personal note内検索 / 「不良のための読書術」で検索した結果

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  • 2003年ベスト
    ... 熱帯魚 不良のための読書術 文藝/2003-夏号 文藝/2003-冬号 優雅で感傷的な日本野球 カテゴリー-その他
  • ウェブ時代をゆく
    ウェブ時代をゆく いかに働き、いかに学ぶか 梅田 望夫 著 著者はどこかのサイトでこの本を、知識を得るための読み方、生き方を考えるための読み方、2通りに読者はとらえていて、前者にとっては物足りない評価、後者にとっては刺激的な評価、みないなことを言っていた。 確かに「ウェブ進化論」もそのようなテイストで、Web2.0時代への期待感を誘うものだったが、新しい知識が得られるという内容ではなかった。 人文的にWeb2.0時代をとらえて、コミュニケーションのあり方について考察している。という感じでもない。あくまでも「実践的」な書物で、クリエイターへのインタビューのように、勢いのある人からエネルギーをもらう的な印象だ。 ロールモデル思考法というのが、経営コンサルタントらしいなと思った。読んだ本の構成から学び、著作に取り掛かるというスタイルも徹底している。 ...
  • ぼくはこんな本を読んできた
    ぼくはこんな本を読んできた 立花隆 こういった本を読むと、なんか買ったままになっていた本にも手が向かいます。 僕なんかから見ると、宇宙的規模の読書量である立花氏の、読書歴を綴ったモノ。 あのバイタリティーそのものといった読後感でした。氏の試みは、大きな仕事として、何も異論できないのですが、まったく生まれてからずっと本をはなさない人なんだなと、改めて驚かされました。 中学時代の読書歴など、最後のクレジットを見るまで、それが中学当時に書かれたものとは、気づきませんでした。また、文藝春秋社の「退社の弁」においては、仕事の忙しさから逆算して読める生涯の冊数にたいする絶望感、またそこから導かれる、ジャーナリストの限界を鋭く批判した文章など、その説得力には、ものすごく力強さがありました。妹尾河童氏による、例の緻密なスケッチで再現された、立花氏...
  • 幸せになるためのイタリア語講座
    幸せになるためのイタリア語講座 はじめデンマーク語というのが聞き慣れないせいか、てっきりフランス映画だと思いました。。けれど北欧と知って、確かに地中海イタリアへの思いは強いと聞くし、まるで南国への期待感が恋愛へのそれと重なるようにただよっていました。。素朴な描きが、かえって切なさをそそる。というか。2006-09-19/k.m コメントをぜひ 名前 コメント ...
  • よしもと・たかあき
    よしもと・たかあき(1924~) 詩人、文芸評論家、思想家。 1924年(大正13年)11月、東京・月島生まれ。 東京工業大学電気化学科卒業。 主著に『転位のための十篇』『固有時との対話』『共同幻想論』『マス・イメージ論』ほか。 名前の『隆明』は本来は「たかあき」であるが多く「りゅうめい」と呼ばれる。 小説家・よしもとばなな(吉本ばなな)は次女。 カテゴリー 作家 コメントをぜひ 名前 コメント
  • 不良少女モニカ
    不良少女モニカ 1952年 監督 イングマール・ベルイマン 出演 ラーシュ・エクボルイ 、ハリエット・アンデルセン 、オーケ・グリュンベルイ 、ベント・エクルンド 気持ちのよい元気さで、青春映画の鮮やかさがあふれている前半、どのように破滅していくのかすでに予想している自分がいた。いつだって青春映画には破滅がつき物だ。そこへ人間社会の縮図を見て何かを学んだ気分にもさせてしまう。 けれど予想以上に痛く切ない展開で、モニカの叫び声が悲痛に響いていた。ここには格差社会や都市の殺伐感が描かれていて、今の日本と変わらない切迫した部分も見えるようだった。2007-08-16/k.m カテゴリー-映画
  • マーティン・パー写真展
    マーティン・パー写真展 東京都写真美術館 FASHION MAGAZINE 私の、私による、私のためのファッション・マガジンにようこそ! スタイリッシュに配置された赤や黄色のペンキ壁や、空や砂浜のつくる色彩のなかで、人間の肌だけが年輪を刻んだアースカラーとして写っている。 赤茶色にくすんだ肌色が生々しいのは、まわりに散らばる原色の鮮やかさがとても人工的に対比されているからだろうか。 広告やファッションを起源にしているから「消費」という言葉がすぐ浮かんでくる写真ばかりだけど、その人工物を身にまとった人の姿が、両者の隔たりの大きさを語っているようで面白かった。2007-07-16k.m コメントなど ...
  • ブログ
    ブログについて・傾向と対策(?)2003-12 ウェブログ(略してブログ)とは、ウェブ上にある興味深いコンテンツへのリンクとその批評を記した、定期更新されているリストのこと。大半のウェブログは個人が掲載しているものなので、正確な数を知るのは難しい。しかし観測筋によれば、ウェブログはかつてないほど増加しているという。引用元 色々取り上げられている。 ついにJ-WAVEでもブログについて特集していた。世の中ブログか?。アメリカが2,3百万人で、日本が数千人らしいので、まだまだなのでは。でも今日だけで何百人か増えたかも。 例えば、「これからはウインドウズだよ」からはじまって、「今度はインターネットだよ」、そして「社内も連絡も電子メールだよ」、さらに「ドメインだよ」、「自社HP」だよ。ここまででも随分と人によって「ひらき」は生じていると思う。それを...
