クロード・ブリアリ / アンナ・カリーナ 中盤から、ああきっと病気なんて、大したこと無いんだろうなって思うのだけど、もうそんなの初めからどうでもよくって、ただ「5時から7時までのクレオ」を映しているんだ、そんな映画なんだって妙に納得。「元祖女の子映画」なんてTUTAYAの「うたい文句」にはあったが、ちょっと大柄だし、女の子って言うには若くない気もしたけど、不安定な行動や、突然真剣に歌い出し、そうかと思えば罵倒し、気付けばランデブー...
  • Vフォー・ヴェンデッタ
    Vフォー・ヴェンデッタ 2005年 アメリカ映画 監督 ジェームズ・マクティーグ 脚本 アンディ・ウォシャウスキー ラリー・ウォシャウスキー 主演 ナタリー・ポートマン なんの前情報もなく見ていたら、政治色の強いドラマだった。 最近多いですねこういったの。 原作はコミックで、ウォシャウスキーが製作・脚本で、 マトリックスの助監督がジェームズ・マクティーグだったよう。 なんかテイスト違うって思っていたら、しっかり最後のほうに スローのアクション・シーンがあったw。 クライマックスで、仮面のVが銃で撃たれてもなかなか倒れない時、 「この服の下には理念しかない。理念を銃弾で殺すのは不可能だ。」 みたいなセリフがいかにも革命家っぽくてキマっていました。 ガイ・フォークスの火薬陰謀事件ってのがキーのひとつみたい。...
  • ネバーソープランド
    ネバーソープランド [429] Client error `POST https //webservices.amazon.co.jp/paapi5/getitems` resulted in a `429 Too Many Requests` response { __type com.amazon.paapi5#TooManyRequestsException , Errors [{ Code TooManyRequests , Message The request was de (truncated...) ネバーソープランド 小林エリカ著 \1,000 河出書房新社 2001 都市は時として巨大な郊外のように存在する。そんな時はどこへ行っても疎外感を覚える。匿名な自分の姿へ圧迫を感じる。...
  • マスク刑事
    ↑記念すべき、シリーズ第1弾 今後の展開を考える場所 #01マスク刑事の捜索 街中を捜索する刑事。 その姿はとても焦っている様子だ。 (タイトルカット) 近寄ったり遠景だったりとカットが繰り返される。 突然走り出す刑事。 その先にはあやしい影。 追う刑事。 後姿がチラリ。 二人の走る影。 肩に手を伸ばす刑事。 振り向くと同じ顔・・。 (エンディング) 二人の走る影。 #02マスク刑事の失恋 河川敷。 男女二人の遠景。 近寄るとマスク刑事と女性の後姿。 突然ビンタされる刑事。 「バカっ!」と言って走り出す女性。 途方に暮れる刑事。 (タイトル) 手をつないで楽しそうに走る二人。 (タイトル2) 前を歩く刑事、時より笑って振り向く。 女性の後姿(楽しそう)。 (フェードイン) 全力疾走する刑事。 立ち止まり、河に向って叫ぶ。 ...
  • フランス映画史の誘惑
    フランス映画史の誘惑 中条省平著 集英社新書 0179 \760 映画を見るのには体力がいる。2時間近い間(最近では3時間超えも多い)じっとして集中力を高めなくてはいけない。緊張感をたもち流れをつかみ、時に監督の意図を読み、時にシチュエーション独自の空気を読み。そのようにしてある「ふんぎり」のようなものを必要とすからだ。それでも映画には魅了される。いや、それだからとも言える。 字幕はさらに体力を要する。絵と文字を同時に追い、両者の伝える像を一瞬にして読みとる能力。では日本映画は楽かといえばそうでもない。字幕の要らないぶん、また描かれる環境、人物が身近な存在だけに、感情の細部に至るまで徹底して読んでしまうから、かえって疲れるのだ。そしてまた魅了される。 フランス映画は特にやっかいだ。絵と字幕のコンビネーションへさらに...
  • こわれゆく女
    こわれゆく女 監督・脚本:ジョン・カサヴェテス 出演:ジーナ・ローランズ、ピーター・フォーク 1974年、アメリカ、145分、カラー 10年ぶりくらいに見た。監督のジョン・カサヴェテスは、アメリカ・インディペンデント・フィルムの代表的存在。自宅を抵当に入れて撮影し、出来るだけ一般的な共感を「得られない」ようなつくり込みを行い『アメリカの影』を完成させたという。 暗い部分や強い影を作らない全体に明るく構成された「ハイキー」の画面によって爽やかな印象を与えるが、描かれているのは精神のバランスを崩していく主婦とその家族たちのドラマだ。 精神的な病に共通して言えることは「正常」と「異常」の境界があいまいで専門家にも判断が難しく、患者本人や社会の要請により境界自体がはしばしばゆらめくことではないか。 ジーナ・ローランズの演技が素晴らしいのは、躁鬱の変化...
