personal note内検索 / 「パトリス・ルコント」で検索した結果

検索 :
  • イヴォンヌの香り
    イヴォンヌの香り 監督:パトリス・ルコント 出演:ジャン・ピエール・マリエル/イポリット・ジラルド/サンドラ・マジャーニ 1994年フランス作品 ルコントの描く、レマン湖畔で繰り広げられるひと夏のラブストリー。エロティシズムあふれる作品と言った感じ。 イヴォンヌという女性は、気ままな田舎娘、その日暮らししかできない女、めをはなせない女、、などと呼ばれている。 そして、男達の夢の中の存在のように、とらえがたく、移ろいゆく姿だけがただ現象としてそこにある女性だった。 ただそれだけのシンプルな物語なのに、最後にひとりの男が、目の前で自殺をして映画は終わる。 いきなり突き放されて、なにか約束が違ったような感じで戸惑いながらも、そのシーンのせいで、非常に静かで透明なせつなさが、後味としてのこる映画だった。 99...
  • 見えない嘘
    ...ル・オートゥイユは、パトリス・ルコント監督作品でヴァネッサ・パラディと共演していた「橋の上の娘」でナイフを投げる、ちょっと影のある役が印象にのこっていた。今回も苦悩する姿、そして自分でも分からない何かに突き動かされているような空洞を持った難しい役柄を表現していた。 どんなに凶悪な犯罪であろうと、映画においてその主人公として演出されたならば、共感を抱かずにはいられない面を持つ。それは生悪説を裏切る一つの真実だと思う。監督も人間としての彼の姿を追った。もちろん、狂気として排除した演出も可能で、ワイドショーや3面記事ではそれらが繰り返されている。しかし監督が「映画」としてこの事件を取り上げたと言うことは、そこへ本来的な人間の姿を見たり、多面的に一連の犯罪の連続性や、それを許した社会の姿を輪郭として浮かび上がらせるという、意味を持った出来事へと一歩入り込ませる効果を持つということ、そ...
  • ベアトリス・ダル
    ベアトリス・ダル 人名BEATRICE DALLE ベアトリス・ダル 誕生日・性別1964/12/19 WOMAN 出身仏ルマン 1986年 ベティ・ブルー 愛と激情の日々(仏). 1988年 サバス(伊) 1989年 ボワ・ノワール 魅惑の館(仏) 1989年 シメ−ル(仏) 1990年 女の復讐(仏) 1991年 ナイト・オン・ザ・プラネット(米) 1992年 ベティ・ブルー インテグラ(仏) 1992年 ブリジット 女が男を奪うとき(仏) 1994年 彼女たちの関係(仏) 1994年 パリ、18区、夜。(仏) 1996年 L.S.D. LOVE、SEX&DRUG(仏・ポルトガル・蘭) 1997年 ブラックアウト(米・仏) 2001年 ガーゴイル(...
  • ガーゴイル
    ガーゴイル 2001仏=日本/キネティック 監督・脚本:クレール・ドゥニ 製作:ジョルジュ・ベナユーン/ジャン=ミッシェル・レ/フィリップ・リエジョワ 脚本:ジャン=ポール・ファルジョー 撮影:アニエス・ゴダール 音楽:ティンダースティックス 出演:ヴィンセント・ギャロ/トリシア・ヴェッセイ/ベアトリス・ダル/アレックス・デスカス/フローランス・ロワル=カイユ/ニコラ・デュヴォシェル ヴィンセント・ギャロ(性的な欲望が高まると殺人を犯してしまう奇病に苦しんでいる人。)と「ベティー・ブルー」のベアトリス・ダル(同様な奇病でさらに深刻な状態。)が共演。しかも「パリ18区、夜」のクレール・ドゥニ監督。これだけでもう、ミニ・シアターファン必見の映画と言える作品。 このデータベース的な...
  • ミスター・アンド・ミセス・スミス
    Mr. Mrs.スミス 監督:ダグ・リーマン 出演:ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー 二人が実際の夫婦になってしまったのも関係ないわけじゃないけど。結局手の込んだ夫婦喧嘩じゃん。そんな感想でもいいかと思った。 仮にラストの壮絶さの中で血まみれになって二人が抱き合うように死んでいったとすれば、蜂の巣になったウォーレン・ベイテイとフェイ・ダナウェイの『俺たちに明日はない』に匹敵する映画になっていたかもしれない。 けれど今の時代、ハリウッドにそんなリスキー・エンディングは不可能だ。まるで何事もなかったかのように微笑みあう「勝ち組夫婦」の小さな倦怠を埋めるべく付き合わされている高級カウンセリングでちゃんちゃんだ。 もちろん、そんな映画が嫌いなわけではない。まるで失神寸前な興奮の先にちょっと安心すらもらって、日常に...
  • スパイダー
    スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする 監督:デイヴィッド・クローネンバ−グ 出演:レイフ・ファインズ/ミランダ・リチャードソン/ガブリエル・バーン 原作・脚本:パトリック・マグラア(ハヤカワepi文庫) 提供:メディア・スーツ/ビッグショット 2002年/フランス+カナダ+イギリス映画/98分 クローネンバーグと言えば、グロテスクな世界観とカリスマ的な人気を思い浮かべる。その程度にしか分かっていなくて、「クラッシュ」は痛々しさと緊張感のある映像美だとか、「裸のランチ」はあのタイプライターと大きな昆虫みたいなのがとにかくグロかったとか、「スキャナーズ」は破裂する頭とやはり重々しい空気など。結構「飛んだ」話なのに重量感もあるという2面性だろうか。 この映画は見終わって、しばらくよく分からなかった。ただ、出だしの色...