  • コールハースは語る
    コールハースは語る レム コールハース (著) ハンス・ウルリッヒ オブリスト (著) 瀧口 範子 (翻訳) コンパクトな本だけどいっぱいつまっていて面白い。いつものように、端的に言及する口調は清々しい。なんだか以前に読んだゲルハルトリヒターのインタビューにも近いと思ったら、ハンス・ウルリッヒ オブリストだった(私と年齢近いのに、すごくラフに話しかけている)。以下は全て引用文(前後の文脈がないと誤解されそうですが、自分メモで)。 ワールド・トレード・センターは記念碑をつくるプロジェクトであって、ニューヨークが再びエキサイティングな都市に復活できることを証明するためのものではない。たが、CCTVはまったく違っていた。 今は非常に面白い時代です。つまり、われわれは伝統的な世界に住み、そこは独自の歴史、法律、需要がある。しかしその世界は、ことにグローバ...
  • 中国を知る
    中国を知る ビジネスのための新しい常識 日経文庫 遊川 和郎 (著) 今年は北京オリンピックで、注目を浴びている中国。先日の餃子問題でも食の安全が問われている。そんな国について興味は尽きないけれど、ビジネスとして関わっているわけでもないのでまとまった情報に触れたい。そんな動機で幾つか手に入れた本の一つ。 共産党体制における資本主義経済。そんな矛盾を感じる国家戦略の実態を知りたい。前段は改革開放政策など経済の話からはじまって、そのあたりに詳しく触れている。後半は著者自身の経験から比較文化論が展開されていて興味深い。 それにしても、毎日これだけ新聞を賑わしている国はないのでは。日本人にとって、気になってしょうがない存在なのだろう。果たしてマスクをしたアスリート達をTVで見ることになるのだろうか。二酸化炭素の排出量で世界第2位の国だが、一人当たりに換算すると世...
  • 見えない家族
    見えない家族 日経デザイン98年2月号 この一見センチメンタルなタイトルは、日経デザイン http //nd.nikkeibp.co.jp/nd/index.shtml98年2月号の特集です。 戦後の家族解体の流れ。アジア的封建制度を否定する様に、家族という共同体の息苦しさを否定し、個人主義の奨励をいそしんできた日本の現状を批判的に見る視点。それを商品コードにそって分析した、非常に興味深い特集でした。 時代の流れは速い。久々にこの雑誌をめくるとそれを実感させられるが、面白いのでここに並べてみます。 ヘヴィーデューティー使用のラジカセやポータブルCDプレイヤーの登場。→ストリート系の若者が増えてきた。興味の対象は家にだはなく外へ向いている。本物志向にこだわり、常に周りの友達の目を気にしている。反面、無関係な人への関心は皆無なため、地べた、階段、コンビニの前、自...
  • ダニエル・リベスキンド展
    ダニエル・リベスキンド展 −存在の6つの段階のための4つのユートピア− 建築が「場」に与える影響について思いがめぐる。ここしばらくの間、建築とは内部空間のことであるようにも考えてた。空間とはやはり内部であって、殻の内側を構想していく中で外部も出来上がっていくのが自然かと思っていた。 そしてクールハースが言っていたと思うが、「大きな建物はインテリアとエクステリアが別プロジェクトである」にも思考が開かれているような開放感があった。現代の東京がインテリア化されていくのを日々目撃していると、なおさらすべてが内部に思えてくる。 けれど今日オペラシティーで再び対峙したのは、建築が生み出すその外部空間だった。展示模型は、あたかも巨大な彫刻を思わせるような圧倒さでもってその場に存在していた。鑑賞者は模型と展示空間の隙間をぬって歩かねばならない。すれ違えないほど...
  • アブストラクトなゆーわく
    アブストラクトなゆーわく 阿部和重 マガジンハウス ananへ掲載されていたエッセイ集。最近はまっている作家です。しばらく続きそうだ。 抽象的な誘惑。そう、僕らは何時だって誘惑に駆られている。目に見えない抽象さで。都市にばらまかれた様々な記号。仕事中のj-wave。本屋での散策。自宅でのTV。そしてインターネット。しかしもはやそれらから免れることは出来ない。いや、誰もそんなことは考えてすらいないのでしょう。 ではより積極的に誘惑されてみましょう。誘惑のなかには、きっと色んな発見があるでしょう。誘惑は交通かもしれない。消費のただ中へどっぷりと浸かって生活しているのだから。 このエッセイを読むに至る道のりも、様々な誘惑だけが頼りでもあった。時には誘惑のなかから、いろんな事へ無自覚だった自分を発見できる。あるいは小さな誘...
  • 飽きる力
    飽きる力 生活人新書 河本 英夫 (著) 河本英夫さんはオートポイエーシス論で有名な方。その魅力的な響きへ惹き込まれ何度かチェレンジするものの、未だ難しくて理解できないオートポイエーシス。けれどこの新書を通じて少しだけ分かってきたような気がします。 これは悩ましい大人たちへの指南書なんだと思った。禅の思想にも近いような。難しい理論を展開する人が時々新書を通じて平明な言葉で、けれど決して要約するのではなく視点を少し変えて説明してくれる、そんな良書です。 無理な頑張りは続かない、努力したのに自分が疲弊してしまって、結果が出ない場合は責任まで取るはめにも、、。渦中にいない時だからこういった危険性に納得できる。一方で渦中に自覚してこそ効果大なのが「飽きる力」。難しいな。 「飽きるとは、次への選択のための隙間を拓き、異なる努力モードに気づくこと。」がむしゃら...