  • メメント
    メメント サンダンス映画祭 最優秀脚本賞受賞 監督:クリストファー・ノーラン 出演:ガイ・ピアース、キャリー=アン・モス 配給:アミューズピクチャーズ http //www.otnemem.jp/ 結構話題になっているようで、単館上映としては大ヒットと言われている作品です。パルコだと、「バッファロー66」のヒットが思い浮かばれますが、それ以上との噂も聞きます。それでも1週間前から席を予約していたので(とっても便利!)、上演15分前くらいに行くと、やはり「立ち見になります」、という勢いだった。「リザーブ客はこちらです」と優先され、そんな人達はわずか5,6人程度。 いきなりクライマックスから始まるこの映画は、常に時間軸が逆に進んでいく。そのことだけは、前もって聞いていたため、違和感なく入れたが、かなり込み入って...
  • カテゴリー
    カテゴリー一覧 ネット 作家 写真 小説 展示 建築 旅行 映画 監督 リンク元一覧 申し訳ありませんが、recent_ref プラグインは提供を終了し、ご利用いただけません。 人気一覧 最近のノート 近況 写真 テレビ朝日を見学 近況-2005-2-2006-1 ロンドン・パリ旅行記/2000年1月28日-ロンドン MenuBar 決壊 欲望 k.m 六本木ヒルズ 近況-2003-7 ツィゴイネルワイゼン 近況-2006-8-2008-1 近況-2003-6 「せんだい」 回路 ロンドン・パリ旅行記/2000年1月29日-ロンドン アンダー・コンストラクション−アジア美術の新世代 近況-2004-7-2004-12 近況-2003-8 eanak クリエイターズ 近況-2003-9 WALKABOUT美しき冒険旅行 Invit...
  • パーフェクト・サークル
    パーフェクト・サークル 監督・脚本:アデミル・ケノヴィッチ 出演:ムスタファ・ナダレヴィッチ/アルメディン・レレタ/アルミル・ポドゴリッツア 1997年/ボスニア・・フランス合作/ボスニア語/カラー108分 戦時下のサラエボ。 国外へと避難して行く家族と離れ、一人残る詩人の父。 そこえ家族を失った二人の子供が紛れ込む。 最初は迷惑がっていたが、次第に失った家族の様に2人への愛情がわいてゆく。 戦火に残り、生きることの意味を求めてゆく詩人だが、戦争はすべてを奪って行く。 やがてすべてが無意味であることへ毒されて行き、自殺の衝動が、頭から離れなくなる。 死へ、逃げ込んで行く思いを救ったのは、2人の子供を無事安全な、伯母のいるドイツへと送ることだった。 友人の力を借り、敵の最前線を抜けて、2人を安全なルートへ連れていくべ...
  • ポーラX
    ポーラX 監督:レオス・カラックス 出演:ギョーム・ドパルデュー/カテリーナ・ゴルベワ/カトリーヌ・ドヌーヴ 脚本:ハーマン・メルヴィル/レオス・カラックス/ジャン=ポル・ファルゴー/ロ ーラン・セドフスキー 1999年/フランス・ドイツ・スイス・日本/2時間14分 カラックスの新作。 ピエール・ヴァロンブルーズというノルマンディの城館にすむ御曹司が主役。 ストーリーは先日観た、ルイマルの恋人たちとも、どことなくかさなる。ブルジョアの苦悩。 アラジンという名前で書いた小説の大ヒット。婚約者リュシーと愛し合う日々。すべてが順調のピエール。だが夢の中へ出てくる、長い黒髪の女が忘れられない。ある日その女が彼の前に現れ、私はあなたの姉だと告白する。本当かどうかもわからないその言葉を信じたピエールは全てを捨て、彼女と生きる決心をする...
  • ここに幸あり
    ここに幸あり 監督・脚本・出演 : オタール・イオセリアーニ 出演 : セヴラン・ブランシェ 、 ミシェル・ピコリ 、 ジャン・ドゥーシェ 、 リリ・ラヴィーナ 、 アルベール・メンディ 、 ヤニック・カルパンティエ 主人公の冴えないオジサンは大臣であって、ある日突然辞任に追い込まれ、仕事も住む家も愛人も失ってしまう。別れた元妻にも相手にされず、行き場を無くした彼は母と昔の友人たちの元へ行き、、、といった冒頭の10分程度が「お話」っぽくなっていた。 その後はほとんどこのオジサンがだらだらと余生を送る「風景」(まさに眺めるようだ)だけが写されているといった映画。けれど観ていてとても幸せな気分に浸れそのままどっぷり溺れたくもなり、それは1週間ほどの正月休み明けで覚える仕事の復帰難さを妄想して、逆に今を楽しむ刹那のようだった。 母から案内された古くからの所...