  • ベティ・ブルー
    ベティ・ブルー 86/FRANCE 監督・脚本:ジャン・ジャック・ベネックス 原作:フィリップ・ディジャン 出演:ベアトリス・ダル、ジャン・ユーグ・アングラード すっかり年末休暇モードでのんびりしております。TUTAYAで5本もビデオを借りてしまいました。そのウチの1本。 女性の激情を描いた映画はとても印象に残る。特に「恋のエチュード」と「アデルの恋の物語」などが。共にフランソワ・トリュフォーの作品。ゴダールと共にヌーベルバーグの作家だが、僕はトリュフォーの方が好きだ。 この激情は情緒不安定だったり、狂気であったりする。もちろん二人の内部では、まぎれもない愛情なのだが。そしていつしか、精神病として薬を投与され続け、気の抜けたような人間になってしまう。度を超えた情熱がこの様に狂気として扱われ、救いようのない...
  • ラ・ジュテ
    ラ・ジュテ 監督:クリス・マルケル 出演:エレーヌ・シャトラン/ダヴォス・ハニッヒ/ジャック・ルドゥー/アンドレ・アンリシュ/ジャック・ブランシュ /ピエール・ジョフロワ/-エチエンヌ・ベッケル/フィリベール・フォン・リフシッツ/リジア・ボロフチク/ジャニーヌ・クライン/ウィリアム・クライン/ジェマール・ファチェッティ 脚本:クリス・マルケル 美術:ジャン=ピエール・シュドル 音楽:トレヴァー・ダンカン 朗読:ジャン・ネグロニ 1962年/フランス/28分/白黒/ヴィスタ これは、クリス・マルケルの名を不動のものとしたとされる記念碑的作品で、第3次世界大戦後の廃墟のパリを舞台に、ある男の過去と未来への時間旅行を切なく美しく描いたSF作品です。 この作品の大きな特徴の一つである静止画像でストー...
  • アダプテーション
    アダプテーション 監督:スパイク・ジョーンズ 脚本:チャーリー・カウフマン&ドナルド・カウフマン 出演:ニコラス・ケイジ、メリル・ストリープ、クリス・クーパー 脚本家チャーリー・カウフマンの劇中劇的な作品。蘭にみせられた男をレポートしたドキュメント原作を映画化する依頼ではじまる。既にマルコビッチで成功しつつも、この派手な展開のない原作でスランプに陥る脚本家として自らを描いている。 双子の兄弟として一人二役をニコラスケイジが演じている。これはまさにもう一人の自分。いっぽうで門切り型のハリウッド的作品を好み、いっぽうでストーリーのない日常を描きたい願望で堂々巡り。 両者の力関係で、映画の展開そのものも活劇的になったり、文芸作品的になったりする。これは巧みな脚本のなせる技なのかとも思うが、ちょっとあざとい。そのこ慣れた手...
  • マトリックス・リローデッド
    マトリックス・リローデッド (原題) MATRIX RELOADED 2003年・米・ワーナー 監督; ラリー・ウォシャウスキー,アンディ・ウォシャウスキー 出演; キアヌ・リーブス,ローレンス・フィッシュバーン,キャリー=アン・モス,ヒューゴ・ウィービング,モニカ・ベルッチ 2時間18分 2003/6/7公開 ついに観た!。といってもまだ先行ナイトだ。しかし先々行を逃した時点で既に焦ってもいた。2億を投入したメディア戦略にはまったとか言われようが、観なければ気が済まない。打ち合わせ途中でも抜け出して行った(そんな大げさな話でもないが)。さすがに大型の話題作だけあって、夜遅くの歌舞伎町ミラノ座を埋め尽くす勢いはあった。終電過ぎである次の回も、外まで行列を作っていた。 ちなみにネタという矮小...
  • ハード キャンディ
    ハード キャンディ 監督:デヴィッド・スレイド 脚本:ブライアン・ネルソン 出演:パトリック・ウィルソン 、エレン・ペイジ 、サンドラ・オー うーん。(まとめちゃうのもなんだけど、)なんでアメリカの子役ってこう賢い大人風に振舞おうとするのだろう。不自然だ。この主人公も、目線をフワフワさせながらおどけて話すしぐさが妙に大人ぶっていて違和感を覚えた。出会い系サイトで知り合った男と駆け引きしながら会話をしていくシーンだから分からない演出でもないけど、その後もずっとこのしぐさは続いて行くもんだから・・。 カット割やカメラアングルはとてもスタイリッシュで近景ショットの多用は、吉田喜重の『戒厳令』みたくカッコ良い。けれど緊張感は前半まで、というか単調さが続いてしまい、ミステリーとしての切迫感が乏しい。 そもそも主人公の女の子が自身を「異常」と言うくら...
  • マトリックス
    マトリックス 監督;ラリー・ウォシャウスキー,アンデ ィ・ウォシャウスキー 出演;キアヌ・リーブス,ローレンス・フィッシュバーン,キャリー=アン・モス,ヒューゴ・ウィービング 1999年・米・ワーナー 2時間16分 先行オールナイト見てきました!! 「現実と仮想現実。」 この世界を仮想とし、真実の世界を闇の世界としている。人間は仮想の世界に生き、真実を知らずに生まれ、そして死んで行く。 ヴァーチャルな世界の話題が多い中、この世の虚構性を一気にマトリックスという仮想の世界に解釈している所が、妙に言い当てていて、面白いと思った。最近のTVゲームがかなりシンクロナイズされていて、社会状況の捉え方もいかにも今っぽい。 「ニルヴァーナ」っていう映画も仮想空間に入り込んで行く物語だったが、もっと大げさに...