  • 家族を容れるハコ家族を超えるハコ
    家族を容れるハコ家族を超えるハコ 上野千鶴子著 \2,200 平凡社 東雲キャナルコート あまり関係ないけど模型による住宅のスタディーなども。 この本を読んでいると、住宅を考えるときの問題点が、もはや弱者(育児・介護など)を取り入れたときのそれに集約されているのだということに気がつく。それ以外の家族形態については、どのような家にだって生活は可能であり、それについて深く思考することを必要としていないようだ。建築家の作る住宅と言うのは、後者のケースがほとんどで、言い換えれば、どの様な家にだって住める人達のための建築ということになる。 確かにそのような前提があってこそ、純粋に建築としてのたち現れ方、行為という細分化された空間単位に連続性をもってデザインすることの条件が整っているかのようにも見える。社会学的な視点を...
  • MOVIE大学
    MOVIE大学 MOVIE大学 cafe@franken クリエーター読本 河出書房新社 1400円 この本では「実践的な映画監督への道」がダイジェスト版で分かるようになっている。 1章では5人の映画監督へのインタビューを通して「どうやって映画監督になったのか?」が問われ、2章では「どうやって映画監督になれるのか」を制作の仕組みと共に解説し、3章では「短編映画をつくろう」というテーマで、DVD撮影でのチュートリアルがある。とても手頃な量であるが、内容は興味深い話題ばかりだ。普段映画を好きで見ているだけでは、決して知り得ない制作の裏側をのぞくようで楽しい。それと同時に創り手としての「信念」や「ノリ」や「勢い」などがとても身近に感じられる。 この本で学べることはいっぱいある。かといって僕は映画監督になり...
  • eanak
    I think and walk, therefor I am. identity office worker in Tokyo now occuppied changing my job!! こちらのページの目次です。 こちらのページの目次です。 [#n8b15cb1] 発言ページのリストです。 [#db1b2358] 対話 [#h6151729] 英語、ボケ、そしてお笑い [#fd9210b6] 読書談義 [#l4e32058] 漱石とか。 [#k18e3eda] 漱石など。 [#v23e0c37] 漱石デビュー。 [#b3e01d18] ちょっと宣伝。 [#o8f5b102] ご無沙汰です。 [#t9a3c5b6] 発言ページ...
  • HERO
    HERO 監・案・製・脚:チャン・イーモウ 案・脚:リー・フェンほか 出:ジェット・リー トニー・レオン マギー・チャン チャン・ツィイー 2002中/ワーナー/99分 マトリックスのスタッフが参加しているらしく、ワイヤーアクションがふんだんに使用されていた。だがこのことは、伝統的なカンフーアクションをずいぶんと陳腐なものへしているように見えた。ワイヤーアクションは、スローモーションを持続させ、極小の時間へ幾つもの動きを落とし込む装置として、斬新なアクションシーンを生んで来た。しかしあくまでもリアルと感じられる範囲で時間の引き延ばしが行われ、それは重力の存在をギリギリまで感じさせ、身体の動きの延長として見えることでもあった。 けれどこの映画ではまったく重力は無視されて、妖精のように浮き上がることを可能とし、人間わざ...
  • ランドスケープ 柴田敏雄展
    ランドスケープ 柴田敏雄展 会場:東京都写真美術館 会期:2008年12月13日(土)→2009年2月8日(日) 美術館にはよくある「友の会」というシステムがあって、今回1400人程度の会員から事前希望により100人に向けてイベントが開かれた。学芸員と柴田敏雄自らによる展示案内。公園で超望遠レンズを装備して野鳥を撮影してそうな老人から、友人たちをスナップしていそうな美術系の学生まで幅広い層が集まっていた。 人数制限のため、とても落ち着いて話が聞けてよい。 安保闘争の頃、東京芸術大学の油絵学生だった柴田さんは、やがてベルギーの王立アカデミーで写真を始める。1992年・木村伊兵衛賞受賞、モノクロにこだわっていたが、5年前ほどからカラーを始めたという。大型8×10カメラを使い、精密なまでに細部を表現された写真は、ダムやコンクリートに覆われた造成地など人工的に変容され...
  • かもめの日
    かもめの日 黒川 創 (著) キレイ(センチ?)に描かれている部分は読んでいて恥ずかしくなる。自分は屈折しているのかと思わせるその反動。連作短編のようにつながっていく群像劇だけど登場人物が結構多いせいか、一気に読まないと読後感に差が出そうだ(実際読んだり、読まなかったりした)。 ラジオの関係者が多く結構中心にあって、その古臭い懐かしいイメージと、昨今のメディア不況などが合わさって、ノスタルジックにも感じた。 村上春樹の『アフターダーク』では、主人公の若い男は「タカハシ」という3人称で描写され、代わりに「私たち」という「カメラアイ」としての1人称が使われていた。この小説も近い構成ではないか。 それは描かれている出来事が全て人づてに聞いたエピソードのように、どこか要点を得ず、それでいて無理やり落ちがついているような気分にもなるせいで、軽やかさを増...