  • ノーカントリー
    ノーカントリー 監督・脚本: ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン 出演: トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、ウッディ・ハレルソン、ケリー・マクドナルド 陰影が強くて色彩の弱い冒頭の荒涼としたテキサス絵だけでかなり良かった。肝心なところを省略したようなカット(編集)で、どうなったんだろう思う箇所が多い。組織の構造も、殺し屋の背景もあまり描いていない、というか状況だけが続いて、それを俯瞰した視点がない。投影する対象を、追われている主人公だとすると、拍子抜けしてしまう。殺し屋のほうへ向き直ってみれば、なにやら内面が浮かんできそうだったが、すでにエンディング近くって戸惑った。といっても、面白いのは確かで、統一的な話の筋がないようなのは映画として逆に素直だと思った。2008-08-17/k.m
  • バーディ
    バーディ 監督:アラン・パーカー 出演:マシュー・モディン、ニコラス・ケイジ 1984年【米】 ニコラスケイジが若い。まだ髪もフサフサしている。ベトナム戦争を通し、肉邸的にも精神的にも苦しんだ人を描いている。友情の芽生えは、どこにでもある日常からではなく、そこでしか得られなかったものを通してはじまり、個性の生み出す人間的な魅力と、それを打ち消すような常識とのせめぎあいで、こわれそうになりながら続く。 恐らく戦争がなかったら2度と会わないようなすれ違いへと向かって行ったかも知れない2人。世間とはそんなふうに、かつて友情が芽生えた時に見えていた互いの姿を、周囲の常識へと引き寄せ盲目的にさせてしまう残酷さがある。しかし戦争で病んだ2人が、そのことによって再会の機会を得たことが幸福なことだったのだろうか。 映画では2人のエピソード...
  • 過去のない男
    過去のない男 2002フィンランド/ユーロスペース 監督・製作・脚本:アキ・カウリスマキ 撮影:ティモ・サルミネン 出演:カティ・オウティネン/マルッキィ・ペルトラ/マルコ・ハーヴィスト&ポウタハウカ/アンニッキ・タハティ/ユハニ・ニエミラ/カイヤ・パカリネン/サカリ・クオスマネン ああ、このテンポ!。と思わずにはいられないカウリスマキ節。昭和歌謡のようなマッタリした曲調を連続させ、さらに磨きをかけた独自の世界観ではないか。見ていてとても嬉しくなってしまう不思議な映画だ。 人々の連帯意識と殺伐とした都会の空気とが入り交じっていて、でも全体的には心あたたまる人間関係ばかりでもあって、感情を抑制していることがかえってそのような気分がありありと伝搬してきて、モノや事象が等価に存在して、時間の感覚が無いばかりでなく、 すべ...
  • 僕と未来とブエノスアイレス
    僕と未来とブエノスアイレス 監督:ダニエル・ブルマン 出演:ダニエル・エンドレール、アドリアーナ・アイゼンベルグ 2003年/アルゼンチン、フランス、イタリア、スペイン合作映画 移民の国アルゼンチン。日系人は2万人くらいいるようだ。首都ブエノスアイレスは、1914年で中心部の60%以上が外国人で占められたほどとか。南米のパリってのもよく聞く。いつか行ってみたい。そんな街が舞台。けれどこの映画ではヌーベルバーグのパリように、かなり断片的な映像でしか街は捉えられていなかった。 ガレリアという小さな商店街で繰り広げられる群像劇。ハンディカメラの手ぶれがとても気になる映像だけど、だんだん慣れる。ポール・ハギスの『クラッシュ』が多民族アメリカ社会の殺伐とした冷戦を描くヒステリー映画だったのに対して、こちらはとてもアットホームだ。 様々なエスニシティ間を素朴な付き合いが...
  • アメリカの影
    アメリカの影 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 監督:ジョン・カサヴェテス 出演:レリア・ゴルドーニ/ヒュー・ハード/ベン・カールザース/アンソニー・レイ/ルパート・クロセー ジム・ジャームッシュ、スパイク・リー、ウッディ・アレンをはじめとするニューヨーク・インディペンデントの元祖。ジョン・カサヴェテスのデビュー作品。ドキュメントタッチの演出。実際すべて演技は即興で行われたと最後にうたわれていた。 印象的なのは会話の自然さに迫るアングルの不自然さだった。やや近寄り過ぎな(横長のフレームをTV用にしているせいもあるが)数名の会話シーンは、彼らが親密な関係であることを伝えるにはとても明快なのだが、ちょっと圧迫感もある。 ただ、ドキ...
  • ファイト・クラブ
    ファイト・クラブ 監督:デビッド・フィンチャー 原作:チャック・ポーラニック 脚本:ジム・ウールス 出演:エドワード・ノートン、ブラッド・ピット、ヘレナ・ボナム・カーター なかなか面白い。デビットフィンチャーの作品で、ブラピといえば、セブンなんですけど、こちらはだいぶ系統のちがった作品ですね。映像の見せ方などは、独特のセンスというか、MTVばりの軽やかさというか、その時代性にのった表現が、脚本へとはまっていてよかったです。 アメリカは、日本の先を行く高度「消費」資本主義社会なのだから、この映画に現れている状況がフィクションとは思えないくらい近いものに感ます。そこでは確かに、不眠症が人生最大の問題になろうかと思われるし、それを解消するカタルシスが「何々ガンの励ます会」だというのも、またそれをカルチャースクールなんかと...
  • カテゴライズ。
    カテゴライズ。 分類する事は必要だった。何かへの理解、判断を示すからだ。それらの足跡がまた分類でもあった。いま新しい世紀を向かえ、90年代をどう分類していくかが問われている。このことは90年代も事実上終わっていることを示している。分類は一つのコミュニケーションだ。相手への理解を深めるのに助けとなる。けれど人は分類されることを望まない。そこへ限界を突きつけられるからだ。ディスコミュニケーションはささやかな逃げ道となる。資本主義は、それらをも拾い集め商品化していった。もう分類されるものは残されていない。でもそのような分類自体が、薄っぺらな幻想でしかないことも、もはや誰にでも自明なことだった。人々は「やらせ」と薄っぺらな「分類」が繰り返す日常へ、やるせなさを抱きつつも、自らその援護者となっていった。 最近読んだ数冊は、そういった日常感を、対象化させよりいっそう鮮明な形で露...