  • 「鏡」アンドレイ・タルコフスキー映画祭
    「鏡」アンドレイ・タルコフスキー映画祭 タルコフスキー映画祭行って来ました。ギリギリ駆け込んだら、結構来てます。たぶん100人程度の地下ホールが満員。整理番号78だったので前しか空いていない。臨時で出されたイスをゲットしましたが、堅いから痛かった・・。 実は今回の「鏡」で3つ目というタルコフスキー中級者(わずか7本しか長編ありません)ですので、まだまだ新鮮さがあります。とは言え、三百人劇場でみた「ソラリス」はまだしも、ビデオでみた「ストーカー」など、ギリギリ寝ないきわどいリズム。この「鏡」もかなりきてます。モノクロからカラーへ写り変わる映像美に見とれつつも、意味深な「長い間」から突然「炎」が立ち上ったり、展開の読めない断片的な場面の連続には、忍耐を要する映画であることには変わりないと・・・。 しかし今日は上映後のトークが目的。エンドロールもなくいきなり終わったとた...
  • コールハースは語る
    コールハースは語る レム コールハース (著) ハンス・ウルリッヒ オブリスト (著) 瀧口 範子 (翻訳) コンパクトな本だけどいっぱいつまっていて面白い。いつものように、端的に言及する口調は清々しい。なんだか以前に読んだゲルハルトリヒターのインタビューにも近いと思ったら、ハンス・ウルリッヒ オブリストだった(私と年齢近いのに、すごくラフに話しかけている)。以下は全て引用文(前後の文脈がないと誤解されそうですが、自分メモで)。 ワールド・トレード・センターは記念碑をつくるプロジェクトであって、ニューヨークが再びエキサイティングな都市に復活できることを証明するためのものではない。たが、CCTVはまったく違っていた。 今は非常に面白い時代です。つまり、われわれは伝統的な世界に住み、そこは独自の歴史、法律、需要がある。しかしその世界は、ことにグローバ...
  • コンセント
    コンセント コンセント 田口ランディ 幻冬舎 物語に没頭するよりも、心理学と精神分析の違いについてや、科学的な世界とシャーマニズムなど精神世界の対比について書かれた所が面白かった。小説には知的教養を促す箇所が大抵入っているものだが、それが人物像を語る上で重要だったりもする。この小説の主人公には妙に分析的な面があり、上記のような精神構造の解析と、宗教的な衝動との対比は常に物語の軸となっている。以前読んだ著者のエッセイもそんな面が多かったと思う。 ただ著者のどこか冷静な文体には、物語のなかで起きている人間性の振動の大きさを打ち殺してしまうような感触を感じた。確かに自身を分裂病の症状と比較し、そのような自覚を分析することで、かろうじて病気でないことを言い聞かせながらも、衝動がそれを越えて破壊的に襲ってくる所など、迫力があり興奮させられる...
  • トレース・エレメンツ
    トレース・エレメンツ imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 トレース・エレメンツ -日豪の写真メディアにおける精神と記憶」展 東京オペラシティ アートギャラリー フィリップ・ブロフィのミュージックビデオを題材にした「蒸発した音楽」というヴィデオ作品がとっても面白い。フィルコリンズなどのメジャーなMTV映像を使って、すさまじい音の数々をかさねて行く。まったく違ったおぞましい映像として見えてくる。 この人、調べるとキュレーター(学芸員)で、映画監督、アーティスト、ミュージシャンとしても幅広く活躍する日本のマンガの権威、とのこと。帰りにミュージアムショップ(ナディッフ)で何気なく見ていて、買おうか迷っていた本、『シネ・ソニック 音響的映画100』もこの人が書いていた。うー...
  • 鬼火
    鬼火 1963年/フランス 監督:ルイ・マル 出演:モーリス・ロネ、アレクサンドラ・スチュアルト、ジャンヌ・モロー 「僕は自殺する。誰も僕を愛さず、僕も誰も愛さなかったからだ。 僕は自殺する。君達に消し難い汚点を残してゆく・・・」 ラストシーン(思い切りネタバレw)。こんなセリフで終わる。それでも衝撃的な終わり方だった。死に向かっていることが明らかで、主人公も散々にほのめかしていた。けれど友人達との会話を繰り返し、苦悩するシーンが重なるほどに、死という不在が現実感を失っていくのだった。 雰囲気がとても好みな映画だ。ヌーベル・バーグらしさというのか、パリの街を自由に駆け回り、哲学的な会話を喧しげに交わす。友人と散歩をし、何度も向かい合う。女性達がみな緊張感のある美しさで登場し、絵に描いたようなセリフを言う。それら全てがブルーがかったモノクロ(そう見えるだけなのか)映像で...
  • ショートカッツ
    ショートカッツ 1993年 アメリカ 監督:ロバート・アルトマン 出演者:アンディ・マクダウェル 、ブルース・デイビソン 、ティム・ロビンス 、ジュリアン・ムーア 、マシュー・モディン 、クリス・ペン 、ロバート・ダウニー・Jr 、トム・ウェイツ 、リリ・テイラー 、ジャック・レモン レイモンド・カーヴァーの短編や詩をモチーフにアルトマンの描く多彩なキャストによって織りなす一大人間喜劇。3時間という大作。22人という登場人物。まるで小説「シンセミア」や映画「マグノリア」のようだ。いや、どちらよりも昔。むしろ多くの群像劇に影響を与えてきたのはアルトマンのほう。 はじめの30分くらいにほとんどの登場人物が出てくる。どの家族が繋がっているのか分からない。頭が痛い。「ゴスフォードパーク」でもこんな気分だったような。次第に全員の関係...
  • うたかたの日々
    うたかたの日々 ハヤカワepi文庫 ボリス・ヴィアン著 伊東 守男訳 早川書房 主人公コランは金持ちで気ままに暮らす御曹司だ。こう言ってしまうとすごく自分がコンプレックスを抱いている様だが、実際にそうかもしれない。しかし「気ままに」と言ったところで、彼にとっては恋愛が何よりも人生をリアルにさせる主体であって、全てのエネルギーの源であるのだから、全く気の抜けない一大事ばかりの連続でもあったのだろう。そう思うと自分の抱いたものは「気ままさ」でなく、その「全力さ」だろうか。全力でぶつかっていく彼の姿が余りにも明快で辛辣ですらある。その強い態度に何か敵わない思いを抱かされたのだろう。 全てのことに対して先験的な判断を下し、個人が常に正しく、そこから行動の指針を引き出す。そんな作者の言葉とともにコランは激しく「自由に」行動を...