  • ハッシュ!
    ハッシュ! 2001日本/シグロ 監督・原作・脚本:橋口亮輔 製作:山上徹二郎/渡辺栄二/石川富康/塚田博男 撮影:上野彰吾 音楽:ボビー・マクファーリン 出演:田辺誠一/高橋和也/片岡礼子/秋野暢子/冨士眞奈美/光石研/つぐみ 橋口監督は確かゲイとしてカミングアウトしている。監督・原作・脚本とマルチに関わっているこの作品は、まさに監督の人生観が大きくにじみ出たものに仕上がっているのだろう。 たまたま昨年「シナリオ」という雑誌でこの映画の脚本を読んでいた。現代小説のように、日常生活を綴った場面の多い描写だった。様々なシーンが連鎖しているのが脚本に出ていて、映像のための本とはこのように構成とデザインとが入り込んだハイブリッドな読み物なんだ、と楽しんだ。とは言え、今日見た実際の映画には「既視感」はともな...
  • サイト・グラフィックス展
    サイト・グラフィックス展 会期  2005年1月20日(木)〜4月10日(日) 会場  川崎市市民ミュージアム・ギャラリー 昨年、多摩川駅近くにあるart river bankでの片山博文展をみてその後、深川雅文さんによるサイト・グラフィックスという概念を知り現代写真に興味を持ち始めた。そして今年この展示が開かれ今日、川崎市市民ミュージアムへ行きオープニング・トークショーにて深川さん本人からレクチャーを受けることが出来た。しかもart river bankを主催している美術評論家の杉田敦さんとのトークショーだった。 会場はイスのないカーペット敷きに60人が車座になって入るこじんまりとしたものだった。満員だが静かな雰囲気で、きっと写真を勉強しているのだろうと思われる学生風の人が多かった。深川さんは私のすぐ脇にあったPCに移動してきて...
  • ピンポン
    ピンポン 2002日本/アスミック・エース 監督:曽利文彦 製作:椎名保 製作:小川真司/鈴木早苗/井上文雄 原作:松本大洋 脚本:宮藤官九郎 撮影:佐光朗 音楽:二見裕志 出演:窪塚洋介/ARATA/サム・リー/中村獅童/大倉孝二/竹中直人/夏木マリ その宣伝を目にする機会の多いこと!。もうそれだけで完全に「見なければ気が済まない」状態にまで追いつめられていた。松本大洋の魅力に引き寄せられて沢山の才能が集結して出来上がったこの映画、それを追従するかのように「パルコ」やら「HMV」やら「ビームス」やらの渋谷カルチャーリーダー達を集合させたキャンペーン!。「勢い」に圧倒され・・さらに暑さに負け・・逃げるように「新宿」テアトルで観たのでした(3館上映です)。 夏休みとは言え、ロビ...
  • 現代イスラムの潮流
    現代イスラムの潮流 宮田 律著 集英社 英仏のアラブ支配は大戦後の1920年、サンレモ会議で国際的に認定された。かくて今日のイラク、ヨルダン、パレスチナは英、シリアとレバノンは仏の委任統治領となった・・・。 パリを旅行したときの楽しみの一つにアラブ世界研究所を見る事があった。ジャン・ヌーベルほかの設計でコンペに入選した作品で、1987年パリに竣工した建物。最大の特徴は、南側のファサード。アラブ文化特有の幾何学模様のパターンで、カメラの絞り機能を応用したダイヤフラムが圧巻だった。 かつて列強時代に支配していたアラブ世界に関する研究機関がこうしてパリに存在するいきさつは複雑なのだろう。当然アラブ世界への影響力を保持したいフランスの思惑はあるのだと思う。このようにヨーロッパとイスラム世界はきってもはなせない関係があるのだが、日本とのそれは希薄だ。 この本にはイ...
  • ブロークン・フラワーズ
    ブロークン・フラワーズ 監督・脚本 : ジム・ジャームッシュ 出演 : ビル・マーレイ/ジェフリー・ライト/シャロン・ストーン/ ジェシカ・ラング/ティルダ・ウィンストン 映画は時間を通じた作者の世界観を伝えることの出来るメディアだと思うけれど、この作品はまさにジム・ジャームッシュの時間だと思った。映画のために作られた物語で、描写やプロットに無駄な部分を感じさせない。 それはビル・マーレイの映画だと言っても同じ事で、役者のキャラクターのために作られた作品で、セリフや「間」の取り方に無駄な部分を感じさせない。いきなり憂鬱な表情とフレッドペリーのジャージ姿でTVを観ている彼が、ずっと前からそうしているのだと感じさせるオープニング。 突然送られてきた手紙に暗示させたピンクや、旅先で遭遇する思わせぶりなピンクも、視覚的な効...
  • スペイン-ポルトガルを探る場所-書物編
    まだ行ったことのない国を旅行する際、いきなりガイドブックのたぐいを見てしまうと、細かく配置されたイメージの洪水へお腹いっぱいになってしまう。自分はむしろ活字から入ることで、記憶に残っているイメージを頼りに膨らませていくほうが自然なようだ。 映画はイメージの洪水にはならない。スペイン、ポルトガルには素晴らしい映画がたくさんある。けれどまとめて見るにはそれなりのテンションを必要とするものばかりだ。映画や文学はラテンアメリカのそれと切り離せないのも特徴だ。そこには両者の関係の複雑さが象徴されている。 もっとも、まず現地へ行き興味を持つことで、その後調べたりする。何度も気軽に行ける生活を手に入れていればそれでもよいのだけど・・。そんな貧乏根性を頼りに意識がそこへ向かっている内に手にした情報をメモして行く。 「ヴァンダの部屋」にでてくるような、リズボンのスラム街。以前見た南米...