  • 逆噴射家族
    逆噴射家族 監督:石井聰互 脚本:石井聰互 、小林よしのり 、神波史男 撮影:田村正毅 出演者:小林克也 、倍賞美津子 、植木等 、工藤夕貴、有薗芳記 カテゴリー-映画 漫画の原案をすばらしく映像に翻訳した作品。石井聰互のねらうエンターテイメント。最後まで誰も死なないことにほっとしたくらい、覚悟しながら観ていたのだけれど。確かに残虐さは人を突き放しそして掴む。この二面性を武器としてねらった作品も多い。けれどこの映画にはそれ以上のエンディングを持っていた。マイホームを破壊し、家族の絆を死守した父。風の強い高速道路の下で、思い思いに家具を並べ、変わらない日常を維持しているかのような家族。現代の希薄さをさきどりしつつも、確かな絆を感じるほどに、それは既にノスタルジックでもあった。 2002.03.03k.m コメントなど ...
  • オーシャンズ11
    オーシャンズ11 監督:スティーブン・ソダーバーグ 脚本:テッド・グリフィン 製作総指揮:ジョン・ハーディー、スーザン・イーキンズ、ブルース・バーマン 出演:ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、アンディ・ガルシア、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、ケイシー・アフレック、スコット・カーン、ドン・チードル、他 2001年/アメリカ映画/1時間57分 配給:ワーナー・ブラザーズ映画 先行ロードショーへ行って来ました。新宿。行列整理(といっても大したことない)のお兄さんがしきりにトランシーバーで「ハリポタほど並んでません」と伝えていたのが印象的だった。 「エリン・ブロコビッチ」と「トラフィック」がオスカーに同時ノミネートされ、名実共にハリウッド・ナンバーワンの監督となったスティーブン・ソダー...
  • マトリックス レボリューションズ
    マトリックス レボリューションズ [監][総][脚]ラリー・ウォシャウスキー アンディ・ウォシャウスキー [製]ジョエル・シルバー [出]キアヌ・リーブス ローレンス・フィッシュバーン キャリー=アン・モス [制作データ] 2003米/ワーナー [上映時間] 129分 ついに見た。だが、3週目とはいえけっこう空いていた。ミラノ座の巨大な空間は埋まらず、今時この大きさがつらいのが目立っていた。僕も1,2作と先行ロードショーを見ていたのに、今回はそれがなかったのもあり、やや熱の冷めた状態でのぞんだ。 案の定、この終わりへと向かった展開はどうにもパワーダウンという感じで、「終わらせる」ことの難しさをみたような気がした。 そもそもマトリックスの魅力は、人間味のない演出で、あのパーティーにでも行くような「おめ...
  • シャンドライの恋
    シャンドライの恋 監督: ベルナルド・ベルトルッチ 原作: ジェームズ・ラスダン 脚本: クレア・ペプロー/ベルナルド・ベルトルッチ 出演:デビッド・シューリス/サンディ・ニュートン/クラウディオ・サンタマリ アフリカから亡命したメイド、シャンドライと、彼女の夫を救うためにすべての財産を投げ打つ音楽家、キンスキーの「無償の愛」を描いたもの。 無償の愛というのも、難しいテーマだ。描かれる人物が、あまりに出来過ぎていても入り込めないし、かといって宗教的すぎる慈悲愛にもリアリティーを感じない。ヨーロッパの人なので、キリスト教的慈悲の愛かと思うが、アジアへのこだわりを見せるベルトルッチなので、やはりブッダの唱える仏教的な慈悲なのだろうか。 個人的に、「リトル・ブッタ」は、西洋からのオリエンタリズムにしか見えず、まだジャン・ジャック・アノー監督の「...
  • めがね
    めがね 監督・脚本 : 荻上直子 出演 : 小林聡美 、 市川実日子 、 加瀬亮 、 光石研 、 もたいまさこ その島に訪れた客が2人だったことは、オープニングに示唆されていたけれど、まるで時差を経た同一人物を描いているかのように、似ていた。 カキ氷を断る出会いから、自転車に二人乗りする中盤、そして赤いマフラーをしてくるエンディングまで、似ている二人の絡みが映画の中心にあって、それはこの島を訪れる人の心の経過を伝える合わせ鏡のようでとても興味深かった。 一つのエピソードに対してカット数は出来るだけ絞られていて、固定されたカメラアングルの中でゆっくり動く人物像は、まるで写真(水平の広がり)と映画(時間的な広がり)の曖昧な領域を見続けているような気分にもなった。 効果的だったのは、声だけが連続していてカットが細かくつながれる海辺で語る加瀬亮のシーン...