  • ノーカントリー
    ノーカントリー 監督・脚本: ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン 出演: トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、ウッディ・ハレルソン、ケリー・マクドナルド 陰影が強くて色彩の弱い冒頭の荒涼としたテキサス絵だけでかなり良かった。肝心なところを省略したようなカット(編集)で、どうなったんだろう思う箇所が多い。組織の構造も、殺し屋の背景もあまり描いていない、というか状況だけが続いて、それを俯瞰した視点がない。投影する対象を、追われている主人公だとすると、拍子抜けしてしまう。殺し屋のほうへ向き直ってみれば、なにやら内面が浮かんできそうだったが、すでにエンディング近くって戸惑った。といっても、面白いのは確かで、統一的な話の筋がないようなのは映画として逆に素直だと思った。2008-08-17/k.m
  • 5時から7時までのクレオ
    5時から7時までのクレオ 1961/仏 監督 アニエス・バルダ 脚本 アニエス・バルダ 撮影 ジャン・ラビエ 美術 ベルナール・エバン 音楽 ミシェル・ルグラン 出演 コリンヌ・マルシャン / アントワーヌ・ブール・セリエ / ミシェル・ルグラン/ ジャン・クロード・ブリアリ / アンナ・カリーナ 中盤から、ああきっと病気なんて、大したこと無いんだろうなって思うのだけど、もうそんなの初めからどうでもよくって、ただ「5時から7時までのクレオ」を映しているんだ、そんな映画なんだって妙に納得。「元祖女の子映画」なんてTUTAYAの「うたい文句」にはあったが、ちょっと大柄だし、女の子って言うには若くない気もしたけど、不安定な行動や、突然真剣に歌い出し、そうかと思えば罵倒し、気付けばランデブー...
  • ヘヴン
    ヘヴン Heaven 2001年/ドイツ・イギリス/1時間36分 配給:アスミック・エースエンタテインメント 監督:トム・ティクヴァ 脚本:クシシュトフ・ビエシェビッチ、クシシュト・ピエシェヴィッチ 音楽;アルヴォ・ベルト 出演;ケイト・ブランシェット、ジョヴァンニ・リビージ、レモ・ジローネ、ステファニア・ロッカ、アレッサンドロ・スペルドゥーティ、マッティア・スプラジア、ステファノ・サントスパーゴ、アルベルト・ディ・スタシオ 1996年、他界したクシシュトフ・キェシロフスキが、クシシュトフ・ピエシェヴィッチと共同執筆した遺稿。“HEAVEN、 HELL、 PURGATORY(天国、地獄、煉獄)”の三部作のうち、唯一キェシロフスキが書き上げた幻のシナリオ。とのこと。 この監督のは「トリコロール」や「デ...
  • コンペ
    コンペ 入社して3-4年は、毎年2つくらい公開コンペをやっていた。コンペはたとえどこにも引っかからなくとも、ときには実施以上に詰めた案をつくるし、また実務以上に建築にたいしてより素直な考えを探れる機会を与えてくれる。ここ2年近く公開コンペには参加していない。公開コンペ自体が、さっぱりなくなってしまっている状況だ。コンペアンドコンテストも終わってしまった。 作業へ見合った業務報酬を獲得出来ていない設計事務所は、生き残りも厳しく直接仕事へ結びつく可能性が少ないコンペから遠のきがちだ。一方で公共事業からもコンペが減り、巨匠クラスへの指名が集中する悪循環。組織事務所では指名コンペスタッフを確保し、常にコンペばかりしている先輩の話を聞いたこともある。行政に対して断れないシステムなのだ。 民間による事業コンペは幾つか経験した。短期間の勝負であるが、かえってムダにデザ...
  • ロンドン・パリ旅行記/2000年1月28日-ロンドン
    2000年1月28日 ロンドン ヨーロッパへの上陸は、ロンドン・ヒースロー空港。テムズ河が縫うように蛇行し、一部の高層ビル以外は低層の建物が多く、過密ながらも落ち着いている。タワーブリッジやビッグベンが見えた。ロンドン西端のヒースローからバスで中心街へと向かった。かつての貴族達が残した大邸宅の一部がときおり見える。 レンガ造りの建物が目立つ。19世紀ヴィクトリア朝時代にほぼ完成された都市となったロンドン。明治時代の日本はイギリス建築に学んだため、都内にもある様な洋館が多い。中心街近く、ハマースミス高架道あたりには、ラルフ・アースキン設計のアークが見える。道路へ迫りながらすり鉢上に広がるボリュームは、ちょっとコミカルながらインパクトは大きい。オフィス内部が夜景に浮かび上がって近未来的な光景だ。 ホテルへ荷物を置き、日は沈んでいたがさっそくミレニアムドームを目指す...
  • ポルトについて
    ポルトについて-2006 起伏の多いこじんまりとした街だった。河と海に向かって傾斜している。一見するとどちらも眺めの良い風景なんだけど、川沿いは貧困層、海沿いは裕福層といった住み分けがあるようだ。 ホテルで朝食をとった後、川沿いまで歩いて見たが確かに水へ近づくほど落書きやら廃墟が増えていた。そんな街に住むアルヴァロ・シザの作品群は、ヴァナキュラーというか土地の文脈にしたがった心地よい建築ばかりだった。 一方レム・コールハースのカサ・ダ・ムジカは異彩を放った建ち方という予想だったが、実際に行って見ればそれほど唐突感はなかった。ランドスケープへまったく植栽を入れていない。 それは隣のロトンダ・ダ・ボアヴィスタという由緒ある公園とひと続きにすることで違和感もない。大きなベースを確保したため、隕石のよう(と一般に言われている)に転がっている姿も...