  • 「せんだい」
    「せんだい」へ建築視察-2001 お盆休みを利用して仙台へ建築視察に行ってきました。 発端はやはり「せんだいメディアテーク」を見たい思いでした。けれど結果的には仙台市を中心に、宮城県にここ数年続々と竣工した「公共施設」を見ることが出来ました。それらを通じて、開かれた公共空間の最先端を実感し、市民生活をサポートする公共資産の明るい未来をのぞむことが出来ました。 一泊二日という短いスケジュールでしたが、朝早く東京を発ち、次の日の夜遅くまで仙台に居たので、まる二日間滞在したことになり、予想以上に多くの建築を見ることが出来ました。 初日は仙台市内に絞り、地下鉄とバスを利用して3つの施設を見学。次の日はレンタカーを利用して、松島から名取市まで5つの施設を見学しました。初日の行動によって、車では感じ得ない仙台の街の大きさ、郊外ニュータウンの存在、起伏と緑の多い多様な都市...
  • イタリア旅行記/2000年12月27日
    イタリア旅行記/2000年12月27日 12月27日ヴェネツィア3日目。ヴェネチア3日目。今日は祝日も終わり、イタリアの都市機能も通常通りであることを期待して、やや足を延ばすことに決めていた。ヴェローナへ向かう。「イタリアは大きな都市よりも、小さな街こそよい。」何度もこの国を訪れている事務所の所長が言っていた通り、ヴェローナへ着き、その街の美しさへ驚いた。この国で初めて落ち着きと美しさを持ち、それでいて都市としての活気も見られる街へ来たのだと思った。 程良く広がりを持ち、軒のそろった石畳の道をあるく。この街には川が蛇行している。川沿いに歩きながら、スカルパのカステルベッキオ美術館を目指す。どことなくパリのセーヌ側沿いにも似ている町並みだ。 カステルベッキオは古いお城と言う意味で、そこを美術館としてスカルパが改修をした。リノベーションを得意とするこの建築家の作品をじっくりと見ら...
  • 使い方のスタディー
    保存版-使い方のスタディー-2003 ここは PukiWikiを使い始めて生まれてきた疑問や、今後の可能性をさぐるための記録です。みなさんとお話して見えてくることがとても多いので、是非単純な疑問や興味などでもありましたら、コメントして見て下さい。なお、サイトの構成についてはコチラへ。(k.m) 目次 保存版-使い方のスタディー-2003目次 k.m@管理人からの初期テーマ pw利用サイト例・1 pwのデザインをいじるには? pw以外のwiki clone について pwにはプラグインがあります pw利用サイト例・2 キーワードの生成について pwの編集に参加する・させるには? pwによるコンテンツ作成とは? pwによるアーカイブはどこまで有効か? pwの利点は収集・更新? pwのリンク構造の可能性 pw利用サイト例・3(考察例) 日本語WikiNameのURL k.m@管...
  • 亀虫
    亀虫 監督 冨永昌敬 撮影 月永雄太 音響 山本タカアキ 音楽 ノーシーズ 制作 OPALUC 配給 .ロサ映画社/OPALUC 2002-2003/1h01m 11/15(土)トーク ゲスト 青山真治氏X冨永監督 「亀虫の兄弟」 「亀虫の嫁」 「亀虫の妹」 「亀虫の性」 「台なし物語」 話題の亀虫シリーズを見に行った(いや、話題なんですよ)。池袋のダークサイドを抜けたあたりにある映画館シネマロサ。事前に混雑状況を確認したところ「一度も満席になったことはございません」と、聞いたコチラが申し訳ない思いをしてしまう返答。しかし今日は上映後に富永監督と青山真治のトークショーがあるからか「ほぼ」満席となった。 短編連作という感じの5本上映。合計1時間強。 いきなりバックミラーに映る男の顔。その独り言が延々と続き小説的な独白は重なり、畳みかけるように語り出すテンポ。ちょっ...
  • フィラメント
    フィラメント 2002日本 原案・監督・脚本・音 楽:辻仁成 出演:大沢たかお/井川遥/村上淳/森村泰昌/不二子/銀粉蝶/重松豊 すぐに見境のつかなくなるため「切れやすい電球」と呼ばれている主人公の今日太(大沢たかお)と、写真館を営み女装癖のある父親(森村泰昌)、ヤクザと離婚したバツイチで夢遊病癖の妹(井川遥)。今日太の母親はパチンコ屋で知り合った若い 男と駆け落ちしてもう十年になる。不良仲間とオヤジ狩りを続けていた今日太だが、最近は興味を失い、まともに働くよう心掛けてた。しかし、持ち前の切れやすい性格が災いし、何をやっても長続きがしない。 そんな今日太に次々と事件が襲いかかる。ヤクザから拳銃を奪い、酔っ払いのオヤジを射殺してしまった不良仲間の死。駆け落ちした男に棄てられ突然家に帰ってきた母親とそれを寛大に迎える篤次郎。そ...