  • イタリア旅行記/2000年12月25日
    イタリア旅行記/2000年12月25日 12月25日。今日はミラノを経ちヴェネツィアへと向かう日だ。先日の雪ですっかり街は白くなっていた。駅までスーツケースを運ぶのが大変だったが、一面の雪景色でなんだが楽しい気分になった。 ミラノ中央駅から長距離列車に乗っていく。それにしてもこの街はクリスマスだからといって、なにか特別な雰囲気があるようには感じられなかった。東京でのミレナリオがきっとお祭り騒ぎなのだろう。ミラノでは確かに様々な通りで思い思いの電飾が見られたが、それらはどれも「ささやか」で自然だった。この時期は外出せずに家族とゆっくり過ごすのだろう。こんな時期に遠出するのは我々観光客くらいなものか。 ヴェネツィアへ向かう列車は、6人単位が個室になっているコンパートメントだった。僕らの個室には4人の家族連れが同席していた。出発寸前まで、見送りの人へ手を振り名残惜しんでいた...
  • ナイロビの蜂
    ナイロビの蜂 監督:フェルナンド・メイレレス 主演:レイフ・ファインズ/レイチェル・ワイズ グローバリゼーションなどと言って、実際は富める国が第三世界の貧しい国を食い物にするという構造が、世界の隅々にまで行き渡っている現在。社会の構造そのものが暴力的なのだということ。 少数の富める者が政治的にも経済的にも実権を握って国中の富を独占しているのに対して、大多数の人々が教育からも医療からも見放されているという状況がある。そんな第三世界に生きているメイレレス監督が「シティ・オブ・ゴッド」の次に描いたのは、アフリカでの薬物実験、製薬会社と官僚との癒着。 けれどこの映画の凄いところは、ハンディカメラでの生き生きした映像や音楽の組み合わせが軽やかに繋がっていること。まるで社会派なんて呼ばれてしまうことから逃避していくようにテンポよいリズムにはまってい...
  • 展示
    今までに取り上げた展示リスト 「サウンディング・スペース─9つの音響空間」 「ワラッテイイトモ、」 「冒険王・横尾忠則」展 「屋上庭園」展 おたく:人格=空間=都市 アンダー・コンストラクション−アジア美術の新世代 アンリ・カルティエ=ブレッソン アーティスト・ファイル2011―現代の作家たち アート・リテラシー入門 ガール!ガール!ガール! ゲルハルト・リヒター展 サイト・グラフィックス展 サイレント・ボイス シルバーウィークにアレコレ・感想4つ シンガポールビエンナーレ2011 ジャン・ヌーベル展 スーパーフラット ダイアログ・イン・ザ・ダーク ダニエル・リベスキンド展 テクノ・ランドスケープ テレビ朝日を見学 トレース・エレメンツ ノマディック美術館 パワー・オブ・シティ展 ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー マリオ・ジャコメッリ展 ルノワール+ルノワール ヴェル...
  • マグノリア
    マグノリア 99年アメリカ作品3時間7分/ 監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン 製作:ジョアン・セラー 出演:ジェレミー・ブ ラックマン、トム・クルーズ、メリンダ・ディロン、フィリップ・ベイカー・ホール、フィリップ・シーモア・ホフマン、リッキー・ジェイウィリアム・ H・メイシー、アルフレッド・モリーナ え?いつ落ちるの?で、これが? やっぱり映画の魅力は一筋縄でないかないなーなんて思う。出だしの引用からしてなにかを誘うつかみがある。そして音楽にのせてドラマのはじまりを演出するのですけど、これがまた長い。普通の長さを越えて、このまま続くのかと思わせておいてそうでもない。いくつものストーリーが交錯し、どこかで繋がって行くようで、そうでもない。けれどもそれぞれの調子が妙に共時的で面白い。小さな山場を迎えていくと次...
  • ミスター・アンド・ミセス・スミス
    Mr. Mrs.スミス 監督:ダグ・リーマン 出演:ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー 二人が実際の夫婦になってしまったのも関係ないわけじゃないけど。結局手の込んだ夫婦喧嘩じゃん。そんな感想でもいいかと思った。 仮にラストの壮絶さの中で血まみれになって二人が抱き合うように死んでいったとすれば、蜂の巣になったウォーレン・ベイテイとフェイ・ダナウェイの『俺たちに明日はない』に匹敵する映画になっていたかもしれない。 けれど今の時代、ハリウッドにそんなリスキー・エンディングは不可能だ。まるで何事もなかったかのように微笑みあう「勝ち組夫婦」の小さな倦怠を埋めるべく付き合わされている高級カウンセリングでちゃんちゃんだ。 もちろん、そんな映画が嫌いなわけではない。まるで失神寸前な興奮の先にちょっと安心すらもらって、日常に...
  • キッズ・リターン
    キッズ・リターン 監督:北野武 出演:金子賢、安藤政信、森本レオ、山谷初男、石橋凌、丘みつこ、ほか 幾つもの円弧 主人公の2人がある希薄さに包まれているのと、はたしてこの世に希薄でない人生など存在するのかと思わせるニヒリズムを感じる。そしてこの感じが北野映画の持つ大きな魅力ではないのだろうか。 シンジ(安藤政信)とマサル(金子賢)はオープニングからエンディングまでの間に一つの物語的な円を描いている。そしてラストに閉じられた円はある大きな円の一部でしかないことを告げられているようだった。映画にはいくつもの小さな円が描かれている。それら脇役達の描く円も主人公2人のものと同列に配置され、物語の進むペースに絶対的なリズムを与えている。 いくつもの小さな人生劇場達は、それぞれの関係性と共に自らの知らないところで巡り合い、時に...