  • 映画
    今までに取り上げた映画リスト EUREKA HERO LOFTロフト Laundry M-I-2 ONEPIECE秋コレクション TOKYOEYES Vフォー・ヴェンデッタ WALKABOUT美しき冒険旅行 「π」 「空の穴」 「鏡」アンドレイ・タルコフスキー映画祭 あの子を探して ある子供 ある朝スウプは いたいふたり うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー きょうのできごと(映画) こわれゆく女 たみおのしあわせ どんてん生活 の・ようなもの ひかりのまち ぼくを葬る まぼろし めぐりあう時間たち ゆれる アイズ・ワイド・シャット アカルイミライ アダプテーション アフタースクール アメリカ、家族のいる風景 アメリカの影 アモーレスペロス アレックス イノセンス インサイドマン インテリア イヴォンヌの香り イーオン・フラックス イージー★ライダー ウルトラヴァイオレ...
  • チャーリーとチョコレート工場
    チャーリーとチョコレート工場 監督: ティム・バートン 出演: ジョニー・デップ, フレディー・ハイモア, その他 思っていたより面白い。さすがティム・バートン。子供向けのゆるい映画じゃないんだ。結構ブラックだし、グロテスクな演出も多い。 招待された子供達の素晴らしいキャラ。工場で働く小さな「ウンパ・ルンパ」の濃さ。クルミを割るリスたちの生真面目さ。 どれも完成度の高い出来。充実した映画。2006-02-19/k.m コメントをぜひ gecko 先日、たまたま視た『オースティンパワーズ』になんと「ウンパ・ルンパ」が出ていてビックリ!2006-03-06 (月) 16 06 52 k.m えっ!ホント2006-03-10 (金) 00 59 01 ...
  • イタリア旅行記/2000年12月26日
    イタリア旅行記/2000年12月26日 12月26日ヴェネツィア2日目。ヴェネツィア2日目はトレビソへ向かった。スカルパのブリオン・ヴェガを目指した。すでに感じはじめていたが、年末のしかもクリスマス時期にイタリアへ旅行したことは間違っていたかも知れない。25,26日は祝日でほとんどのお店は閉まっている。昨日もヴェネツィアで目指していたお店、飲食店、ことごとくすかされた。やや落ち込み、そして疲れも出てきたところだった。 トレビソへは30分くらいでいける。下調べでは結局行き方は分からなかった。バスを乗っていくことまでは分かったので、とりあえず近いのでいってみることにした。列車からの眺めはとても美しく、冬でも青々と草が生えている風景が、なんだか不思議だった。 トレビソへ着き、ATCVのオフィスを訪ね、紙に書いた文章で、聞いてみた。向こうも英語が分からないようで、困っていたが、...
  • トーク・トゥー・ハー
    トーク・トゥー・ハー 監督:ペドロ・アルモドバル 出演:レオノール・ワトリング/ハビエル・カマラ/ジェラルディン・チャップリン/パス・ベガ、ピナ・バウシュ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ Gシネマグループ 『オール・アバウト・マイ・マザー』もよかったが、こちらもシブくてクールな作品。 この映画に流れているエッセンスは、どこか仏教的なもののようでもある。それは、固定した実体ではないというあの「空」を思わせる。すべての事物や現象は、ほかの事物や現象が原因となって、そこに何らかの条件が働いた結果として成立しているのであって、決してそのものだけで独立しているのではない。相対的な存在として世界を認識していく方法だ。 それは宗教の世界だけでなく、普通に生活を送っていく上でベースになっているような考えでもある。前半部分ではむ...
  • 写真
    今までに取り上げた写真関連リスト 近況-2004-4-2004-6 MenuBar Self-Reference ENGINE photographers #039;gallery なぜ、植物図鑑か アンリ・カルティエ=ブレッソン サイト・グラフィックス展 シルバーウィークにアレコレ・感想4つ フォトグラファーの仕事 マーティン・パー写真展 ランドスケープ 柴田敏雄展 ヴォルフガング・ティルマンス展 写真展と写真集メモ 写真新世紀-2006 土田ヒロミのニッポン 映画と写真は都市をどう描いたか 最近の冬 東京国立近代美術館の写真作品 野口里佳の展示を見て 銀座で写真展2つ 写真-覚書 2013-07-16 片山博文「Facts in Flatness 」■アンドレアス・グルスキーが写真をデジタル加工し、コンセプチュアル性を高めているのに対し、彼は写真...
  • マトリックス レボリューションズ
    マトリックス レボリューションズ [監][総][脚]ラリー・ウォシャウスキー アンディ・ウォシャウスキー [製]ジョエル・シルバー [出]キアヌ・リーブス ローレンス・フィッシュバーン キャリー=アン・モス [制作データ] 2003米/ワーナー [上映時間] 129分 ついに見た。だが、3週目とはいえけっこう空いていた。ミラノ座の巨大な空間は埋まらず、今時この大きさがつらいのが目立っていた。僕も1,2作と先行ロードショーを見ていたのに、今回はそれがなかったのもあり、やや熱の冷めた状態でのぞんだ。 案の定、この終わりへと向かった展開はどうにもパワーダウンという感じで、「終わらせる」ことの難しさをみたような気がした。 そもそもマトリックスの魅力は、人間味のない演出で、あのパーティーにでも行くような「おめ...