  • 20世紀の精神
    20世紀の精神 20世紀の精神 多木浩二 平凡社新書 多木さんの文章をまとまって読んだのは、これが初めて。 書物案内と言う物ではなく、いかにして20世紀の精神が築かれてきたかを、6冊の著作を通して探っていこうとする書物でした。 読書人ならば常識化している本らしいですが、読書人ではない僕にとっては、名前は聞いたことあるけど実際には読んでいないものばかりです。それでも、フロイトやソシュールは本人の著作ではなく、解説本的なものはいくつか読んだこともあります。難しい本を分かりやすく解説したものは、善し悪しはあれど、それ自体も一つの思索的なものなので、入りやすい分好きです。 思索的なものを読んでいて楽しいのは、難しい中に時々はっとするような考えを発見するときです。発見するといても、どこかでその時気にしているよ...
  • あの子を探して
    あの子を探して 監 督:チャン・イーモウ 撮 影:ホウ・ヨン 美 術:ツァオ・ジュウピン 脚 本:シー・シアンション CAST:ウェイ・ミンジ、チャン・ホエクー、チャン・ジェンダ、カオ・エンマン 映画の中で中国は年間に100万人の児童が貧困で退学し、その15%は周囲の協力で復学出来るのだと言う。この物語はそんな生徒と先生を描いている。 先生も貧困なら生徒も貧しく、村全体の問題として住む者達全ての現状でもあった。これは一見すると貧困の差が見えない状況でもあり、生徒が出稼ぎに都会へ行くことによって相対的に浮かび上がってもくるのだった。同じ国とは思えない状況の一断面を明らかにさせ、広大な国がかかえる避けることの出来ない問題を訴えているかのようだ。 美しい自然の中で伸びやかに生きる子供達は、そんな貧困を悲劇...
  • ビューティフル
    ビューティフル 幻冬舎文庫 島村洋子 \495 様々な登場人物達の視点が一人称で語られ、複数の目で読み進められる。事件の終盤への4日間に絞って全貌を徐々に見せていく。そんな明快な物語構造がまるで映画のシナリオのようにシークエンスをつくっている。 家族がめちゃくちゃ、というニュアンスで、三池監督の「ビジターQ」を思い出しつつも、あの映画ほど破天荒な主題は無く、描かれていたのは以外と普遍的な恋愛の姿ではないか。 十七歳の女子高校生キリエという、不幸の連続のなかでうごめく主人公。消えた家族を心の中で追い求めて全裸で立てこもる、差し押さえの自宅(これ、かなり説明不足です)。 はたして家族というものが、このように現代小説の主題たりえる存在感を持ち得るのだろうか。殺伐とした空気の和則の一家。失踪、教祖、一気のみ死という...
  • :近況-2003-10
    近況-2003-10 2003-10-31 蓮實さんの著作は、物語批判をやりながら物語を書いているというその二重性が面白いし、また、ときおり不意に発揮されるエモーショナルな筆致が魅力的だと思います。 たとえばぼくの小説はよく、「映像的だ」と評されることが多いのですが、そうした「映像的」描写を試みる際、比喩は「映像」の透明性を奪ってしまい、伝達力を弱めるものとして機能してしまうと、ぼくは考えているのかもしれません。 そんな自覚があるので、ぼくは自分自身をつねに相対化しなければいけないと考えて、作品を書いているのです。そうしているうちにふと、ヒューモアが思い浮かんでくる、といった次第なのです。 ただ、まあ『シンセミア』はぼくなりに破格の作品として書き上げたという自負は持っています。非常に自信を持っている作品なので、今後の行方がどうなろうと、これが出せ...
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  • 暗号的な世界について
    暗号的な世界について #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (01.jpg) http //www.hirokiazuma.com/texts/superflat.html 存在論的、広告的 東浩紀 今の世の中、どっちつかずの議論が多い。 かつての象徴的存在(?)が消滅し、それでもなにか中心を求めたくなる気持ち。自分の不安定な存在なんて、自身のささえにならないし。 とは言え、その瞬間を楽しんでいるときに、象徴なんて全くない。 あるのは強度。楽しむ身体。 そのためなら、それが途絶えないでいてくれるなら、その先の事なんて考えなくたっていい。 けれど、どちらにも自分は居る。そこに何時もいる。 2000.06.01/k.m カテゴリー-雑誌
  • バベル
    バベル 監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ 出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、 ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子 モロッコの場面、冒頭から何か息苦しさがあり銃を受け渡されてそれをもてあそぶ兄弟の危なっかしさ。彼らにはどこか殺伐とした空気があって、それは思春期特有のものかも知れないが、銃を持っているせいか断絶感が漂っていた。 一方でブラッド・ピットら演じるアメリカ人夫婦は行き詰っていて、旅行中なのにくつろぐ気配もない。さらに舞台が日本へうつり菊地凛子演じる女子高生(無理あり)で息苦しさは頂点に達しそうだった。心に響く切ない音楽、広大で荒涼とした大地。コミュニケーション不全に溺れる夫婦、そして女子高生。 不全と息苦しさはこの後も続き、様々な場面で展開される。そして不法労働者の乳児が子供を連...