  • 映画
    今までに取り上げた映画リスト EUREKA HERO LOFTロフト Laundry M-I-2 ONEPIECE秋コレクション TOKYOEYES Vフォー・ヴェンデッタ WALKABOUT美しき冒険旅行 「π」 「空の穴」 「鏡」アンドレイ・タルコフスキー映画祭 あの子を探して ある子供 ある朝スウプは いたいふたり うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー きょうのできごと(映画) こわれゆく女 たみおのしあわせ どんてん生活 の・ようなもの ひかりのまち ぼくを葬る まぼろし めぐりあう時間たち ゆれる アイズ・ワイド・シャット アカルイミライ アダプテーション アフタースクール アメリカ、家族のいる風景 アメリカの影 アモーレスペロス アレックス イノセンス インサイドマン インテリア イヴォンヌの香り イーオン・フラックス イージー★ライダー ウルトラヴァイオレ...
  • 都市のディオラマ
    都市のディオラマ 「都市のディオラマ」 日豪6組のアーティストたちによる展覧会。 会期 :2008年9月13日(土)~10月13日(月・祝) 場所: トーキョーワンダーサイト渋谷 パラモデル(林泰彦と中野裕介によるユニット) の「パラモデリック・グラフィティ」は圧巻。プラスチックレールを部屋中に張り巡らしていて、それは一つ一つが美しい模様になっていたり、血管というかまさに都市のインフラをイメージさせたり、寄生虫のように体内をはう侵食する動きだったり!。後で気がついたのだけど他の展示室だとか、廊下にもはみ出していて、建物全体へ侵食していく不気味な迫力に満ちていた。 レリーフや幾何学としてその妙に圧倒されていたけれど、よく見ればレール脇には、山があり、駅があり、山羊もいて、ギャラリー空間のそこかしこに、線路にそった小さなジオラマ世界が出現していた。 ...
  • テクノ・ランドスケープ
    テクノ・ランドスケープ imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (01.jpg) 参加作家 フローリアン・クラール 飯田啓子 伊藤高志,稲垣貴士,KOSUGI+ANDO,吉岡洋 逢坂卓郎 ニコライ・レッケ 佐藤時啓 曽根裕 豊崎洋二 吉田重信 世界の新たなテクスチャーへ向けて 2001年6月22日(金)〜 7月29日(日)ICC ギャラリーA, B, ラウンジ BEACON 2001:伊藤高志,稲垣貴士,KOSUGI+ANDO,吉岡洋 ICCのサイトより さとメディアという言葉に対する印象など、どんどんと変わっていく時代の中で。そのあたりには全く疎いのですが、その世界を扱っているICCは結構...
  • 映画三昧-2008お盆
    映画三昧-2008お盆 ■鳥の巣 北京のヘルツォーク&ド・ムーロン 監督: クロストフ・シャオプ ユーロスペース ドキュメントだけど、大変興味深い映画。建築もさることながら、西欧の知と中国の業がぶつかった様というか。逆に西欧が排除してきたオリエンタリズムと、東洋の世界観とのぶつかり合いか・・色々と向こうで苦労しているという同業の方々の噂は聞くけれど、これだけの作品を成し遂げたことはやはり素晴らしい。 建築はそれを構想した設計者にも分からない未知の領域を常に含んでいる。空間もそれがまとう外観も、実際のスケール、その環境、空気の中で体感するとき、設計者もまた無邪気な存在にさせてしまう、それが建築なんだと。 ■8 1/2 監督: フェデリコ・フェリーニ シアター・イメージフォーラム 何時か観たような曖昧な記憶とともに引き...
  • ショートカッツ
    ショートカッツ 1993年 アメリカ 監督:ロバート・アルトマン 出演者:アンディ・マクダウェル 、ブルース・デイビソン 、ティム・ロビンス 、ジュリアン・ムーア 、マシュー・モディン 、クリス・ペン 、ロバート・ダウニー・Jr 、トム・ウェイツ 、リリ・テイラー 、ジャック・レモン レイモンド・カーヴァーの短編や詩をモチーフにアルトマンの描く多彩なキャストによって織りなす一大人間喜劇。3時間という大作。22人という登場人物。まるで小説「シンセミア」や映画「マグノリア」のようだ。いや、どちらよりも昔。むしろ多くの群像劇に影響を与えてきたのはアルトマンのほう。 はじめの30分くらいにほとんどの登場人物が出てくる。どの家族が繋がっているのか分からない。頭が痛い。「ゴスフォードパーク」でもこんな気分だったような。次第に全員の関係...
  • ヒポクラテスたち
    ヒポクラテスたち 監督・脚本:大森一樹 製作: 佐々木史朗 企画:多賀祥介 プロデューサー:佐々木啓 出演:古尾谷雅人、伊藤蘭、光田昌弘、狩場勉、柄本明、西塚肇、真喜志きさ子、小倉一郎、阿藤海、内藤剛志、金子吉延、斉藤洋介、加納省吾、宮崎雄吾 医学部生達の青春偶像劇。この映画を見ていると、学生時代の思い出にひたってしまう。それが全く違うものであっても、そこに流れている進撃さ、残酷さ、愛おしさのようなものが青春そのものであって、その言葉にしっくりとはまるのがやはり学生時代に存在していたと思えるからだろう。 綴られた幾つもの挿話にはけっして繋がりはなく、学生達の日常をただ傍目に見ているだけのようにも感じる。世間の軋轢にすり減らされていない無垢な情熱と、未成熟な人間性によって、とても「熱い」ドラマが生み出されてい...