  • 家族を容れるハコ家族を超えるハコ
    家族を容れるハコ家族を超えるハコ 上野千鶴子著 \2,200 平凡社 東雲キャナルコート あまり関係ないけど模型による住宅のスタディーなども。 この本を読んでいると、住宅を考えるときの問題点が、もはや弱者(育児・介護など)を取り入れたときのそれに集約されているのだということに気がつく。それ以外の家族形態については、どのような家にだって生活は可能であり、それについて深く思考することを必要としていないようだ。建築家の作る住宅と言うのは、後者のケースがほとんどで、言い換えれば、どの様な家にだって住める人達のための建築ということになる。 確かにそのような前提があってこそ、純粋に建築としてのたち現れ方、行為という細分化された空間単位に連続性をもってデザインすることの条件が整っているかのようにも見える。社会学的な視点を...
  • ヴァージン・スーサイズ
    コミュニケーションの断絶と監禁された女の子 監督・脚本:ソフィア・コッポラ 製作:フランシス・フォード・コッポラ、ジュリー・コスタンゾ、ダン・ハルステッド、クリス・ハンレイ 出演:キルステン・ダンスト、ハンナ・ハル、チェルシュ・スウェイン、A・J・クック、レスリー・ヘイマン、ジョシュ・ハートネット、ジェームズ・ウッズ、キャサリン・ターナー、ダニー・デビート、スコット・グレン、マイケル・パレ 99年アメリカ作品1時間38分 昨日見た「ロスト・イン・トランスレーション」が気になった。なのでソフィア・コッポラのデビュー作を見ることにした。5人姉妹が皆自殺してしまうという凄まじい話。結構話題になっていたような。「ロスト・・」と同様に女の子が(半ば監禁された)部屋の中から外を眺めているシーンが多い。 ソフィア・コッポラは2作において...
  • マリオ・ジャコメッリ展
    マリオ・ジャコメッリ展 imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (03.jpg) また見つかった、永遠が。 会期:2008年3月15日(土)~5月6日(火) 会場:東京都写真美術館2階展示室 イタリア北東部のセニガリア生まれ。ほとんどの作品をその街で撮り続けたアマチュア写真家。まとまった展覧会としては日本初だそう。 すばらしい写真ばかり。とても強いコントラストで画面が白く浮き立ち、人物が地についてなく幻想的な像を作っている。しかも細部がきっちり写っているのでリアリズム色は強い。だからこそ詩的な情景となって迫ってくる。危険なまでの美しさを感じる作品たち。 セルフタイマーで撮られたシリーズ「この憶い出を君たちへ」は、同時期に開催されていたシュルレアリスムの写真群よりも、はるかにシュールで...
  • ロンドン・パリ旅行記/2000年1月31日-パリ2日目
    2000年1月31日-パリ2日目 どうやら明日はゼネストがあり、地下鉄やバス、タクシーですらほとんどつかまらないそうだ。とりあえず動きやすい今日の内に比較的外側へ行こうと、まずはコルビュジェ財団ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸へ。途中キュビズム的ファサードの建物を見つつ迷いながら到着。コルビュジェのピュリスム的純粋幾何学の構成を、ピロティや連続水平窓などの新しい建築言語によって造られた最初の例として位置づけられている。 銀行家ラ・ロッシュ邸の玄関を入ると3層吹抜けホールがある。今でこそモダニズムの構成として珍しくない造り。3階まで上がって行きながら様々な角度で展開する。新しく空間を構想する時のような、素直な興奮に見舞われる。ギャラリーへと降りるスロープ、さほど大きくない住宅だが視線が様々に抜けていく。広がりと連続感。 ここからはしばらく歩いた。マレ・ステヴァン...
  • フランス映画史の誘惑
    フランス映画史の誘惑 中条省平著 集英社新書 0179 \760 映画を見るのには体力がいる。2時間近い間(最近では3時間超えも多い)じっとして集中力を高めなくてはいけない。緊張感をたもち流れをつかみ、時に監督の意図を読み、時にシチュエーション独自の空気を読み。そのようにしてある「ふんぎり」のようなものを必要とすからだ。それでも映画には魅了される。いや、それだからとも言える。 字幕はさらに体力を要する。絵と文字を同時に追い、両者の伝える像を一瞬にして読みとる能力。では日本映画は楽かといえばそうでもない。字幕の要らないぶん、また描かれる環境、人物が身近な存在だけに、感情の細部に至るまで徹底して読んでしまうから、かえって疲れるのだ。そしてまた魅了される。 フランス映画は特にやっかいだ。絵と字幕のコンビネーションへさらに...
  • ラスト・ワルツ
    ラスト・ワルツ 島田虎之助 本体1300円 A5判並製 装幀 南伸坊 「エンリケ小林のエルドラド」 「ユーリー・ガガーリンの赤い地球」 「モントリオールの聖アレクサンダー」 「丸太の王エリクソン」 「ミムラアサオ・ノスタルジア」 「シャングリラのアメリカ人」 「広島の聖アレクサンダー」 「インタビュー・ウィズ・ログ・キャプテン」 「火山の下で」 「イワン・イワノビッチの青い地球」 「ラスト・ワルツ」 ほのぼのした絵(ちょっと手塚風で、ノスタルジックでもある)に緻密なストーリーが思わぬコントラストを持った作品。正直ストーリーはちょっと懲りすぎにも思えたが、あえてそこへ挑む意気込みを感じた。作者自身、草サッカーのチームメイト「キャ...
  • 展示
    今までに取り上げた展示リスト 「サウンディング・スペース─9つの音響空間」 「ワラッテイイトモ、」 「冒険王・横尾忠則」展 「屋上庭園」展 おたく:人格=空間=都市 アンダー・コンストラクション−アジア美術の新世代 アンリ・カルティエ=ブレッソン アーティスト・ファイル2011―現代の作家たち アート・リテラシー入門 ガール!ガール!ガール! ゲルハルト・リヒター展 サイト・グラフィックス展 サイレント・ボイス シルバーウィークにアレコレ・感想4つ シンガポールビエンナーレ2011 ジャン・ヌーベル展 スーパーフラット ダイアログ・イン・ザ・ダーク ダニエル・リベスキンド展 テクノ・ランドスケープ テレビ朝日を見学 トレース・エレメンツ ノマディック美術館 パワー・オブ・シティ展 ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー マリオ・ジャコメッリ展 ルノワール+ルノワール ヴェル...