  • 介護入門
    介護入門 モブ・ノリオ (著) 価格: ¥1,050 (税込) 出版社 文藝春秋 介護をする生活を通して見えてくる世界。親戚への、介護者達への憎悪を通して見えてくる世界。それは恍惚としたドラッグの経験を通して語られる。祖母への想い。家族への愛情。それらは一連なりのメロディーとして語られる。 ラップのようなリズムで暴力的な言葉が連なり、YO、ニガーと続く。介護とは無償の決断なのだろうか。血の絆を信じるとはいったい自己を捨てるということか。祖母を在宅介護するとは・・。 仮にこの小説が介護など興味も現実味もない人達へ向かって放たれた過酷な体験記だとすれば、芥川賞を取ったことによりその使命は果たされたかもしれない。けれどこれはフィクションだ。ドキュメントではない。なので僕らはこれを読んで笑い飛ばし、く...
  • Takachin
    都内の大学で、メディアアートとか、インタラクションデザイン関連を学んでる学生です。 簡単なProfileはこのあたりに Orkutも参加してます。 generative.info メディアアートのうちのワンジャンル、ソフトウェアアートとその周囲の話題を扱ったサイトを運営しています。 takachin@jugem 上のサイトの専門性が高くて、頭が痛くなりそうな方はこちらへ。日々の日記とか、もうちょっと軽いデザインとか、音楽とかの話で進めていくつもりでいます。 以下、発言ページのリストです。 「ワラッテイイトモ、」 アンダー・コンストラクション−アジア美術の新世代 宮島達男展 対話 k.m すいません。ただいまマシンが故障中のためメールアドレスが分からなくなってしまいました。空メールでも送って下さい・汗...
  • この先の建築
    この先の建築 監修:田尻 裕彦〔ほか〕 企画:ギャラリー・間 編集:小巻 哲 \3,000 TOTO出版 A5判 / 363p 2003.7 連続シンポジウム:2002年9月3日(火)〜10月5日(土) ギャラリー・間での100回展に行われた連続シンポジウムの記録。建築家を大きく5つの世代にわけ、それぞれ5人ずつ、総勢25人の建築家が登場するという巨大な講演。どれも参加しなかったが、これを読んでちょっと後悔。けれど行っていれば読まなかったかもしれない。このようにまとめてあるのは大変貴重ではないか。 出展者・パネラー(50音順) 青木淳、阿部仁史、石山修武、磯崎新、伊東豊雄、太田浩史、岸和郎、隈研吾、小嶋一浩、篠原一男、妹島和世、曽我部昌史、千葉学、塚本由晴、内藤廣、西沢立衛、長谷川逸...
  • スクール・オブ・ロック
    スクール・オブ・ロック 監督:リチャード・リンクレイター 製作:スティーヴ・ニコライデス/スコット・アヴァーサノ 製作:スコット・ルーディン 出演:ジャック・ブラック/ジョーン・キューザック/サラ・シルヴァーマン/ジョーイ・ゲイドス・ジュニア/ケヴィン・クラーク/ロバート・ツァイ 2003米/UIP SPA!の映画評で中原昌也がいつになく自虐ネタも入れずに褒めちぎっていた作品だったので、ずっと気になっていた。なんとか新宿武蔵野館にて見ることが出来た。予想以上に素晴らしい作品だった。はじめから終わりまで笑いっぱなしで、最後には泣けてしまう。まさにこれぞエンターテイメントだ。素晴らしい。 リチャード・リンクレイターの作品はまだ3つしか見ていないがどれも面白かった。その緻密な演出力は初のメジャー作品においても確実...
  • キル・ビル
    キル・ビル 製作・監督・脚本:クエンティン・タランティーノ 製作:ローレンス・ベンダー アクション・コーディネーター:ユエン・ウーピン「マトリックス」 美術:種田陽平「スワロウテイル」 アニメーション:プロダクションIG「攻殻機動隊」 撮影監督:ロバート・リチャードソン 出演:ユマ・サーマン、ルーシー・リュー、ダリル・ハンナ、デビッド・キャラダイン、千葉真一、栗山千明 制作データ:2003米/ギャガ=ヒューマックス 上映時間:113分・R-15 「刀は疲れ知らず。あんたも少し力が残っているといいけどね」(ルーシー・リュー) いやー。またすごい映画を。タランティーノ監督はやってくれた。正直あまり期待せずにいたのだけど(その割には公開日初日に見ることは決めていた)、かえってそれが...
  • パニックルーム
    パニックルーム 2002年 アメリカ 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 監督:デビッド・フィンチャー 出演者:ジョディ・フォスター、フォレスト・ウィテカー 夫の浮気が原因で離婚したメグ(ジョディ・フォスター)はマンハッタンで娘と暮らすための新居を探していた。4階建てでエレベーター付き、そして頑丈に出来た緊急用の避難ルームがある一軒家を見つけたメグは、早速引っ越しの手続きをする。しかし、引っ越しした晩、何者かが家に侵入。メグは娘と共にパニック・ルームへ逃げ込むが…。 パニックルーム、それは災難から自己を守る為の避難所である。扉を閉めてしまうと外部から内部(パニックルーム)へ入ることは不可能。 ストーリーは、パニックルームの中(内部)にいる者と外(外部)にいる者の駆け引きで成り立っている。 ...