  • ラン・ローラ・ラン
    ラン・ローラ・ラン 監督・脚本 トム・テュクヴァー 出演 フランカ・ポテンテ/モリッツ・ブライプト テクノサウンドのシンクロするパワフルなドイツ映画。 「人間はどこから来て、どこへ向かって行くのだろう。」 こんな人生の無常観を唱えた様なナレーションではじまる。 ベルリンの夏。ローラとその恋人が直面した一大事。 恋人を救うために走り続けるローラ。 映画が始まってわずか30分ほどで、主人公ローラが死に瀕する場面。 だがそこから、この映画の流れは止まらなくなり、再度初めから、ローラが走り出す。 2度目は彼が、死に瀕し、そして3度、、、 人生が、いかに偶然性に支配されているのかを、言わんとしているのだろうか。 堂々巡りの様に思える展開だったが、無事ハッピイエンドで、終わりすっきりのノンストップムーヴィーでした。 ...
  • インランド・エンパイア
    インランド・エンパイア 監督: デヴィッド・リンチ 製作: デヴィッド・リンチ、メアリー・スウィーニー 脚本: デヴィッド・リンチ 出演: ローラ・ダーン、ジェレミー・アイアンズ、ハリー・ディーン・スタントン とにかく、こんなに無謀で実験的な映像が3時間もあって見事に成立していることに驚き。人間の頭の中は統一的な見方をいつでも追いかけてしまうけれど、それを何度も何度も裏切られて、けれど微妙に配置された前後の辻褄にまどわされてやはり統一させようともがく。その繰り返しで後半は見続けるのもシンドかった。 けれどラストの抜けるようなダンスシーンで、救われはしないけれどヤラレタ感はつよく、なんともカッコよい映画だと悔しさがつのった。デジタルビデオカメラのチープな映像で、しかも徹底的に常識的なアングルを回避したカットは、一方で素人の自分をウソでも励ましてくれたw。 ...
  • Laundry
    Laundry 監督・脚本・原作:森淳一 音楽:渡辺善太郎 主題歌:「Under The Sun」atami /vo. BONNIE PINK(cutting edge) アニメーション:MAYA MAXX 原作本:メディアファクトリー刊 プロデューサー:堀部 徹・安藤親広 撮影:柴崎幸三 照明:上田なりゆき 録音:山方 浩 美術:佐々木尚 キャスティング:守屋圭一郎 製作:Laundry Partners 出演:窪塚洋介、小雪、田鍋謙一郎、村松克己、角替和枝、西村理沙、木野 花、内藤剛志 サンダンス・NHK国際映像作家賞受賞 第25回モントリオール世界映画祭 CINEMA OF TOMORROW 出品作品 カテゴリー-映画 テルという主人公。その名前は自分でい...
  • ニッポニアニッポン
    ニッポニアニッポン 阿部和重 新潮社 1200円 「関係性の悲劇」 個人的には単行本で小説を読むのはあまり好きではない。高いし大きいし、何よりハードカバーというのは電車では読みづらい。元々あまり多く読まないのだから、困らないのだけれど、どうしても新しいのを読みたいときにはしょうがない。今回もそれに近い。阿部和重に興味を持ったのは、文庫化された「インディビジュアル・プロジェクション」を読んでからだけど、恐らく「アメリカの夜」と合わせてまだ2冊しか文庫化されていない作者なので、彼のを読むことは、単行本への「葛藤」とは切り離せない状況にある。おまけに今回の本は、先日パルコブックセンターにて「サイン会」があり、たまたまの「ついで」にのぞいた場で、もう誰もサインしに並んでいるモノがいなくて、そばで見ている僕らへ当然のように声を掛けて...
  • カリスマ
    カリスマ 監督; 黒沢清 出演; 役所広司,池内博之,大 杉漣,洞口依子,風吹ジュン 1時間43分 普段至近距離で、人混みの中を歩いている。そのストレスは以外と大きなものかもしれない。反面、なにか大きな自然に接したときの清々しさ。そこには開放感と同時にどこか恐怖感を伴わないだろうか。自分の世界観を支える社会的な基盤のなにも存在しない大地。 移動の時間的短縮によって、気持ちの移動が追いつかないことがある。それは山登りですら、自然をどこかフィクションとして受け止めさせてしまう。本当の自然とはどんなものなのか。森の奥深くにはいったいなにがあるのか。 都市と都市とを結ぶ線の途中へ、省略されるかのような山並みは、踏み鋳ることのない別世界だ。安部公房「砂の女」は、砂に埋もれた集落に閉じ込められた男の孤独なたたかいを描いていた。...