  • クロエ
    クロエ 2001日本/サンセントシネマワークス 監督・脚本:利重剛 製作:塩原徹/長瀬文男/仙頭武則/松下晴彦 脚本:萩生田宏治 撮影:篠田昇 音楽:今野登茂子 出演:永瀬正敏/ともさかりえ/塚本晋也/松田美由紀/鈴木卓爾/福崎和広/西島秀俊 シアターイメージフォーラムへ来たのは初めて。高崎さんの設計した建築は、思ったほどこじんまりして、彼の作品であるのかも疑わしい。やはり都心の過密した与条件の中で個性を出すには、現代建築に許されたボキャブラリーはもはや狭いものなのかと思った。 小説「うたかたの日々」を利重監督は現代日本の架空都市に舞台を移して表現した。冒頭に「この映画は原作の忠実な再現ではない」といった「うたい」があったが、むしろ意匠を変え、舞台を変えたこの作品には、充分に...
  • :近況-2004-7-2004-12
    近況-2004-7-2004-12 2004-12-23 相対的浮世絵●久々にお芝居を観た。三茶で。「相対的浮世絵」 作・演出:土田英生。20年前、親友と弟を見殺しにしてしまった。親友と共に、死んだずの二人から夜の墓地に呼び出される。他愛無い昔話に興じる4人。二人が死ぬ事なった事件については触れようとしなかった・・・。かなりヒット。タイトルもシブイ。死者。他者。過去。記憶。恨み。和解。途方。黄昏。終了。お気に入りの映画監督である、大谷健太郎の新作ではこの土田さんのお芝居が映画化されている。さっそく近日シネクイントに行こう。 2004-12-20 星野智幸●なんだかんだと5冊目。「ロンリー・ハーツ・キラー」に入りました。そして今日アマゾンから過去の著作3冊届きました。もう、とことん魅了されています。「どういいのか」を考えるよりも、ただこの文体に「ひたって」いたいです。●とこ...
  • メメント
    メメント サンダンス映画祭 最優秀脚本賞受賞 監督:クリストファー・ノーラン 出演:ガイ・ピアース、キャリー=アン・モス 配給:アミューズピクチャーズ http //www.otnemem.jp/ 結構話題になっているようで、単館上映としては大ヒットと言われている作品です。パルコだと、「バッファロー66」のヒットが思い浮かばれますが、それ以上との噂も聞きます。それでも1週間前から席を予約していたので(とっても便利!)、上演15分前くらいに行くと、やはり「立ち見になります」、という勢いだった。「リザーブ客はこちらです」と優先され、そんな人達はわずか5,6人程度。 いきなりクライマックスから始まるこの映画は、常に時間軸が逆に進んでいく。そのことだけは、前もって聞いていたため、違和感なく入れたが、かなり込み入って...
  • 花とアリス
    花とアリス 監督: 岩井俊二 出演:鈴木杏 、蒼井優 、郭智博 、相田翔子 、阿部寛 ショートフィルムとしてウェブで配信されていた作品の劇場公開版という性格か、サザエさんみたいに断片的なつながりがあって面白いしそれが監督のウリか。 岩井作品は「リリィ・シュシュのすべて」でひとつの極限に達したと思ったけれどあの映画を好きか嫌いか、興味あるかないかで、結構分かれるものがあって、それはなにか僕らが抱えるものをシンクロさせていると思わせたかどうかということだったような。 かつて助監督をしていた行定監督がどんなに大きな仕事をしても、こんな映画は撮れないと思う。あるいはめざすところが違うのだろうけど、どちらと言えば「春の雪」よりは面白かったと思う。2006-02-26/k.m コメントをぜひ ...
  • ロンドン・パリ旅行記/2000年2月2日-パリ最終日
    2000年2月2日-パリ最終日 本日17時でパリは最後。朝から、パリの外れ、ラ・デファンス地区を目指す。ここは、地下へ自動車交通を流し、地上の人工地盤には散策の場をもたらすなどの、かつてコルビュジェが提案した「300万人の現代都市」への強い模倣が見られる。もっとも、コルビュジェの生前から始められたにも関わらず、この開発へ声が掛からないほど、当時のフランス官僚へ嫌われていたようだ。 コルビュジェ自身も、パリ博覧会で「現代都市」を発表した頃とは、考えも、目指す建築にも変化が出ていたので、あまり興味は無かったのかも知れないが。ヨハン・オットーらによって設計されたグラン・アルシュ。ここから始まり、エトワール凱旋門を抜け、シャンゼリゼを通ってルーブル美術館へ至る軸線は、パリの都市軸として、強烈な印象を与えられる。 バスへ乗り、アラブ世界研究所へ。アラブ的な模様のダ...
  • 2003年ベスト
    2003雑感 今年はwikiを使ってサイトを構築し、それまでのやり方と大きく変わった。更新が楽だということが、「サイトする」ことの意識をも変えていった。 ひとつは「近況」として日記的な書き込みを継続していけたこと。これはウェブログという形式が主流を占めつつある状況の中で、むしろ旧来のウェブ日記をしているという感覚だった。そして個人日記というメディアに対して考えさせられる出来事でもあった。「はてな」を中心に広がっているブログは、2度目の個人サイトブームを引き起こし、ある決まったメンバーによる思考の流れがとても視覚化された状況をつくっている。もはやそれらとの距離感によってしか、自分のサイトを位置づけるこが出来ないかのようでもあり、やや息苦しさを感じている方も多いのではないか。 もうひとつは、すべてのページにコメント欄をもうけられたことにより、3年前に書いたノートが再び話...