  • ある朝スウプは
    ある朝スウプは 監督・脚本・撮影・編集・出演:高橋泉 出演者:廣末哲万、並木愛枝、木村利絵、垣原和成 音楽:並木愛枝 ホラー映画が海外モノよりも日本人が出ているリアリティーへ怖さを抱くように、フィクションとして造り込まれたある美しさをもったメジャー映画よりも、自主制作映画の即興っぽさや、役者の匿名性へ、より臨場感を得ることが出来る映画だ。 さらに、パニック障害、ひきこもり、新興宗教、洗脳、カルトなど、現代日本が抱える生きがたい闇の部分へ(それが闇ではないことも含めて)ごく普通に踏み込んでいくことがこれほどにショッキンングだったのかと驚かされた。 メジャー映画やマスコミの描く社会像にはとても制御された姿があって、僕らはそれをどこかで知りながら、安心して見られる程度にコントロールされて届くことをむしろ望んでいる。...
  • k.m
    サイトの管理人です 建築の設計をしています。色んなことへ目を向けていくうちにこんなサイトになりました。 日々思いついたことをウェブ上にノートしていくための場所です(パーソナルノートと名づけました)。なんだかんだと、個人サイトをはじめてもう10年になりますが、2008年より@Wiki(あっとうぃき)へ引越しました。2008-04-12/k.m メニューの「カテゴリー」からは、映画 、小説 、展示などの項目別にたどれます。 近況は、日記のようなものです。 最近Youtubeへの投稿もはじめました。お遊び映像ですが、ご覧ください。 ブログや日記って、皆さん後から読み直したりするのでしょうか!?。ちょっとした覚書や深く思うこと、レビュー的な長文やコメントのやり取りなど、いろんな位置づけがあると思います。ネット上のサーバーへ記録されたものなので、いつでも引き出して振り返...
  • バーバー
    バーバー 2001米/アスミック・エース 監督・脚本:ジョエル・コーエン 製作:ティム・ビーヴァン/エリック・フェルナー 製作・脚本:イーサン・コーエン 撮影:ロジャー・ディーキンズ 音楽:カーター・バーウェル 出演:ビリー・ボブ・ソーントン/フランシス・マクドーマンド/ジェームズ・ガンドルフィーニ/アダム・アレクシ=モール/マイケル・バダルコ/キャサリン・ボロウイッツ/リチャード・ジェンキンス 全体にとても抑えられたリズムと主人公の淡々とした人生とがとてもシンクロしている。なぜ床屋なのかと思うようなストーリーだが、なぜ床屋ではだめなのかを無効にしてしまう内容でもある。 義兄の経営する理髪店で働く床屋。彼が感じている空虚さはとても深いようで、その無口で思考停止された生活は虚しさをひた隠しにするための...
  • なぜ、植物図鑑か
    なぜ、植物図鑑か 中平卓馬映像論集 先日アラン・ロブ=グリエの訃報があった時、昔途中で挫折した『迷路のなかで』を探して再度パラパラと読み、ちょっと面白そうだと思いつつ、結局またなげてしまった。無言の映像が流れているように独特な展開なのだけれど・・。 中平卓馬は冒頭の「なぜ、植物図鑑か」で、アラン・ロブ=グリエをたくさん引用している。「客観的な事物描写の徹底」などで知られる彼の小説だけではなく、ヌーヴォー・ロマンが行っていた伝統的小説の否定、作者の世界観を読者に「押しつける」ことの危険性になぞらえて、写真表現からの恣意性排除を叫んでいる。 写真はその現実を写し取ったかのようなリアリティーから、「世界を説明すること」を担わされてきた。ただしキャプションなどによって、いかようにも受け取る印象を左右できる「政治的な手段」となっていることも一方で僕らは知っている。 ...
  • 現金に体を張れ
    現金に体を張れ クレジット1956/米/1時間25分 監督・脚本:スタンリー・キューブリック 原作:ライオネル・ホワイト 出演:スターリング・ヘイドン、コリーン・グレイ、ビンセント・エドワーズ キューブリックのハリウッド・デビュー作。 出かけた後で疲れている+家で見る+食後+白黒という(悪?)条件が重なり、9割近く寝てしまった前回とほぼ同じ状況で懲りずにチャレンジ。昔のハリウッド映画は明快な内容で、見やすいのだが、どうもビデオ映像の白黒画面は、眠気をさそう。映画館より鮮明度が低いのがカラーのそれよりも目立つからだろうか。だから白黒映画を借りるときはちょっとためらいを感じる。 56年のキューブリック初期作品は、とても明快で、あっさりしている。けれど小気味よい、という心地よさがあって、やはりそれはこの白黒と強いコントラストの映像からもくるのだと思う。 服...
  • 鬼が来た!
    鬼が来た! imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 2000中国/東光徳間 監督・製作・脚本・出演:チアン・ウェン 原作:ユウ・フェンウェイ 撮影:クー・チャンウエイ 音楽:ツイ・チエン/リウ・シン/リー・ハイイン 出演:香川照之/チアン・ホンポー/ユエン・ティン/チェン・シュ/ツォン・チーチュン/澤田謙也 カンヌ映画祭でグランプリに輝いた力作。 カテゴリー-映画 140分という長い映画も最近では珍しくなくなってきた。けれどこの時間楽しませるのも難しいと思う。戦争を描くというと様々な記憶や歴史観とともに普遍的な姿勢をとらざるを得ないような息苦しさも感じる。しかしこの映画には戦時中という戦いの構図よりも、人間性の激しいぶつかり合いの方が印象強く、それは戦闘シーンよりも断...
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