  • 『グミ・チョコレート・パイン』と『切腹』
    『グミ・チョコレート・パイン』と『切腹』 ■『グミ・チョコレート・パイン』 脚本・監督:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 原作:大槻ケンヂ 出演:石田卓也/黒川芽以/柄本佑/金井勇太 ■『切腹』 『無間道』に掲載 星野智幸・著 集英社刊 ケラリーノ・サンドロヴィッチの映画と星野智幸の小説。どちらも青春を描いている。そして痛々しい。日常をやり過ごすマジョリティーの顔と、自分らしさを追及したいマイノリティーの内面との間で葛藤している姿がある。 80年代初頭と現在という時代に開きがある。けれど「オレはアイツらとは違う」と思いながら、結局のところ「何をやればいいかは全然わからない」。そんな毎日を過ごしているという点では、まったく同じではないか。 一方、物語の向かうエンディングには明暗の差がある。希望の持てる映画と、絶望的な小説。この開きの中へ描...
  • アカルイミライ
    アカルイミライ 2002日本/アップリンク 監督・脚本:黒沢清 出演:オダギリジョー/浅野忠信/藤竜也/笹野高史/白石マル美/りょう/小山田サユリ 「ニンゲン合格」を見て以来、黒沢映画にすっかり魅了され、どんな作品であろうと「とりあえず」見ておきたい衝動に駆られている(とは言え過去の作品すべては見きれていないけれど・・)。そんな準備が出来ているために公平な判断などできるはずも無いが、やはり今回も素晴らしかった。 どこが良いのか例によってあまり表現できない。それは中原昌也の言い難さにも通じる。ただ依然として監督の作品には断然が描かれている。不可解なまでにその存在自体をあっけらかんと描く。オダギリジョーの演技は十分にはまっていた。浅野忠信も分からない人間だった。もちろん殺されたオヤジにも不可解さはある。世代の断絶があるとすれば...
  • グランドフィナーレ
    グランドフィナーレ 阿部和重(著) 講談社:群像12月号 群像12月号に掲載されている新作を読んだ。シンセミア以降の作品をこんなにも早く読めるとは思っていなかったのでそれだけで感激なのだが、今回の作品によって何か新たな方向性のようなものを見られたこともまたよかった。 この小説では一見するとロリコンの主人公が自らまねいた困難へ苦悩している姿が延々と描かれているようでもあった。けれど同時に吐き出されているものが、紛れもない現代時評であることも確かだろう。 それは米同時多発テロやチェチェン独立派とみられるイスラム武装勢力がモスクワ中心部の劇場を占拠した事件や、バリ島の繁華街で連続して爆発が起こり外国人観光客を含む百数十人もの被害者を出したテロなどといった実際の事件を持ち出していることや、幼児ポルノ規制や自殺サイトや地方都市周辺の郊外化と...
  • オランダ建築
    オランダ建築 「FAR MAX」(その後購入) 「SD:9902」 今日はGAギャラリーへ久しぶりに行って来た。 オランダ建築展。 いきなりCGの大ドローイングだらけで、ヴァーチャル建築特集かと思ってしまった。 それらはMVRDVのプロジェクトで、やはりドローイングの世界のようだが、実施案もいくつか入っていた。 ハイウェイの周りを取り囲む建築群のなかを走るCGは、まるで東京そのものに感じた。MVRDVの描く混沌とした都市、複雑なコンプレックス建築は、東京の未来像とも、確かに通じるものがあるだろう。 その他、色々みて思ったことを、パンフ買ってじっくりまとめようと思っていたら、そのんなものはなかった。オランダ特集は組んでいる様だったが、すべて洋書なので、しかたなくと唯一日本語で読める「SD:9902」を購入。 そういえば、都市的スケールの...
  • ガール!ガール!ガール!
    「ガール!ガール!ガール!」 東京オペラシティギャラリー http //www.operacity.jp/ag/ オペラシティーへ行き、「サウンディング・スペース-9つの音響空間」と「ガール!ガール!ガール!」展を見た。どちらもなかなか楽しめた。 「ガール!ガール!ガール!」はどれもポップな感じで、そのラフな所が良かった。基本的に(数年前から)この会場の展示はいつも似たようなテンションの作品が多いように思うが、キュレーターのこととか良く分からないけど、結果的に頻繁に足を運んでいる。 イチハラヒロコのキャッチコピー的な作品は面白い。「ビキニは卒業」とかの言葉が、でっかくキッチリと「展示」されている。少しやられたという印象。こんなことでもアリだなぁという感じか。しかし後でショプにあった作品集でみた写真のほうが断然良い。それはこの...
  • ランド・オブ・プレンティ
    ランド・オブ・プレンティ 監督:ヴィム・ヴェンダース 出演:ミシェル・ウィリアムズ、ジョン・ディー 2004年アメリカ・ドイツ ヴェンダースのロードムーヴィというだけで見る前から満足なんだけど、やはり良かった。『パリ・テキサス』での美しく哀しい荒野をまた見ることが出来た。音楽も素晴らしい。両者の組み合わせが、ヴェンダース映画特有のカタルシスを与えてくれる。けれど浄化できない苦悩の大きさを思い知る映画でもあった。 亡き母親の伯父への手紙を預かって10年ぶりにアメリカに帰ってきたラナ(姪)。伯父ポールは911事件から、ベトナム戦争のトラウマに悩まされながらテロを未然に防ごうと実生活全てを犠牲にして個人パトロールを行なっている。という設定。 ちょっと極端なくらい伯父の人間像はヒステリー化されていたが、きっとアメリカはそれ...
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