  • スペイン-ポルトガルを探る場所-映画編
    imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 まだ行ったことのない国を旅行する際、いきなりガイドブックのたぐいを見てしまうと、細かく配置されたイメージの洪水へお腹いっぱいになってしまう。自分はむしろ活字から入ることで、記憶に残っているイメージを頼りに膨らませていくほうが自然なようだ。 映画はイメージの洪水にはならない。スペイン、ポルトガルには素晴らしい映画がたくさんある。けれどまとめて見るにはそれなりのテンションを必要とするものばかりだ。映画や文学はラテンアメリカのそれと切り離せないのも特徴だ。そこには両者の関係の複雑さが象徴されている。 もっとも、まず現地へ行き興味を持つことで、その後調べたりする。何度も気軽に行ける生活を手に入れていればそれでもよいのだけど・・。そんな貧乏根性...
  • コンテンツの思想
    コンテンツの思想 コンテンツの思想―マンガ・アニメ・ライトノベル 東 浩紀(著) 青土社 今年、非常に多くの著作を出している東浩紀。今のところ全て購入しているものの、『ゲーム的リアリズムの誕生』でちょっと挫折。それから遠ざかっていた。けれどこの本は分かりやすく(対談なので)、久しぶりに「面白い」と感じた。この勢いで残りも読み進みたい。 オタク文化を捉えてポストモダン社会全般に通じる「動き」を見出す『動物化するポストモダン』は鮮やかだったけど、次第にライトノベルとかゲームなど細部の話しに入ってしまうと分からなくてつまらなかった。この本ではそんな細部よりも一般性のある話題が中心になっていてよい。 (自分が好きだと感じられる)批評とは「今」を切り取る作業で、普段漠然と感じていることなどを明確な形でしかも角度を変えた鮮やか...
  • スクール・オブ・ロック
    スクール・オブ・ロック 監督:リチャード・リンクレイター 製作:スティーヴ・ニコライデス/スコット・アヴァーサノ 製作:スコット・ルーディン 出演:ジャック・ブラック/ジョーン・キューザック/サラ・シルヴァーマン/ジョーイ・ゲイドス・ジュニア/ケヴィン・クラーク/ロバート・ツァイ 2003米/UIP SPA!の映画評で中原昌也がいつになく自虐ネタも入れずに褒めちぎっていた作品だったので、ずっと気になっていた。なんとか新宿武蔵野館にて見ることが出来た。予想以上に素晴らしい作品だった。はじめから終わりまで笑いっぱなしで、最後には泣けてしまう。まさにこれぞエンターテイメントだ。素晴らしい。 リチャード・リンクレイターの作品はまだ3つしか見ていないがどれも面白かった。その緻密な演出力は初のメジャー作品においても確実...
  • :近況-2005-2-2006-1
    2006-01-12 リア王●岩波文庫/シェイクスピア (著)/野島 秀勝 (翻訳)/映画『乱』の映像と重ねて読んでいたからか、すごく面白かった。さすが黒澤。さすがシェイクスピア。例えばボリス・ヴィアン『うたかたの日々』にインスピレーションを得た映画『クロエ』のように(新旧めちゃくちゃw)、この作品はイワユル原作モノとは違う、あくまでもオリジナルだと思った。テクストはあくまでもイメージだ。原作に忠実な映画なんて基本的にありえない。それにしても。翻訳ものは苦手なんだけど、これはとても美しい日本語のリズムだ。激しい罵倒がまるで妖艶な歌のように響く。憎しみ合うさまが濃密に絡みつく。全てが夢のようにリアルではかない感じだ。 2006-01-11 買いすぎ●最近、本屋へ行くたびに何か買ってしまう。今月は文芸誌が面白そうだったし、とか。文藝と新潮2冊。星野智幸の自作解説は面白かった。小...
  • デカメロン
    デカメロン 監督・脚本:ピエル・パオロ・パゾリーニ 原作:ジョヴァンニ・ボッカチオ 出演:フランコ・チッティ、ニネット・ダヴォリ、アンジェラ・ルーチェ 1970年/イタリア映画 ドストエフスキー以後、文学者がキリストに向かうにはドスト氏を避けて通れないという意味では、確かにパゾリーニの作品にはドスト氏の影響は大きく深いものがあると思います。が、わたしは、ドストエフスキー文学のもうひとつの特徴である「青年の問題」、すなわち、若い世代が混乱の同時代に深くコミットして悲劇的な物語を辿る、そのモチーフもパゾリーニ作品に色濃いような気もしています。(リンク元) デカメロンをみる。 中世の作家ボッカッチョの有名な小説を原作にした7つの物語に、パゾリーニ自身が出演するエピソードを含む2つのオリジナルの挿話を加えた、9つの話...
  • :近況-2006-4-2006-7
    2006-07-22 下北沢で久しぶりに飲んだ。いつ来ても和める街だ。渋谷のようにオジサンがいないからだろうか。自分はオジサンにはならないという変な自信があるのだけど、そういう私を若い人はオジサンだと思うかもしれない。下北沢は、そんな気分だけの自称を問わない若者ばかりが集まっている街だと思う。2件目のバーは狭くてものがぎっしり詰まった「らしい」場所。80年代のミュージック・ビデオをノンストップで流していた。 2006-07-21 某・デザイン業務コンペの2時審査。正直こんな規模のがきたらどの様に動かしていくのか不安。もはや広告代理店のような役目であって、建築家のする仕事なのだろうかとも疑問。けれどモノをコツコツ作っていくことだけが建築的な思考でなくなっていることは、自分の仕事暦を見てもあきらか。そこを立脚点とすることが生き残っていく術でもあるのだろう。その話になると建築家という存...
  • @wiki全体から「パトリス・ルコント」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索